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【考案の名称】蔬菜移し具 【実用新案権者】 【識別番号】501241047 【氏名又は名称】酒井 元博 【住所又は居所】埼玉県新座市あたご3丁目8番12号 【代理人】 【弁理士】 【識別番号】100147407 【氏名又は名称】江波戸 真弓 【考案者】 【氏名】酒井 元博 【住所又は居所】埼玉県新座市あたご3丁目8番12号 【要約】(修正有) 【課題】 野菜などマナ板の上で切った蔬菜を煮鍋などの中に入れる時に使用が可能とする。 【解決手段】 底辺に比べて充分に長い斜辺の二等辺三角形の頂部を、底辺に平行に且、底辺より短く切り取った上辺で形成される、細長い台形の薄い金属板の一方の面を内側にして底辺から上辺に向かって連続的に曲率半径を小さくして約90度の範囲で湾曲した掻き寄せ部を有し、底辺から下方に約30度外側に折り曲げた柄付け部に柄を設ける。 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 底辺に比べて充分に長い斜辺の二等辺三角形の頂部を、底辺に平行に且、底辺より短く切り取った上辺で形成される、細長い台形の薄い金属板の一方の面を内側にして底辺から上辺に向かって連続的に曲率半径を小さくして約90度の範囲で湾曲した掻き寄せ部を有し、底辺から下方に約30度外側に折り曲げた柄付け部に柄を設けたこと特徴とする蔬菜移し具。 【請求項2】 請求項1に記載の蔬菜移し具において、前記台形金属板掻き寄せ部に、上下長手方向の、補強のための凹み部を設けたことを特徴とする蔬菜移し具。 【請求項3】 請求項1または2に記載の蔬菜移し具において、前記柄部の表面に、滑り止めを施したことを特徴とする蔬菜移し具。 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項に記載の蔬菜移し具において、掻き寄せ部がアルミニュウム合金製であることを特徴とする蔬菜移し具。 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項に記載の蔬菜移し具において、柄がプラスチック製であることを特徴とする蔬菜移し具。 【考案の詳細な説明】 【技術分野】 本考案は、調理用器具に関するものである。 【背景技術】 一般に、蔬菜類を煮炊きあるいは炒める等の調理の際、蔬菜を俎板の上で適当な大きさに切り揃えてから、鍋やフライパン又はバット等の容器に移す作業が頻繁に行われる。 この場合、切った蔬菜を包丁や菜箸または素手で、俎板から、容器のうえに掻き落とすのが一般的である。 この時、俎板上に散らばった、小さく切った蔬菜の一部が容器外にこぼれ落ちることがままある。こぼれ落ちた蔬菜は再度、洗ったり、水切りや下ごしらえをし直さなければならず、調理によっては手早く一気に行わなければ食感や風味が損なわれるものもあり、こぼさぬ様に速やかに移し替えるのは、なかなか厄介な作業である。特に切った後の蔬菜の形状によっては、俎板を傾けたとき、思わぬ方向に転がり落ちてしまうことがあり難しい。俎板上の複数種類の蔬菜を種類ごとに順次移すことは、更に難しい作業となる。 【考案が解決しようとする課題】 本考案が解決しようとする課題は調理作業において、俎板上の切った蔬菜を別の調理器や容器に移す際に散らばって調理器や容器外にこぼれ出すことを防ぐことである。 また、俎板上の切った複数種蔬菜を、他の容器や調理器に種類ごとに順次移すとき俎板を傾けると、同時に落ちて混ざり合ってしまう恐れがある。 また、俎板を傾けて相手容器に掻き落とすと、俎板上の蔬菜とともに不必要な水や汁が流れ込む不都合もある。 本考案の目的は、俎板上の切った蔬菜を調理器や他の容器(以下別容器)に移す際、俎板を傾けることなく、狙った蔬菜のみを、速やかに掻き移すことができる蔬菜移し具を提供することにある。 さらに俎板に限らず一方の底が窪んだ容器から他方の容器に、速やかに狙った蔬菜等を纏めて容易に掻き出すことができる蔬菜移し具を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するために、本考案の、第1の態様の蔬菜移し具は、細長い台形の金属板を柄付け部から先端に向かって連続的に曲率半径を小さくした湾曲した掻き寄せ部とし、柄付け部に約30度外側に折り曲げた柄を設けた構成とすることができる。 本考案の、第2の態様の蔬菜移し具は、前記湾曲した掻き寄せ部に、上下長手方向の、補強のための凹み部のある構成とすることができる。 本考案の、第3の態様の蔬菜移し具は、柄部に滑り止めを施した構成とすることができる。 また、本考案の第4の態様によれば、湾曲した掻き寄せ部をアルミニュウム合金板とすることができる。 これにより、軽量で且つ耐熱性のある蔬菜移し具とすることができる。 