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【発明の名称】納豆使用麺 【出願人】 【識別番号】504047448 【氏名又は名称】有限会社新英商事 【住所又は居所】茨城県潮来市上戸557−2 【代理人】 【弁理士】 【識別番号】100093816 【氏名又は名称】中川 邦雄 【発明者】 【氏名】茂木 英男 【住所又は居所】茨城県潮来市上戸557−2 有限会社新英商事内 【要約】 【課題】 本発明は、茹で上げる麺が細かくぶつぶつと切れることがなく、原状のまま茹で上がり、納豆の旨味を付加した麺を提供することを目的とするものである。 【解決手段】 本発明は、小麦粉、澱粉、塩、卵白、かん水及び水を手作業及びミキサーで練り上げ、上下ローラーに挟み込んで延ばした麺生地の帯と、粉末納豆、小麦粉、塩、卵白、薄力粉及び水を手作業及びミキサーで練り上げ、上下ローラーに挟み込んで延ばした納豆生地の帯とからなり、前記麺生地の帯を熟成させた後、長さを半分に分け、間に前記納豆生地の帯をサンドイッチ状に挟み込み、上下ローラーで延ばして1枚の生地に仕上げ、任意のサイズにカットしたことを特徴とする納豆使用麺の構成とした。 【特許請求の範囲】 【請求項1】 小麦粉、澱粉、塩、卵白、かん水及び水を手作業及びミキサーで練り上げ、上下ローラーに挟み込んで延ばした麺生地の帯と、粉末納豆、小麦粉、塩、卵白、薄力粉及び水を手作業及びミキサーで練り上げ、上下ローラーに挟み込んで延ばした納豆生地の帯とからなり、前記麺生地の帯を熟成させた後、長さを半分に分け、間に前記納豆生地の帯をサンドイッチ状に挟み込み、上下ローラーで延ばして1枚の生地に仕上げ、任意のサイズにカットしたことを特徴とする納豆使用麺。 【発明の詳細な説明】 【技術分野】 本発明は、麺生地に納豆を混合した納豆使用麺に関する発明である。 【背景技術】 一般に、ラーメン、うどん又はそば等の麺生地を製造する際は、小麦粉、そば粉又は澱粉などに食塩、卵白及び水などを加え、手作業及びミキサーで練り上げる。練り上がった生地をローラー等で引き延ばし、適度なサイズにカットして麺を製造する。 従来の納豆使用麺では、納豆、小麦粉、塩及び水を一緒に練り合わせて麺の生地を作るため、納豆がべたついて作業が困難であった。特許文献1記載の発明のように、粉砕した納豆を主原料と練り合わせて麺を製造する方法も公開されている。 【特許文献1】 特開昭62−74253号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、納豆の粉末、小麦粉、塩及び水を一緒に練り合わせて麺の生地を作るため、納豆のタンパク質が小麦粉のグルテンの結合力を弱めてしまい、茹でた際にぶつぶつと切れてしまって麺の細長い形状が損なわれてしまう。 そこで、本発明は、茹で上げる麺が細かくぶつぶつと切れることがなく、原状のまま茹で上がり、納豆の旨味を付加した麺を提供することを目的とするものである。 【課題を解決するための手段】 本発明は、上記の課題を解決するために、小麦粉、澱粉、塩、卵白、かん水及び水を手作業及びミキサーで練り上げ、上下ローラーに挟み込んで延ばした麺生地の帯と、粉末納豆、小麦粉、塩、卵白、薄力粉及び水を手作業及びミキサーで練り上げ、上下ローラーに挟み込んで延ばした納豆生地の帯とからなり、前記麺生地の帯を熟成させた後、長さを半分に分け、間に前記納豆生地の帯をサンドイッチ状に挟み込み、上下ローラーで延ばして1枚の生地に仕上げ、任意のサイズにカットしたことを特徴とする納豆使用麺の構成とした。 【発明の効果】 本発明は、以上の構成であるから以下の効果が得られる。第1に、麺の生地と生地の間に納豆の生地がサンドイッチ状に挟まれているため、強い腰のあるしこしこした麺が出来上がる。 第2に、茹でた際にぶつぶつ切れる事がなく、納豆も中央部に集中して挟まれた状態で存在するため、納豆の旨味が損なわれる事もない。 【発明を実施するための最良の形態】 ラーメン、うどん又はそばのいずれにおいても、納豆を麺の生地の間にサンドイッチ状に挟み込まれて製造されるが、原材料の混合等の量は、季節の温度及び湿度の変化により調整する。 【実施例1】 以下に、添付図面に基づいて、本発明である納豆使用麺について詳細に説明する。本発明は、小麦粉、澱粉、塩、卵白、かん水及び水を手作業及びミキサーで練り上げ、上下ローラーに挟み込んで延ばした麺生地の帯と、粉末納豆、小麦粉、塩、卵白、薄力粉及び水を手作業及びミキサーで練り上げ、上下ローラーに挟み込んで延ばした納豆生地の帯とからなり、前記麺生地の帯を熟成させた後、長さを半分に分け、間に前記納豆生地の帯をサンドイッチ状に挟み込み、上下ローラーで延ばして1枚の生地に仕上げ、任意のサイズにカットしたことを特徴とする納豆使用麺である。 