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【発明の名称】金銀の箔及び金銀の箔の製造方法 【出願人】 【識別番号】599078358 【氏名又は名称】宮澤 由紀夫 【住所又は居所】長野県岡谷市堀の内2丁目3番8号 【発明者】 【氏名】宮澤 由紀夫 【住所又は居所】長野県岡谷市堀の内2丁目3番8号 【氏名】小野 武志 【住所又は居所】長野県塩尻市大字北小野3100番地5 【要約】 【目的】 食用として用いても人体に無害な金と銀を一体化することにより、金と銀とが持つそれぞれの人体への健康作用を効率良く引き出すとともに、豪華さを損なわなわずに安価に提供できる金と銀を表裏一体化した箔を提供することにある。 【解決手段】 本発明の金銀の箔は金と銀とを表裏一体となしたことを特徴とし、一体構造とする手段として、金銀の箔は真空蒸着の手法により表裏一体構造となし、金の割合は重量比で10%以上90%以下とすることが望ましく、金銀の箔を粉状に細かく粉砕しても良い。又、金銀の箔の製造方法は、所定の割合の金と銀又は金と銀の合金を真空容器内のボートに収め、温度を同時に徐々に上げながら真空蒸着を行うことで、金と銀の持つ融点温度の違いで銀が先に蒸着された後に金が蒸着されるといった方法で、金銀の箔が生成され、抜き形状を有するマスクを用いれば試料に特定の文字や形状を有する金銀の箔が形成される。 【特許請求の範囲】 【請求項1】 金2と銀3とを表裏一体となしたことを特徴とする金銀の箔。 【請求項2】 真空蒸着の手法により表裏一体構造となしたことを特徴とする請求項1記載の金銀の箔。 【請求項3】 金2の割合が重量比で10%以上90%以下としたことを特徴とする請求項1記載の金銀の箔。 【請求項4】 金銀の箔1を粉状に粉砕して粉末状の金銀の箔粉4としたことを特徴とする請求項1記載の金銀の箔。 【請求項5】 所定の割合の金と銀を真空容器10内のボート11に収め、金2と銀3の温度を同時に徐々に上げながら真空蒸着を行うことで、金2と銀3とが表裏一体となった構造の金銀の箔1を生成することを特徴とする金銀の箔の製造方法。 【請求項6】 所定の割合の金と銀を、所定の割合で合金化された金と銀の合金12としたことを特徴とする請求項5記載の金銀の箔の製造方法。 【請求項7】 薄い板状物を試料14とし、所定の抜き形状を有するマスク13を試料14の前面に配置したことを特徴とする請求項5記載の金銀の箔の製造方法。 【発明の詳細な説明】 【技術分野】 本発明は食用又は健康食品として用いることを目的とした、金と銀を表裏一体となした金銀の箔及び金銀の箔の製造方法に関する。 【背景技術】 従来より金や銀は人体に無害であり、食用として食しても問題ないことは知られており、金粉入りの日本酒が一般に商品化されている。また、慶事の宴会等に食される気品と豪華さの味わいを楽しめる金粉または銀粉入りの食品を提供する金粉または銀粉入り食品および嗜好品(特許文献1)が知られていた。 【特許文献1】 特許公開 2006−254709 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 従来の金粉入りの日本酒は、人体に無害な金粉を入れることにより日本酒に豪華さをもたらして日本酒のグレードを上げることを目的としたものであり、人体の健康向上に配慮したものではないといった課題を有し、金粉と銀粉の2種類の粉体を用意して別々に散りばめるといった作業は面倒であるといった課題を有する。さらには純金のみを使用する例が多く、純金は高価であるといった課題を有する。 特許文献1の金粉または銀粉入り食品および嗜好品は、慶事の宴席の豪華さを演出する目的であり、金と銀は人体には無害であるが、人体の健康向上に配慮することを目的としたものではないといった課題を有し、さらには純金のみを使用する例が多く高価であるといった課題を有する。 本発明は上記の課題を解決するもので、食用として用いても人体に無害な金と銀を一体化することにより、金と銀とが持つそれぞれの人体への健康作用を効率良く引き出すとともに、豪華さを損なわずに手軽に利用でき、安価に提供できる金と銀を表裏一体化した箔を提供することを目的とするものである。 