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飲食・調理
 
【考案の名称】ガス調理器用五徳
【実用新案権者】
【識別番号】305039552
【氏名又は名称】清水 洋人
【住所又は居所】静岡県沼津市西熊堂563−13
【代理人】
【弁理士】
【識別番号】100083633
【氏名又は名称】松岡 宏
【考案者】
【氏名】清水 洋人
【住所又は居所】静岡県沼津市西熊堂563−13
【要約】(修正有)
【課題】
一般の鍋や中華鍋を乗せても安定性が良く、且つ中華鍋の移動が軽くなると共に鍋の反しが簡単で楽に行えるガス調理器用五徳を提供する。
【解決手段】
五徳爪1の先端に、中華鍋の底面が安定して接触するように転動体2を設ける構造とする。また転動体2として球体を用い、その転動体2の中間部をボール受3で支持すると良く、更にボール受3の下方に、転動体2の下部と接する掻き板を設ける。
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
五徳爪(1)の先端に、中華鍋(7)の底面が安定して接触するように転動体(2)を設けたことを特徴とするガス調理器用五徳。
【請求項2】
前記転動体(2)が球体であり、その中間部がボール受(3)で支持された請求項1記載のガス調理器用五徳。
【請求項3】
前記ボール受(3)の下方に、前記転動体(2)の下部と接する掻き板(5)が設けられた請求項2記載のガス調理器用五徳。
【考案の詳細な説明】
【技術分野】
本考案は比較的重量が大きく底の丸い面を有する中華鍋の取扱いが簡単になるガス調理器用五徳に関する。
【背景技術】
従来、ガスバーナーに配設されているガス調理器用五徳は、5本の爪が放射状に配置されて鍋などを支持するものであった。この五徳に一般の鍋を乗せた時には、鍋の安定が良いが、大型の中華鍋の丸い底面を乗せると、この中華鍋の安定が悪くなる。このため、家庭に於いて、主婦が本格的な中華料理を作る場合、料理材料を中華鍋に入れると、相当な重量となり、その取扱いが大変であり、チャーハンなどを作る時には鍋の反しが必要であるが、なかなか上手くいかないのが現状であった。
近年に於いては、大型の中華鍋の丸い底面を乗せた際に安定が良くなるように、中華鍋専用の五徳が提案されている。この中華鍋専用の五徳は通常の五徳と別に用意され、必要に応じて取換えて使用し、不使用時には、中華鍋専用の五徳は収納場所にしまって保管されていた。この中華鍋専用の五徳としては、例えば特開平9−276150号がある。この構造は、ドーム形の五徳本体の上面の鍋受けリブ(五徳爪)を中華鍋の底に沿った半球状に形成し、五徳本体の側面上部に燃焼状態を確認するための切欠き状の覗き窓を設け、五徳本体の底面は家庭用のガステーブルの丸形や角形等、既存の五徳にも適合するように角を丸くした角形とし、五徳本体の側面底部の四隅に燃焼のための吸気口を設けたものである。
しかしながら、特開平9−276150号は中華鍋専用であり、家庭に於いては、中華鍋を使用する回数は少なく、通常は中華鍋専用の五徳はしまわれており、且つ、中華鍋専用の五徳は一般の五徳よりも2倍以上の重量があり、中華鍋を使用する毎に収納場所から取出し、一般の五徳と交換してから使用することになるため、この中華鍋専用の五徳を使用するのは面倒である。従って、一般家庭に於いては購入することは殆どなかった。
【特許文献1】
特開平9−276150号公報
【考案の開示】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は一般の鍋や中華鍋を乗せても安定性が良く、且つ中華鍋の移動が軽くなると共に鍋の反しが簡単で楽に行えるガス調理器用五徳を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
本考案は上記問題点を解消するために成されたものであり、つまり、五徳爪の先端に、中華鍋の底面が安定して接触するように転動体を設ける構造とする。また転動体として球体を用い、その転動体の中間部をボール受で支持すると良く、更にボール受の下方に、転動体の下部と接する掻き板を設けるのが好ましい。
【考案の効果】
請求項1のように五徳爪(1)の先端に、中華鍋(7)の底面が安定して接触するように転動体(2)を設けることにより、比較的重量が大きく底の丸い面を有する中華鍋(7)を乗せても安定し、且つ中華鍋(7)の取扱いが簡単になると共に一般の鍋も従来と変わらずに使用出来るものとなる。
請求項2のように転動体(2)に球体を用い、その中間部をボール受(3)で支持することにより、中華料理の材料が入れられた重い中華鍋(7)は、球体である転動体(2)の上に乗せられるため、女性や子供であっても中華鍋(7)の重量を気にせずに、軽く移動でき、その取扱いが極めて簡単で且つ楽に行えるものとなる。特に家庭で本格的な中華料理を作る場合に、従来大変であった鍋の反しなどが簡単に出来るようになり、中華料理のレパートリーが広げられ易いものとなる。
