閉じる
衣服・履物
 
【考案の名称】和服用のパーツ部材の連結構造
【実用新案権者】
【識別番号】518075509
【氏名又は名称】太田 正二
【住所又は居所】神奈川県横浜市戸塚区矢部町563-8
【実用新案権者】
【識別番号】525004781
【氏名又は名称】太田 正三
【住所又は居所】神奈川県横浜市戸塚区上矢部町1211
【代理人】
【識別番号】100173679
【弁理士】
【氏名又は名称】備後 元晴
【考案者】
【氏名】太田 正二
【住所又は居所】神奈川県横浜市戸塚区矢部町563-8
【考案者】
【氏名】太田 正三
【住所又は居所】神奈川県横浜市戸塚区上矢部町1211
【要約】 (修正有)
【課題】和服を構成するパーツ部材の交換が簡単であり、交換した後に連結部分の態様が変わらない和服用のパーツ部材の連結構造を提供する。
【解決手段】使用者の上半身に着用する本体10に、パーツ部材としての衿、裾、袖30を取り付けることによって構成される和服における本体10と袖30等との連結構造であって、フック部40aと、ループ部40bとを備えた面ファスナ40を有し、本体10は、第1連結部11と第1連結部11から分岐する第2連結部12とを有し、袖30の端部は、第1連結部11と第2連結部12との間に配置可能であり、第1連結部11における袖30の端部に対向する面及び第2連結部12における袖30の端部に対向する面に、ループ部40bが配置され、ループ部40bは、袖30の端部の表裏面における、フック部40aに対して係合可能な部位に配置される。
【選択図】図3
選択図
【着流し千変、一重二重つなぎ】
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
使用者の上半身に着用する本体にパーツ部材を取り付けることによって構成される和服における前記本体と前記パーツ部材との連結構造であって、
係合部と当該係合部に対して係合及び係合解除が可能な被係合部とを備えた係合部材を有し、
前記本体及び前記パーツ部材における一方は、第1連結部と当該第1連結部から分岐する第2連結部とを有し、
前記本体及び前記パーツ部材における他方の一部は、前記第1連結部と前記第2連結部との間に配置可能であり、
前記係合部は、前記第1連結部における前記他方の一部に対向する面及び前記第2連結部における前記他方の一部に対向する面に配置され、
前記被係合部は、前記他方の一部の表裏面における、前記係合部に対して係合可能な部位に配置される連結構造。
【請求項2】
請求項1記載の連結構造において、
前記パーツ部材は、袖、衿及び裾の少なくともいずれか1つである連結構造。
【請求項3】
請求項1又は2記載の連結構造において、
前記係合部材は、互いに連結、連結解除自在なフック部とループ部とを有する面ファスナからなる連結構造。
【考案の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本考案は、着流しが可能な着物、或いは法被や浴衣のような和服に適用され、使用者の上半身に着用する本体と袖や衿等のパーツ部材を取り付ける連結構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来におけるこの種の技術として、特許文献1に記載された技術がある。特許文献1には、振袖用の袖と小袖用の袖とに交換可能にされており、袖の着脱は、ファスナー、面ファスナー、スナップ、ボタン、ホックのいずれかの着脱部材を用いて行われる着物について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特開2005−23488号公報
【考案の概要】
【考案が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1には、ファスナー、面ファスナー、スナップ、ボタン、ホックがどのように取り付けられどのように着脱されるのか、具体的に開示されていない。通常の取り付け方としては、本体の袖の端部と交換用の袖の端部とにそれぞれ着脱部材を取り付け、両者の端部を連結させることが考えられる。しかしながら、例えば、本体となる着物がリバーシブルタイプのものである場合、本体の袖の端部に下にあった交換用の袖の端部が、着物を裏返しにした際に体の袖の端部の上になる、というように連結部位の態様が変わってしまう。そこで、本体となる着物の袖を交換したり、裾を長くしたりする場合に、連結部分の態様が変わらないようにすることが望まれる。
【0005】
本考案は、このような問題点について鑑みなされたものであり、和服を構成するパーツ部材の交換が簡単であり、交換した後に連結部分の態様が変わらない和服用のパーツ部材の連結構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本考案は、次に記載する構成を備える。
【0007】
