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飲食・調理
 
【発明の名称】自動洗米炊飯器
【出願人】
【識別番号】399010833
【氏名又は名称】佐古野 勝弘
【住所又は居所】大阪府大阪市西淀川区姫島1丁目3番6号
【代理人】
【弁理士】
【識別番号】100070507
【氏名又は名称】石田 俊男
【発明者】
【氏名】佐古野 勝弘
【住所又は居所】大阪府大阪市西淀川区姫島1丁目3番6号
【要約】
【課題】
人手による補助的な洗浄作業を容易とするとともに、炊飯後の米の取出しを容易とすることで、火傷等の危険性を大きく低減することのでき、容易に衛生的な状態を保つことができる優れた自動洗米炊飯器を提供することを、課題とするものである。
【解決手段】
水道供給口(5)、電源用プラグ(7)を設けた炊飯ボックス(1)の上面に蓋(2)を有する釜体(3)を配設するとともに、炊飯ボックス(1)内部には、炊飯手段と、給水手段及び排水手段とを備えた自動洗米炊飯器において、炊飯ボックス(1)には、電力を動力源とする釜体(3)の回転機構を備えたことを特徴とする自動洗米炊飯器を、解決手段とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水道供給口(5)、電源用プラグ(7)を設けた炊飯ボックス(1)の上面に、蓋(2)を有する釜体(3)を配設するとともに、炊飯ボックス(1)内部には、釜体(3)に対する加熱手段と、給水手段と、排水手段とを備えた自動洗米炊飯器において、
釜体(3)の外側に当該釜体(3)を固定支持する円筒状の釜掛け(76)を設け、
該釜掛け(76)が、モータ(72)と連動して、釜体(3)の縦中心軸を基準として、釜体(3)とともに回動可能としたことを特徴とする自動洗米炊飯器。
【請求項2】
釜体(3)は釜体基体(39a)と該釜体基体(39a)の外側面全周囲にわたって形成される鍔部(39b)とからなり、
釜掛け(76)は、下端側外側面全周に鍔状レール(70)を突出して設け、該鍔状レール(70)の上側には回転歯車(79)を形成するとともに、鍔状レール(70)の下側には断面山形のガイドレール(77)を形成し、
更に、釜体(3)の下方には円板状のガス台(78)を設け、ガス台(78)上には、ガス供給口(6)と連結した炊飯用のガスバーナ(32)及び点火装置(33)を設けるとともに、ガス台(78)上であって前記ガイドレール(77)の下方位置に、軸(75c)を支持部(75a)で支持した回転駒(75)を配置し、
また釜掛け(76)の内側には、釜掛けのブレを防止する釜掛けガイド体(71)を立設し、
前記ガス台(78)上に設けたモータ(72)の軸に動力伝達媒体である歯車(73)を直結し、該歯車(73)と、前記鍔状レール(70)の上側に形成された回転歯車(79)とを噛合させるとともに、前記ガイドレール(77)を回転駒(75)に当接させ、
前記釜体(3)の鍔部(39b)を釜掛け(76)の上端に掛止したことを特徴とする請求項1記載の自動洗米炊飯器。
【請求項3】
釜体(3)は、底部中央に底中央穴(30)を穿設し、該底中央穴(30)と連通する釜下管(31)を、釜体(3)の裏面に固着した構成とし、
ガス台(78)は、釜下管(31)を下方へ逃すための中央穴(37)を形成し、
前記釜下管(31)に対して、相互に着脱可能な上内装管(41)と下内装管(42)とからなる内装管(40)を嵌合し、
前記上内装管(41)は、更に、上内装管基体(41a)と上内装環副体(41b)とからなるものとし、
前記上内装管基体(41a)は、中空円柱状の側壁面を金属製網からなる上網目部(43)で構成するとともに、下端中央から下方へ管状の上排水管(34b)を延設するとともに、上排水管(34b)における排水路(34a)と上内装管(41)の内部空間とを連通し、上排水管(34b)の側壁面の一部に金属製網からなる第一下網目部(64a)を設けた構成とし、前記上排水管(34b)の下端には折線形状のスリットとなる係止用ガイド部(44)を形成し、
