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家庭用品T
 
【発明の名称】鋏
【出願人】
【識別番号】513033607
【氏名又は名称】西尾 正広
【住所又は居所】石川県七尾市熊淵町ラ部45番地
【代理人】
【識別番号】100088133
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 正道
【代理人】
【識別番号】100173989
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 友文
【発明者】
【氏名】西尾 正広
【住所又は居所】石川県七尾市熊淵町ラ部45番地
【要約】
【課題】 引き切り作用が良好で、刃部の開閉切断操作が容易で確実となる新規な鋏の構成を提供せんとする。
【解決手段】 一対の鋏部材2が操作環部3と刃部4に分割されている、前記操作環部3を互いに交差させ回動自在に連結して支点軸5とし、先部を前記各刃部4、の基部と互いに回動自在に連結して作用軸6とした。前記各刃部4、4は内側へ反った弧状と成し、外側縁に刃42を形成した。各刃部4、4には刃42、42の弧状に沿った溝43、43が形成され、互いの刃部4,4が交差する溝重合部に、各溝43、43内を摺動可能な係止部材7を装着した。一方、前記作用軸6には連結片8,8の一端を回動可能に軸着し、他端は互いに回動可能に軸着すると共に、位置決め片のガイド溝91、91を摺動するガイド軸10とした。また、前記支点軸5は前記位置決め片9にも軸着し、前記ガイド溝91、91及び前記係止部材7と一直線上に位置する。さらに、前記作用軸6より刃先側において、前記刃部4、4と位置決め片9とを互いに回動自在に連結して回動軸11とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の鋏部材が操作環部と刃部に分割されていること、前記操作環部を互いに交差させ回動自在に連結して支点軸とし、先部を前記各刃部の基部と互いに回動自在に連結して作用軸としたこと、前記各刃部は内側へ反った弧状と成し、外側縁に刃を形成したこと、各刃部には刃の弧状に沿った溝が形成され、互いの刃部が交差する溝重合部に、各溝内を摺動可能な係止部材を装着したこと、
一方、前記作用軸には連結片の一端を回動可能に軸着し、他端は互いに回動可能に軸着すると共に、位置決め片のガイド溝を摺動するガイド軸としたこと、
また、前記支点軸は前記位置決め片にも軸着し、前記ガイド溝及び前記係止部材と一直線上に位置すること、
さらに、前記作用軸より刃先側において、前記刃部と位置決め片とを互いに回動自在に連結して回動軸としたこと、
を特徴とする鋏。
【請求項2】
位置決めガイドが支点軸と長孔で連結されていることを特徴とする請求項1記載の鋏。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、鋏に関し、鋏の開閉作用を容易におこなえることを目的にしたことに関するものである。
【背景技術】
従来の鋏の基本構造は、切断用の刃を有する2枚の第一鋏部材及び第二鋏部材を刃部がかみ合うように重ね合わせ、前記刃部の操作部側(非刃先の方向)の位置に設けられた支点となる固定部材で前記両者の刃部が回動自在になるように固定したものである。
そして、その切断は、前述の2枚の第一鋏部材及び第二鋏部材の刃先をかみ合わせ、そのかみ合わせ位置で、両者の刃により挟み込むように押し切りしていた。
また、実用新案登録第3000505号公報では、前記第一鋏部材の支点の位置を移動させる移動用貫通孔を第一鋏部材に設け、該移動用貫通孔は前記固定部材で摺動自在に固定され、前記支点移動の範囲及び第一鋏部材の刃と第二鋏部材の刃の摺動切断範囲及びかみ合わせの同期を定める手段を第一鋏部材及び第二鋏部材に設けることにより、第一鋏部材の刃は、切断時に物を引き切りするように動き、第二鋏部材の刃とかみ合う位置から切断する物がずれないように押さえ込みながら引き切るので、切断する物の表面が滑りやすくても、切断しやすくすることが開示されている。
