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【発明の名称】野球用上衣 【特許権者】 【識別番号】502158807 【氏名又は名称】田中 嗣也 【住所又は居所】大阪府豊中市服部本町1丁目4番5号 【代理人】 【弁理士】 【識別番号】100075557 【氏名又は名称】西教 圭一郎 【代理人】 【弁理士】 【識別番号】100072235 【氏名又は名称】杉山 毅至 【代理人】 【弁理士】 【識別番号】100101638 【氏名又は名称】廣瀬 峰太郎 【発明者】 【氏名】田中 嗣也 【住所又は居所】大阪府豊中市服部本町1丁目4番5号 【特許請求の範囲】 【請求項1】 上衣本体の下部で、少なくとも前部の内側に、周方向に延びるカバーシートの上端部を取付け、 カバーシートの下端部は、上衣本体の裾よりも下方に延びており、 上衣本体の下部とのカバーシートの取付け部と、上衣本体の裾との上下方向の途中であって、かつ上衣本体の下部の内面とカバーシートの外面との間に、野球用下衣のウエストベルトが位置し、 カバーシートの生地は、上衣本体の生地よりも薄いことを特徴とする野球用上衣。 【請求項2】 上衣本体の下部で、少なくとも前部の内側に、周方向に延びるカバーシートの上端部を取付け、 カバーシートの下端部は、上衣本体の裾よりも下方に延びており、 上衣本体の下部とのカバーシートの取付け部と、上衣本体の裾との上下方向の途中であって、かつ上衣本体の下部の内面とカバーシートの外面との間に、野球用下衣のウエストベルトが位置し、 カバーシートの生地は、上衣本体の生地よりも表面の摩擦係数が小さい特性を有することを特徴とする野球用上衣。 【請求項3】 上衣本体の下部で、少なくとも前部の内側に、周方向に延びるカバーシートの上端部を取付け、 カバーシートの下端部は、上衣本体の裾よりも下方に延びており、 上衣本体の下部とのカバーシートの取付け部と、上衣本体の裾との上下方向の途中であって、かつ上衣本体の下部の内面とカバーシートの外面との間に、野球用下衣のウエストベルトが位置し、 カバーシートの生地は、上衣本体の生地よりも薄く、 カバーシートの生地は、上衣本体の生地よりも表面の摩擦係数が小さい特性を有することを特徴とする野球用上衣。 【請求項4】 カバーシートは、ほぼ全周にわたって形成されることを特徴とする請求項1〜3のうちの1つに記載の野球用上衣。 【請求項5】 上衣本体の下部とのカバーシートの取付け部と、上衣本体の裾との上下方向の長さは、約20〜40cmであることを特徴とする請求項1〜4のうちの1つに記載の野球用上衣。 【請求項6】 上衣本体は、前あき形であり、 カバーシートが、少なくとも左右の各前身ごろの前部の内側に、周方向にそれぞれ延びることを特徴とする請求項1〜5のうちの1つに記載の野球用上衣。 【請求項7】 上衣本体は、かぶり形であり、 カバーシートは、無端環状であることを特徴とする請求項1〜5のうちの1つに記載の野球用上衣。 【請求項8】 カバーシートは、自然状態で周方向に縮小し、身体に装着した状態で、身体の胴部を弾発的に締め付けることを特徴とする請求項7記載の野球用上衣。 【発明の詳細な説明】 【発明の属する技術分野】 本発明は、野球用ユニホームジャケットまたは野球用ユニホームシャツなどの野球用上衣に関する。 【従来の技術】 野球の試合中、スライディングが頻繁に行われる。特にヘッドスライディングでは、野球用ユニホームジャケットの下部と、ズボンのウエストベルトが設けられている上部との間に、グランドの砂が入り込む。その結果、野球の試合を中断せざるを得ない結果となる。 この問題を解決する先行技術は、特開平9−122288である。この先行技術では、野球用ユニホームジャケットなどのユニホーム上着の中腹からズボンベルトまでを、被う布地を、マジックテープ(登録商標)(商品名)によって取付け、砂がズボン上部から内側に入り込むことを、前記布地によって防ぐ。 この先行技術では、ユニホーム上着とズボンとの前部に布地が設けられるので、その布地が目立ちやすく、美感が劣る。またスライディング時、布地とグランドの表面とが摩擦接触することによって、マジックテープ(登録商標)、したがって布地がユニホーム上着およびズボンから外れてしまう恐れがある。さらに布地を装着し忘れる恐れがある。 【発明が解決しようとする課題】 本発明の目的は、野球の試合中におけるヘッドスライディング時などにおいてズボンの上部から砂などが入り込むことを確実に、常に防ぐことができるように改良された野球用上衣を提供することである。 【課題を解決するための手段】 本発明は、上衣本体の下部で、少なくとも前部の内側に、周方向に延びるカバーシートの上端部を取付け、 カバーシートの下端部は、上衣本体の裾よりも下方に延びており、 上衣本体の下部とのカバーシートの取付け部と、上衣本体の裾との上下方向の途中であって、かつ上衣本体の下部の内面とカバーシートの外面との間に、野球用下衣のウエストベルトが位置し、 カバーシートの生地は、上衣本体の生地よりも薄いことを特徴とする野球用上衣である。 