前記上内装管副体(41b)は、環状の副体円板部(63)と、該副体円板部(63)の上面縁部において、円周条に複数配列される排水ブロック(67)とからなり、該排水ブロック(67)は、金属網部材からなる第二下網目部(64b)を設けるとともに、排水用側面仕切壁(67a)、及び排水用下面仕切壁(67b)によって、後記排水路(34a)から外側面へ通じる開口部を形成し、更に開口部には、第二下網目部(64b)を設けたものとし、
前記下内装管(42)は、内部に筒状の隔壁(47)を形成し、該隔壁(47)の内側を排水路(34a)、外側を給水路(50a)とする二重管構造とし、給水路(50a)の上端には、下内装管(42)の上板(42a)の円周上に等間隔で配列され、外方に開口する給水ブロック(66)を設け、該給水ブロック(66)は、上板(42a)に形成した給水孔を囲うように外方を除く三方向にわたって立設される給水用側面仕切壁(66a)と、該給水用側面仕切壁(66a)の上に跨る給水用上面仕切壁(66b)とによって外方に開口部を形成し、更に開口部には給水用網目部(65)を設けたものとし、
上内装管における排水ブロック(67)とした内装管(40)における給水ブロック(66)は、相互に噛合し、前記排水路(34a)と、第一下網目部(64a)と、第二下網目部(64b)とが連通する構成とし、
また、下内装管(42)の長手方向中程において給水路(50a)を外部給水管(50)内へ連結するとともに、前記下内装管(42)の排水路(34a)を外部排水管(34)へ連結する構成とし、
更に前記隔壁(47)の内側に係止爪(46)を突設して前記上排水管(34b)における係止用ガイド部(44)と係脱可能とし、
前記内装管(40)に連動し、且つ、下方に付勢される操作摘み(12)を、上下動させることにより、内装管(40)の上限位置で、釜体(3)内底面上に給水ブロック(66)が露呈し、内装管(40)の下限位置で、内装管(40)の上面と釜体(3)内底面との高さが略一致する構成としたことを特徴とする請求項2記載の自動洗米炊飯器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、飲食店、給食センターなどで使用される、大型の釜を備え多量の米を炊飯できる自動炊飯器のうち、特に洗米機能を備えた自動洗米炊飯器に関するものである。
【背景技術】
従来、飲食店や給食センターなどで使用される、大型の釜を備え多量の米を炊飯できる自動炊飯器においては、洗米作業は、軽量した米を直接当該炊飯器に入れて洗うか、別の容器又は洗米機等で洗ったものを当該炊飯器に移し替えることによって、行なわれていた。
このため、炊飯器の釜で直接洗米する場合には、洗米のためのかき混ぜ作業や、洗浄水の入れ替え作業に多大の労力が必要となるばかりでなく、洗米後のお米を炊飯器に移し替えなければならず、手間と労力のかかるものであった。また、炊飯後の炊飯器の洗浄作業は炊飯用釜が大きいため、重労働であり、手間と労力のかかるものであった。
従来から生じていた上記欠点を解決すべく、本出願人は、水道供給口、ガス供給口、電源用プラグを設けた炊飯ボックスの上面に蓋を有する釜体を配設し、操作板には、洗米用タイマースイッチ、炊飯用水量タイマースイッチ、操作摘み、給水用スイッチ、排水用スイッチをそれぞれ配設し、操作摘みの作動により、これと連動する当杆を有するソレノイドを配設し、前記操作摘みの下方には摘み基部に作動軸が軸着されており、作動軸の上方には案内筒を取付け、下方を軸止で固定支持し、該作動軸に作動腕杆の一端を軸支し、その他端は給水管に軸着された作動係止部に接当させ、操作摘みの操作により作動腕杆が上下動する様に装着し、操作摘みと連動する摘み基部に押圧部を装着し、作動軸と給水管に軸架した作動腕杆は給水管の作動係止部と連動し、切替スイッチの操作により作動する押圧部を配設してなり、釜体の底中央孔に釜下管を配備し、釜下管の外周に前記ガス供給口と連結した炊飯用ガスバーナを配設し、該ガスバーナの近傍に点火装置を配し、釜下管の下端に排水横管を連設し、排水横管には排水電磁弁を介して受け部と連通した排水本管に連結してなり、前記釜下管の内部に装備する内装管には、外周壁に上網目部、中網目部、下網目部を設けて内装管を着脱自在に配設し、前記上網目部、中網目部、下網目部と連通する給水管ノズルを給水管の上端に着脱自在に取付け、該給水管の下方にシール筒を挿通し、給水管の下端付近に前記作動係止部を装着し、給水管の下端に給水電磁弁を介して給水ホースを連結し、該給水ホースの他端に給水管下端部を常に下方に引っ張られた状態に付勢するよう配備してなる自動洗米炊飯器を出願した(特許文献1参照。)。
