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【発明の名称】芳香発散具 【国際特許分類】 A45D 34/02 (2006.01) A44C 25/00 (2006.01) 【FI】 A45D 34/02 510B A44C 25/00 Z 【早期審査対象出願】 【特許権者】 【識別番号】509082374 【氏名又は名称】森岡 政信 【住所又は居所】東京都品川区南大井5−14−13−103 【代理人】 【識別番号】110001793 【氏名又は名称】弁理士法人パテントボックス 【発明者】 【氏名】森岡 政信 【住所又は居所】東京都品川区南大井5−14−13−103 【要約】 【課題】希望する芳香の程度を無段階で調節可能な芳香発散具を提供する。 【解決手段】 リング状部材と、前記リング状部材の内周側の所定の位置に設けられた第1の連結部材と、前記リング状部材の内周側の前記所定の位置と対向する位置に設けられた第2の連結部材と、前記第1の連結部材と前記第2の連結部材との間に保持され、芳香剤を収納する容器と、を有し、前記第1の連結部材には第1の孔部が設けられており、前記容器には第2の孔部が設けられており、前記容器は、高さ方向の軸に対して回動可能に構成されており、前記容器の回動によって前記第2の孔部の開閉の程度が調整可能に構成されている、芳香発散具。 【選択図】図1 【特許請求の範囲】 【請求項1】 芳香発散具であって、当該芳香発散具は、 弾性部材で形成されたリング状部材と、 前記リング状部材の内周側の所定の位置に設けられた第1の連結部材と、 前記リング状部材の内周側の前記所定の位置と対向する位置に設けられた第2の連結部材と、 前記第1の連結部材と前記第2の連結部材との間に保持され、芳香剤を収納する容器と、 を有し、 前記第1の連結部材には第1の孔部が設けられており、 前記容器には第2の孔部が設けられており、 前記容器は、高さ方向の軸に対して回動可能に構成されており、前記容器の回動によって前記第2の孔部の開閉の程度が調整可能に構成されており、 前記リング状部材の外面を前記リング状部材の中心側に向かって押圧することで、前記リング状部材が弾性変形して、前記容器が前記芳香発散具から取り外し可能となるように構成されている、 芳香発散具。 【請求項2】 前記第1の連結部材は、円錐台状の部材を有し、該円錐台状の部材の傾斜部に、前記第1の孔部が設けられており、 前記容器は、円錐台状の部材を有し、該円錐台状の部材の傾斜部に、前記第2の孔部が設けられている、 請求項1に記載の芳香発散具。 【請求項3】 前記容器内には、芳香剤を吸収保持する多孔質材が設けられている、 請求項1に記載の芳香発散具。 【請求項4】 前記容器内には、前記多孔質材を包む発泡反発材が設けられている、 請求項3に記載の芳香発散具。 【発明の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本発明は、芳香発散具、より具体的には、使用者が発散される芳香の程度を容易に変更可能である芳香発散具に関するものである。 【背景技術】 【0002】 香水は、通常、使用者の首元や手首等の身体の一部や、アクセサリー等の装着品に直接噴霧する方法で使用されている。発散芳香の程度は、噴霧される香水の量に依存するため、上記方法では、発散芳香の程度を変更することは困難であった。 【0003】 上記問題点を解決するために、例えば特許文献1には、芳香発散の程度を調節可能である芳香発散具が開示されている。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0004】 【特許文献1】 実開昭63−123120号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかしながら、特許文献1に記載された芳香発散具は、香水を吸収体に滴下する際に、本体から蓋を外す等の作業が必要であった。また、香水の発散及び停止を、孔の全開又は全閉で実施するため、希望する芳香の程度を段階的に調節することは困難である等の問題点を有していた。 【0006】 そこで、本発明は、希望する芳香の程度を無段階で調節可能な芳香発散具を提供することを目的としている。 