さらに、特開平8−126777号公報では、動刃(第一鋏部材)および静刃(第二鋏部材)の刃先線を両者とも同一方向に円弧状に反り返らせることにより、両刃が噛合った切断時に例え髪の毛のような逃げ易いものであっても、内弧状の反り返り刃で受け取り逃さずに切断できるようにし、これによって髪の毛であっても所望の直線状に切断できるようにしたことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】実用新案登録第3000505号公報
【特許文献2】特開平8−126777号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
従来の基本的な鋏における切断は、2枚の第一鋏部材及び第二鋏部材の刃先をかみ合わせ、そのかみ合わせ位置で両者の刃により挟みこむように押し切りしていたため、表面が滑りやすい物を切断する時には、両刃がかみ合う位置から切断物がずれていくため、切りにくくなるという問題点があった。
また、上記先行文献よりもより引き切り作用が良好で、刃部の開閉切断操作が容易で確実となる新規な構成を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
本発明の鋏は、一対の鋏部材が操作環部と刃部に分割されていること、前記操作環部を互いに交差させ回動自在に連結して支点軸とし、先部を前記各刃部の基部と互いに回動自在に連結して作用軸としたこと、前記各刃部は内側へ反った弧状と成し、外側縁に刃を形成したこと、各刃部には刃の弧状に沿った溝が形成され、互いの刃部が交差する溝重合部に、各溝内を摺動可能な係止部材を装着したこと、一方、前記作用軸には連結片の一端を回動可能に軸着し、他端は互いに回動可能に軸着すると共に、位置決め片のガイド溝を摺動するガイド軸としたこと、また、前記支点軸は前記位置決め片にも軸着し、前記ガイド溝及び前記係止部材と一直線上に位置すること、さらに、前記作用軸より刃先側において、前記刃部と位置決め片とを互いに回動自在に連結して回動軸としたこと、を特徴とするものである。
本発明の請求項2の鋏は、請求項1の発明において、支点軸は位置決め片の長孔に軸着して連結されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
本発明の鋏は、一対の鋏部材が操作環部と刃部に分割し、操作環部に支点軸を設け、刃部に作用軸と回動軸を設けたため、操作環部の開閉操作を刃部の作用軸に作用させ、回動軸を中心に刃部を回動させて刃同士を開閉させる伝達構成としたため、操作環部の開閉が刃部へ間接的に伝わり、且つ支点軸や回動軸の位置設定で、切断力の強化や開閉操作の負担を軽減させる効果がある。
前記各刃部は内側へ反った弧状と成し、外側縁に刃を形成したため、挟んだ刃で共に引き切る動きとなって、確実容易に切断できる効果を有する。
各刃部には刃の弧状に沿った溝が形成され、互いの刃部が交差する溝重合部に、各溝内を摺動可能な係止部材を装着したため、係止部材が切断部分の刃部を押さえながら開閉し係止部材は交差部の進退と共に移動して交差部の位置決めと安定を図る効果がある。
前記作用軸には連結片の一端を回動可能に軸着し、他端は互いに回動可能に軸着すると共に、位置決め片のガイド溝を摺動するガイド軸としたこと、また、前記支点軸は前記位置決め片にも軸着し、前記ガイド溝及び前記係止部材と一直線上に位置することで、操作環部の開閉操作を確実且つ円滑に刃部に伝達し、刃部の互いの位置関係を安定させて開閉運動を行なえる効果を発揮するものである。
ガイド溝は操作環部及び刃部の開閉範囲を規制し定め、ストッパーとしての作用効果を発揮し、支点軸、ガイド溝及び前記係止部材とが一直線上に位置することで、操作環部と刃部との位置関係が決定し左右の動きを反対方向に同一に規制する作用効果を発揮するものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明の効果に加えて、支点軸は位置決め片の長孔に軸着して連結されているため、各部の軸の位置ずれ等にも微調整して円滑な開閉、回動及びガイド作用を行なう効果を発揮する。