【課題を解決するための手段】 本発明の金銀の箔1は金2と銀3とを表裏一体となしたことを特徴とする。 又、一体構造とする手段として、金銀の箔1は真空蒸着の手法により表裏一体構造となしたことを特徴とする。 さらには、金銀の箔1において、金2の割合が重量比で10%以上90%以下としたことを特徴とする。 さらに、金銀の箔1を粉状に粉砕したことを特徴とする。 金銀の箔1の製造方法は、所定の割合の金2と銀3を真空蒸着機内のボート11に収め、金2と銀3の温度を同時に徐々に上げながら真空蒸着を行なうことで、金2と銀3の持つ融点温度の違いで銀3が先に蒸着された後に金2が蒸着されるといった方法で、金2と銀3とが表裏一体となった構造の金銀の箔1を生成することを特徴とする 又、所定の割合の金と銀を、所定の割合で合金化された金と銀の合金12としたことを特徴とする。 さらには、所定の抜き形状を有するマスク13を試料14の前面に配置したことを特徴とする。 【発明の効果】 本発明の金銀箔は、金2と銀3とが表裏一体となった薄い箔であるので、どんなに細かく粉砕しても箔の一個一個が金2と銀3の表裏一体構造をなしており、箔は一個一個に金2の効能と銀3の効能を合わせて有しており、人体への健康作用を効率良く引き出すことができるといった効果を有する。 さらには高価な金2と安価な銀3が表裏一体となった二層構造であるので、金2の割合を調整することで豪華さを損なわずに安価な箔を提供できるといった効果を有し、金2と銀3が一体構造をなしている粉末では、一種類の粉末のみを準備することで金2と銀3に色合いを表現することが可能で、手軽に利用できるといった効果を有する。 本発明の金銀の箔1の製造方法によれば、金2と銀3を別々に、又は金と銀の合金12を用いても融点の低い銀3の成分が先に蒸着された後に、銀3よりも融点が高い金2の成分が後から蒸着される方法であるので、一回の蒸着作業で金2と銀3の二種類の蒸着が行われ、作業効率が良いばかりでなく、蒸着により金2と銀3の密着性も良好であるといった効果を有するのである。 【発明を実施するための最良の形態】 食用として用いても人体に無害な金2と銀3を表裏一体化して箔にすることにより、金2と銀3とが持つそれぞれの人体への健康作用を効率良く引き出すといった目的を、蒸着といった手法により金2と銀3とを表裏一体となし、その薄い箔を細かく粉砕して粉末状となしても、細かな粉末一個一個が金2と銀3の効能を合わせ持つことにより、人体への健康作用を効率良く引き出すことを実現している。又、銀3を用いることで金2の豪華さを損なうことなく安価に提供できるのである。以下、図面を参照しながら詳細に説明する。 図1は金銀の箔の拡大斜視図である。 金銀の箔1の構造は、金2と銀3とが表裏一体となって薄い箔をなしており、最初に銀3が蒸着された後に金2は銀3に対して蒸着されて表裏一体の構造をなしている。 金2と銀3のそれぞれの箔の厚さは、金2の箔を透かして銀3の色が出ると金2の色合いが変わるので、実験値では金2と銀3の重量割合で金2の割合は10%以上が適当であり、金銀の箔1の用途を考慮して金2の割合は90%程度まで可能である。が、金2の割合が多いほどコストは高価になるので、コストを考えると銀3の割合が多いほど安価に作成できる。 さらには、金銀の箔1を細かく粉砕して概1mm×1mm以下の大きさとなして箔粉状にしても、細かな金銀の箔1は金2の効能と銀3の効能を合わせ持つので、人体への健康作用が効率良く行なえるのである。又、細かな金銀の箔1はそのままでも飲み込みやすいので、例えば小さな茶さじに三杯程度を1日に2回飲めば、約30日で0.5g程度の金銀の箔1を飲むことになり、このような行為により銀3の抗菌作用により体内の大腸菌等が減少して人体に良い影響を与えるのである。又、カルシウムやビタミン類の粉末を金銀の箔1に混入して飲めば、抗菌作用の他に栄養補給も可能となる。さらには料理等の装飾に用いても細かな金銀の箔1を振りかけるだけで手軽に豪華さを演出できるのである。 ここで金2と銀3の人体に及ぼす健康作用について説明すると、金2は人体に無害であるが、特に大きな抗菌作用は有しておらず、料理等の装飾に用いることにより豪華さを演出できるものである。 