【課題を解決するための手段】 【0007】 前記目的を達成するために、本発明の芳香発散具は、 リング状部材と、 前記リング状部材の内周側の所定の位置に設けられた第1の連結部材と、 前記リング状部材の内周側の前記所定の位置と対向する位置に設けられた第2の連結部材と、 前記第1の連結部材と前記第2の連結部材との間に保持され、芳香剤を収納する容器と、 を有し、 前記第1の連結部材には第1の孔部が設けられており、 前記容器には第2の孔部が設けられており、 前記容器は、高さ方向の軸に対して回動可能に構成されており、前記容器の回動によって前記第2の孔部の開閉の程度が調整可能に構成されている。 【発明の効果】 【0008】 本発明の一実施形態によると、希望する芳香の程度を無段階で調節可能な芳香発散具を提供することができる。 【図面の簡単な説明】 【0009】 【図1】本発明の一実施形態に係る芳香発散具を説明するための概略側面図である。 【図2】本発明の一実施形態に係る芳香発散具を説明するための概略平面図である。 【図3】本発明の一実施形態に係る芳香発散具を説明するための概略正面図である。 【図4】本発明の一実施形態に係る芳香発散具から本体を外した場合における、概略正面図である。 【図5】本発明の一実施形態に係る芳香発散具の概略斜視図である。 【図6】本発明の一実施形態に係る芳香発散具の概略分解図の一例である。 【図7】本発明の一実施形態に係る本体の一部の概略分解図の一例である。 【図8】本発明の一実施形態に係る芳香発散具の装着例を説明するための概略図である。 【発明を実施するための形態】 【0010】 以下、本発明の一実施形態に係る芳香発散具について、図面を参照して説明する。 【0011】 (全体構成) 図1に、本発明の一実施形態に係る芳香発散具を説明するための概略側面図を示し、図2に、本発明の一実施形態に係る芳香発散具を説明するための概略平面図を示し、図3に、本発明の一実施形態に係る芳香発散具を説明するための概略正面図を示す。図4に、本発明の一実施形態に係る芳香発散具から本体3を外した場合における、概略正面図を示す。なお、図1に示す本実施形態に係る芳香発散具は、厚さ方向、幅方向、高さ方向のそれぞれの方向の軸に対して対称であり、高さ方向の上部側の一部において、図2のA−A線概略断面図を示している。 【0012】 図1乃至図3に示されるように、本実施形態に係る芳香発散具100は、リング状部材1と、このリング状部材1の内周側の対向する位置に設けられた連結部材2、2’と、香水の吸収体9を内包する本体3とを有し、連結部材2は本体3の上部端部11とリング状部材とを連結し、連結部材2’は本体3の下部端部11’とリング状部材とを連結するよう構成されている。なお、連結部材2,2’は、本体3をリング状部材の中心の所定の位置に保持すると共に、本体3を高さ方向の軸に対して回動可能となるように保持している。 【0013】 各々の構成要素について、下記に詳細に説明する。 【0014】 図5に、本発明の一実施形態に係る芳香発散具の概略斜視図を示し、図6に、本発明の一実施形態に係る芳香発散具の概略分解図の一例を示し、図7に、本発明の一実施形態に係る本体の一部の概略分解図の一例を示す。なお、図7においては、本体3における、外ケース7、内ケース8及び多孔質材9のみを示している。 【0015】 リング状部材1は、ゴム、プラスチック、金属又は竹等の所定の弾性率を有する弾性部材で形成され、外周形状が、円形状又は多角形状を有する。 【0016】 連結部材2、2’は、リング状部材1の内周側の対向する位置に設けられ、本体3の上部端部11とリング状部材とを連結し、連結部材2’は本体3の下部端部11’とリング状部材とを連結するよう構成すれば、特に限定しないが、図1乃至図3に示す例では、連結部材2は、一方の端部(上部端部)が閉じた略筒状構造を有し、頂部2a及び傾斜部2bを有する外形が円錐台状の部材と、外形が円柱形状の下端部2eとが一体的に形成された形状を有し、傾斜部2bには、第1の孔部2cが1つ又は複数設けられている。 【0017】 第1の孔部2cは、連結部材2の高さ方向全体に亘って形成されており、第1の孔部2cの形状は特に限定されないが、通常、円形等が採用される。 