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【発明の名称】乳液状の液体と空気が分離される構造を持った容器 【出願人】 【識別番号】714009304 【氏名又は名称】畠山 久 【発明者】 【氏名】畠山 久 【要約】 【課題】 従来は、乳液状のような液体の容器において、容器の空間に空気が入り込み、空気に含まれている酸素や、雑菌などで内容物が変質し、開封後の保存期間が限られていた。また内容物が減少すると容器が変形し、最後の方に近づくと、握力の弱い方には絞り出すのに、難しい状況であった。 【解決手段】 内容物の容器を、柔軟性の有る容器にし、その容器全体を覆う大きさのカバーの中に入れる。このカバーは圧力で変形するが、元の形状に復元できる材質で作る。カバーに一ヶ所だけ穴を設けて、容器とカバーの間を空気は自由に出入りできる。内容物を絞り出すには、蓋を外しカバーの穴を親指の腹で塞ぎ、そのまま圧力を加えると、内容物は空気の圧力で絞り出される。力を緩めるとカバーは穴から空気が入り、カバーの形状は復元する。また、常に新品時の形状を維持できるため、内容物が減少しても新品時と同じ使い心地である。 【特許請求の範囲】 【請求項1】 内容物が乳液状のような粘度のある液体を入れる容器で、内容物が入る容器(1)の全体を包み込む状態でカバー(2)が覆う。このカバー(2)に一ヶ所だけ穴(3)を設けてあり、この穴(3)は指の腹などで塞ぐことができる2mm〜3mmの穴にする。吐出口(4)は小さく、蓋(6)ができる構造を有する容器。(大まかな形状のイメージとしては、マヨネーズの容器や、歯磨き粉のラミネートチューブのような容器等。) 【請求項2】 容器(1)の材質はビニール袋のように薄く柔軟性があり、外的圧力で変形したままの形状となり、復元性の無い材質の容器。カバー(2)は柔軟性があり、押されると一時的に変形するが、力を緩めると元の形に戻れる復元性の有る材質。 【請求項3】 内容物が入る容器(1)とそれを覆うカバー(2)は、ほぼ同じ大きさで吐出口(4)の一ヶ所の密着か、吐出口(4)と底部(5)の二カ所以上で密着されていて、容器(1)とカバー(2)の間には、空気が出入りする空間を持っている構造の容器。 【発明の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 この発明は、乳液状の液体が絞り出された後の容器内に、空気が入り込まない容器である。 【背景技術】 【0002】 従来は、内容物を絞り出した後の空間に空気が入り込む。又内容物が少なくなると容器が変形し、内容物を絞り出し難くなる。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0003】 【特許文献1】特開 平3−133748号公報 【特許文献2】特開 平8−230905号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 これは次のような欠点があった。 従来は、内容物が絞り出された後の空間に空気が入り込み、空気に含まれている酸素によって内容物の酸化や、雑菌などの影響で内容物が変質し、開封後の保存する期間が限られていた。また使用することで内容物が少なくなると容器が変形し、内容物の絞り出しが困難になってくる。これらは、先行技術文献の特開で説明、証明されている。 本発明は、簡単な構造で以上の二つの大きな欠点をなくすためになされたものである。 【課題を解決するための手段】 【0005】 内容物の入っている容器(1)とそれを包み込むように覆うカバー(2)で、カバー(2)のみに2〜3ミリの穴(3)を一ヶ所だけ設け、吐出口(4)は4〜10ミリ位の口で、蓋(6)が付いている。容器(1)とカバー(2)は、吐出口(4)と底部(5)で密着されている。容器(1)はビニール袋のような薄くて柔軟性があり、押されるとそのままの形状を維持し、カバー(2)も柔軟性はあるが、圧力を加えられたときには一時的に変形し、圧力がなくなると元の形状に戻れる復元性の有る材質で、カバーに圧力が加わっていない状態では自立できる構造を持った容器である。 【発明の効果】 【0006】 容器に入っている乳液状の液体は、カバーの穴を指の腹で塞ぎながら圧力を加えると、封入された空気の圧力で押し出されてくる。圧力を弱めるとカバーと指の隙間から穴を介して、カバーと容器の間のみに空気が入り込み、カバーは膨らむが容器は膨らまず乳液状の液体は、吐出口の面積しか空気に触れない。さらに蓋を閉めて空気と遮断することができるので、品質の劣化を極力抑えることができる。又常に新品時の形状で内容物を絞り出せるため、内容物が減少しても最後まで新品時と同様の使い心地で、使用することができる。 