【特許文献1】
特開2003−434号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1に係る発明は、炊飯器のみで洗米から炊飯までの給水、排水及び炊飯を自動的に行うことができ、洗米炊飯洗浄の各作業の場所をとらず、その作業の手間や労力を低減することができ、簡単に洗米、炊飯及び洗浄を行なうことができ、更に、内装管を上下に分割できるようにすることにより、炊飯後の釜の洗浄を簡単に行うことができ、手間や労力を低減できる点において非常に優れたものであった。
しかしながら、上記特許文献1に係る発明は、洗浄時に給水口から噴射される水の圧力のみで、釜体内を全て洗浄できないこともあり、この場合、多少補助的に手作業で洗浄を行なう必要があった。この作業は補助的な手作業であるものの、釜が大型であることから、作業者の体格によっては、洗浄箇所に手が届かなかったり、手が届いても十分な力で拭取り作業等ができないことがあり、洗浄作業も十分に行ないない場合もあった。
また、上記特許文献1に限ることなく、一般的に大型の自動炊飯器においては、炊飯後に炊き上がった米を取り出す際に、大型の釜が高温になっており、米の取出し作業中に、火傷を負う危険性があった。
本発明は以上の事情に鑑みてなされたものであり、人手による補助的な洗浄作業を容易とするとともに、炊飯後の米の取出しを容易とすることで、火傷等の危険性を大きく低減することのでき、容易に衛生的な状態を保つことができる優れた自動洗米炊飯器を提供することを、課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
本発明は、水道供給口、電源用プラグを設けた炊飯ボックスの上面に、蓋を有する釜体を配設するとともに、炊飯ボックス内部には、釜体に対する加熱手段と、給水手段と、排水手段とを備えた自動洗米炊飯器において、釜体の外側に当該釜体を固定支持する円筒状の釜掛けを設け、該釜掛けが、モータと連動して、釜体の縦中心軸を基準として、釜体とともに回動可能としたことを特徴とする自動洗米炊飯器を、課題を解決するための手段とする。
【発明の効果】
本発明によれば、炊飯ボックスの外部に設けた釜体回転スイッチの作動により、前記釜体が縦軸中心に回転できることから、釜体が大型であるにもかかわらず、作業者が容易に釜の洗浄箇所を十分な力で拭取り作業することができる。
また、炊飯後に炊き上がった米を取り出す際には、大型の釜体が高温であっても、前記釜体をモータで回動させるだけで、作業者側に米を持ってくることができるから、米の取出し作業が容易となり、大型の釜体で火傷を負う危険性を大幅に低減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
大型の釜体が縦軸中心に回動する釜体回転機構を備え、モータにより釜体を回動させることによって、作業安全性の高い自動洗米炊飯器を実現した。
(実施例に係る自動洗米炊飯器の構成)
図1は本発明の実施例に係る自動洗米炊飯器の外観図、図2は図1に係る自動洗米炊飯器の内部構造を示すA−A断面図、図3は同実施例に係る自動洗米炊飯器の釜体回転機構の一部拡大説明図、図4は同実施例に係る自動洗米炊飯器の釜体回転機構を示す一部省略した平面図、図5は同実施例に係る自動洗米炊飯器の内装管を示す説明図、図6は同実施例に係る自動洗米炊飯器の内装管を示す斜視図、図7は本発明の実施例に係る自動洗米炊飯器において操作摘み、内装管の上昇状態を示す断面図である。
