閉じる
飲食・調理
 
【発明の名称】調理用又は生活用補助具
【特許権者】
【識別番号】500529115
【氏名又は名称】中野 重紀
【住所又は居所】北海道函館市港町2丁目9番13号
【代理人】
【弁理士】
【識別番号】100093296
【氏名又は名称】小越 勇
【発明者】
【氏名】中野 重紀
【住所又は居所】北海道函館市港町2丁目9番13号
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理用補助具の柄又は挿入部を挿入できる支持具と該支持具と一体になったフレームを備え、前記支持具に挿入された調理用補助具の柄又は挿入部を固定する押え用ねじを有し、前記フレームからまな板の取っ手を貫通し、まな板の背面に設けた当て板との間で、ねじにより前記フレームをまな板に着脱自在に装着できる取付け具を備えていることを特徴とする調理用補助具。
【請求項2】
フレームの上面からまな板の側面に沿って直角に屈曲する少なくとも1個の側片を備え、該側片にL字形のストッパーを挿入できるスリットを有し、該スリットを通してL字形のストッパーの一片をフレームから垂下することにより、まな板を板状の台に置いた時に、まな板の移動を制止する向きに台の縁に係止されることを特徴とする請求項1記載の調理用補助具。
【請求項3】
フレームの上面からまな板の側面に沿って直角に屈曲する少なくとも1個の側片を備え、該側片にはL字形固定具を挿入できるスリットを有し、前記L字形固定具の一片に楔用スリットを備えると共に、該楔用スリットに嵌合する楔とを有し、まな板を板状の台に置いた時に、L字形固定具の他の一片を台の下に位置させ、楔を打つことによりまな板と板状の台とを固定することを特徴とする請求項1記載の調理用補助具。
【請求項4】
一端が前記支持具に挿入できる挿入部と、該挿入部近傍で起立する固定押え部と、前記挿入部に結合するガイドレールと、ガイドレール上にスライドできる前記固定押え部に対向するように設置した可動押え部と、該可動押え部を解除可能に固定できるロック装置を備えており、対向する固定押え部と可動押え部との間で調理用材を保持することを特徴とする請求項1〜3のそれぞれに記載の調理用補助具。
【請求項5】
可動押え部を解除可能に固定できるロック装置は、前記矩形の可動押え部に取付けた回動できる押えレバーと、該押えレバーの支点の下方に位置する押えレバーと一体のロックバーと、該押えレバーのやや下方位置に取付けた回動できるスライドレバーと、該スライドレバー先端の爪が嵌入できる前記ガイドレールに設けた複数個のスライドホールと、矩形の可動押え部の両側壁に設けた傾斜スリットからなるロックピンガイドと、該ロックピンガイドに両端がスライドできるロックピンからなり、スライドレバーの先端の爪を前記スライドホールの1に嵌入させながら押えレバーを押し下げた際に、前記ロックバーの底にロックピンがスライドして入り込み押えレバーをロックすると共に可動押え部を固定することを特徴とする請求項4記載の調理用補助具。
【請求項6】
ロック装置の解除の際には、押えレバーを押し下げ気味にしながら、ロックピンをロックピンガイドに沿って上方に持上げてロックバーの底から取り出し、押えレバー及びスライドレバーの回動を自由とすることによりロックを解除し、再び可動押え部の移動を可能とすることを特徴とする請求項5記載の調理用補助具。
【請求項7】
対向する固定押え部と可動押え部との間に位置し、前記ガイドレールの直角方向に延びかつガイドレールに沿って移動できるスタビライザーを有し、該スタビライザーはその両端部に起立するストッパーを備えており、固定押え部及び可動押え部と協働して調理用材を保持することを特徴とする請求項4〜6のそれぞれに記載の調理用補助具。
【請求項8】
可動押え部の側壁の上部位置に支点を有する押下げレバーと一体になったロックピン解除レバーを設け、平時にはロックピンをロックピンガイドに沿う最下方位置にばねにより付勢されており、ロックピン解除時に押下げレバーを押下げてロックピンを解除位置に移動することを特徴とする請求項5〜7のそれぞれに記載の調理用補助具。
【請求項9】
一端が前記支持具に挿入できる挿入部を有し、該挿入部に板状フレームが結合し、該板状フレームの一端部に支柱を、ほぼ中央部に枢軸部を備え、前記支柱の上端部から先端に押えねじを有する回転レバーが延びており、前記枢軸部に上下回動可能に熊手状の押えがあり、該押えは上下回動方向に対して直角方向にスライドできるように軸支され、かつ押えの甲に数個の窪みを備えており、まな板上に置いた調理用材を押えに軽く挟んだ後、前記回転レバーにより押えねじを前記押えの甲にある窪みの直上に位置させ、押えねじを下降させて調理用材をさらに押さえ付けることを特徴とする請求項1〜3のそれぞれに記載の調理用補助具。
【請求項10】
熊手状の押えは大小半円形を呈している複数の切り欠き溝であることを特徴とする請求項9記載の調理用補助具。
【請求項11】
ステンレス製の1又は2以上の重量押え器を有し、該重量押え器の押え面の一方に、調理用材の左右の移動を防止する縦長の側方ストッパーを設け、2以上の重量押え器間に調理用材を挟むか、又は一端が前記支持具に挿入できる挿入部を有し、他端に調理用材の左右の移動を防止する縦長の側方ストッパーを設けた押え板と前記重量押え器間に調理用材を挟んで調理することを特徴とする請求項1〜3記載の調理用補助具。
【請求項12】
重量押え器の側部に、まな板取っ手の穴に垂下する横ずれ防止用爪を設けたことを特徴とする請求項11記載の調理用補助具。
【請求項13】
重量押え器の側部に、2連以上に連結できる凹部と凸部をそれぞれ設けたことを特徴とする請求項10又は11記載の調理用補助具。
【請求項14】