【図面の簡単な説明】 【0007】 【図1】本発明の斜視図で内容物が満杯である。(マヨネーズの容器をイメージ) 【図2】図1から内容物が、減少したイメージ図である。 【図3】図2の断面図である。 【図4】図1から内容物が、無くなったイメージ図である。 【図5】ラミネートチューブ状の場合の斜視図で内容物が満杯である。 【図6】図5から内容物が、減少したイメージ図である。 【図7】図6の断面図である。 【図8】図5から内容物が、無くなったイメージ図である。 【発明を実施するための形態】 【0008】 以下、本発明を実施するための形態について説明する。 内容物が入る容器(1)とそれを完全に覆うカバー(2)からなる二重構造のような容器で、容器(1)とカバー(2)は同じ大きさである。容器(1)は、自由な形になる位柔らかく、それ自体では自立できない。カバー(2)は容器(1)を保護しながらも、圧力を加えるとその間は変形するが、圧力をなくすと元の形に戻れる復元性を持っている。この容器(1)とカバー(2)は吐出口(4)部分と底部(5)の部分で密着固定されている。このカバー(2)の持ち易い位置に直径2〜3ミリの穴(3)を開けてあり、容器(1)とカバー(2)の間を空気が自由に入り込める空間ができる。吐出口(4)は内容物によって異なるが、直径4〜10ミリの口を設け、この吐出口(4)に蓋(6)を取り付ける。 本発明は、以上のような構造である。 【0009】 本発明を使用するときは、蓋を外し、カバーの穴を指の腹で覆い、対象物へ吐出口を向けて、そのまま必要な量に達するまで押すように圧力をかけて絞り出す。絞り出した後は力を緩めるとカバーは元の形に戻る。この状態で蓋をして保存する。 【0010】 従来の使用方法のように、カバーと容器を同時に押して絞り出すこともできる。又蓋をしたままで、カバーの上から容器内の内容物を押し、形状を整える事ができるため、内容物を吐出口へ集めるように移動させることも可能であり、最後まで新品時の使い心地で使用できる。しかしながらも、この構造であれば内容物は空気と完全に分離されたままである。 【実施例】 【0011】 容器の形状が、図1のようなマヨネーズの容器状の場合、蓋を開けて吐出口を食品に向け、カバーの穴を親指で塞ぎ、そのまま必要量を押し出す。必要量絞り出したら指の力を弱めると、カバーの穴から容器とカバーの間に空気が入り、カバーは膨らむ。このため常に新品時の形状になり、使用後でも食卓の上に立てたまま置け、内容物が減少しても、最後まで新品時と同じ使い心地で使用できる。 【0012】 容器の形状が、図5のような歯磨き粉のラミネートチューブ状の場合もほぼ同様で、内容物が減少しても外観形状は維持できるので、洗面所などの狭い空間でも立てたまま保管ができる。 【産業上の利用可能性】 【0013】 本発明の乳液状の液体容器としての活用は、内容物の品質劣化だけに留まらず、内容物の減少による絞り出し難さも解消できるため、食品以外でも応用はできる。グリスや水漏れ防止用の充填剤など、乳液状の液体であれば、ほとんどの物に利用可能である。 空気に触れることが少ない利点から、薬の軟膏や接着剤の容器としての応用範囲にも広げることができ、現在使用されている容器の材質を軽金属からプラスチックに変更することによって、使用後のごみの仕分けも燃えないごみから、燃えるごみとして扱えるため、環境のエコにも繋がる。 【符号の説明】 【0014】 1 容器 2 カバー 3 穴 4 吐出口 5 底部 6 蓋 |
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【図1】 |
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【図2】 |
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【図3】 |
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【図4】 |
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【図5】 |
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【図6】 |
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【図7】 |
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【図8】 |
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