本発明の実施例に係る自動洗米炊飯器は、図1にその外観を示すように、炊飯ボックス1の上面中央に蓋2を有する釜体3を備えるとともに、該炊飯ボックス1の側面に水道供給口5、ガス供給口6、電源用プラグ7を備え、更に炊飯ボックス1の正面には、操作板8を備えた自動洗米炊飯器であり、前記操作板8は、該操作板8の中央部に縦孔11に沿って移動可能な操作摘み12を設け、その左側上方に洗米用タイマースイッチ9、左側下方に炊飯用水量タイマースイッチ10を設け、また前記操作摘み12の右側上方に給水用スイッチ13、右側中程に排水用スイッチ14、右側下方に釜体回転スイッチ15を、夫々設けたものである。
次に、図2に、本発明の実施例に係る自動穿米炊飯器の内部構造として、図1のA−A断面図を示す。先ず釜体3は釜体基体39aと該釜体基体39aの外側面全周囲にわたって形成される鍔部39bとからなり、該釜体3の底部中央には、底中央穴30を穿設し、該底中央穴30と連通する釜下管31を、釜体3の裏面に固着した構成である。
また、釜体3の外方には、釜体基体39aより径が大きく、鍔部39bよりも径の小さい略円筒状の釜掛け76が設けられている。当該釜掛け76は、特に図3に部分拡大図として示すように、下端側外側面全周に鍔状レール70を設け、該鍔状レール70の上側には回転歯車79を形成し、鍔状レール70の下側には断面山形となるガイドレール77を形成した構成である。
更に、図4に示すように、釜掛け76の内側には、釜下管31と、該釜下管を下方へ逃すための中央穴37を形成した円盤状のガス台78を設け、ガス台78上には、ガス供給口6と連結した炊飯用のガスバーナ32及び点火装置33を設け、釜掛けのブレを防止する釜掛けガイド体(71)を釜掛け76に当接するように立設し、
また、ガス台78上であって前記ガイドレール77の下方となる円周状位置の四箇所に等間隔で、前記図3に示すように、軸75cを支持部75aで支持した回転駒75を配置しており、更に、前記ガス台78上には支持台72aによって固定したモータ72の軸に歯車73を直結し、該歯車73と、前記鍔状レール70の上側に形成された回転歯車79とを噛合させるとともに、前記ガイドレール77が回転駒75に当接する構成としている。回転駒75は、中央を凹状としており、ガイドレール77の山形の先端部が当該回転駒75の中央に当接することで、ガイドレール77の左右方向へのブレを防止している。
一方、前記図2に示すように、釜体3は、釜下管31の下端部における内面側に、二重管構造の内装管40を嵌合している。該内装管40は、図6に示すように、相互に着脱可能な上内装管41と下内装管42とからなる。
前記上内装管41は、図5にも示すように、上内装管基体41aと上内装環副体41bとからなる。このうち、前記上内装管基体41aは、中空円柱状部材48の側壁面を金属製網からなる上網目部43として形成するとともに、該中空円柱状部材48の下端中央から下方へ管状の上排水管34bを延設するとともに、上排水管34bにおける排水路34aと上内装管41の内部空間とを連通した構成とし、更に排水管31の側壁面の一部に金属製網からなる第一下網目部64aを設けている。
また、上内装管基体41aの下部に形成された上排水管34bにおける外周上端近傍となる位置には、突起49を形成するとともに、該上排水管34bの下端には、内装管40における後記係止爪46に対応する係止用ガイド部44が形成されている。
前記上内装管副体41bは、図6の斜視図に示すように、環状の副体円板部63と、該副体円板部63の下面縁部の前後左右四箇所において、金属網部材からなる第二下網目部64bを配設するとともに、前記第二下網目部64bに当接するように排水用側面仕切壁67a、及び排水用下面仕切壁67bを設けることにより排水路34aから外側面へ通じる開口部を形成した排水ブロック67とからなる構成としている。当該構成により、円周上に配置された隣り合う開口部間には、後記下内装管64の給水用網目部65が嵌入する噛合用空間が形成されることとなる。前記上内装環副体41bの副体円板部63における中央穴68内周面において、周方向に回動用溝61が形成されている。