前記フレーム又は重量押え器の上面に支柱を挿入できる挿入孔を有し、前記支柱に計量スプーン操作器とその高さ位置を調節できる上下調節つまみを設け、計量スプーン操作器には計量スプーンを水平に挿入できる取っ手挿入部と計量スプーンを水平回転できるレバーを設けたことを特徴とする請求項1〜3又は請求項11〜13のそれぞれに記載の調理用補助具。
【請求項15】
前記レバーはバネにより復帰する構造を有していることを特徴とする請求項14に記載の調理用補助具。
【請求項16】
スプーンの背後に槌アームを備え、槌アームの支持軸が前記レバーの回転につれて同時回転し、かつ前記レバーの回転が終了した段階で、ラチェット機構により槌アーム摺動部の段差が外れ、槌がスプーンの背を打つ構造を備えていることを特徴とする請求項14又は15に記載の調理用補助具。
【請求項17】
前記フレーム又は重量押え器の上面に支柱を挿入できる挿入孔を有し、前記支柱に上下に移動する操作器とその高さ位置を調節できる上下調節つまみを設け、操作器には味噌こし器等を掛止できるピンを設けたことを特徴とする請求項1〜3又は請求項11〜13のそれぞれに記載の調理用補助具。
【請求項18】
調理用補助具の柄又は挿入部を挿入できる支持具と該支持具と一体になった板状のフレームを備え、前記支持具に挿入された調理用補助具の柄又は挿入部を固定する押え用ねじつまみを有し、前記フレームの下面に吸盤を備え、吸盤によって前記フレームをテーブル又は台に着脱自在に装着できることを特徴とする調理用補助具。
【請求項19】
板状のフレームに、剥離又は皮むき器の刃部を上向きにして固定したことを特徴とする請求項18記載の調理用補助具。
【請求項20】
一端が前記支持具に挿入できる挿入部を有し、該挿入部に支柱固定フレームが結合されており、該支柱固定フレームの一端に取付けた垂直支柱と該垂直支柱に上下にスライドできる支持枠と支持枠から水平方向に延びる水平アームを設け、該水平アームから先端中央に少なくとも1個の先鋭部をもつ弧状の押えを取付け、前記アームを下降させて調理用材を弧状の押えにより固定しながら調理できるようにしたことを特徴とする請求項1〜3のそれぞれに記載の調理用補助具。
【請求項21】
前記弧状の押えがバネにより下方に付勢されていることを特徴とする請求項20に記載の調理用補助具。
【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】
本発明は、片手操作で器具をマナ板又は板類に装着し、片手で調理又は片手作業による処理ができる調理具、特にマナ板とベースとなる調理用補助具を基に、調理物の処理作業の目的に合った押え器を選択し、これらを組み合わせて片手で調理又は片手作業による処理ができる上肢障害者、特に片手障害者用自助器具に関する。
【従来の技術】
上肢障害者と一口に言ってもそれは、先天性、後天性、肢体欠損、切断、機能不全、指欠損、片手障害など千差万別であり、またスポーツなどによる一時的障害や高齢化による弱力も例外ではない。
現在においては、障害者用の車椅子、入浴介護、ベッド、バリアフリーなどの分野では急速な勢いで研究開発が進行しているが、上肢障害者用自助具は未開の分野で、今後の福祉の中での位置づけと、自立者に対する支援など、積極的社会生活を果たして行こうとする上での課題として重要なものである。
片手障害者においては、両手障害者に比べてはるかに身の回りの作業ができる。しかしながら、日常生活においては、両手を使ってでなければ出来ない作業だらけであり、その作業の殆どの器具は両手が使える者のみが使用できるものである。
したがって、上記のように両手障害者よりも身の回りの作業ができはずであるのに、現状の器具類は、著しくその自立機能を阻害していると言わざるを得ない。
このようなことから、片手障害者も周囲の人の善意に甘んじてでなければ生きては行けない状態にある。しかし、絶えず周囲に協力者が居ればよいが思うがそうはいかないことが多く、上肢障害者も可能な限り自立を望んでいる。
【発明が解決しようとする課題】
日常生活、特に食生活は毎日の事であり、調理のみならず、缶、瓶等の蓋開けからその扱い等様々な作業を、片手あるいは弱力でも、簡単で、安全にかつ確実に、好きな時に、好きな物を、自力で作業できるための片手障害者向け、多目的調理用又は生活用補助具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
以上から、本発明は
1.調理用補助具の柄又は挿入部を挿入できる支持具と該支持具と一体になったフレームを備え、前記支持具に挿入された調理用補助具の柄又は挿入部を固定する押え用ねじを有し、前記フレームからまな板の取っ手を貫通し、まな板の背面に設けた当て板との間で、ねじにより前記フレームをまな板に着脱自在に装着できる取付け具を備えていることを特徴とする調理用補助具
2.フレームの上面からまな板の側面に沿って直角に屈曲する少なくとも1個の側片を備え、該側片にL字形のストッパーを挿入できるスリットを有し、該スリットを通してL字形のストッパーの一片をフレームから垂下することにより、まな板を板状の台に置いた時に、まな板の移動を制止する向きに台の縁に係止されることを特徴とする上記1記載の調理用補助具
3.フレームの上面からまな板の側面に沿って直角に屈曲する少なくとも1個の側片を備え、該側片にはL字形固定具を挿入できるスリットを有し、前記L字形固定具の一片に楔用スリットを備えると共に、該楔用スリットに嵌合する楔とを有し、まな板を板状の台に置いた時に、L字形固定具の他の一片を台の下に位置させ、楔を打つことによりまな板と板状の台とを固定することを特徴とする上記1記載の調理用補助具
を提供する。
また、本発明は