(1) 使用者の上半身に着用する本体(例えば、本体10)にパーツ部材(例えば、衿20、袖30及び裾25)を取り付けることによって構成される和服における前記本体と前記パーツ部材との連結構造であって、
係合部(例えば、ループ部40b、50b、60b)と当該係合部に対して係合及び係合解除が可能な被係合部(例えば、フック部40a、50a、60a)とを備えた係合部材(例えば、面ファスナ40、50、60)を有し、
前記本体及び前記パーツ部材における一方は、第1連結部(例えば、第1連結部11、13、15)と当該第1連結部から分岐する第2連結部(例えば、第2連結部12、14、16)とを有し、
前記本体及び前記パーツ部材における他方の一部は、前記第1連結部と前記第2連結部との間に配置可能であり、
前記係合部は、前記第1連結部における前記他方の一部に対向する面及び前記第2連結部における前記他方の一部に対向する面に配置され、
前記被係合部は、前記他方の一部の表裏面における、前記係合部に対して係合可能な部位に配置される連結構造。
【0008】
(1)によれば、本体に対してパーツ部材が、係合部と当該係合部に対して係合及び係合解除が可能な被係合部とを備えた係合部材によって連結されているため、着脱自在である。ここで、本体及びパーツ部材の一方が、第1連結部と第2連結部が2つに分岐しており、第1連結部と第2連結部に係合部が配置されている。また、第1連結部と第2連結部の間に配置される本体及びパーツ部材の他方の一部に被係合部が配置されている。そして、係合部と被係合部とを係合させることにより、他方の一部に対して両側から支持される。これにより、本体とパーツ部材との連結が強固なものとなり、容易に外れ難くなる。また、本体に対してパーツ部材が交換可能であるため、和服のデザインを変えることが容易に可能となり、和服のデザインの自由度を向上させることが可能になる。しかも、和服の表裏を入れ替えても、本体に対するパーツ部材との連結位置が変わらなくなる。このため、リバーシブルタイプの和服において、表裏を入れ替えた際に連結位置が変わることによる違和感を低減させることができる。このように、和服を構成するパーツ部材の交換が簡単であり、交換した後に連結部分の態様が変わらない和服用のパーツ部材の連結構造を提供することができる。
【0009】
(2) (1)において、前記パーツ部材は、袖、衿及び裾の少なくともいずれか1つである連結構造。
【0010】
(2)によれば、袖、衿及び裾の交換が容易になり、袖、衿及び裾の長さや模様等のデザイン偏向を容易に行うことが可能になる。
【0011】
(3) (1)、(2)において、前記係合部材は、互いに連結、連結解除自在なフック部とループ部とを有する面ファスナからなる連結構造。
【0012】
(3)によれば、本体に対するパーツ部材の着脱が容易になり、パーツ部材の交換やデザイン変更を容易に行うことができる。
【考案の効果】
【0013】
本考案によれば、和服を構成するパーツ部材の交換が簡単であり、交換した後に連結部分の態様が変わらない和服用のパーツ部材の連結構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本考案の一実施形態における和服の外観を模式的に示す正面図である。
【図2】本考案の一実施形態における和服を構成する各部分を模式的に示す正面図である。
【図3】本体10における袖30との連結部位を模式的に示す斜視図である。
【図4】図1のAA線断面を模式的に示す断面図である。
【図5】図1のBB線断面を模式的に示す断面図である。
【図6】図1のCC線断面を模式的に示す断面図である。
【図7】法被1を身体に装着した状態を示す図である。
【図8】法被1を身体に装着した状態を示す図である。
【図9】本体10と衿20との別の連結構造を示す断面図である。
【考案を実施するための形態】
【0015】
以下に、本考案の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
図1は、本考案の一実施形態における和服の外観を模式的に示す正面図である。図2は、本考案の一実施形態における和服を構成する各部分を模式的に示す正面図である。
【0017】
[法被1の構成]
本考案の一実施形態における和服について、法被1を例として説明する。
法被1は、布によって構成され、身体の上半身を覆う身頃と称される本体10と、首回りに掛けるように配置される帯状の衿20と、本体10と同じ布によって構成され、両腕のそれぞれ通される筒状の袖30と、本体10と同じ布によって構成され、本体10の下部に配置される矩形の裾25と、を有している。なお、法被1を着用する際に、帯を用いる場合もある。衿20、裾25及び袖30は、本考案におけるパーツ部材の一例である。
【0018】
衿20、袖30及び裾25は、本体10に対して着脱自在である。袖30は、図2に示すように、通常のもの以外に、短いものやデザイン違いのものが用意されており、必要に応じて使用する袖30を選択することができる。なお、図示しないが、衿20及び裾25についても、袖30と同様に、通常のもの以外に、短いものやデザイン違いのものを用意してもよい。
