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【発明の名称】豆腐の水切り具
【特許権者】
【識別番号】510135603
【氏名又は名称】小澤 季彦
【住所又は居所】愛知県日進市香久山3−1705 ロイヤル香久山302
【代理人】
【弁理士】
【識別番号】100081776
【氏名又は名称】大川 宏
【発明者】
【氏名】小澤 季彦
【住所又は居所】愛知県日進市香久山3−1705 ロイヤル香久山302
【要約】
【課題】
豆腐を水切りし易く、かつ水切りした後の豆腐を形崩れすることなく移動させることができる豆腐の水切り具を提供する。
【解決手段】
水切り具は、豆腐5を収容し得る収容部11、収容部の側部及び底部を囲む側壁12及び底壁13、豆腐を収容部に出し入れ可能に側壁に開口する開口部14、及び底壁に形成された水抜き穴15を有する枠体1と、開口部を開閉させる開閉部材2と、豆腐を載せて豆腐とともに開口部から収容部に出し入れされるプレート4と、枠体の上部に上下動可能に配置され、側壁に沿って収容部に進退し得る押さえ部31、及び押さえ部の上端に固定され押さえ部よりも幅方向に広がり側壁の上端に当接可能な当接部32をもつ蓋部材3と、を備えている。プレートには、開口部から収容部に収容されたときに枠体の底壁の水抜き穴に連通する小穴45が形成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
豆腐を収容し得る収容部、該収容部の側部及び底部を囲む側壁及び底壁、該豆腐を該収容部に出し入れ可能に該側壁に開口する開口部、及び該底壁及び該側壁における該底壁に近接した位置に形成された水抜き穴を有する枠体と、
前記開口部を開閉させ前記収容部に収容された豆腐を外部から視認できる程度に透明な開閉部材と、
前記豆腐を載せて該豆腐とともに前記開口部から前記収容部に出し入れ可能に前記収容部の底部に配置されるプレートと、
前記枠体の上部に上下動可能に配置され、前記側壁に沿って前記収容部に進退し得る押さえ部、及び該押さえ部の上端に固定され該押さえ部よりも幅方向に広がり前記側壁の上端に当接可能な当接部をもつ蓋部材と、
を備えた豆腐の水切り具であって、
前記プレートには、前記開口部から前記収容部に収容されたときに前記枠体の前記底壁の前記水抜き穴に連通する小穴が形成されており、
前記枠体の前記側壁における該底壁に近接した位置に形成された前記水抜き穴の直径は6〜12mmであって、該水抜き穴の前記収容部側の開口部は、前記収容部に収容された前記プレートの側端面で一部が閉止されることにより1/3〜1/2を切り欠いた形状とされることを特徴とする豆腐の水切り具。
【請求項2】
前記枠体の前記側壁における該底壁に近接した位置には、前記プレートの挿入方向に沿って所定間隔を隔てて複数の前記水抜き穴が形成されている請求項1記載の豆腐の水切り具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、豆腐を水切りする際に用いられる豆腐の水切り具に関する。
【背景技術】
豆腐を料理する際には、豆腐を水切りすることが多い。豆腐を水切りするにあたっては、従来、電子レンジで短時間加熱するなどの方法が行われている。しかし、電子レンジで水切りする場合には、豆腐が加熱されて、豆腐本来の味や風味が変化してしまう。
そこで、特許文献1に開示されているように、型枠に豆腐を入れて豆腐の上に重石を兼ねた蓋を載せることで、豆腐の形を崩すことなく水切りを適度にすることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】
特開2009−254759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1の豆腐の水切り具では、底のない型枠を用いて豆腐の水切りをおこなっているが、型枠に囲まれた底部には、水が溜まり易く、豆腐の水切れが悪い。また、水切りした後の豆腐は、移動させにくく、把持した場合には形が崩れしてしまう。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、豆腐を水切りし易く、かつ水切りした後の豆腐を形崩れすることなく移動させることができる豆腐の水切り具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