4.一端が前記支持具に挿入できる挿入部と、該挿入部近傍で起立する固定押え部と、前記挿入部に結合するガイドレールと、ガイドレール上にスライドできる前記固定押え部に対向するように設置した可動押え部と、該可動押え部を解除可能に固定できるロック装置を備えており、対向する固定押え部と可動押え部との間で調理用材を保持することを特徴とする上記1〜3のそれぞれに記載の調理用補助具
5.可動押え部を解除可能に固定できるロック装置は、前記矩形の可動押え部に取付た回動できる押えレバーと、該押えレバーの支点の下方に位置する押えレバーと一体のロックバーと、該押えレバーのやや下方位置に取付けた回動できるスライドレバーと、該スライドレバー先端の爪が嵌入できる前記ガイドレールに設けた複数個のスライドホールと、矩形の可動押え部の両側壁に設けた傾斜スリットからなるロックピンガイドと、該ロックピンガイドに両端がスライドできるロックピンからなり、スライドレバーの先端の爪を前記スライドホールの1に嵌入させながら押えレバーを押し下げた際に、前記ロックバーの底にロックピンがスライドして入り込み押えレバーをロックすると共に可動押え部を固定することを特徴とする上記4記載の調理用補助具
6.ロック装置の解除の際には、押えレバーを押し下げ気味にしながら、ロックピンをロックピンガイドに沿って上方に持上げてロックバーの底から取り出し、押えレバー及びスライドレバーの回動を自由とすることによりロックを解除し、再び可動押え部の移動を可能とすることを特徴とする上記5記載の調理用補助具
7.対向する固定押え部と可動押え部との間に位置し、前記ガイドレールの直角方向に延びかつガイドレールに沿って移動できるスタビライザーを有し、該スタビライザーはその両端部に起立するストッパーを備えており、固定押え部及び可動押え部と協働して調理用材を保持することを特徴とする上記4〜6のそれぞれに記載の調理用補助具
8.可動押え部の側壁の上部位置に支点を有する押下げレバーと一体になったロックピン解除レバーを設け、平時にはロックピンをロックピンガイドに沿う最下方位置にばねにより付勢されており、ロックピン解除時に押下げレバーを押下げてロックピンを解除位置に移動することを特徴とする上記5〜7のそれぞれに記載の調理用補助具
を提供する。
また、本発明は
9.一端が前記支持具に挿入できる挿入部を有し、該挿入部に板状フレームが結合し、該板状フレームの一端部に支柱を、ほぼ中央部に枢軸部を備え、前記支柱の上端部から先端に押えねじを有する回転レバーが延びており、前記枢軸部に上下回動可能に熊手状の押えがあり、該押えは上下回動方向に対して直角方向にスライドできるように軸支され、かつ押えの甲に数個の窪みを備えており、まな板上に置いた調理用材を押えに軽く挟んだ後、前記回転レバーにより押えねじを前記押えの甲にある窪みの直上に位置させ、押えねじを下降させて調理用材をさらに押さえ付けることを特徴とする上記1〜3のそれぞれに記載の調理用補助具
10.熊手状の押えは大小半円形を呈している複数の切り欠き溝であることを特徴とする上記9記載の調理用補助具
を提供する。
また、本発明は
11.ステンレス製の1又は2以上の重量押え器を有し、該重量押え器の押え面の一方に、調理用材の左右の移動を防止する縦長の側方ストッパーを設け、2以上の重量押え器間に調理用材を挟むか、又は一端が前記支持具に挿入できる挿入部を有し、他端に調理用材の左右の移動を防止する縦長の側方ストッパーを設けた押え板と前記重量押え器間に調理用材を挟んで調理することを特徴とする上記1〜3記載の調理用補助具
12.重量押え器の側部に、まな板取っ手の穴に垂下する横ずれ防止用爪を設けたことを特徴とする上記11記載の調理用補助具
13.重量押え器の側部に、2連以上に連結できる凹部と凸部をそれぞれ設けたことを特徴とする上記10又は11記載の調理用補助具
を提供する。
また、本発明は
14.前記フレーム又は重量押え器の上面に支柱を挿入できる挿入孔を有し、前記支柱に計量スプーン操作器とその高さ位置を調節できる上下調節つまみを設け、計量スプーン操作器には計量スプーンを水平に挿入できる取っ手挿入部と計量スプーンを水平回転できるレバーを設けたことを特徴とする上記1〜3又は上記11〜13のそれぞれに記載の調理用補助具
15.前記レバーはバネにより復帰する構造を有していることを特徴とする上記14に記載の調理用補助具
16.スプーンの背後に槌アームを備え、槌アームの支持軸が前記レバーの回転につれて同時回転し、かつ前記レバーの回転が終了した段階で、ラチェット機構により槌アーム摺動部の段差が外れ、槌がスプーンの背を打つ構造を備えていることを特徴とする上記14又は15に記載の調理用補助具
を提供する。
また、本発明は
17.前記フレーム又は重量押え器の上面に支柱を挿入できる挿入孔を有し、前記支柱に上下に移動する操作器とその高さ位置を調節できる上下調節つまみを設け、操作器には味噌こし器等を掛止できるピンを設けたことを特徴とする上記1〜3又は上記11〜13のそれぞれに記載の調理用補助具
を提供する。
また、本発明は
18.爪きりの根元又は柄部を挿入できる支持具と、該支持具と一体になったテーブル等の台に取外し可能に固定できるフレームを備え、前記支持具に挿入された爪きりの根元又は柄部を固定する押え用ねじを有し、爪きりの操作部にチェーン等の操作紐を設けたことを特徴とする生活用補助具
を提供する。
また、本発明は
19.調理用補助具の柄又は挿入部を挿入できる支持具と該支持具と一体になった板状のフレームを備え、前記支持具に挿入された調理用補助具の柄又は挿入部を固定する押え用ねじつまみを有し、前記フレームの下面に吸盤を備え、吸盤によって前記フレームをテーブル又は台に着脱自在に装着できることを特徴とする調理用補助具
