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【発明の名称】豆腐再成型方法 【特許権者】 【識別番号】520331431 【氏名又は名称】齋藤 登 【住所又は居所】栃木県宇都宮市西一の沢町14-37 長谷川アパート5号 【代理人】 【識別番号】100093115 【弁理士】 【氏名又は名称】佐渡 昇 【発明者】 【氏名】齋藤 登 【住所又は居所】栃木県宇都宮市西一の沢町14-37 長谷川アパート5号 【要約】 【課題】市販されている豆腐を再成型し、崩れにくくして扱いやすくするための豆腐再成型方法および豆腐再成型具を提供する。 【解決手段】次の工程を含むことを特徴とする。 (1)市販されている豆腐を50℃〜90℃に加熱する工程 (2)工程(1)で加熱された豆腐を、不定形の豆腐片T1(図1(a))に分断する工程 (3)工程(2)で分断された不定形の豆腐片T1を、図1(a)に示すように、底面11および側面12に複数の水切り孔13を有する再成型容器10に入れる工程 (4)工程(3)で再成型容器10に入れられた不定形の豆腐片T1の上に、図1(b)で示すように押し蓋20を載せ、不定形の豆腐片T1の水を切り、再成型する工程 【選択図】図1 【特許請求の範囲】 【請求項1】 次の工程を含むことを特徴とする豆腐再成型方法。 (1)市販されている豆腐を50℃〜90℃に加熱する工程 (2)工程(1)で加熱された豆腐を不定形の豆腐片(T1)に分断する工程 (3)工程(2)で分断された不定形の豆腐片(T1)を、底面(11)および側面(12)に複数の水切り孔(13)を有する再成型容器(10)に入れる工程 (4)工程(3)で再成型容器(10)に入れられた不定形の豆腐片(T1)の上に押し蓋(20)を載せ、不定形の豆腐片(T1)の水を切り、再成型する工程 【請求項2】 次の工程を含むことを特徴とする豆腐再成型方法。 (1)市販されている豆腐を不定形の豆腐片(T1)に分断する工程 (2)工程(1)で分断された不定形の豆腐片(T1)を50℃〜90℃に加熱する工程 (3)工程(2)で分断された不定形の豆腐片(T1)を、底面(11)および側面(12)に複数の水切り孔(13)を有する再成型容器(10)に入れる工程 (4)工程(3)で再成型容器(10)に入れられた不定形の豆腐片(T1)の上に押し蓋(20)を載せ、不定形の豆腐片(T1)の水を切り、再成型する工程 【発明の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本発明は、市販されている豆腐を再成型するための豆腐再成型方法および豆腐再成型具に関するものである。 【背景技術】 【0002】 一般に、現在市販されている豆腐(絹豆腐、充填豆腐等)は、滑らかさ、柔らかさ等の食感を特徴としているものが多い。 その反面、崩れやすくて扱いにくいという難点を有している。 【0003】 従来、例えば特許文献1に見られるように、 「出汁滲み特性に優れた厚揚げの製造方法を提供する」ことを課題とし、 「1)加工デンプン0.5〜3.0重量%を含む豆乳を調製する工程と、2)該豆乳を凝固させる工程と、3)得られた豆腐固形物を平均粒塊径5mm以上35mm以下に崩す工程と、4)これを2.0〜5.0kg/平方cmの押圧力で再成形する工程と、外皮1から内部豆腐2の豆腐粒塊20、20間に空孔21、21と細拡散流路22、22を網の目状に形成することを特徴とする出汁滲み特性に優れる豆腐食品の製造方法」(同文献要約欄) が知られている。 【0004】 しかしこの出汁滲み特性に優れる豆腐食品の製造方法は、市販されている豆腐を再成型するためのものではない。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0005】 【特許文献1】 特開2014-87270号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 本発明が解決しようとする課題は、市販されている豆腐を再成型し、崩れにくくして扱いやすくするための豆腐再成型方法および豆腐再成型具を提供することである。 