上記上内装管基体41aの上排水管34bが、環状の上内装管副体41bの中央穴68内に嵌まり込むとともに、前記上内装管基体41aの突起49が、上内装管副体41bの回動用溝61内に嵌まり込むことで、上内装管基体41a及び上内装管副体41bが一体となって形成される。この際に、前記突起49が回動用溝61に嵌まりこんでいることから、上内装管基体41aに対して上内装管副体41bは上下動しないが、回動することは可能となる。尚、突起49は、副体円板部63の上端側に形成される突起挿入口69から回動用溝61内へ案内して、副体円板部63を僅かに回転させることで、当該回動用溝61に嵌め込み、又は取外しできる構成としている。
そして、当該上内装環基体41aと上内装管副体41bとを取付けた状態においては、第一下網目部64aと第二下網目部64bとが同じ高さとなり、外部と排水路34aとが、前記第一下網目部64a及び第二下網目部64bを介して連通した状態となる。即ち、上内装管40における排水経路は、上網目部43から排水路34aに至る経路と、第二下網目部64b、第一下網目部64aを連通して排水路34aに至る経路のニ経路となる。
次に、下内装管42は、前記図2に示すように、上内装管41の上排水管34bが嵌合する筒状の隔壁47を形成したことにより、隔壁47の内側を排水路34a、隔壁47の外側に給水路50aを形成した二重管構造を有し、長手方向中程において給水路50aを側方へ変更して、外周に取付けられた外部給水管50内へ連結するものとし、当該長手方向中程から、方向を変更せずに、排水路34aを、外部排水管34へ連結する構成としている。また、前記隔壁47の内側には、前記上排水管34bにおける係止用ガイド部44と係脱可能な係止爪46を突設している。
また図6に示すように、下内装管42の上端側には、上板42aの円周上の四箇所に配列し外方に開口する給水ブロック66を設けている。該給水ブロック66は、上板42aに形成した給水孔を囲うように外方を除く三方向にわたって立設される給水用上面仕切壁66aと、該給水用上面仕切壁66aの上に跨る給水用上面仕切壁66bとによって、下方の給水路50aから外方に通じる開口部を形成し、更に開口部には給水用網目部65を設け、形成したものである。
上記構成によって、上内装管41における上排水管34bを、下内装管42の筒状の隔壁47内に差込み、前記上排水管34bの下端の係止用ガイド部44に隔壁47内の係止爪46を案内し、当該上内装管41を僅かに回転させることで、係止用ガイド部44と係止爪46とが係止状態となり、下内装杆42上部の円周上に四箇所における隣り合う給水ブロック66間に、上内装管における第二下網目部を備えた排水ブロック67が嵌まり込む構成となる。ここで、給水ブロック66間に排水ブロック67が確実に嵌り込むようにするために、予め、上内装管副体41bを上内装管基体41aに対して回動させることで、調節することができる。
一方、操作板8の中央部に縦孔11に沿って移動可能に設けた操作摘み12は、図2に示すように、摘み基部20と一体に取付けられており、この摘み基部20の下部には腕状の押圧部21を設けるとともに、摘み基部の下方には作動軸22を軸着している。当該作動軸22の上部は、当該作動軸22をガイドする案内筒23を取付け、更に作動軸22の下部は、炊飯ボックス1内に設けた軸止38で固定支持されている。
この案内筒23と軸止38間の作動軸22の下方に作動腕杆24の一端を軸支し、作動腕杆24の他端は作動係止部56に接当させ、操作摘み12の上下動により、作動軸22と連動して作動腕杆24、及び、内装管40が上下動するように装着しており、また、前記摘み基部20に設けた押圧部21は、操作用摘み12が初期位置、即ち、縦穴の下端位置にある場合には、炊飯ボックス1内にある切替スイッチ28を押圧する位置にあり、また、操作用摘み12が縦穴の上端位置にあるときは、炊飯ボックス1内にあるソレノイド27と当設する位置となる。また、作動腕杆24は下方への付勢手段であるコイルバネ62によって、下方へ常に付勢されている。
更に、操作用摘み12が縦穴の上端に位置する際には、ソレノイド27の当杆26と操作用摘み12が嵌合係止する。また、前記内装管40の上下動における上限位置は、図7に示すように下内装管40の給水用網目部65が釜体3の底面から突出する位置であり、下限位置は、前記図2に示すように上内装間41の上端面が釜体3の底面と同一の高さとなる位置である。
次に、本発明の実施例に係る自動洗米炊飯器の使用方法について、洗米時、洗浄時に分けて説明する。