また本発明は、上衣本体の下部で、少なくとも前部の内側に、周方向に延びるカバーシートの上端部を取付け、 カバーシートの下端部は、上衣本体の裾よりも下方に延びており、 上衣本体の下部とのカバーシートの取付け部と、上衣本体の裾との上下方向の途中であって、かつ上衣本体の下部の内面とカバーシートの外面との間に、野球用下衣のウエストベルトが位置し、 カバーシートの生地は、上衣本体の生地よりも表面の摩擦係数が小さい特性を有することを特徴とする野球用上衣である。 また本発明は、上衣本体の下部で、少なくとも前部の内側に、周方向に延びるカバーシートの上端部を取付け、 カバーシートの下端部は、上衣本体の裾よりも下方に延びており、 上衣本体の下部とのカバーシートの取付け部と、上衣本体の裾との上下方向の途中であって、かつ上衣本体の下部の内面とカバーシートの外面との間に、野球用下衣のウエストベルトが位置し、 カバーシートの生地は、上衣本体の生地よりも薄く、 カバーシートの生地は、上衣本体の生地よりも表面の摩擦係数が小さい特性を有することを特徴とする野球用上衣である。 野球用ユニホームジャケットまたは野球用ユニホームシャツなどの上衣1の身ごろである上衣本体2の裾4付近であって、その裾から上方の部分である下部5で、少なくとも前身ごろ付近である前部の内側に、カバーシート3,3aの上端部を縫付けるなどして取付け、このカバーシートの下端部15は、上衣本体2の裾4よりも下方に長く延びる。野球ユニホームズボンまたは野球ユニホームパンツなどの野球用下衣の上部12に設けられたウエストベルト14は、その野球用下衣11の上部12とカバーシート3,3aとを野球選手の身体の胴部18にウエストベルト14によって締め付けられる。上衣本体2の下部5は、ウエストベルト14と、そのウエストベルトが設けられた野球用下衣11の上部12を外方から被う。 したがって野球の試合中における、たとえばヘッドスライディング時、上衣本体2の下部5は、野球用下衣11の上部12を被っているので、その野球用下衣11の上部12内にグランドの砂が入り込む恐れはない。カバーシート3,3aは、野球用下衣11の上部12の内方でウエストベルト14によって締め付けられるので、上衣本体2の下部5が、野球選手の運動に従って揺れたり、ばたつくことは抑制される。 カバーシート3,3aの下端部15は、上衣本体2の裾4よりも下方に長く延びるので、カバーシート3がウエストベルト14によって締め付けられることが確実であり、たとえ上衣本体2が身体の上方にずれても、カバーシート3はウエストベルト14によって締め付けられた状態が保たれることになる。 本発明の実施の他の形態では、カバーシート3の下端部15は、上衣本体2の裾4とほぼ同一の上下位置に存在してもよく、またはカバーシート3の下端部15は、上衣本体2の裾4よりも上方に存在してもよい。 カバーシート3は、上衣本体2の内側に配置されるので、外方からカバーシート3が見えることはなく、美感の向上が図られる。さらにカバーシート3は上衣本体2に取付けられているので、その上衣本体2を装着する状態では、カバーシート3が確実に装着されることになり、野球用下衣11の上部12への砂の入り込みを、常に防ぐことが確実である。 カバーシートの生地は、上衣本体の生地よりも薄く、これによって野球の選手の運動が、さらに円滑に行われ、カバーシートが支障になることはない。上衣本体の生地は、砂の侵入を防ぐとともに、スライディング時の摩擦による破損を生じないようにするために、化学繊維、たとえばポリエステル糸などを用いて、ラッセル編機、丸編機またはトリコット編機などで隙間なく密に編成されて構成され、野球用下衣もまた同様に構成される。これに対してカバーシートは、上衣本体2の裾4付近の下部5が揺れたりばたついたりすることを防ぎ、野球用下衣11の上部12から外方(図1の左方)に大きく離間することを防いで運動の障害になることを防ぐ働きを果たし、このようなカバーシートが装着者である野球選手の運動の妨げになることを防ぎ、不快感が生じることを防ぐ働きを果たすので、カバーシートの生地は薄く、さらに本件野球用上衣1の装着をしやすいようにするために、カバーシートの表面の摩擦係数が小さい特性を有する。このようなカバーシートの生地は、ラッセル編機またはトリコット編機などの経編機を用いてポリエステル糸、ポリエステル/綿混糸が用いられ、または綿、絹などが用いられてもよく、さらに湿気を放散する通気性が良好な生地によって構成されてもよい。 また本発明は、カバーシートは、ほぼ全周にわたって形成されることを特徴とする。 本発明に従えば、カバーシートは、野球用上衣のほぼ全周にわたって形成されてもよいが、本発明の他の形態では、前述のように少なくとも前部に設けられてもよい。これによってヘッドスライディング時の野球用下衣の上部への砂の入り込みを確実に防ぐ。 