請求項3に示すようにボール受(3)の下方に、転動体(2)の下部と接する掻き板(5)を設けることにより、料理中に吹き零れて付着する汁や油或いは他の付着物が転動体(2)の表面に付いても、転動体(2)が回転する内に、掻き板(5)によって転動体(2)の表面の汚れが掻き落され、転動体(2)が常に汚れから守られて、転動体(2)のスムーズな動きを安定して維持出来るものとなる。
【考案を実施するための最良の形態】
本考案の実施形態を図1、図2に基づいて説明する。(1)は5本が放射状に配置されて鍋などを支持する一般のものよりも短い五徳爪であり、該五徳爪(1)の先端は後述するボール受(3)が固定出来る構造になっている。つまり、五徳爪(1)の先端部(11)には、前記ボール受(3)の取付部(31)が挿入される溝を有すると共に穴(11a)が穿設されている。(2)は各五徳爪(1)の先端に設けた球体の転動体であり、該転動体(2)としては鋼球,ステンレス球,セラミックス球などの耐熱性に優れた材質の球体を用いると良い。また前記転動体(2)は前記ボール受(3)を介して中華鍋(7)の底面が安定して接触するように配置される。この時の転動体(2)の上面は五徳爪(1)の上面よりも低い位置になる(図4参照)。尚、前記転動体(2)は球体に限定されるものではなく、例えば、コロやローラーなどを用い、中華鍋(7)が前後方向に軽く移動するように転動体(2)を配置させても良い。又、前記転動体(2)は各五徳爪(1)の先端に設けるのが好ましいが、2個以上の転動体(2)を設けたものとしても良い。
(3)は転動体(2)の中間部を支持するための金属製のボール受であり、該ボール受(3)は、帯状の金属板を略円形に折曲させると共に内側が転動体(2)に沿った曲面に形成され、且つ金属板の両端は平らなまま残して取付部(31)と成す。また該取付部(31)には、前記五徳爪(1)の穴(11a)に合せて取付穴(31a)が穿設されている。尚、前記ボール受(3)は金属板に限定されるものではなく、耐熱性や耐衝撃性に優れた材質で前記転動体(2)が抱持出来るものであれば良い。(4)は転動体(2)を五徳爪(1)に取付けるための固定具であり、該固定具(4)には金属製のピンを用いると良いが、ビスや他のものを用いても良い。また前記固定具(4)は、前記ボール受(3)の先端部(11)にボール受(3)の取付部(31)を挿入した後、一方の穴(11a)から挿入して取付部(31)の取付穴(31a)と他方の穴(11a)を貫通させて取付けると良い。(5)は転動体(2)の下部と接するように設けられた金属製の掻き板であり、該掻き板(5)としては、図3(a)に示すように転動体(2)の下部に1枚取付けたものとしても良く、図3(b)に示すように転動体(2)の下部に2枚を交差させて取付けたものとしても良い。
次に本考案の作用について説明する。先ず始め中華鍋(7)をガス調理器のバーナー部(6)の上方へ配置させると、中華鍋(7)の底面は図4に示すようにボールである転動体(2)に接触する。この状態でバーナー部(6)を点火した後、中華鍋(7)の中に材料を入れて調理をすれば良い。この時、中華鍋(7)の底面は転動体(2)で支持されて安定しており、且つ転動体(2)に接触するため、中華鍋(7)は軽く移動ができ、特にチャーハンを作る場合には、中華鍋(7)を素早く移動させることによって、従来難しかった鍋の反しが、女性や子供でも極めて容易に行うことが可能となった。
一方、一般の鍋を使用する時には、中華鍋(7)をガス調理器のバーナー部(6)の上方から別の場所に移し、その後、一般の鍋をバーナー部(6)の上方へ配置させれば良い。すると、図4に示す2点鎖線のように一般の鍋は五徳爪(1)の上面で支持されるのである。本考案はこのように五徳を交換せずに一般の鍋を使用し、或いは中華鍋(7)を使用しても安定して調理が行えるものとなる。
【産業上の利用可能性】
本考案は家庭用の設置式のガス調理器以外に、携帯用ガスコンロや営業用の設置式のガス調理器に対しても応用でき、且つ中華鍋に限らず底面が丸い鍋や釜などを乗せても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施形態を示す斜視図である。
【図2】本実施形態の転動体が設けられるための要部部品を示す斜視図である。
【図3】本実施形態のボール受に掻き板が取付けられた状態を逆さにして見た斜視図である。
【図4】本実施形態に中華鍋を乗せた状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 五徳爪
2 転動体
3 ボール受
5 掻き板
7 中華鍋
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
発明者からのメッセージ

 この考案は、家庭用ガスコンロの五徳にキャスター状の物(球)を取り付けて、主婦、子供等でも、料理材料の入った重い中華鍋も容易に、チャーハン、野菜炒め等での中華振りを楽しみながら出来るでしょう。又、いちいち五徳を取り替える事なくそのまま鍋、ヤカン等にも安定して使用できます。
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