本発明の豆腐の水切り具は、豆腐を収容し得る収容部、該収容部の側部及び底部を囲む側壁及び底壁、該豆腐を該収容部に出し入れ可能に該側壁に開口する開口部、及び該底壁及び該側壁における該底壁に近接した位置に形成された水抜き穴を有する枠体と、前記開口部を開閉させ前記収容部に収容された豆腐を外部から視認できる程度に透明な開閉部材と、前記豆腐を載せて該豆腐とともに前記開口部から前記収容部に出し入れ可能に前記収容部の底部に配置されるプレートと、前記枠体の上部に上下動可能に配置され、前記側壁に沿って前記収容部に進退し得る押さえ部、及び該押さえ部の上端に固定され該押さえ部よりも幅方向に広がり前記側壁の上端に当接可能な当接部をもつ蓋部材と、を備えた豆腐の水切り具であって、前記プレートには、前記開口部から前記収容部に収容されたときに前記枠体の前記底壁の前記水抜き穴に連通する小穴が形成されており、前記枠体の前記側壁における該底壁に近接した位置に形成された前記水抜き穴の直径は6〜12mmであって、該水抜き穴の前記収容部側の開口部は、前記収容部に収容された前記プレートの側端面で一部が閉止されることにより1/3〜1/2を切り欠いた形状とされることを特徴とする。
前記枠体の前記側壁における該底壁に近接した位置には、前記プレートの挿入方向に沿って所定間隔を隔てて複数の前記水抜き穴が形成されていることが好ましい。
上記構成によれば、プレートの上に豆腐を載せて、プレートを開口部から収容部に挿入して、収容部に豆腐を収容させる。豆腐を収容部に収容したときには、プレートに形成された小穴は、枠体の底壁に形成された水抜き穴に連通する位置に配置される。この状態で、収容部の上部から下方に向けて蓋部材の押さえ部を下降させ豆腐の上に載せる。この状態でしばらく放置すると、豆腐に加わる蓋部材の荷重によって、豆腐から水がにじみ出る。豆腐からみじみ出た水は、プレートに形成された小穴及び枠体の底壁に形成された水抜き穴を通じて枠体の下部に流出される。このため、豆腐が収容されている収容部には、にじみ出た水が溜まることはない。ゆえに、豆腐の水切りを確実に行うことができる。
また、水切りされた豆腐は、プレート上に載せられた状態で、収容部から開口部を通じて外部に出される。このため、豆腐を簡易に収容部から取り出すことができ、プレートに載せた状態で、どこにでも移動させることができる。また豆腐が形崩れするおそれもない。
前記水抜き穴は、前記枠体の前記底壁だけでなく前記側壁における該底壁に近接した位置にも形成されている。この場合には、豆腐からにじみ出た水が、枠体の底壁に形成された水抜き穴だけでなく側壁に形成された水抜き穴からも外部に排出される。ゆえに、収容部に水が溜まることを効果的に抑制できる。
前記開閉部材は、前記収容部に収容された豆腐を外部から視認できる程度に透明である。この場合には、開閉部材を枠体から取り外す必要はなく、開閉部材を通じて、豆腐の水切り状態を外部から視認することができる。
【発明の効果】
本発明の豆腐の水切り具によれば、プレートに豆腐を載せた状態で、収容部で豆腐を水切りするとともに、プレート及び収容部には小穴及び水抜き穴が連通しているため、豆腐を水切りし易く、かつ水切りした後の豆腐を形崩れすることなく移動させることができる。
【発明を実施するための形態】
(参考形態)
本発明の参考形態について図面を用いて詳細に説明する。図1に示すように、本参考形態の豆腐の水切り具は、枠体1と、開閉部材2と、蓋部材3と、プレート4とを備えている。
図2に示すように、枠体1は、豆腐5を収容し得る収容部11と、収容部11の側部及び底部を囲む側壁12及び底壁13とを有する。収容部11は、豆腐5を収容可能な大きさをもつ直方体形状である。具体的には、収容部11の縦a、横b、高さcは、129mm、80mm、136mmである。収容部11の4つの側部のうち3つは、側壁12に対面している。側壁12の内面には、防水紙16が貼着されていて、収容部11に収容された豆腐5が側壁12に直接接触しないようになっている。収容部11の4つの側部のうち残りの1つには、豆腐5を収容部11に出し入れ可能とする開口部14が形成されている。
底壁13は、側壁12の最下端よりも25mm高い位置に固定されている。底壁13には、多数の水抜き穴15が貫通している。水抜き穴15は、水が流通しやすい大きさをもち、例えば、4〜10mmの直径をもつ。本参考形態においては、水抜き穴15の直径は6mmである。水抜き穴15は、底壁13のほぼ全体に渡って等間隔で複数配列している。
枠体1の材質は、ある程度の強度があれば特に限定されないが、例えば、木製、プラスチック製、ステンレスなどの金属製などを用いることができる。
開閉部材2は、枠体1の開口部14に配設されている。開口部14を挟んで対面する一対の側壁12には溝部12aが形成されている。開閉部材2の両側部は、溝部12aに上下方向にスライド可能に嵌合されている。開閉部材2は、上下方向にスライドすることで開口部14を開閉させる。開閉部材2は、収容部11に収容された豆腐5を外部から視認できる程度に透明な部材からなることがよく、例えば、アクリル板などが用いられる。開閉部材2には、豆腐5の圧縮量を量るための目盛り線21が付されていると良い。目盛り線21は、例えば、印刷、又はシール貼りなどにより開閉部材2に付すことができる。また、開閉部材2の上辺近傍には、把持用の穴22が形成されている。