20.板状のフレームに、剥離又は皮むき器の刃部を上向きにして固定したことを特徴とする上記19記載の調理用補助具
を提供する。
また、本発明は
21.一端が前記支持具に挿入できる挿入部を有し、該挿入部に支柱固定フレームが結合されており、該支柱固定フレームの一端に取付けた垂直支柱と該垂直支柱に上下にスライドできる支持枠と支持枠から水平方向に延びる水平アームを設け、該水平アームから先端中央に少なくとも1個の先鋭部をもつ弧状の押えを取付け、前記アームを下降させて調理用材を弧状の押えにより固定しながら調理できるようにしたことを特徴とする上記1〜3のそれぞれに記載の調理用補助具
22.前記弧状の押えがバネにより下方に付勢されていることを特徴とする上記21に記載の調理用補助具
を提供する。
【発明の実施の形態】
本発明は、上記の通り多くは既存市販品をそのまま使用することができ、取手用穴付きマナ板又は板類に、本発明の調理用又は生活用補助具を装着することを基本とする。そして、これに作業をしようとする目的に合う器具類を適宜選択し、組み合わせ、ワンタッチ操作等で作業を行うことができるようにするものである。
これによって、既存市販器具との併用作業で大幅な作業範囲の拡大が図れるものである。
以下、本発明の具体例を図に基づいて説明する。なお、以下に説明する例は本発明の理解を容易にするためのものであり、この図の例に制限されるものではない。すなわち、本発明の技術思想の範囲での変形又は他の例は、本発明の範囲に含まれるものである。
図1及び図2は、まな板に取付けた本発明の調理用補助具Aの一例を示す。まな板1は、通常10mm〜50mm程度のポリエチレン製又は木製等からなり、表面から裏面に貫通する取っ手2を備えている。
本発明の調理用補助具Aは、後述する各種調理用補助具等の柄又は挿入部を挿入できる枠状の支持具3と該支持具3と一体になったフレーム4を有する。前記支持具3には、そこに挿入された調理用具の柄又は挿入部を固定する押え用ねじ6とそのつまみを有する。
固定用ねじ5は支持具3の上面のフレーム4に複数のねじ孔7を設けて、その位置を調節することができる。
図2(イ)(ロ)はまな板の背面8を示す。図2(イ)は前記フレームからまな板1の取っ手2を貫通し、まな板1の背面8に設けた当て板9との間で、押え用ねじ6によって前記フレーム4をまな板1に着脱自在に装着する図であり、図2(ロ)はL字形固定具によりまな板1の背面8に取付けた様子を示す図を示す。
フレーム4の上面からまな板1の側面10に沿って直角に屈曲する少なくとも1個の側片11(図1では2個設置)と、該側片11にL字形のストッパー12を挿入できるスリット13を設け、該スリット13を通してL字形ストッパー12の一片をフレーム4から垂下することにより、まな板1を板状の台(図示省略)に置いた時に、まな板1の移動を制止する向きに台の縁に係止することができる。
このL字形ストッパー12を垂下した様子を図3(断面図)に示す。すなわち、まな板1をその下の台(図示省略)に置いた場合、まな板1に長さ方向に引く力が発生した時に、ストッパー12が台の縁に当たって、それ以上の移動を制止させることができる。
本発明の調理用補助具Aは、上記と同様にフレーム4の上面からまな板1の側面10に沿って直角に屈曲する少なくとも1個の側片11と、その側片11にスリット13を設け、該スリット13にL字形固定具12(なお、前記L字形ストッパーと同一形状のものを使用できるので、便宜上同一の符号を使用する)が挿入できるようにし、該L字形固定具12の一片に楔用スリット14を、さらに該楔用スリット14に嵌合する楔15とを設ける。
まな板1を板状の台(図示省略)に置いた時に、L字形固定具12の他の一片を台の下に位置させ、楔15を打つことによりまな板1と板状の台とをしっかりと固定することができる。また、まな板1に取っ手がない場合には、上記L字形固定具12によって本発明の調理用補助具Aをまな板1に固定することができる。
以上によって、簡単な操作によって、片手でも容易にまな板やその下の台に本発明の調理用補助具Aを取付けることができる大きな特長を有する。
次に、図4〜図8に本発明の対向する固定押え部16と可動押え部17との間で調理用材を保持する調理用補助具Bを示す。
この調理用補助具Bは、一端が前記支持具3に挿入できる挿入部28を有する。挿入部28は前記ねじ5の下端に当接するように平坦になっている。図7は、挿入部18を調理用補助具Aの支持具3に挿入し、ねじ5により固定した状態を示す。
この挿入部28近傍の位置で起立する固定押え部16を有する。この固定押え部16の把持面を粗面とするか又は凹凸を形成して調理用材の把持をより強力にするようにしても良い。
調理用補助具Bは、前記挿入部18及び固定押え部16に結合するガイドレール19を備える。ガイドレール19上にスライドできる前記固定押え部16に対向するように設置した可動押え部17を設置する。
同様に、可動押え部17の把持面を粗面とするか又は凹凸を形成して調理用材の把持をより強力にすることができる。
前記可動押え部17は、これを解除可能に固定できるロック装置を備えている。この可動押え部17を解除可能に固定できるロック装置は、矩形の可動押え部17に取付けた回動できる押えレバー18と、該押えレバー18の支点19の下方に位置する押えレバー18と一体のロックバー20と、該押えレバー18のやや下方位置に取付けた回動できるスライドレバー21からなる。
前記ガイドレール19の底面には、前記スライドレバー21の先端の爪22が嵌入できる複数個のスライドホール23を有している。ガイドレール19の底面に矩形の底板26を設置すると、本調理用補助具Bの安定性を増すことができる。
