閉じる | ||
【考案の名称】割り箸 【実用新案権者】 【識別番号】500510618 【氏名又は名称】鎌戸 定弘 【住所又は居所】奈良県五条市山田町421−8 【代理人】 【弁理士】 【識別番号】100113859 【氏名又は名称】板垣 孝夫 【代理人】 【弁理士】 【識別番号】100068087 【氏名又は名称】森本 義弘 【代理人】 【弁理士】 【識別番号】100096437 【氏名又は名称】笹原 敏司 【代理人】 【弁理士】 【識別番号】100100000 【氏名又は名称】原田 洋平 【考案者】 【氏名】鎌戸 定弘 【住所又は居所】奈良県五条市山田町421−8 【要約】(修正有) 【課題】 口に当たる長さ範囲の周囲の角部を無くして円弧状に形成され、食事の際の使用感に優れた割り箸を提供する。 【解決手段】 針葉樹からなる原材料を用いて作られ一端から割り込みが入れられた箸材からなる割り箸4であって、原材料は含水率が5%以下となるように乾燥されており、箸材の他端側における2本の棒状部1a,1bの口に当たる長さ範囲の周囲の角部を圧縮成形により無くして円弧状に形成した。 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 針葉樹からなる原材料を用いて作られ一端から割り込みが入れられた箸材からなる割り箸であって、前記原材料は含水率が5%以下となるように乾燥されており、箸材の他端側における2本の棒状部の口に当たる長さ範囲の周囲の角部を圧縮成形により無くして円弧状に形成してなることを特徴とする割り箸。 【請求項2】 圧縮成形時の圧力は3〜5MPaであることを特徴とする請求項1記載の割り箸。 【考案の詳細な説明】 【技術分野】 本考案は、針葉樹を材料として作られた割り箸に関するものである。 【背景技術】 従来から割り箸は一般に杉、桧などの針葉樹を材料とし、一端から40mm前後を残して割り込みが入れられた箸材の他端側の周囲の角部を刃物で削り取り、面取りを行なっている物が多く知られている。 【考案の開示】 【考案が解決しようとする課題】 箸を使って食事するときに箸の周囲の角が口に当たっても痛くないように、上記のように箸材の他端側の周囲の角部を刃物で削り取って面取りを行なうのであるが、全ての箸がきれいに面取りされるのではなく、中にはひげ状の細い突起が飛び出したままになって残る物も生じるという問題がある。 本考案の目的は、このような課題を解決するものであり、従来のようなひげ状の細い突起が全く存在せず、口に当たる長さ範囲の周囲の角部を無くして円弧状に形成され、食事の際の使用感に優れた割り箸を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 本考案の請求項1に記載の割り箸は、針葉樹からなる原材料を用いて作られ一端から割り込みが入れられた箸材からなる割り箸であって、前記原材料は含水率が5%以下となるように乾燥されており、箸材の他端側における2本の棒状部の口に当たる長さ範囲の周囲の角部を圧縮成形により無くして円弧状に形成してなることを特徴とする。 請求項2に記載の割り箸は、圧縮成形時の圧力は3〜5MPaであることを特徴とする。 【考案の効果】 以上のように、本考案の割り箸は、含水率が5%以下の箸材を用い、箸材の他端側における2本の棒状部の口に当たる長さ範囲の周囲の角部を3〜5MPaの圧力による圧縮成形により無くして円弧状に形成してなることにより、従来のようなひげ状の細い突起が残ったままになるということがない。特に、割り箸として食事のために使用するまでの角部の復元が無く、また食事のために割り箸を使用して食事中における食べ物の中の水分を吸収しようとしても食事時間内において角部の復元が無い割り箸を提供できる。 【考案を実施するための最良の形態】 以下、本考案の一実施の形態を、図1〜図7を用いて具体的に説明する。 図において、1は一端から40mm前後を残して割り込みが入れられた一膳の割り箸の形に加工された箸材で、この箸材1は含水率が5%以下となるように乾燥された杉、桧などの針葉樹からなる原材料を用いて作られている。図1に示される箸材1は使用するために割った状態において一端から他端に向って全長に亘り周囲に角部が残った状態となるので、図2に示すローラ2による加工装置3により使用時において他端側から口に当たる長さ範囲の周囲の角部を無くすために滑らかな状態に加工しようとするものである。 前記ローラ2による加工装置3を用いた加工方法について述べると、上下2つのローラ2,2からなる加工装置3を左右に並べて互いにハの字型となるように傾け、この加工装置3に対して箸材1を水平に送り込んで、箸材1の他端側を上下のローラ2,2間に差し込む。そのとき、加工されようとする箸材1は先ず一方の加工装置3に送り込まれ、箸材1の2本の棒状部1a,1bはそれぞれの1組の対向する前記角部が上下のローラ2,2に接するように上下に位置がずれた状態となる。