【課題を解決するための手段】 【0007】 上記課題を解決するために本発明の豆腐再成型方法は、 次の工程を含むことを特徴とする。 (1)市販されている豆腐を50℃〜90℃に加熱する工程 (2)工程(1)で加熱された豆腐を不定形の豆腐片に分断する工程 (3)工程(2)で分断された不定形の豆腐片を、底面および側面に複数の水切り孔を有する再成型容器に入れる工程 (4)工程(3)で再成型容器に入れられた不定形の豆腐片の上に押し蓋を載せ、不定形の豆腐片の水を切り、再成型する工程 【0008】 この豆腐再成型方法は、上記の構成となっているので、次のような作用効果が得られる。 (1) 市販されている豆腐を50℃〜90℃に加熱することにより、市販されている豆腐を再成型しやすくすることができる。 加熱温度が50℃未満であると、再成型されにくくなる。逆に、90℃を超えると、工程(2)での分断作業を行いにくくなる。例えば、手指で分断する際に、熱くて分断作業を行いにくくなる。 これに対し、50℃〜90℃とすることで、再成型可能とするとともに分断作業を行いやすくすることができる。 (2) 工程(1)で加熱された豆腐を不定形の豆腐片に分断することにより、豆腐片から水分が流出しやすくなり、再成型しやすくなる。 (3)(4) 工程(2)で分断された不定形の豆腐片を、底面および側面に複数の水切り孔を有する再成型容器に入れ、不定形の豆腐片の上に押し蓋を載せ、不定形の豆腐片の水を切り、再成型することで、崩れにくくて扱いやすい再成型豆腐が得られる。 また、この再成型豆腐は再成型前の豆腐に比べて水分が少なくなっているので、出汁等が染み込みやすい。 【0009】 また、上記課題を解決するために本発明の豆腐再成型方法は、 次の工程を含むことを特徴とする。 (1)市販されている豆腐を不定形の豆腐片に分断する工程 (2)工程(1)で分断された不定形の豆腐片を50℃〜90℃に加熱する工程 (3)工程(2)で加熱された不定形の豆腐片を、底面および側面に複数の水切り孔を有する再成型容器に入れる工程 (4)工程(3)で再成型容器に入れられた不定形の豆腐片の上に押し蓋を載せ、不定形の豆腐片の水を切り、再成型する工程 【0010】 この豆腐再成型方法は、請求項1記載の発明における工程(1)(2)の順を逆にしただけであるので、請求項1記載の発明と同様な作用効果が得られる。 【0011】 また、上記課題を解決するために本発明の豆腐再成型具は、 上述した豆腐再成型方法に用いられる豆腐再成型具であって、 加熱されかつ分断された不定形の豆腐片が入れられる、底面および側面に複数の水切り孔を有する再成型容器と、 この再成型容器に入れられた不定形の豆腐片の上に載せられる押し蓋と、 を備えていることを特徴とする。 【0012】 この豆腐再成型具は、上記の構成となっているので、次のような作用効果が得られる。 加熱されかつ分断された不定形の豆腐片を再成型容器に入れ、定形の豆腐片の上に押し蓋を載せることで、再成型容器の底面および側面に設けられた複数の水切り孔から水分が流出し、崩れにくくて扱いやすい再成型豆腐が得られる。 【0013】 この豆腐再成型具においては、さらに、 前記押し蓋の上方において前記再成型容器の上部に対し上下動可能に嵌まり合い、前記押し蓋の傾きを規制する押し蓋傾き規制部材を備えている構成とすることができる。 このように構成すると、再成型容器の上部に対し上下動可能に嵌まり合う押し蓋傾き規制部材によって、不定形の豆腐片の上に載せられ豆腐片を押す押し蓋の傾きが規制されるので、上面が略水平な再成型豆腐を得ることができる。 【0014】 この豆腐再成型具においては、さらに、 前記押し蓋傾き規制部材の上に載置される複数枚の重し板を有している構成とすることができる。 このように構成すると、押し蓋傾き規制部材の上に載せる重し板の枚数を調整することで、得られる再成型豆腐の硬さ(腰の強さ)を調整することが可能となる。 【図面の簡単な説明】 【0015】 【図1】(a)(b)は本発明に係る豆腐再成型方法の工程説明図。 【図2】(c)〜(e)は本発明に係る豆腐再成型方法の工程説明図。 【図3】本発明に係る豆腐再成型具の実施の形態における再成型容器10を示す図で、(a)は平面図、(b)は図(a)におけるb−b端面図、(c)は左側面図。 