さらに、矩形の可動押え部17の両側壁に押えレバー18側に下方傾斜したスリット状のロックピンガイド24と、該ロックピンガイド24に両端がスライドできるロックピン25を設ける。
このようなロック装置において、スライドレバー21の先端の爪22を前記スライドホール23の一つに嵌入させながら、押えレバー18を押し下げると、前記ロックバー20の底にロックピン25がスライドして入り込み、押えレバー18をロックする。これによって、簡単に可動押え部を固定することができる。
ロック装置の解除の際には、手の平あたりで押えレバー18を押し下げ気味にしながら、親指と人指し指でロックピン25をロックピンガイド24に沿って上方に持上げてロックバー20の底から取り出し、押えレバー18及びスライドレバー21の回動を自由とすることによりロックを解除する。これによって、再び可動押え部17の移動を可能とすることができる。この操作はいずれも片手で容易に操作することができる。
本発明の調理用補助具Bは、さらに対向する固定押え部と可動押え部との間に前記ガイドレール19の直角方向に延びかつガイドレール19に沿って移動できるスタビライザー27を設けることができる。
このスタビライザー27はその両端部に起立するストッパーを設け、固定押え部16及び可動押え部17と協働して、調理用材を安定保持することができる。さらに、前記ロックピン25の解除を容易とするために、図8(イ)(ロ)に示すように、可動押え部17の側壁の上部位置に支点29を有する、ほぼS字形の押下げレバー30と一体になったロックピン解除レバー31を設け、平時にはロックピン25をロックピンガイド24に沿う最下方位置にばね(図示省略)により付勢されており、ロックピン25解除時に押下げレバー30を押下げてロックピン25を解除位置に移動する。
これによって、ロックピン25の解除をさらに容易とし、可動押え部17の移動を可能とすることができる。
調理用補助具B、すなわち固定押え部16と可動押え部17との間で調理用材を保持する調理用補助具は、缶詰め切り、プルリング式缶詰め、瓶の蓋開け、市販器具のピーラー、スライサー、おろし器等、又は軟弱な容器、納豆パック容器、アイスクリーム、シャーベット、牛乳容器等の操作や蓋開け等に適している。具体的な操作を説明すると、ロックピン25の両端を親指と人指し指で押してロックピンガイド24の最上部に移動させ、押えレバー18をクリアーにし固定押え部16と可動押え部17の間隔を、被押え物の長さに合う様にスライドレバー21を指で押しながら、おおよその見当で移動させる。
目的の被押え物を固定押え部16と可動押え部17の間に置き、スタビライザー27を、被押え物の中央に移動さて横に対する不安定感の解消を図る。
次に、スライドホール23に当たる爪22を適当な所に位置させ、押えレバー18を強く押すと、ロックピンガイド24の傾斜により該押えレバー18の反対側のロックバー20の下にロックピン25がもぐり込む。これによって、押えレバー18は戻らずロック状態になる。
押えが不充分の場合は更に強く押す。この場合、瓶や鉄製缶詰めなどは容器自体がしっかりしているので、変形や欠損は無いが軟弱な納豆容器とか、牛乳容器、アルミ製容器などは、加減して押えることが必要である。
本調理用補助具Bのロック作用は、押え物の固体その物との因果関係は特に無く、被押え物が無くても、その位置でロックすることができる。缶詰めの場合は、市販の缶切り器を用いて開缶することができ、また瓶の蓋は手で開けることができる。手力で無理な場合は、市販の蓋開け器を用いる。
納豆パックは手で蓋を開け、その場で箸を用いて練り混ぜる事が出来る。アイスクリーム、シャーベットなどは、内容物が凍っていて硬いので、ヘラ、スプーンなどで掬おうとしても不安定でうまく掬えない。
本調理用補助具Bの押え部で押え、そのままでヘラ、スプーン等を用いて掬う事が出来る。また、市販器具のピーラーなどを使用する場合、本来(健常者)は一方の手で素材を持ち、もう一方の手でピーラーを手前に引いて皮を剥ぐのが普通であるが、本調理用補助具Bでは、ピーラーを固定し、素材を手に持ち刃に当てて、手前に引いて行うという反対作業となる。
以上の固定又は解除の一連の作業は全て、片手のみで実施することができ、右手又は左手の各機能状況に合わせ、マナ板又は台板等の自体の向きを右左に変えることによって、装置又は器機の変更を容易に行うことができる。
本発明の調理用補助具Cは、図9〜図12に示すように、一端が前記支持具3に挿入できる挿入部40を有し、該挿入部40に板状フレーム41が結合している。該板状フレーム41の一端部に支柱42があり、ほぼ中央部に枢軸部43を有する。前記支柱42の上端部から先端に押えねじ44を有する回転レバー45が延びている。押えねじ44の上端にはつまみ47を有する。
前記枢軸部43に上下に回動する熊手状の押え46がある。該押え46は上下に回動できると共に、直角方向にもスライドできるように軸支されている。図9に示すように、板状フレーム41にはゆがみが生じないように、板状フレーム41に垂直な補強板を設けることもできる。
かつ押え46の甲に数個の窪み48を備えており、まな板上に置いた調理用材を押え46に軽く挟んだ後、前記回転レバー45により押えねじ44を前記押え46の甲にある窪み48の直上に位置させ、押えねじ44を下降させて調理用材をさらに押さえ付けて調理する。前記熊手状の押え46に大小半円形の複数の切り欠き溝49を設けることが望ましい。
調理用補助具Cは長物用押えに好適である。例えば、長物野菜ごぼう、長ねぎなどの縦切り、魚介類、イカ、タコなどの頭落し、下処理、開き、皮むき、縦切り等の長物の処理作業に適している。