また本発明は、上衣本体の下部とのカバーシートの取付け部と、上衣本体の裾との上下方向の長さは、約20〜40cmであることを特徴とする。 カバーシート3は、その上衣本体2下部5への取付け部6から下方に長さL1=約20〜40cmだけ垂下し、これによってカバーシートは、野球選手の運動時において常にウエストベルトで締め付けられた状態に保たれるとともに、その運動の支障になることはなく、装着時の不快感はない。 また本発明は、上衣本体は、前あき形であり、 カバーシートが、少なくとも左右の各前身ごろの前部の内側に、周方向にそれぞれ延びることを特徴とする。 本発明に従えば、後述の図1〜図4に示されるように、前あき形上衣本体の少なくとも左右の各前身ごろの前部の内側に、カバーシートが取付けられ、このカバーシートは、上衣本体を野球選手などの身体に装着した状態で、周方向に連続して身体の胴部を囲む。したがって、上衣本体を身体に装着した状態では、カバーシートは、身体の胴部のたとえばほぼ全周にわたって環状に囲む。このように本発明の上衣本体は、前あき形である野球用ユニホームジャケットであってもよい。 また本発明は、上衣本体は、かぶり形であり、 カバーシートは、無端環状であることを特徴とする。 また本発明は、カバーシートは、自然状態で周方向に縮小し、身体に装着した状態で、身体の胴部を弾発的に締め付けることを特徴とする。 本発明に従えば、後述の図5〜図7に示されるように、上衣本体はかぶり形であり、したがって上衣本体の下部はほぼ円筒状であり、このような上衣本体の形状に対応して、カバーシートは無端環状に形成される。こうしてかぶり形上衣本体の装着が容易であるとともに、野球用下衣の上部からの砂の侵入を確実に防ぐことができる。このように本発明の上衣本体は、かぶり形である野球用ユニホームシャツであってもよい。 このカバーシートには、ゴム紐などが含まれ、自然状態では周方向に縮小しており、したがって装着状態でカバーシートが身体の胴部に弾発的に接触する。これによってカバーシートが身体から上下にずれることが抑制され、カバーシートがウエストベルトによって野球用下衣の上部を介して確実に締め付けられた状態が保たれ、カバーシートが野球用下衣の上部を超えて外方にはみ出してくる恐れはない。 【発明の実施の形態】 図1は本発明の実施の一形態の野球用上衣1の縦断面図であり、図2はその野球用上衣1の斜視図であり、図3はその野球用上衣31を開いた状態を示す簡略化した正面図であり、図4は野球用上衣31の一部の斜視図である。これらの図面を参照して、野球用上衣1は基本的に、上衣本体32と、カバーシート3とを含む。上衣本体32は、前あき形であってジャケットであり、上前身ごろ33が下前身ごろ34に上下に重なり、前立幅Wを成す。上前身ごろ33の上下に配列された複数のボタン孔36に、下前身ごろ34に取付けられたボタン37が着脱可能に嵌り込み、連結される。ボタン孔36およびボタン37の組合せに代えて、そのほかの構成を有する留め具が用いられてもよい。身ごろ裾4付近で、裾4から上方の部分である下部5には、環状のカバーシート3の上端部7が、前記下部5の前部で内側に、取付け部6で、糸などを用いて縫付けられて取付けられる。野球選手の身体9には、ズボンである野球用下衣11の上部12が、ウエストベルト14によって締め付けられる。この野球用下衣11の上部12は、ウエストベルト14とともに、上衣本体2の下部5によって被われる。野球用下衣11の上部12とウエストベルト14とは、カバーシート3の上端部7の取付け部6よりも下方に存在する。 カバーシート3の下端部15は、上衣本体2の裾4よりも下方に長く延びる。野球用下衣11のウエストベルト14は、上衣本体32の下部5とのカバーシート3の取付け部6と、上衣本体32の裾4との上下方向の途中であって、かつ上衣本体2の下部5の内面16とカバーシート3の外面17との間に位置する。 このカバーシート3は、上衣本体2の全周にわたって、したがって野球選手の身体9の胴部18の全周にわたって前述のように環状で前立幅Wで重なり合って、筒状に形成される。取付け部6とカバーシート3の下端部15との上下方向の長さL1は、約20〜40cmであり、好ましくは約25〜35cmであり、さらに好ましくは約30cmである。これによってカバーシート3はウエストベルト14によって身体9の胴部18に確実に締め付けられた状態に保たれ、運動中に、カバーシート3が野球用下衣11の上部12を超えて外方(図1の左方)にはみ出してくることはない。 カバーシート3の周方向の一端部41は、上前身ごろ33の前身端42から周方向の長さL2をあけて位置する。カバーシート3の周方向の他端部43は、下前身ごろ34の端部44と周方向の同一位置にある。取付け部6は、最下方のボタン孔36およびボタン37よりも上方にあってもよい。図4に示されるように、カバーシート3の前記一端部41から周方向に長さL3をあけて、そのカバーシート3の前記他端部43が参照符45で示されるように位置して重なる。