図1は、本発明である納豆使用麺の麺生地の材料を練り上げ、上下ローラーで挟み込んで麺生地の帯を作成する状況を示す図である。麺生地の製造1では、まず図8に示す材料を手作業及びミキサーで練り上げる。 図8は、本発明である納豆使用麺の麺生地の製造に用いる材料及びその分量を示す表である。麺生地の材料及び分量15の表において、材料16及び分量16aが示されており、それぞれ小麦粉が10kg、澱粉が500g、塩が280g、卵白が100g、かん水が360cc、水が3600ccである。 麺生地素材4は練り上がった生地であり、麺生地素材4を進行方向12に示す通り、上ローラー10及び下ローラー10aの間に挟み込むように通す。麺生地素材4は柔らかいので、延ばされて、上下ローラー10、10aの間を通って出てくる。 上下ローラー10、10aは、木又は金属等の硬い材質で円柱状をしている。上ローラー10は回転方向11に示すように回転し、下ローラー10aは回転方向11aに示すように上ローラー10とは逆向きに回転する。 上ローラー10及び下ローラー10aの間隔は、生地を延ばす厚さと同じにする。上下ローラー10、10aを回転させながら、間に麺生地素材4を通すと、均等な厚さにされて出てくる。 延ばされて帯状になった麺生地4aは、長さは約20m、巾は25cm〜30cmの大きさに調整しておく。麺生地4aの帯はそのままでは扱いにくいので、細長い棒状の芯13に巻き取っておく。 図2は、本発明である納豆使用麺の図1で作成した麺生地を半分の長さにカットして2本の生地に分け、上下ローラーで挟み込んで1本の麺生地の帯を作成する状況を示す図である。麺生地の製造1aでは、まず図1における麺生地4aを半分の長さにカットし、麺生地5及び麺生地5aの2つに分け、それぞれ芯13a及び芯13bに巻き取っておく。 麺生地5及び麺生地5aは、重ねるようにして一緒に、図1の場合と同様に、それぞれ進行方向12a、12bに示すように上下ローラー10、10aの間に通し、生地を延ばす。上下ローラー10、10aはそれぞれ回転方向11、11aに回っているため、麺生地5及び麺生地5aは合わさって出てくる。 延ばされて帯状になった麺生地5bは、図1の場合と同様に、長さは約20m、巾は25cm〜30cmの大きさに調整し、麺生地5bの帯はそのままでは扱いにくいので、細長い棒状の芯13に巻き取っておく。 図3は、本発明である納豆使用麺の図2で作成した麺生地を再度半分の長さにカットして2本の生地に分け、上下ローラーで挟み込んで1本の麺生地の帯を作成する状況を示す図である。麺生地の製造1bでは、図2の場合と同様に、図2における麺生地5bを半分の長さにカットし、麺生地6及び麺生地6aの2つに分け、それぞれ芯13a及び芯13bに巻き取っておく。 麺生地6及び麺生地6aは、図2の場合と同様に、重ねるようにして一緒に、それぞれ進行方向12a、12bに示すように上下ローラー10、10aの間に通し、生地を延ばす。上下ローラー10、10aはそれぞれ回転方向11、11aに回っているため、麺生地6及び麺生地6aは合わさって出てくる。 延ばされて帯状になった麺生地6bは、図2の場合と同様に、長さは約20m、巾は25cm〜30cmの大きさに調整し、麺生地6bの帯はそのままでは扱いにくいので、細長い棒状の芯13に巻き取っておく。 上下ローラー10、10aに通して麺生地を延ばすことを繰り返すことで、麺生地の帯にムラがなくなり、きれいに仕上げることができる。上下ローラー10、10aに通す度に間隔を狭めていけば、徐々に麺生地を薄くしていくことができる。 仕上がった麺生地6bは、旨味としこしこ感を高めるために、7°C〜10°Cの温度で、8時間〜12時間寝かせて熟成させる。寝かせることで麺生地自身が持つ酵素の働きが活発となり、小麦粉の美味しさを最大限に引き出すことができる。 図4は、本発明である納豆使用麺の納豆生地素材の材料を練り上げ、上下ローラーで挟み込んで納豆生地の帯を作成する状況を示す図である。納豆生地の製造2では、まず図9に示す材料を手作業及びミキサーで練り上げる。 図9は、本発明である納豆使用麺の納豆生地の製造に用いる材料及びその分量を示す表である。納豆生地の材料及び分量15aの表において、材料16及び分量16aが示されており、それぞれ粉末納豆が1kg、小麦粉が1kg、塩が40g、卵白が50g、薄力粉が1kg、水が1100ccである。 