【発明を実施するための形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の鋏の一実施の形態を示す平面図である。
鋏1は一対の鋏部材2、2より成り、各鋏部材2、2は操作環部3、3と刃部4、4に分割して構成されている。
前記操作環部3、3は、中間部で互いに交差させ重合する支点用孔31に回動自在に支点軸5を軸着して連結し、先部は連結用孔32、32と前記各刃部4、4の基部に設けた連結用孔41、41と互いに回動自在に作用軸6、6を軸着して連結されている。
したがって、操作環部3、3の操作環33、33に指を挿入して開閉操作をすることで、作用軸6、6によって各刃部4、4が従動して開閉運動を為すものと成る。
各刃部4、4は前記操作部3,3と連結した状態で、内側へ反った弧状を成し、外側縁に刃42、42が形成され、刃部4、4の平面には刃42、42の弧状に沿った溝43、43が形成されている。
また、刃部4、4は互いに交差するように位置決めし、交差する互いの43、43が重合する部位に、各溝43、43内を摺動可能な係止部材7の例えば軸ピンが装着されている。
したがって、刃部4、4は、交差する互いの溝43、43が重合する部位に、各溝内43、43を摺動可能な係止部材7で連係されているため、前記作用軸6、6から各刃部4、4が従動して開閉運動が伝わり、刃42、42が交差部位を移動しながら切断作用を成す。
そして、刃42、42の交差部を係止部材7が摺動する事で、開閉に対応し離反を防止して切断作用を強化し、弧状に形成した刃42、42は引き切る動きとなるものである。
一方、前記操作環部3、3と前記各刃部4、4を軸着した前記作用軸6、6には連結片8、8の一端も回動可能に軸着してあり、各連結片8、8の他端を互いに回動可能に軸着すると共に、該軸は位置決め片9のガイド溝91を摺動するガイド軸10と成っている。
さらに、位置決め片9は十字状の形状を成し、長手部の一端にガイド溝91が形成され、他端の連結孔92には前記支点軸5が軸着してあり、ガイド溝91と連結孔92は一直線上に位置するため、ガイド軸10と支点軸5も一直線上に位置するものとなる。
したがって、作用軸6、6は互いに反対方向へ同等の開閉作用を滑らかに成すものとなる。
また、刃部4、4の作用軸6、6より刃先側において形成した回動用孔44、44と、前記位置決め片9の短手部の両端の連結用孔93、93とを互いに回動自在に軸着して回動軸11、11としてある。
したがって、支点軸5と回動軸11、11の位置が固定され、作用軸6,6によって確実に刃部4、4を回動させるものである。
そして、刃部4、4の溝43、43及び/又はガイド溝91によって操作環部3、3の開閉操作範囲及び刃部4、4が従動して刃42、42の交差部位の移動切断範囲を規制することができる。
また、位置決め片9の長手部に形成し、支点軸5が軸着する連結孔92を長孔として余裕を持たすことによって、各部材の連結位置や各溝の関係に誤差が生じても、滑らかな動きに操作環部3、3の開閉操作及び刃部4、4の従動を滑らかな動きに是正することができる。
以上のように、本発明を図面に基づいて説明した実施の形態における具体的構成は一例であり、同様の作用効果を得られる他の構成又は手段を排除するものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す平面図である。
【図2】操作環部の一実施の形態を示す平面図である。
【図3】刃部の一実施の形態を示す平面図である。
【図4】位置決め片の一実施の形態を示す平面図である。
【符号の説明】
1 鋏
2 鋏部材
3 操作環部
4 刃部
5 支点軸
6 作用軸
7 係止部材
8 連結片
9 位置決め片
10 ガイド軸
11 回転軸
31 支点用孔
32、41、93 連結用孔
33 操作環
42 刃
43 溝
44 回動用孔
91 ガイド溝
92 連結孔
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
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