作業工程を説明すると、まず本調理用補助具Cの挿入部40を図1に示す支持具3に挿入し、ねじ6により締付ける。これによってまな板に本調理用補助具Cを固定することができる。
次に、押え46がフリーの状態で上下に回動できる状態にしておき、長物被調理材の太さに合った押え46の大小半円径の切り欠き溝49中から選択し、その部位に被調理材を置き、押え46を位置させ、押え46を下ろし、つまみ47のある回転レバー45を回して押えねじ44を加圧位置に移動させる。被調理材の硬度、軟度の状況に応じて、ねじつまみ47を加減して廻し加圧する。
作業中、被調理材が外れたりしないようにする。例えば、魚の二、三枚おろしの場合は、尾の付け根(くびれ)に合う押え部位を選択して押え、押え46側から頭側の方向に包丁を入れておろすことが望ましい。
魚の処理能力としては、まな板いっぱい位の魚でも処理出来るが、包丁を扱える力量に応じて判断し実施する。被調理材が押えられても、力の入り具合でマナ板自体が動くので、前記まな板を図1〜図3に示すように、流し台シンクの調理台側の縁等に固定するのが望ましい。
例えば、いかの開き処理の場合は、耳部分を押え器で押え、胴の奥まで包丁を入れ、刃先を少し立てて引いて切り開くのが望ましい。また刃を上に向けて刃先を持上げ、手前に引いて切り開いてもよい。
いかの皮むきの場合、開いたいかを広げて、押え46部の全幅を使って押え、手むき、布巾でのなぞりむきでも、ペーパータオル等を利用して、やり易い手段で作業する事が出来る。
この一連の作業は全て、片手のみで実施することができ、また右手、左手の各機能状況に合わせ、まな板自体の向きを右左に変える事で対応できる。押えの解除は、上記の一連の手順の逆手順でできる。
すなわち、最後に行った手順の押えねじ44を廻しゆるめ、加圧を解除し、被調理材を取り出す。
本発明の調理用補助具Dは、図13及び図14に示すように、ステンレス製の1又は2以上の重量押え器50を有する。この重量押え器50の押え面51の一方に、調理用材の左右の移動を防止する縦長の側方ストッパー52を設け、2以上の重量押え器50間に調理用材を挟むか、又は一端が前記図1〜図3に示す支持具3に挿入できる挿入部53を有し、他端に調理用材の左右の移動を防止する縦長の側方ストッパー54を設けた押え板55と前記重量押え器50間に調理用材を挟んで調理するものである。
前者は図14に、後者は図13にその配置の具体例を示す。重量押え器50はステンレス製の重心の低い重い材料が望ましく、まな板に置くだけでその重量のために移動が防止できる。
この重量押え器50の側部に、まな板1取っ手2の穴に垂下する横ずれ防止用爪56を設けることもできる。これによって、重量押え器50の移動をさらに防止できる。また、重量押え器50の側部に、2連以上に連結できる凹部57と凸部58をそれぞれ設けて、移動防止と連結を容易にすることができる。
本調理用補助具Dは、特に薄物厚さ切り用に適している。角餅状又は薄手の調理材更に薄く切る場合、例えば水で戻した高野豆腐を2枚に切る、帆立貝柱を薄い輪切りにする、最後の方になった野菜を薄切り輪切りにする等の作業に適している。
重量押え器50の底部には、ずれ防止用に荒ヤスリ目のようなザラ目状に粗面化し、摩擦係数が高まるようにすることができる。
被調理材は縦長の側方ストッパー54間に納まるようにセットする 事が望ましい。こうする事で、包丁を用いて切る際に、引いて切る時も押して切る時も双方で側方ストッパー54にひっかかり、ずれや移動を防止することができる。横ずれ防止用爪56を設けることにより、さらに移動を防止できる。
次に、野菜の胡瓜、大根、人参、蓮根、長芋などを、輪切り、薄切り、ぶつ切りなどの処理作業をする事も出来る。この場合は、図14に示すように、重量押え器50を連結して、その双方の押え面51の間に被調理物を挟み、包丁を用いて好みの処理作業の実施ができる。また、即席麺などの袋物のハサミを用いての開封、これに付属のタレ、薬味等の小袋の開封などにも有効な手段である。
小袋の開封は、重量押え器50の挟む面が小さい側を相互に向かい合わせて挟み、開封することもできる。重量押え器50をこの状態にしておき、被調理材の下側が極度に狭く、置くと倒れては困るなどの物は谷状部を活用するのも有効である。
重量押え器50の移動を含め、上記の一連の作業は全て片手のみで実施することができ、右手、左手の各機能の状況に合わせ、まな板自体の向きを右左に変える事で対応出来るものである。
本発明の調理用補助具Eは、図1の前記フレーム4又は図14の重量押え器50の上面に設けた挿入孔60を使用し、図15に示すように、該挿入孔60に計量スプーン操作器62用の支柱(ピラー)61を挿入する。
支柱61に計量スプーン操作器62とその高さ位置を調節できる上下調節つまみ63を設け、計量スプーン操作器62には計量スプーン64を水平に挿入できる取っ手挿入部65と計量スプーン64を水平回転できるレバー66を設ける。前記レバー66はバネ(図示省略)により復帰する構造を備える。
さらに、スプーンの背後に槌アーム67を備え、槌アーム67の支持軸が前記レバー66の回転につれて同時回転し、かつ前記レバー66の回転が終了した段階で、ラチェット機構68により槌アーム67の摺動部の段差が外れ、槌が計量スプーン64の背を打つ構造を備えている、
図15に示す調理用補助具Eは、調理時において液体調味液を、容器、鍋などに計量スプーンにて加え入れる作業に適している。
調理台での作業手順を示すと、まず計量スプーン操作器62を作業の状況に合わせ、上下調節つまみ63を使用して高さを調節する。次に、計量スプーン64の大小を選択し、スプーン取手挿入部65に差し込み、調味料瓶を手で持ちスプーンに注ぐ。分量の量が注がれたら、手の指、空いている指若しくは可能な指又は手の何処かでレバー66を下まで押す。