図1に示すように、蓋部材3は、枠体1の上部に上下動可能に配置される部材である。蓋部材3は、押さえ部31と、押さえ部31の上端に固定された当接部32とからなる。押さえ部31は、枠体1の収容部11とほぼ同じ大きさである。具体的には、押さえ部31の縦d、横eは、118mm、78mmである。押さえ部31は、枠体1の側壁12に沿って収容部11に進退し得る。押さえ部31の高さf、即ち収容部11への挿入方向の厚みは、108mmであり、収容部11の高さよりも28mmだけ小さく、豆腐5を押しつぶし過ぎないようにしている。当接部31は、押さえ部31よりも幅方向に広がる板状体であり、側壁12に当接可能である。蓋部材3は、木製、プラスチック製、金属製、陶磁器製など、その材質を問わない。
プレート4は、薄い四角形のアクリル板であり、枠体1の底壁13とほぼ同じ幅をもち、底壁13の上に配置される。プレート4の長さは、収容部11の長さよりも若干大きく、収容部11に収容したときには、手前側の先端部41が、開口部14から飛び出している。プレート4には複数の小穴45が形成されている。小穴45は、収容部11に収容したときに枠体1の底壁13に形成された水抜き穴15と同じ位置に配置されるように形成されていて、水抜き穴15と同じ大きさである。小穴45は、水抜き穴15と連通していて、豆腐5から出た水を枠体1の外部に排出する。
本参考形態の豆腐の水切り具を用いて豆腐の水切りをする方法について説明する。図2に示すように、枠体1の下に水受け用の小皿6を敷く。次に、プレート4の上に、豆腐5を載せて、枠体1の開口部14から収容部11に収容する。プレート4を収容部11に収容したときに、プレート4に形成された小穴45は、枠体1の底壁13に形成された水抜き穴15と同じ位置に配置される。
ここで、豆腐5の大きさは収容部11とほぼ同じか若干小さいとよい。豆腐5と収容部11の側壁12との間の隙間は、1〜4mmであるとよく、例えば、約2mmであることが好ましい。この場合には、豆腐5を収容部11に収容しやすく、また水切りにより形崩れすることも抑制される。入手した豆腐が、収容部11よりも大きい場合には、適当な大きさに切って水切りするとよい。入手した豆腐が収容部11よりもかなり小さい場合にも、そのままの形状で水切りすることができるが、豆腐が形崩れしないように布巾やキッチンペーパーなどで包んで水切りするとよい。
次に、開閉部材2を、枠体1の側壁12に形成された溝部12aに嵌合させ下降させて、枠体1の開口部14を閉塞する。次に、図3に示すように、蓋部材3を枠体1の上部に配置させ、蓋部材3の押さえ部31を収容部11に下降させる。更に、蓋部材3の当接部32の上に、やかん、鍋、密閉容器、本、雑誌などの身の回りにあるものを重りとして載せる。本参考形態においては、図4に示すように、蓋部材3の当接部32の上に、水71などを入れた鍋7を重りとして載せる。蓋部材3と鍋7との合計重量が、荷重として豆腐5に加わる。
鍋7に入れる水71の量を調整することにより豆腐5に加わる荷重を3kg、5kgで変えて、豆腐の水切り具合を観察した。荷重が3kgである場合には、豆腐の形崩れがほとんどなく水切りすることができた。荷重が5kgである場合には、3kgである場合よりも、豆腐の水切り速度が速かったが、若干形崩れが生じた。豆腐の厚みが水切り前の厚みの6割になるまでの時間は、荷重が3kgである場合には15分かかり、荷重が5kgである場合には5分かかった。
以上の観察結果より、蓋部材3と水71を入れた鍋7との合計重量である荷重は、2〜5kgであるとよい。この荷重が重いほど、水切り時間が短くなり、軽いほど水切り時間が遅くなる。例えば、荷重が2kgである場合には、約1時間程度で豆腐5が形崩れすることなく水切りされて、豆腐5の厚みが半分になる。荷重が1.5kgである場合には、少々軽すぎて水切りに時間を要する。
本参考形態においては、プレート4の上に豆腐5を載せて、枠体1の底壁13にプレート4を置くことで、収容部11に豆腐5を収容させる。豆腐5を収容部11に収容したときには、プレート4に形成された小穴45は、枠体1の底壁13に形成された水抜き穴15と同じ位置に配置される。この状態で、収容部11の上部から下方に向けて蓋部材3の押さえ部31を下降させ豆腐5の上に載せる。この状態でしばらく放置すると、豆腐5に加わる蓋部材3の荷重によって、豆腐5から水がにじみ出る。豆腐5からにじみ出た水は、プレート4に形成された小穴45及び枠体1の底壁13に形成された水抜き穴15を通じて枠体1の下部に流出される。このため、豆腐5が収容されている収容部11には、にじみ出た水が溜まることはない。ゆえに、豆腐5の水切りを確実に行うことができる。