【図4】同じく押し蓋20を示す図で、(a)は平面図、(b)は図(a)におけるb−b端面図、(c)は左側面図。 【図5】同じく押し蓋傾き規制部材30を示す図で、(a)は平面図、(b)は図(a)におけるb−b端面図、(c)は左側面図。 【図6】同じく重し板40を示す図で、(a)は平面図、(b)は図(a)におけるb−b端面図、(c)は左側面図。 【発明を実施するための形態】 【0016】 以下、本発明に係る豆腐再成型方法ないし豆腐再成型具の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図において、同一部分ないし相当する部分には、同一の符号を付してある。 【0017】 この実施の形態の豆腐再成型方法は、次の工程を含むことを特徴とする。 (1)市販されている豆腐(図示せず)を50℃〜90℃に加熱する工程 (2)工程(1)で加熱された豆腐を、不定形の豆腐片T1(図1(a)参照)に分断する工程 (3)工程(2)で分断された不定形の豆腐片T1を、図1(a)に示すように、底面11および側面12に複数の水切り孔13を有する再成型容器10(図3参照)に入れる工程 (4)工程(3)で再成型容器10に入れられた不定形の豆腐片T1の上に、図1(b)で示すように押し蓋20を載せ、不定形の豆腐片T1の水を切り、再成型する工程(図2(c)(d)参照) 【0018】 この豆腐再成型方法は、上記の構成となっているので、次のような作用効果が得られる。 (1) 市販されている豆腐を50℃〜90℃に加熱することにより、市販されている豆腐を再成型(分断された豆腐T1を再結合)しやすくすることができる。 【0019】 加熱温度が50℃未満であると、再成型されにくくなる。逆に、90℃を超えると、工程(2)での分断作業を行いにくくなる。例えば、手指で分断する際に、熱くて分断作業を行いにくくなる。また、豆腐のうま味も逃げやすくなる。 これに対し、50℃〜90℃とすることで、再成型可能とするとともに分断作業を行いやすくすることができる。また、豆腐のうま味も逃げにくくなる。 加熱温度は、より好ましくは、70℃〜80℃とする。 このようにすると、分断された豆腐T1がより再成型されやすくなるとともに、分断作業もさらに行いやすくなる。また、豆腐のうま味もさらに逃げにくくなる。 【0020】 (2) 工程(1)で加熱された豆腐を不定形の豆腐片T1に分断することにより、豆腐片T1から水分が流出しやすくなり、再成型しやすくなる(図1(b)および図2(c)(d)参照)。 【0021】 (3)(4) 工程(2)で分断された不定形の豆腐片T1を、底面11および側面12に複数の水切り孔13を有する再成型容器10に入れ、不定形の豆腐片T1の上に押し蓋20を載せ、不定形の豆腐片T1の水を切り、再成型することで(図1(b)および図2(c)(d))、崩れにくくて扱いやすい再成型豆腐T2(図2(e))が得られる。 また、この再成型豆腐T2は再成型前の豆腐に比べて水分が少なくなっているので、出汁等が染み込みやすい。 【0022】 上記の実施の形態において、工程(1)(2)は順を逆にしもよい。 すなわち、次の順としても良い。 (1)市販されている豆腐を不定形の豆腐片T1に分断する工程 (2)工程(1)で分断された不定形の豆腐片T1を50℃〜90℃に加熱する工程 (3)工程(2)で加熱された不定形の豆腐片T1を、底面および側面に複数の水切り孔を有する再成型容器10に入れる工程 (4)工程(3)で再成型容器10に入れられた不定形の豆腐片T1の上に押し蓋20を載せ、不定形の豆腐片T1の水を切り、再成型する工程 【0023】 このようにしても、上述したと同様な作用効果が得られる。 【0024】 この実施の形態の豆腐再成型具1は、図1(b)に示すように、 上述した豆腐再成型方法に用いられる豆腐再成型具であって、 加熱されかつ分断された不定形の豆腐片T1が入れられる、底面11および側面12に複数の水切り孔13を有する再成型容器10(図3)と、 この再成型容器10に入れられた不定形の豆腐片T1の上に載せられる押し蓋20(図4)と、 を備えている。 【0025】 この豆腐再成型具1は、上記の構成となっているので、次のような作用効果が得られる。 