【0019】
本体10と袖30とは、面ファスナ40によって連結されている。本体10と衿20とは、面ファスナ50によって連結されている。本体10と裾25とは、面ファスナ60によって連結されている。面ファスナ40、50、60は、本考案における着脱部材の一例である。
【0020】
[袖30の連結構造]
図3は、本体10における袖30との連結部位を模式的に示す斜視図である。図4は、図1のAA線断面を模式的に示す断面図である。
【0021】
本体10における袖30の取付部分は、図3に示すように、第1連結部11と第2連結部12の2つに分岐した分岐構造になっている。第2連結部12は、帯状部材を環状にしたものであり、第1連結部11の内側に配置して後端部を本体10に縫い付けることによって構成される。
【0022】
面ファスナ40は、シート面に細かいフック状の繊維が並ぶフック部40aと、シート面に細かいリング状の繊維が並ぶループ部40bと、を含んで構成される。
【0023】
図3に示すように、第1連結部11の内側面に複数のフック部40aが環状に並ぶように縫い付けられている。また、第2連結部12における第1連結部11の内側面に対向する面に、複数のフック部40aが縫い付けられている。
【0024】
また、袖30の本体10側の端部における表裏面に、複数のループ部40bが環状に並ぶように縫い付けられている。ここで、表面側の複数のループ部40bは、第1連結部11の複数のフック部40aにそれぞれ重ね合わせることが可能な部位に配置されている。同様に、裏面側の複数のループ部40bは、第2連結部12の複数のフック部40aにそれぞれ重ね合わせることが可能な部位に配置されている。なお、図3によれば、フック部40a及びループ部40bがそれぞれ6個配置されているが、帯状の長尺のフック部40a及びループ部40bを1個ずつ環状に配置してもよい。また、フック部40a及びループ部40bの数や長さは、袖30の大きさに応じて適宜設定することが可能である。
【0025】
そして、図4(a)に示すように、本体10における第1連結部11と第2連結部12との間に、ループ部40bが縫い付けられている袖30の端部を挿入し、図4(b)に示すように、フック部40aとループ部40bとを重ね合わせて接合することにより、袖30が本体10に連結される。
【0026】
[衿20の連結構造]
図5は、図1のBB線断面を模式的に示す断面図である。衿20の連結構造も袖30の連結構造と同様であり、本体10の衿周り端部が第1連結部13と第2連結部14の2つに分岐した分岐構造になっている。
【0027】
面ファスナ50は、面ファスナ40と同様であり、シート面に細かいフック状の繊維が並ぶフック部50aと、シート面に細かいリング状の繊維が並ぶループ部50bと、を有する。
【0028】
第1連結部13の内側面に複数のフック部50aが長手方向に並ぶように縫い付けられている。また、第2連結部14における第1連結部13の内側面に対向する面に、複数のフック部50aが縫い付けられている。
【0029】
衿20における片方の長辺側の表裏面に、長手方向に沿って複数のループ部50bが並べて配置されている。
【0030】
そして、本体10の第1連結部13と第2連結部14との間に、衿20におけるループ部50bが配列されている長辺部分を挿入し、フック部50aとループ部50bとを重ね合わせて接合することにより、本体10に衿20が連結される。これにより、衿20が本体10に取り付けられる。なお、衿20を外してデザイン違いの衿20に交換することも可能である。
【0031】
[裾25の連結構造]
図6は、図1のCC線断面を模式的に示す断面図である。裾25の連結構造も袖30の連結構造と同様であり、本体10の下端部が第1連結部15と第2連結部16の2つに分岐した分岐構造になっている。
【0032】
面ファスナ60は、面ファスナ40と同様であり、シート面に細かいフック状の繊維が並ぶフック部60aと、シート面に細かいリング状の繊維が並ぶループ部60bと、を有する。
【0033】
第1連結部15の内側面に複数のフック部60aが長手方向に並ぶように縫い付けられている。また、第2連結部16における第1連結部15の内側面に対向する面に、複数のフック部60aが縫い付けられている。
【0034】
袖30における片方の長辺側の表裏面に、長手方向に沿って複数のループ部60bが並べて配置されている。
【0035】
そして、本体10の第1連結部15と第2連結部16との間に、裾25におけるループ部60bが配列されている長辺部分を挿入し、フック部60aとループ部60bとを重ね合わせることにより、本体10に裾25が連結される。これにより、裾25が本体10に取り付けられる。なお、裾25を外してデザインや長さ違いの裾25に交換することも可能である。また、裾25を付けない場合もある。
【0036】
[本実施形態の使用状態]