【0018】 また、連結部材2は、下端部2eの側面側に、連結部材2とリング状部材1とを接続するために、長穴2dが設けられたスプリング受け2fを有する。 【0019】 本体3は、香水の吸収体9を内包する収納容器であり、少なくとも上部蓋部となる上部端部11と、下部蓋部となる下部端部12と、吸収体9を覆うような内ケース8と、この内ケースを更に覆う外ケース9とを含むことが好ましい。 【0020】 吸収体9の材料としては、公知の多孔質材などの吸収体を使用することができるが、竹炭又は木炭を使用することが、竹炭及び木炭の利用用途を拡げることができるため、好ましい。 【0021】 吸収体9として比較的硬質な材料を使用する場合、エッジ欠け防止の目的、及び、内ケース8の内壁とのガタツキ防止等の目的で、ウレタンフォーム等の発泡反発材10で、吸収体9の少なくとも一部、例えば、吸収体9の両端面を除いた部分を被覆しても良い。また、吸収体9の端部には、後述する香水を滴下させた際の受け部となる凹部9aを設けても良い。 【0022】 また、内ケース8の上部端部及び下部端部には、1又は複数の凹部8a(切り欠き)を設けることが好ましい。 【0023】 上部端部11は、一方の端部(上部端部)が閉じた略筒状構造を有し、例えば、頂部11a及び傾斜部11bを有する円錐台状の部材と、円柱形状の下端部11eとが一体的に形成された形状を有し、傾斜部11bには、第2の孔部11cが1つ又は複数設けられている。 【0024】 なお、連結部2は上部端部11と係合するように、連結部2’は下部端部11’と係合するように、連結部2が両端部11、11’よりも少し大きいサイズで構成されている。 【0025】 第2の孔部11cは、連結部材2の高さ方向全体に亘って形成されており、第2の孔部11cの形状は特に限定されないが、通常、円形等が採用される。 【0026】 また、本体3を高さ方向の軸に対して回動した場合に、上面視で、第1の孔部2cの少なくとも一部が第2の孔部11cと重複する位置に、第1の孔部2c及び第2の孔部11cを配置する。なお、第1の孔部2c及び第2の孔部11cの孔径は、特に限定されず、同じ孔径であっても良いし、異なる孔径であっても良いが、同じ孔径とすることが好ましい。 【0027】 また、上部端部11の下端部11eには、内ケース8の凹部8aに係合する凸部11dを形成することが好ましい。 【0028】 本実施形態に係る芳香発散具100は、本体3が高さ方向の軸に対して回動可能に構成されており、本体3を高さ方向の軸に対して回動した場合に、上面視で、第1の孔部2cの少なくとも一部が第2の孔部11cと重複する位置に、第1の孔部2c及び第2の孔部11cが配置されている。そのため、本体3を高さ方向の軸に対して回動することで、第1の孔部2c及び/又は第2の孔部11cの開閉量を調節することができる。即ち、本実施形態に係る芳香発散具100は、希望する芳香の程度を無段階で調節可能である。 【0029】 より具体的には、本実施形態に係る芳香発散具100は、本体3の上部端部11が円錐台の形状を有し、その傾斜部11bには第2の孔部11cを複数設けられている。そして、円錐台の傾斜部11bは、略同じ傾斜角度を有する円錐台の傾斜部2bを有する連結部材2を通してリング状部材1の押圧荷重を受けている。そのため、外ケース7を回動させることで、連結部材2側の第1の孔部2cが固定側となり、上部端部11の第2の孔部11cが可働側となり、希望の開口率が達成されるため、希望する芳香の程度を無段階で調節可能である。なお、外ケース7の回動の際には、吸収体9及び発泡反発材10も同時に回動する構成であっても良いし、停止する構成であっても良い。 【0030】 また、第1の孔部2c及び第2の孔部11cは、各々1つの孔部でも良いが、複数の孔部とすることができる。これにより、各々の孔部から異なる香りのブレンド香水を発散することも可能である。 【0031】 本実施形態に係る芳香発散具100における、リング状部材1と、連結部材2とは、香水の不使用時(即ち、本体3を外している時)においても、脱着しないように固定することが好ましい。固定方法については、従来公知の方法を採用することができるが、本実施例においては、下記のようにした。 