その状態で箸材1を前後に往復動させるとともに左右にひねるように往復回転させることにより棒状部1a,1bの1組の対向する角部を形成する木材の繊維が上下のローラ2,2により押し潰されて角部が無くなり滑らかな円弧状となる。一方の加工装置3による加工が終了すると、箸材1は一方の加工装置3から抜きとられ、他方の加工装置3に送り込まれ、箸材1の2本の棒状部1a,1bはそれぞれの他の組の対向する角部が上下のローラ2,2に接するように上下に位置がずれた状態となる。その状態で前記同様に箸材1を前後に往復動させるとともに左右にひねるように往復回転させることにより棒状部1a,2bの他の組の対向する角部を形成する木材の繊維が上下のローラ2,2により押し潰されて角部が無くなり滑らかな円弧状となる。これにより一膳の割り箸の加工が終了する。4は加工が完了した割り箸であり、5は前記両加工装置3の上下のローラ2,2により形成された円弧状部である。 以上のような動作を機械により自動的に行なうのであるが、上下のローラ2,2に対する箸材1の棒状部1a,1bの前後の往復動および左右の往復回転時に接する圧力を3〜5MPaとするのが棒状部1a,1bの角部の繊維を押し潰すのに好適である。上下のローラ2,2に対する箸材1の棒状部1a,1bの加工時に接する圧力が3MPa未満であると箸材1の棒状部1a,1bの繊維を押し潰す力が不足し、一見棒状部1a,1bの角部が押し潰されているように見えても時間が経つにつれて角部が復元するという問題があり、また上下のローラ2,2に対する箸材1の棒状部1a,1bの加工時に接する圧力が5MPaを超えると箸材1の棒状部1a,1bの繊維が破壊して滑らかな円弧状とならず、箸材1としての商品価値が低下するという問題がある。図5に棒状部1a,1bの繊維6が押し潰される前の状態を拡大して示し、図6に棒状部1a,1bの繊維6が押し潰された状態を拡大して示している。 また、含水率が5%以下の箸材1を用いた理由としては、箸材1の含水率が5%を超えると、上下のローラ2,2に対する箸材1の棒状部1a,1bの加工時に接する圧力を3〜5MPaとして加工しても、食事のために割り箸を使用するまでに長時間経つと押し潰された角部が箸材1の中に残っている水分により復元して角部が残った状態となる場合がある。また、棒状部1a,1bの角部の繊維を充分に押し潰していなければ、箸材1の含水率が5%以下であっても復元して角部が残った状態となる場合がある。また、棒状部1a,1bの角部の繊維を充分に押し潰していなければ、食事のために割り箸を使用するときは角部が無くなり滑らかな円弧状となっていても、食事中における食べ物の中の水分が箸に含まれ、角部が復元することになる。 つまり、本実施の形態において重要な点は、箸材1の含水率が5%以下であること、上下のローラ2,2に対する箸材1の棒状部1a,1bの加工時に接する圧力が3〜5MPaであることである。 以上のように、含水率が5%以下の箸材1を用い、上下のローラ2,2に対する箸材1の棒状部1a,1bの加工時に接する圧力を3〜5MPaとして箸材1の棒状部1a,1bの角部を圧縮成形により無くして円弧状に形成することにより、割り箸として食事のために使用するまでの角部の復元が無く、また食事のために割り箸を使用して食事中における食べ物の中の水分を吸収しようとしても食事時間内において角部の復元が無い割り箸を提供できる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本考案の一実施の形態における割り箸の材料となる箸材の斜視図である。 【図2】同割り箸の製造のために使用される加工装置の概略正面図である。 【図3】同割り箸の箸材を一方の加工装置に送り込んで加工しているときの状態を示す概略正面図である。 【図4】同割り箸の箸材を他方の加工装置に送り込んで加工しているときの状態を示す概略正面図である。 【図5】同箸材の加工前の状態を示す拡大断面図である。 【図6】同箸材の加工後の状態を示す拡大断面図である。 【図7】同加工完了後の割り箸の斜視図である。 【符号の説明】 1 箸材 1a,1b 棒状部 2 ローラ 3 加工装置 4 割り箸 5 円弧状部 6 繊維 |
||
【図1】 |
||
【図2】 |
||
【図3】 |
||
【図4】 |
||
【図5】 |
||
【図6】 |
||
【図7】 |
||
これで“さかめ”解決 針葉樹からなる原材料を用いて作られた割り箸における口に当たる長さ範囲の周囲の角部を無くすための割り箸の製造方法であり、原材料の含水率を5%以下となるように乾燥、上下のローラにより押圧、前後の往復動および左右に往復回転させ、材料に接する圧力を3〜5Mpaとすることを特徴としている。 このように、口に当たる長さ範囲の周囲の角部をなくす加工を効率的に行なうことにより、割り箸として食事に使用するまで、また食事のために割り箸を使用して食事中における食べ物の中の水分を吸収しようとしても、食事時間内において角部の復元が無い割り箸を提供でき、従来のようなひげ状の細かい突起も全く存在せず、食事の際の使用感に優れた割り箸を提供することが出来る。 |
||
ページtop へ |