粉末納豆は、乾燥させた納豆を粉砕して得るが、乾燥納豆を作る方法としては、フリーズドライや真空フライ等がある。出来上がった粉末納豆は、小麦粉など他の材料と混合される。 フリーズドライ納豆とは、納豆をマイナス30°Cに急速に冷凍し、真空室で温度制御しながら水を昇華させて出来た乾燥納豆のことである。低温下で乾燥させるため、品質の変化が少ないという特徴があり、水分を加えると元に戻すことができる。 真空フライ納豆とは、納豆を冷凍し、加熱油のある真空室で揚げることで、低沸点で水分を蒸発させ、油分を分離して出来た乾燥納豆のことである。真空フライはフリーズドライの場合に比べ、80°C〜100°Cの高温であるが、通常、油で揚げる温度である160°C〜170°Cに比べて低温加工である。真空中なので、油分の除去がしやすく、フライにしたものでも油分があまり気にならない乾燥納豆を得ることができる。水分を加えてもフリーズドライの場合のように元に戻らないし、含有成分としては脂肪分の比率が高くなる。 納豆生地素材7は練り上がった素材であり、納豆生地素材7を進行方向12に示す通り、上ローラー10及び下ローラー10aの間に挟み込むように通す。上ローラー10及び下ローラー10aはそれぞれ回転方向11、11aに回転しており、間に納豆生地素材7を通すと、均等な厚さにされて出てくる。 延ばされて帯状になった納豆生地7aは、長さは約20m、巾は25cm〜30cmの大きさに調整しておく。納豆生地7aの帯はそのままでは扱いにくいので、細長い棒状の芯13に巻き取っておく。 図5は、本発明である納豆使用麺の図4で作成した納豆生地を半分の長さにカットして2本の生地に分け、上下ローラーで挟み込んで1本の納豆生地の帯を作成する状況を示す図である。納豆生地の製造2aでは、まず図4における納豆生地7aを半分の長さにカットし、納豆生地8及び納豆生地8aの2つに分け、それぞれ芯13a及び芯13bに巻き取っておく。 納豆生地8及び納豆生地8aは、重ねるようにして一緒に、図4の場合と同様に、それぞれ進行方向12a、12bに示すように上下ローラー10、10aの間に通し、生地を延ばす。上下ローラー10、10aはそれぞれ回転方向11、11aに回っているため、納豆生地8及び納豆生地8aは合わさって出てくる。 延ばされて帯状になった納豆生地8bは、図4の場合と同様に、長さは約10m、巾は25cm〜30cmの大きさに調整し、納豆生地8bの帯はそのままでは扱いにくいので、細長い棒状の芯13に巻き取っておく。 図6は、本発明である納豆使用麺の図3で作成した麺生地を熟成させたものを半分の長さの麺生地の帯2つに分け、間に図5で作成した納豆生地を挟み込んで3層の納豆使用麺を作成する状況を示す図である。 納豆使用麺の製造3では、まず図3における麺生地6bを熟成させたものを長さが半分になるように分け、麺生地6c及び麺生地6dとする。麺生地6c、6dは長さは共に同じ10mであり、それぞれ芯13a及び芯13bに巻き取っておく。 麺生地6cと麺生地6dの間に納豆生地8bをサンドイッチ状に挟み込むようにして、進行方向12cに示すように、上下ローラー10b、10cの間に通し、生地を延ばす。上下ローラー10c、10dはそれぞれ回転方向11b、11cに回っているため、麺生地6c、納豆生地8b、麺生地6dと3層の生地となって出てくる。 延ばされて帯状になった納豆使用麺9は、長さは約20m、巾は25cm〜30cmの大きさに調整しておく。納豆使用麺9の帯はそのままでは扱いにくいので、細長い棒状の芯13cに巻き取っておく。 図7は、本発明である納豆使用麺の図6で作成した納豆使用麺をカッターで任意のサイズに切断し、カット麺として仕上げる状況を示す図である。納豆使用麺の製造3aでは、図6における納豆使用麺9を再び上下ローラー10b、10cにかけて延ばす。 納豆使用麺9を進行方向12cに示すように、上下ローラー10b、10cの間に通し、生地を延ばす。上下ローラー10c、10dはそれぞれ回転方向11b、11cに回転しており、間に納豆使用麺9を通すことで、厚さを均等にムラがなく仕上げることができる。 延ばされて帯状になった納豆使用麺9aは、カッター14で任意のサイズに切断することで、カット麺9bとして仕上がる。カット麺9bは、図10に示すように、上方に麺生地6c、中央に納豆生地8b、下方に麺生地6dが重なった3層構造の麺であるため、麺生地と納豆生地が混ざり合っているわけではないので、お互いの性質を残したままの麺となる。 