最大で90度まで回転出来るようにすると良い。調味液は容器の中に落下する。レバー66から手を離すとバネの作用で元に戻る。レバー66を最後迄押しきったところで、槌アーム67がラチェット機構68の摺動部の段差で外れ落ち、計量スプーン64の背を叩き、計量スプーンに付着している調味液をできるだけ落すことができる。
計量スプーン64に連動している部分はレバー66と同作動だが、摺動部はレバー66を離しても、爪の作用でその位置に居とどまるが、スプーン取手挿入部65とレバー66はバネでの作用で元に戻る。 以下これを繰り返す。
この場合は、スプーン操作器62をマナ板と一体にした場合には、コンロ上での実施は出来ない。この場合、重量押え器50の上面に挿入孔60に支柱61を挿入すれば移動が容易であり、コンロ上での計量スプーン操作の作業に適する。
図16に示す調理用補助具Fは、味噌こし器等の片手で物溶きをすることができる調理用補助具に関する。
図1の前記フレーム4又は図14の重量押え器50の上面に設けた挿入孔60を使用し、この挿入孔60に支柱70を挿入する。
この支柱70に、上下に移動する操作器71と、その高さ位置を調節できる上下調節つまみ72を設ける。操作器71には、例えば味噌こし器等の把手又は取っ手を掛止できるピン73を設ける。また、この操作器71には、ピン73の下方に横ずれ防止ピン74を設けることもできる。
味噌こし器等の把手又は取っ手を操作器71のピン73に掛止した後、例えば味噌こしを容器や鍋などの底に当たる位まで入れ、溶き棒又は溶きベラで攪拌して溶く。コンロ上での調理作業、例えば、みそ汁、鍋物などの場合には、重量押え器50の上面に設けた挿入孔60を使用するのが好適である。
重量押え器50は耐熱性があり、また移動が容易なので、容器や鍋などのそばに、本調理用補助具Fを近づけて実施することができる。
図17に示す生活用補助具Gは、片手でも爪を切ることができる道具に関する。
生活用補助具Gは、テーブル等の台82に取外し可能に設置した図1と同様な支持具のついたフレーム83を使用し、爪きり80の根元又は柄部81をフレーム83の支持具に挿入する。
この支持具に挿入された爪きり80の根元又は柄部を固定する押え用ねじ84を有し、さらに爪きり80の操作部85にチェーン等の操作紐86と該操作紐86の端部に結合したリング87を設ける。
この爪きり80のテーブル82への固定及び爪きりの操作は片手又は足指でも可能であるという優れた特長を有する。
図18に示す調理用補助具Hは、片手でも果物等の皮むきができる道具に関する。調理用補助具Hは、調理用補助具の柄又は挿入部を挿入できる支持具90を持つ枠91と該支持具と一体になった板状のフレーム92を備える。
前記支持具90に挿入された調理用補助具の柄又は挿入部を固定する押え用ねじつまみ93を有する。また前記フレーム92の下面に吸盤94を備え、吸盤94によって前記フレーム92をテーブル又は台に着脱自在に装着できる。
さらに、板状のフレーム92に、剥離又は皮むき器95の刃部96を上向きにして固定する。これによって、片手で果物等の皮むきができる。
市販製皮むき器の刃を上に向けて、取っ手部を前記支持具90に挿入し、ねじつまみ93で固定することもできる。
皮むきをするもの例えば、りんご、梨、柿などを手に持ち、刃に当て引いてむく。刃むき側を固定すると剥離部の実施が出来る。
剥離物、例えばみかん類などを手に持ち、むき始めたい所を突起97で十文字に傷をつけ手前下側に引くと皮は剥離できる。
テーブル上などでテレビ、家族団欒を営みながら行うことができる。
図19に示す調理用補助具Iは、片手でも丸物野菜の調理ができる押え器に関する。
この調理用補助具Iは、一端が図1に示すような支持具3に挿入できる挿入部100を有する。該挿入部100に支柱固定フレーム101が結合されており、該支柱固定フレーム101の一端に取付けた垂直支柱102と該垂直支柱102に上下にスライドできる支持枠103と支持枠103から水平方向に延びる水平アーム104が設けられている。
該水平アーム104から先端中央に少なくとも1個の先鋭部105をもつ弧状の押え106が取付けられており、前記アーム104を下降させて調理用材を弧状の押え106により固定しながら調理できるようになっている。
さらに、前記弧状の押え106はバネ107により下方に付勢されている。支持枠103の固定に特に制限はないが、図20に示すようにラチェッター部の爪108がスライドギヤー109にひっかかりロックされるようになっている。
調理用補助具Iは、球状、変則形等、例えばサツマイモなどの野菜類の薄切り、小口切りなどの作業に適している。図1に示すまな板に装着して使用することができる。
被調理材(処理物)を図19の4本並んでいる弧状の押え106の下に置き、水平アーム104を手で被調理材の硬度あるいは軟度の程度に合う加減で押す。手を離した所で被調理材を押える。
この時、弧状の押え106の先端下側の先鋭部(針状の突起)105が被調理材に刺さり、包丁でのカット時におけるズレや回転が防止出来る。また、被処理物の形状に押えが行き届く様に、バネ107が作用し、変則的な形でも対応が出来る。
被処理物をカットする手順としては、被処理物の最端側からカットしていく事で、弧状の押え106が最後まで効く状態にもっていける。被処理物とアーム104の間隔が狭くなる場合もある。そのような場合は、剣先型包丁方が使いやすい。
作業が終了し被処理物を取り上げる時は、押え106が邪魔に成るので、解除レバー110を指で押しながら支持枠103と一緒に上方にスライドさせる。これによって、被処理物の取り出し作業が容易となる。
【発明の効果】