図7は、本体10に衿20、裾25及び通常の袖30を取り付けてなる法被1を身体に装着した状態を示す図である。図8は、本体10に衿20及び短い袖30を取り付けてなる法被1を身体に装着した状態を示す図である。図7に示す法被1に対して図8に示す法被1は、通常の袖30を短い袖30に交換することによって袖30の長さを短くし、裾25を外すことによって裾を短くしたものである。このように、法被1のデザインを容易に変えることができる。また、本体10がリバーシブルタイプである場合、本体10の表裏を変えて着用した場合、本体10と衿20及び通常の袖30との連結部分の視認態様が変わらない。このため、本体10と衿20及び通常の袖30との連結部分を考慮することなく、リバーシブルタイプの法被1のデザインを変化させることが可能である。
【0037】
[作用効果]
このように構成された本考案の実施形態によれば、本体10に対して衿20、袖30及び裾25が着脱自在である。ここで、本体10における衿20、袖30或いは裾25との連結部が2つに分岐しており、この分岐部分に面ファスナのフック部を配置している。また、衿20、袖30及び裾25の端部に面ファスナのループ部を配置している。そして、分岐部分の間に衿20、袖30及び裾25の端部を挟んでフック部とループ部とが接合される。このため、本体10と衿20、袖30及び裾25との連結が強固なものとなり、容易に外れ難くなる。
【0038】
また、本体10に対して衿20、袖30及び裾25が交換可能であるため、袖30及び裾25の長さや衿20、袖30及び裾25のデザインを変えることが容易に可能となり、法被1のデザインの自由度を向上させることが可能になる。しかも、法被1の表裏を入れ替えても、本体10に対する衿20、袖30及び裾25との連結位置が変わらなくなる。このため、リバーシブルタイプの法被1において、表裏を入れ替えた際に連結位置が変わることによる違和感を低減させることができる。
【0039】
[他の実施形態]
以上、本考案の実施形態について説明したが、本考案の実施形態は、上述した実施形態に限るものではない。上述した実施形態によれば、本体10側の衿20、袖30及び裾25との連結部分を分岐させているが、衿20、袖30及び裾25側を分岐させ、その分岐部分の互いに対向する一対の面に、面ファスナのフック部或いはループ部の一方を縫い付け、本体10における衿20、袖30及び裾25との連結部分の表裏面に面ファスナのフック部或いはループ部の他方を縫い付けてもよい。例えば、図9に示すように、本体10における衿20の連結部分の表裏面に面ファスナのループ部50bを取り付け、衿20を構成する帯状部材における長手方向に延びる両側の長辺部分にフック部50aを取り付ける。そして、衿20の幅方向の中央部を折り曲げ、衿20の両側で本体10を挟むように、フック部50a、50aとループ部50b、50bとを重ね合わせて接合してもよい。
【0040】
また、本考案の実施形態として法被を例に説明したが、浴衣であってもよく、着流しができる着物であれば、適用可能である。
【0041】
また、本考案の実施形態によれば、第1連結部11、13、15に帯状の第2連結部12、14、16を縫い付けることで、分岐部分を構成しているが、分岐部分の構成方法はこれに限るものではなく、他の方法を用いてもよいことは言うまでもない。
【0042】
また、上述した実施形態によれば、着脱部材として面ファスナを適用したが、面ファスナ以外でも、例えば、ホックやボタンを適用してもよい。具体的に、フック部40a、50aの代わりに、ホックを構成する凸部を取り付け、ループ部40b、50bの代わりにホックを構成する凹部を取り付けてもよい。また、本体10の分岐部分にフック部40a、50aの代わりにボタンホールを形成し、衿20や袖30にフック部40a、50aの代わりにボタンを取り付けてもよい。
【0043】
なお、本考案の思想の範疇において、当業者であれば各種の変更例及び修正例に想到し得るものである。よって、それら変更例及び修正例は、本考案の範囲に属するものと了解される。例えば、前述の実施の形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったもの、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本考案の要旨を備えている限り、本考案の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0044】
1 法被
10 本体
11、13、15 第1連結部
12、14、16 第2連結部
20 衿
25 裾
30 袖
40、50、60 面ファスナ
40a、50a、60a フック部
40b、50b、60b ループ部
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5
【図6】
図6
【図7】
図7
【図8】
図8
【図9】
図9
ページtop へ