しかしながら銀3は抗菌作用を有していることが判明しており、その試験結果は、JIS Z2801 抗菌試験によると、銀3を1%添加した場合の24時間後の殺菌効果(菌の減少数)は、大腸菌で4万個が10個以下、黄色ブドウ球菌は1万個が10個以下、サルモネラ菌は1万個が500個以下となることが判明している。 実際に本発明による金銀の箔1を粉状に粉砕した金銀箔粉4の抗菌試験結果を以下に記す。 1.試験方法 シェークフラスコ法 【試験菌】 大腸菌 G(−) Escherichia cole IFO 3972(ATCC 8739)黄色ブドウ球菌 G(+) Slaphylococcus aureus IFO 12732(ATCC 6538P) 試料2.0gに試験菌の懸濁液を50ml注加し(銀濃度として1.0%)、37℃で150回/分、1時間振とうする。振とう後の生菌数及び振とう前の生菌数を測定する。 培地:標準寒天培地(栄研化学) 培養:35℃、48時間 2.試験結果 【表1】 ※試験成立基準 空試験の減菌率が±10%以内(成立) 減菌率(%)=(B−A)/B×100 A:振とう後のフラスコ内1ml当りの菌数 B:振とう前のフラスコ内1ml当りの菌数 3.評価 シェークフラスコ法では「抗菌性あり」とは、試験品の滅菌率と対照品(抗菌性無)の滅菌率の差が26%以上をいいますので、今回の試験ではグラム陽性菌及びグラム陰性菌共に高い抗菌性が認められた。 以上の結果、本発明による金銀の箔1においても、銀3のみと場合と同様に顕著な抗菌作用を有することが判明した。 図2は本発明による金銀の箔の製造方法示す概念図であり、抵抗過熱式による真空蒸着機による製造方法の例である。 抵抗加熱式による真空蒸着機の構造は、真空容器10内の下部に原料を加熱するヒーターを兼ねたボート11が固定され、真空容器10内の上部には金2や銀3が蒸着される試料14として概半球形状のガラス製ボールやステンレス製ボールが固定されている。 この抵抗加熱式による真空蒸着機で金銀の箔1を生成するには、所定の割合に計量された箔の原料である金2と銀3の塊や粉末を真空容器10内のヒーターを兼ねたステンレス製等のボート11に収め、真空容器10内を所定の真空度となるようポンプ15にて排気した後、ボート11に所定の電流を流してヒーターを兼ねたボート11の温度を徐々に上げていけば、銀の融点である961℃前後で銀3は溶解して概半球形状のガラス製ボールやステンレス製ボールの試料14内側に蒸着され、さらにボート11の温度を上げて金の融点である1063℃前後で金2が溶解して先に蒸着された銀3の上に蒸着されるのである。金2と銀3の持つ融点温度の違いで銀3が先に蒸着された後に金2が蒸着されるといった方法で、金2と銀3とが表裏一体となった構造の金銀の箔1が生成されるのである。 蒸着作業が終了したら真空容器10内に空気を導入し、真空容器10内からガラス製ボールやステンレス製ボールの試料14を取り出し、概半球形状の試料14の内側に貼り付いている金銀の箔1をブラシやヘラで掻き落とすことにより、金銀の箔1を得ることができるのである。 又、金銀の箔1を、茶漉しのような形状の網の中に入れ、ブラシやヘラにて押し潰すように網を通すと、金銀の箔1は網の目より小さな形状に粉砕されて網を通り抜け、細かな箔粉状となって金銀の箔粉4が得られるのである。 真空容器10内のボート11には通常、所定の割合で計量された金2と銀3が別々の塊や粉末として納められるが、所定の割合で合金化された金と銀の合金12を用いても、銀の融点付近で銀3の成分が先に蒸着され、金の融点付近で金2の成分が後から蒸着されて金銀の箔1を生成することができるのである。 図3はマスクを介して金銀の箔を蒸着する概念図であり、金と銀の合金12による蒸着の例である。 ガラス製ボールやステンレス製ボールの前面に、薄い板状物として紙状に薄く乾かした海苔やオブラート等を試料14として配置し、その試料14の前面に必要な形の抜き形状を有する薄いマスク13を配置して前記の方法で蒸着を行なえば、紙状に薄く乾かした海苔やオブラートといった食品にマスク13の抜き形状と同じ形状で金銀の箔1が蒸着されるので、この海苔で巻き寿司を巻いたり、このオブラートを握り寿司の上に置いたりすれば、金2の効果で料理が豪華になるばかりでなく、それらを寿司と共に食することにより銀3の効果で体内の大腸菌等が減少されて健康にも良いのである。