こうして前立幅Wの長さは、図4の長さL2,L3の和である(W=L2+L3)。重なりの長さL3が設けられることによって、上衣本体32の野球用下衣11から外方への揺れ、ばたつきを確実に防ぐことができる。 上衣本体2はスライディング時、生地の間から砂が侵入することがないように、またスライディング時の強い摩擦力の作用によって破損しないように、化学繊維、たとえばポリエステル糸などを用いてラッセル編機、丸編機またはトリコット編機などで隙間なく密に編成されて構成される。カバーシート3の生地は、上衣本体32の生地よりも薄く、さらにその表面の摩擦係数が小さい特性を有する。これによってカバーシート3が野球用下衣11の上部12と身体9の胴部18との間に介在してウエストベルト14によって締め付けられても、不快感を生じることなく、快適であり、激しい運動を快適に行うことができ、その運動がカバーシート3によって妨げられることはない。このようなカバーシート3の生地は、たとえば化学繊維、たとえばポリエステル糸がラッセル編機、トリコット編機などの経編機を用いて構成されてもよく、さらに湿気を放散して不快感を感じないようにするために通気性を良好にする多数の開口が形成されていてもよい。 カバーシート3は、ゴム紐などが編み込まれ、これによって自然状態で周方向に縮小しており、身体9に装着した状態でその身体の胴部18を弾発的に内方(図1の右方)に締め付けるように構成されてもよい。このような弾発力によって、カバーシート3が身体9の胴部18から上下にずれることがさらに確実に防がれる。 図5は本発明の実施のさらに他の形態の野球用上衣31の正面から見た斜視図である。この野球用上衣31は、前述の図1〜図4の実施の各形態に類似し、対応する部分には同一の参照符を付し、さらに添え字aを付すことがある。野球用ユニホームシャツである野球用上衣31の上衣本体2は、丸首半袖襟無しのかぶり形である。 図6は、図5に示される野球用上衣31の分解斜視図である。カバーシート3は細長い帯状体の両端部21,22が、糸23で縫付けられて無端環状とされ、この糸23による連結部24は、上衣本体2の周方向の連結部25と周方向に一致されてもよい。上衣本体2の下部5の取付け部6は、図3におけるカバーシート3の参照符26で糸によって前述のように縫付けられて固定される。 図7は本発明の実施の他の形態の野球用上衣28の一部の斜視図である。上衣本体2の裾4は、上下の軸線29に対して垂直ではなく、角度θ1を成して傾斜していてもよく、そのほかの形状であってもよい。図7に示される実施の形態のそのほかの構成は、前述の図5および図6の実施の形態と同様である。 【発明の効果】 本発明によれば、野球の試合中における、たとえばヘッドスライディング時などにおいて、グランドの砂が上衣本体の下部の外面と野球用下衣のウエストベルト付近における上部の内面との間から入り込むことが確実に防がれるとともに、美感が劣ることはなく、また野球選手の運動中、上衣本体の下部が揺れたりばたつくことが抑制され、快適な運動を維持することができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施の一形態の野球用上衣1の縦断面図である。 【図2】本発明の実施の一形態の野球用上衣1の斜視図である。 【図3】本発明の実施の一形態の野球用上衣1を開いた状態を示す斜視図である。 【図4】図1〜図3に示される実施の一形態の一部の斜視図である。 【図5】本発明の実施の他の形態の野球用上衣31の一部の斜視図である。 【図6】図5に示される野球用上衣31の分解斜視図である。 【図7】本発明の実施のさらに他の形態の野球用上衣28の正面から見た斜視図である。 【符号の説明】 1,28,31 野球用上衣 2,32 上衣本体 3,3a カバーシート 4 裾 5 下部 6 取付け部 7 上端部 9 身体 |
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【図1】 |
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【図2】 |
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【図3】 |
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【図4】 |
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【図5】 |
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【図6】 |
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【図7】 |
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