以上のように、本発明である納豆使用麺は、麺の生地と生地の間に納豆の生地がサンドイッチ状に挟まれているため、強い腰のあるしこしこした麺が出来上がる。また、茹でた際にぶつぶつ切れる事がなく、納豆も中央部に集中して挟まれた状態で存在するため、納豆の旨味が損なわれる事もない。 【産業上の利用可能性】 ラーメン、うどん又はそば以外の麺類、例えばパスタ等においても同様に、麺の生地と生地の間に納豆生地をサンドイッチ状に挟み込んだ麺を作成することもできる。また、3層の生地でなく、多層の生地にすることも考えられ、同様の製法で作成することが可能である。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明である納豆使用麺の麺生地の材料を練り上げ、上下ローラーで挟み込んで麺生地の帯を作成する状況を示す図である。 【図2】本発明である納豆使用麺の図1で作成した麺生地を半分の長さにカットして2本の生地に分け、上下ローラーで挟み込んで1本の麺生地の帯を作成する状況を示す図である。 【図3】本発明である納豆使用麺の図2で作成した麺生地を再度半分の長さにカットして2本の生地に分け、上下ローラーで挟み込んで1本の麺生地の帯を作成する状況を示す図である。 【図4】本発明である納豆使用麺の納豆生地素材の材料を練り上げ、上下ローラーで挟み込んで納豆生地の帯を作成する状況を示す図である。 【図5】本発明である納豆使用麺の図4で作成した納豆生地を半分の長さにカットして2本の生地に分け、上下ローラーで挟み込んで1本の納豆生地の帯を作成する状況を示す図である。 【図6】本発明である納豆使用麺の図3で作成した麺生地を熟成させたものを半分の長さの麺生地の帯2つに分け、間に図5で作成した納豆生地を挟み込んで3層の納豆使用麺を作成する状況を示す図である。 【図7】本発明である納豆使用麺の図6で作成した納豆使用麺をカッターで任意のサイズに切断し、カット麺として仕上げる状況を示す図である。 【図8】本発明である納豆使用麺の麺生地の製造に用いる材料及びその分量を示す表である。 【図9】本発明である納豆使用麺の納豆生地の製造に用いる材料及びその分量を示す表である。 【図10】本発明である納豆使用麺の3層の構造を示すカット麺の拡大断面図である。 【符号の説明】 1 麺生地の製造 1a 麺生地の製造 1b 麺生地の製造 2 納豆生地の製造 2a 納豆生地の製造 3 納豆使用麺の製造 3a 納豆使用麺の製造 4 麺生地素材 4a 麺生地 5 麺生地 5a 麺生地 5b 麺生地 6 麺生地 6a 麺生地 6b 麺生地 6c 麺生地 6d 麺生地 7 納豆生地素材 7a 納豆生地 8 納豆生地 8a 納豆生地 8b 納豆生地 9 納豆使用麺 9a 納豆使用麺 9b カット麺 10 上ローラー 10a 下ローラー 11 回転方向 11a 回転方向 12 進行方向 12a 進行方向 12b 進行方向 12c 進行方向 13 芯 13a 芯 13b 芯 13c 芯 14 カッター 15 麺生地の材料及び分量 15a 納豆生地の材料及び分量 16 材料 16a 分量 |
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【図1】 |
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【図2】 |
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【図3】 |
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【図4】 |
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【図5】 |
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【図6】 |
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【図7】 |
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【図8】 |
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【図9】 |
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【図10】 |
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