先ず、洗米時においては、電源投入された炊飯ボックス1の釜体3に所要量の米を投入して蓋2をし、操作板8における操作摘み12を縦穴11に沿って上端まで引き上げて操作摘み12を押し込むとともに、操作板8の釜回転スイッチ15を押す。
操作摘み12の押し込みによって、操作摘み12が摘み基部20でソレノイド27の当杆26を押圧し、その位置で操作摘み12を係止させ、操作摘み12の上昇によって、連動する作動腕杆24、作動係止部56、内装管40の夫々が上昇し、上網目部43、第二下網目部64b及び給水網目部65が釜体3内において、釜体3の内部底面から突出することとなる。
次に釜体3に入れた米の量に応じて炊飯用水量タイマースイッチ10及び洗米用スイッチ9を回して洗米量に応じて目盛をセットし、炊飯用点火スイッチ10を入れておくと、洗米用スイッチ9のタイマーが切替スイッチ28と作動するとともに、排水電磁弁35及び給水電磁弁58が開いて排水及び給水可能な状態となる。
外部給水管50から給水電磁弁58、下内装管42内の給水路50aを通じて給水用網目部65から釜体3内にシャワー状に水を噴射し、洗米を行なう。
釜体3内に給水された使用後の汚水は、上網目部43から排水路34aに至る経路及び第二下網目部64bから第一下網目部64aを介して排水路34a、外部排水管34に至る経路によって排水され、排水本管36から外部へ排出される。このとき、米は、内装管40の上網目部43、第二下網目部64、給水用網目部65が、米粒より細かいため釜体3内に残留する。この状態で、洗浄水の水圧によって洗米され、同時に排水され、前記図1に示すごとく、洗米用タイマースイッチ9によりセットした一定時間洗米され、洗米用スイッチ9のダイヤルが0点に戻り、排水電磁弁35及び給水電磁弁58が閉じ、洗米のための給水が止まり、釜体の回転が停止し、釜体3の中の米だけが残留し、使用した水は全て排水されることで、洗米作業が終了する。
炊飯時においては、前記した洗米用スイッチ9のダイヤルが0点となると、炊飯用タイマースイッチ10が作動し、給水電磁弁58が開き、釜体3内に炊飯に必要な所要量の水が、釜体3に供給される。
所定時間が経過すると炊飯用タイマースイッチ10のダイヤル目盛が0点となり、給水電磁弁58が閉じて炊飯用の給水が止まり、同時に、突出していたソレノイドの当杆26が後退し、当該当杆26と摘み基部12との嵌合係止が解除され、作動腕杆24に配設した下方への付勢手段であるコイルバネの引張力により、当該作動腕杆24、作動軸22、内装管40等が下限まで下降する。
操作摘み12が元の位置に戻ると、当該操作摘み12に連設された押圧部21により切替スイッチ28が押圧され、給水用スイッチ13及び排水用スイッチ14の電源が切れた状態となる。
次に、点火装置33によりガスバーナ32に点火されると、炊飯が開始され、炊飯用タイマースイッチ10のダイヤルで予め設定した所定時間経過後、自動的にガスが止まり、炊飯が終了する。
また、炊飯後の洗浄時においては、先ず、操作板8における操作摘み12を縦穴11に沿って上端まで引き上げて操作摘み12を押し込むことにより、内装管40を釜体3内に突出させる。次いで、内装管40の上内装管41を僅かに回転させて、当該上内装管41の係止用ガイド部44と下内装管42の係合爪46とを脱着し、下内装管42から上内装管41を取外し、操作板8の給水用スイッチ13、排水用スイッチ14、及び釜体回転スイッチ15を押すことにより、釜体3内に給水を行ない洗浄する。
この際に、上内装管41の第一下網目部64a及び第二下網目部64bが、下内装管42から取外されることから、排水路34aが網目を介さない状態で開口し、網目を通らない大きさの汚物等(例えば、焦げや炊飯によって生成する薄膜状の残さ物等)を排水管34に流すことができる。釜体回転スイッチ15は再度押すことにより、釜体3の回転を停止させることができ、必要に応じて釜体回転スイッチ15を押すことで、回転、停止を繰り返すことができる。