また、豆腐5を水切りした後には、開閉部材2を取り外す。そして、枠体1の開口部14から、豆腐5をプレート4上に載せた状態で、収容部11から開口部14を通じて外部に取り出す。このように、豆腐5を直接把持することなく、豆腐5を簡易に収容部11から取り出すことができ、またプレート4に載せた状態で、どこにでも移動させることができる。また、豆腐5が形崩れするおそれもない。
豆腐5を水切りしている間は、収容部11の開口部14は開閉部材2により閉塞されている。このため、蓋部材3が開口部14側に傾斜することなく、ほぼ垂直方向に豆腐5を加圧することができる。また、豆腐5が開口部14からはみださず、形崩れすることもない。
また、開閉部材2は透明である。このため、開閉部材2を通じて、豆腐5の水切り状態を外部から視認することができる。
(第1実施形態)
第1実施形態においては、図5に示すように、枠体1の底壁13だけでなく側壁12にも複数の水抜き穴17が形成されている。水抜き穴17は、収容部11の3方を囲む側壁12に1列に配列している。水抜き穴17は、側壁12における底壁13に近接した位置に1列あれば、更に、その上方に複数列配列していてもよい。側壁12の底壁13に近接した位置に形成された水抜き穴17の収容部11側の開口部17aは、水はけの良さの点から、丸穴よりも、1/3〜1/2を切り欠いた形状であることがよい。また、水はけの良さの点から、水抜き穴17の直径は、6〜12mmであることがよく、本実施形態においては9mmとする。
枠体1の開口部14上方には、連結部材18が設けられている。連結部材18の左右両端は、開口部14を挟んで相対する1対の側壁12に固定されている。連結部材18は、厚みのある板材であり、上端18aは側壁12と平面位置を同じくし、下端18bは豆腐を出し入れ可能とする開口部14を挟んで底壁13と対向している。連結部材18は、開閉部材2の外側に隣接している。
本実施形態においては、参考形態とは異なって、図6に示すように、側壁12の内面に防水紙16を設けていない。この場合、製造コストを低下させ、加工の手間を軽減できる。一方で、枠体1が豆腐5に直接接触することになるので、豆腐5が枠体1の材質の影響を受けないために、豆腐5をキッチンペーパーや布巾などの包み材8で包んで収容することがよい。その他の点は、参考形態と同様である。
本実施形態においては、底壁13だけでなく側壁12にも、水抜き穴15、17を設けている。このため、豆腐からにじみ出た水は、底壁13だけでなく側壁12からも収容部11の外部に排出される。ゆえに、収容部11の底部に水が溜まることを効果的に抑制できる。
また、枠体1の開口部14の上部には、開閉部材2に隣接する連結部材18が設けられている。開閉部材2が蓋部材3の荷重によりたわむことを防止でき、豆腐5をより均一な厚みに水切りすることができる。また、蓋部材3による荷重により開閉部材2が側壁12から外れることを防止することができる。
また、参考形態及び第1実施形態においては、底壁13の水抜き穴15は、プレート4の小穴45と同じ形状及び大きさで、同じ位置に形成されているが、小穴45に連通していて収容部11内の水を排出できれば、必ずしも同じ形状及び大きさでなくても良く、また同じ位置に形成されていなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考形態に係る豆腐の水切り具の斜視図である。
【図2】参考形態に係る、豆腐の水切り具の分解斜視図である。
【図3】参考形態に係る、収容部に豆腐を収容したときの状態を示す豆腐の水切り具の断面図である。
【図4】参考形態に係る、豆腐の水切りを行ったときの状態を示す豆腐の水切り具の断面図である。
【図5】第1実施形態に係る豆腐の水切り具の斜視図である。
【図6】第1実施形態に係る、収容部に豆腐を収容したときの状態を示す豆腐の水切り具の断面図である。
【符号の説明】
1:枠体、2:開閉部材、3:蓋部材、4:プレート、5:豆腐、6:小皿、8:包み材、11:収容部、12:側壁、13:底壁、14:開口部、15、17:水抜き穴、18:連結部材、31:押さえ部、32:当接部、45:小穴。
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5
【図6】
図6
パンフレット1
パンフレット2
説明文
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