【0032】 先ず、リング状部材1の外周側の所定の位置であって、リング状部材1のリング中心を通る直線上で対向する位置に、位置決め突起4,4’を配置する。位置決め突起4は、例えば円柱形状を有し、リング状部材1と当接する側に溝4aと、側面側に凸部4bとが設けられている。 【0033】 そして、引っ掛け部5aが設けられたリング状の連結スプリング5を、連結部材2のスプリング受け2fの長穴2dに連結し、かつ、連結スプリング5が位置決め突起4(4’)の溝4aを通ると共に、凸部4bがリング内を通るように配置することで、連結スプリング5は、溝4aとリング状部材1との間に挟持され、リング状部材1と連結部材2とを、所定の位置に固定することができる。 【0034】 リング状部材1と連結部材2とが当接する位置(連結部材2の頂部2aの上側)には、ゴム等の反発材6を配置することが好ましい。反発材6は、例えば、連結部材2の頂部2aに固着させて配置することが好ましい。この反発材6により、本体3をリング状部材1から外した際に、連結部材2がリング状部材1から分離するのを防ぐことができる。 【0035】 (実施例) 次に具体的な実施例を参照して、本実施形態に係る芳香発散具100の使用方法等を説明する。 【0036】 (使用方法) 上記説明した芳香発散具100を使用する場合、先ずは、外ケース7を回動させて、連結部材2の傾斜面2bの第1の孔部2cを全開にする。そして、好みの香水をスポイト等で滴下させ、吸収体9に香水を吸収させる。使用の際には、上述の通り、外ケース7を回動させ、希望する芳香の程度を使用者の好みで調節する。なお、使用終了後は、外ケース7を回動させて第1の孔部2cを全閉する。 【0037】 (装着) 本実施形態に係る芳香発散具100は、紐などの係止具を使用して、公知のアクセサリー等の各種装身具に容易に装着可能である。図8に、本発明の一実施形態に係る芳香発散具の装着例を説明するための概略図を示す。 【0038】 図8は、上から順番に、例えばイヤリング12a、ネックレス12b、髪留め12cに芳香発散具100を装着した例であり、最下図は、係止具として紐13を使用した場合の固定方法を示す例である。図8に示すように、本実施形態に係る芳香発散具100は、公知のアクセサリー等にも容易に装着可能である。 【0039】 (吸収体9の交換) 香りの種類を変更するため、又は、吸収体9が目詰まりを起こして吸収体9を交換する際には、芳香発散具100の高さ方向に対して略直角方向からリング状部材1の外面をリング状部材1の中心側に向かって押圧する。これにより、リング状部材1が弾性変形するため、吸収体9を内包する本体3を取り出すことができる。 【0040】 そして、本体3の外ケース7の上部端部11を外して、発泡反発材10で覆われた吸収体9を取り出し、新しい吸収体9と交換する。この際、発泡反発材10毎交換しても良い。 【0041】 本体3の装着は、本体3を取り外した際と同様に、芳香発散具100の高さ方向に対して略直角方向からリング状部材1の外面をリング状部材1の中心側に向かって押圧して、本体3を装着する。 【0042】 以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した 実施形態の説明だけではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。 【符号の説明】 【0043】 1 リング状部材 2 連結部材(第1の連結部材) 2’ 連結部材(第2の連結部材) 2a 頂部 2b 傾斜部 2c 第1の孔部 2d 長穴 2e 下端部 2f スプリング受け 3 本体 4 位置決め突起 4a 溝 4b 凸部 5 連結スプリング 5a 引っ掛け部 6 反発材 7 外ケース 8 内ケース 8a 切り欠き 9 多孔質材 9a 凹部 10 発泡反発材 11 上部端部 11’ 下部端部 11a 頂部 11b 傾斜部 11c 第2の孔部 11d 凸部 11e 下端部 12a イヤリング 12b ネックレス 12c 髪留め 13 紐 100 芳香発散具 |
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