洗浄が終了すると、給水用スイッチ13を押して給水電磁弁58を停止させ、上内装管41を、取外し時と逆手順で取付け、操作用摘み12を下降させて元の位置に戻すと、操作摘み12に連設された押圧部21により切替スイッチ28が押圧され、給水用スイッチ13及び排水用スイッチ14の電源が切れた状態となる。
尚、本発明においては、上記実施例に開示した上側網目部43、第一下側網目部64a、第二下側網目部64b、給水用網目部65のいずれについても、当該網目に代えて、スリットを用いることもできる。
また本実施例においては、給水ブロック66を、上板42aに形成した給水孔を囲うように外方を除く三方向にわたって立設される給水用上面仕切壁66aと、該給水用上面仕切壁66aの上に跨る給水用上面仕切壁66bとによって、下方の給水路50aから外方に通じる開口部を形成し、更に開口部には給水用網目部65を設けた構成とし、また、排水ブロックを、該副体円板部63の下面縁部の前後左右四箇所において、金属網部材からなる第二下網目部64bを配設するとともに、前記第二下網目部64bに当接するように排水用側面仕切壁67a、及び排水用下面仕切壁67bを設けて構成することで、単なる給排水手段として機能するだけでなく、内装管40の芯振れ、ひいては釜体3の回動における芯振れを防止するとともに、内装管40の強度を確保することができる。
更に、回転駒75は、長手中央に凹部75bを形成し、ガイドレール77の山形の先端部77aが当該回転駒75の凹部75bに当接することによって、釜掛け76における回動時の振れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る自動洗米炊飯器の外観図である。
【図2】本発明の実施例に係る自動洗米炊飯器の内部構造を示すA−A断面図である。
【図3】本発明の実施例に係る自動洗米炊飯器の釜体回転機構の一部拡大説明図である。
【図4】本発明の実施例に係る自動洗米炊飯器の釜体回転機構を示す一部省略した平面図である。
【図5】本発明の実施例に係る自動洗米炊飯器の内装管を示す説明図である。
【図6】本発明の実施例に係る自動洗米炊飯器の内装管を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施例に係る自動洗米炊飯器において操作摘み、内装管の上昇状態を示すA−A断面図である。
【符号の説明】
1 炊飯ボックス
10 炊飯用タイマースイッチ
11 縦穴
12 操作摘み
13 給水用スイッチ
14 排水用スイッチ
15 釜体回転スイッチ
2 蓋
20 摘み基部
21 押圧部
22 作動軸
23 案内筒
24 作動腕杆
26 当杆
27 ソレノイド
28 切替スイッチ
3 釜体
30 底中央穴
31 釜下管
32 ガスバーナ
33 点火装置
34 外部排水管
34a 排水路
34b 上排水管
35 排水電磁弁
36 排水本管
37 中央穴
38 軸止
39a 釜体基体
39b 鍔体
4 受け部
40 内装管
41 上内装管
41a 上内装管基体
41b 上内装管副体
42 下内装管
42a 上板
43 上網目部
44 係止用ガイド部
46 係止爪
47 隔壁
48 中空円柱状部材
49 突起
50 給水管
50a 給水路
56 作動係止部
57 給水ホース
58 給水電磁弁
59 電源用スイッチ
6 ガス供給口
60 炊飯用点火スイッチ
61 回動用溝
62 コイルバネ
63 副体円板部
64 下網目部
64a 第一下網目部
64b 第二下網目部
65 給水用網目部
66 給水ブロック
66a 給水用側面仕切壁
66b 給水用上面仕切壁
67 排水ブロック
67a 排水用側面仕切壁
67b 排水用下面仕切壁
68 中央穴
69 突起挿入口
7 電源用プラグ
70 鍔状レール
71 釜掛けガイド体
72 モータ
73 歯車
75 回転駒
75a 支持部
75b 凹部
75c 軸
76 釜掛け
77 環状レール
77a 先端部
78 ガス台
79 回転歯車
8 操作板
9 洗米用タイマースイッチ
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5
【図6】
図6
【図7】
図7
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