加熱されかつ分断された不定形の豆腐片T1を再成型容器10に入れ、定形の豆腐片T1の上に押し蓋20を載せることで、再成型容器10の底面11および側面12に設けられた複数の水切り孔13から水分が流出し、崩れにくくて扱いやすい再成型豆腐T2(図2(d)(e))が得られる。 【0026】 この実施の形態の豆腐再成型具1は、さらに、図2(c)(d)および図5に示すように、 押し蓋20の上方において前記再成型容器10の上部に対し上下動可能に嵌まり合い、押し蓋20の傾きを規制する押し蓋傾き規制部材30を備えている。 【0027】 このように構成すると、再成型容器10の上部に対し上下動可能に嵌まり合う押し蓋傾き規制部材30によって、不定形の豆腐片T1の上に載せられ豆腐片T1を押す押し蓋20の傾きが規制されるので、上面T21(図2(d)(e))が略水平な再成型豆腐T2を得ることができる。 【0028】 この実施の形態の豆腐再成型具1は、さらに、図2(c)(d)および図6に示すように、 押し蓋傾き規制部材30の上に載置される複数枚の重し板40を有している。 【0029】 このように構成すると、押し蓋傾き規制部材30の上に載せる重し板40の枚数を調整することで、得られる再成型豆腐T2の硬さ(腰の強さ)を調整することが可能となる。 【0030】 この豆腐再成型方法に使用できる市販されている豆腐としては、絹豆腐、木綿豆腐、充填豆腐等を挙げることができる。 豆腐の加熱は、お湯による加熱や電子レンジでの加熱で行うことができる。 【0031】 分断する不定形の豆腐片T1の大きさは、利用者が適宜選択できる。 分断作業は手指でも行うことができるし、スプーンやフォーク、ナイフ等で行うこともできる。 分断作業は、加熱した市販豆腐を再成型容器10に入れ、スプーンやフォーク、ナイフ等で行うことが望ましい。作業が行いやすいからである。 【0032】 この実施の形態の豆腐再成型具1の各部材は、適宜の材料、例えば、耐熱性(90℃以上の熱に耐えうる)を有する合成樹脂、木、金属、セラミックス等で構成することができる。 【0033】 水切り孔13の形状、大きさ、個数は適宜設定できる。押し蓋20の後述する水切り孔23についても同様である。 孔の形状は、円、楕円、矩形、スリット形状等を採用し得る。 【0034】 図1,図4に示すように、押し蓋20は板状のものであり、この押し蓋20にも複数個の水切り孔23が設けられている。 押し蓋2の上面21には、押し蓋傾き規制部材30を受けるとともに、水切り孔23が押し蓋傾き規制部材30の底面で塞がれないようにするためのリブ22,22が設けられている。リブ22に代えて突起を設けてもよい。 【0035】 図2(c)(d)および図5に示すように、押し蓋傾き規制部材30は、押し蓋20の上方において再成型容器10の上部に対し上下動可能に嵌まり合う容器状の部材である。この押し蓋傾き規制部材30には、水切り孔は設けられていない。圧縮される豆腐片T1から流出する水分が押し蓋傾き規制部材30内に逃げないようにするためである。豆腐片T1から流出した水分が押し蓋傾き規制部材30内に逃げたのでは、その水が元に戻ることで豆腐片T1の水切りを良好に行うことができなくなるからである。。 【0036】 重し板40の形状は任意であるが、その平面視形状は再成型容器10ないし押し蓋20の平面視形状と略相似形とするのが望ましい。豆腐片T1に対する良好な押圧状態が得られやすいからである。 図6において41は摘み部である。 【0037】 以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。例えば、 【0038】 上記の実施の形態の豆腐再成型具1は、平面視形状を角丸の四角形としたが、任意の形状、例えば、円形、楕円形としても良い。 【符号の説明】 【0039】 1: 豆腐再成型具 10: 再成型容器 11: 底面 12: 側面 13: 水切り孔 20: 押し蓋 30: 押し蓋傾き規制部材 40: 重し板 T1: 不定形の豆腐片 |
【図1】 |
【図2】 |
【図3】 |
【図4】 |
【図5】 |
【図6】 |
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