マスクは薄い鉄板やステンレス製の着磁性を有する素材で製作し、ガラス製ボールやステンレス製ボールの反対側に配置した永久磁石16にて固定すれば良い。なお試料14としては食品ばかりでなく、平面状の金属板やプラスチック等としても、表面が金色の豪華な文字や図柄が再現されて豪華な看板等が安価に製作されるのである。 【実施例1】 図4は金銀の箔1を細かく粉砕して粉状にした、金銀の箔粉を握り寿司に振りかけた例の斜視図である。 図4の例の握り寿司20は、酢で調味された酢飯21と魚介類や野菜等のネタ22が組み合わされており、トロやタコ、イカといったネタ22の上部には金銀の箔粉4が振りかけられている。 このように金銀の箔粉4が振りかけられた握り寿司20は、ネタ22の上部で金銀の箔粉4が金色や銀色に輝いて豪華になるばかりでなく、この握り寿司20を食すれば銀3の抗菌作用により体内の大腸菌等が減少されて健康にも良いのである。さらに、金銀の箔粉4は日本酒等に混入しても日本酒の豪華さを向上し、グレードを上げる目的で使用することも可能である。 【実施例2】 図5は紙状に薄く乾かした海苔23に抜き形状を有する薄いマスク13を介して金銀の箔1を蒸着した海苔23を用いて作成した、巻き寿司の斜視図である。 図5の例の巻き寿司24は、酢で調味された酢飯21と魚介類や野菜等のネタ22を組み合わせて海苔23で巻いたものであり、この海苔23には金銀の箔1が抜き形状を有するマスク13を介して「おめでとう」の文字として蒸着されている。 このように金銀の箔1が蒸着された紙状に薄く乾かした海苔23を用いることにより、外観が概黒色の巻き寿司24の表面に金色の「寿」の文字が浮かび上がって巻き寿司24が豪華になるばかりでなく、この巻き寿司24を食すれば銀3の抗菌作用により体内の大腸菌等が減少されて健康にも良いのである。 【実施例3】 図6は薄く透明なオブラート25に抜き形状を有する薄いマスク13を介して金銀の箔1を蒸着したオブラート25を握り寿司20の上に乗せた、オブラートを乗せた握り寿司の斜視図である。 図5の例の握り寿司20は、酢で調味された酢飯21と魚介類や野菜等のネタ22が組み合わされており、トロやタコ、イカといったネタの上部には金銀の箔1が抜き形状を有するマスク13を介して「寿」の文字が蒸着されたオブラート25が乗せられている。 このように金銀の箔1が「寿」の文字形状で蒸着されたオブラート25をネタ22の上部に乗せることにより、ネタ22の水分でオブラート25は溶けてネタ22の上部に密着し、ネタ22の上部では金色の「寿」の文字のみが浮き上がり、握り寿司20が輝いて豪華になるばかりでなく、この握り寿司20を食すれば銀3の抗菌作用により体内の大腸菌等が減少されて健康にも良いのである。 【図面の簡単な説明】 【図1】金銀の箔の拡大斜視図 【図2】金銀の箔の製造方法を示す概念図 【図3】マスクを介して金銀の箔を蒸着する概念図 【図4】金銀の箔粉を握り寿司に振りかけた例の斜視図 【図5】巻き寿司の斜視図 【図6】オブラートを乗せた握り寿司の斜視図 【符号の説明】 1:金銀の箔 2:金 3:銀 4:金銀の箔粉 10:真空容器 11:ボート 12:金と銀の合金 13:マスク 14:試料 15:ポンプ 16:永久磁石 20:握り寿司 21:酢飯 22:ネタ 23:海苔 24:巻き寿司 25:オブラート |
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【図1】 |
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【図2】 |
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【図3】 |
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【図4】 |
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【図5】 |
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【図6】 |
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