また、本考案の第5の態様によれば、柄をプラスチック製とすることができる。これにより、軽量で且つ衛生的な蔬菜移し具とすることができる 【考案を実施するための最良の形態】 本考案の一実施の形態による蔬菜移し具について図面を用いて説明する。 本実施の形態の蔬菜移し具は、全体として、湾曲した箆状の外観を有している。なお、本実施の形態において、1は掻き寄せ部、2は柄部である。 本実施の形態の蔬菜移し具について、その側面図を図1(a)に、正面図を図1(b)に、湾曲加工前の掻き寄せ部の正面図を図2(a)に、湾曲加工前の掻き寄せ部の側面図を図2(b)に示す。図2(c)は上面図である。 図においてA点、D点は台形の短辺角部、B点、C点は台形の長辺角部である。以下説明の便宜上A点,B点を通るX軸と辺ADの中点と辺BCの中点を通るY軸座標を仮定し原点0を通るX軸とY軸に直交するZ軸を仮定して説明する。 縦に細長い台形金属板10の底辺には柄取付け部11があって、柄を固定する穴12がある。台形金属板10の中央に、補強のための隆起リブ13があって強度を増している。 掻き寄せ部1は、台形金属板10のX軸を起点にしてXY面をZ軸方向に曲率を徐々に小さくして底辺から先端にかけて、約90度の範囲で一方に湾曲した形状である。 具体例としては、台形金属板の高さは150mm、底辺の幅は30mm,先端部の幅は12mm、金属板の板厚は1mm、湾曲の半径は底辺付近が100mm、先端部が60mm、隆起の高さ1mm程度が、扱い易いことが、試作品の使用試験で判っているが、必ずしもこれ等の値に限定されるものではない。 柄取付け部11はX軸からZ軸方向湾曲の外側に約30度で折れ曲がり穴12内のピンを介して柄2が固定されている。 柄2の表面には滑り止めの為の凹凸22がある。 湾曲した掻き寄せ部1の辺AB,辺CDのXY平面への投影線は緩やかに湾曲した曲線AB,及び曲線CDを描く。即ち辺AB,または辺CD全体に接する平面はあり得ない。 湾曲した、辺AB又は辺CDを平面に押し当て、Y軸又はZ軸周りに回転した場合、接点の位置と、平面に直交する面に投影した辺AB又は辺CDの見かけの曲率半径が様々に変化する。 この事は、多様々な曲率半径の容器の内面や平面に近似的に接触することができる,優れた特性を発揮する。 掻き寄せ部1をアルミニュウム合金製とすることで加工が容易で軽く、衛生的な蔬菜移し具とすることができる。 柄をプラスチック製とすることで同じく加工が容易で軽く、衛生的な蔬菜移し具とすることができる。 つぎに、本実施の形態の蔬菜移し具を用いて、調理を行う動作と効果について説明する。 俎板上で細かく切った蔬菜を調理器具や食器等他の容器に移す場合、俎板ごと他の容器の上方に水平に持ち、本考案の蔬菜移し具で俎板から掻き落とす。 あるいは細かく切った蔬菜を一方の容器から別の容器に移す場合に、本考案の蔬菜移し具で一方の容器から蔬菜を掻き出す。 掻き寄せ部1の側面は図1(b)の曲線A,P1,Bで示すごとく曲面であるため、俎板との接点以外の側面は俎板との間に隙間ができる。 掻き寄せ部の側面中央近くの点P1を俎板にあてがうと俎板の面は線イで示す如く、掻き寄せ部の広い範囲が俎板と僅か隙間を空けて沿う。 よって広い範囲の蔬菜を掻き移すことができる。 しかも俎板上の蔬菜は曲線A,P1,Bの中央P1側に掻き寄せられるので散らばる事がない。 にもかかわらず、前記隙間により、俎板上の余分な水分や汁はそのまま俎板上に残すことができる。 掻き寄せ部の側面先端近くの点P2、またはP3、を俎板にあてがうと俎板の面は線ロ、または線ハで示す如く、掻き寄せ部の狭い範囲が俎板と僅かな隙間を空けて沿う。よって狭い範囲の蔬菜を掻き移すことができる。 このようにして、俎板上の蔬菜を選択して掻き寄せたり、掻き出したりできる。 先端部を接点とする使い方で口の小さな容器や底の深い容器内の蔬菜等も容易に掻き出すことができる。 以上考案の目的は充分に達成された。 【考案の詳細な説明】 図1(a)は、本考案による実施形態の蔬菜移し具の側面図、図1(b)はその正面図、図1(c)は断面図である。 理解を容易にするためXYZの座標軸を記入した。 図2(a)は湾曲加工前の掻き寄せ部の正面図、図2(b)は側面図である。図2(c)は上面図である。 【符号の説明】 1…掻き寄せ部、 2…柄部、 11…柄取付け部 12…ピン穴、 13…隆起リブ、 21…吊るし穴 22…凹凸 |
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【図1】 |
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【図2】 |
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