本発明は、上肢障害者の日常生活における必須的作業の一助を担う目的の調理用又は生活用補助具であるが、一部については一般健常者にも適している。また恒常的障害者ばかりでなく、一時的障害者にも利用できるものである。
日常生活の作業の多くは、両手を用いなければできない事ばかりであり、本発明のような自助器は殆どないのが現実である。
本発明は、片手あるいは弱力でも、自力で野菜類、肉類、魚介類、果物類、その他の処理作業の殆どを操作することができる。調理を自立して行い得ることは健康な生活を営むための最低の条件であり、本発明の調理用又は生活用補助具を使用して独立して身辺作業の解決が図れることは非常に重要なことである。そして、些細な事でも自力で出来るという満足感が歓びにかわるものである。また家族の負担も軽減するという大きな効果を有する。
本発明は、安価である市販のまな板をそのまま使用することができ、またこのようなまな板を専用化する事で準備作業も省け、その結果調理時間の短縮につながるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 まな板に取付けた本発明の調理用補助具Aの一例を示す斜視図である。
【図2】 本発明の調理用補助具A取付けたまな板の背面を示す斜視図であり、(イ)は当て板を固定した図、(ロ)はL字形固定具を取付けた様子を示す図である。
【図3】 本発明の調理用補助具AにおけるL字形のストッパーを垂下した様子を示す断面説明図である
【図4】 本発明の対向する固定押え部と可動押え部との間で調理用材を保持する調理用補助具Bの斜視図である。
【図5】 図4の側面図である。
【図6】 図4の底(裏)面図である。
【図7】 調理用補助具Bを図1の調理用補助具Aに取付けた斜視図である。
【図8】 (イ)は調理用補助具Bにおけるロックピン解除レバーの断面説明図であり、(ロ)はロックピン解除レバーを設けた調理用補助具Bの斜視図である。
【図9】 長物用押えに好適である調理用補助具Cの斜視図である。
【図10】 調理用補助具Cの側面図であり、熊手状の押えを上方に回動した様子を示す図である。
【図11】 調理用補助具Cの正面図である。
【図12】 調理用補助具Cの平面図であり、熊手状の押えを横方向(水平方向)に摺動させた様子を示す図である。
【図13】 ステンレス製の重量押え器等を有する調理用補助具Dの一例を示す斜視図である。
【図14】 複数のステンレス製の重量押え器等を有する調理用補助具Dをまな板に設置した例を示す斜視図である。
【図15】 液体調味液を、容器、鍋などに計量スプーンにて加え入れる作業に適している調理用補助具Eの斜視図である。
【図16】 片手で物溶きをすることができる調理用補助具Fを示す斜視図である。
【図17】 片手で爪を切ることができる生活用補助具Gを示す断面説明図である。
【図18】 片手で果物等の皮むきができる調理用補助具Hを示す斜視図である。
【図19】 片手で丸物野菜の調理ができる調理用補助具Iを示す斜視図である。
【図20】 調理用補助具Iにおける支持枠のロック機構の断面説明図である。
【符号の説明】
A、B、C、D、E、F、H、I 調理用補助具
G 生活用補助具
1 まな板
2 取っ手
3 枠状の支持具
4 フレーム
5 固定用ねじ
6 押え用ねじ
7 ねじ孔
8 まな板の背面
9 当て板
10 まな板の側面
11 側片
12 L字形ストッパー又はL字形固定具
13 スリット
14 楔用スリット
15 楔
16 固定押え部
17 可動押え部
18 押えレバー
19 ガイドレール
27 スタビライザー
46 上下に回動する熊手状の押え
49 大小半円形の複数の切り欠き溝
50 重量押え器
51 押え面
52 縦長の側方ストッパー
60 挿入孔
61 支柱(ピラー)
62 計量スプーン操作器
64 計量スプーン
71 味噌こし器等の把手又は取っ手の操作器
80 爪きり
86 チェーン等の操作紐
94 吸盤
95 剥離又は皮むき器
104 水平アーム
105 先鋭部(針状の突起)
106 弧状の押え

皮むき補助器
写真1

スピード作業に威力発揮
写真2

変則形状も自在
写真3

ワンタッチ計量補助
写真4
ワンタッチ調味計量・繰り返し計量に威力発揮

写真5
ガスコンロサイドでも可

ワンタッチ固定補助
写真6
プルリング式缶も可

写真7
ソフト容器も可
発明者からのメッセージ

 片手で、日常生活を余儀なくされている時の、特に調理に関しての補助器(自助器)の提供。
 一般的常備の器具、用具と当発明の器具の組み合わせ仕様にて、どちらかの一方の利き手だけで、上記作業を、簡単、確実、スピード性を以って、単独自力で実施に至れることを特徴としている。
 また、当発明の器具の合体化が図れ、汎用的利便性が期待できる、システム機構設計となっているのも特徴といえます。
 設計・試作にあたっては、上肢障害(片手障害)を有している者の創作であり、ならではの配慮が反映されているものです。
調理に限らず、身辺作業、又は、技芸趣味等においても、応用、活用は多事に及ぶ処です。
 少しでも、望む事を、望みたい時に、望みたい様に、自力での実施が叶ったら、
”素晴らしい” の一語に尽きるものです。
“一度っきりの人生” この事で少しでも、”生き甲斐” に繋がることを切に願う処です。
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5
【図6】
図6
【図7】
図7
【図8】
図8
【図9】
図9
【図10】
図10
【図11】
図11
【図12】
図12
【図13】
図13
【図14】
図14
【図15】
図15
【図16】
図16
【図17】
図17
【図18】
図18
【図19】
図19
【図20】
図20
ページtop へ