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【考案の名称】シャツ 【実用新案権者】 【識別番号】515221842 【氏名又は名称】味戸 正一 【住所又は居所】千葉県千葉市若葉区みつわ台3−4−3−301 【代理人】 【識別番号】100089026 【弁理士】 【氏名又は名称】木村 高明 【考案者】 【氏名】味戸 正一 【住所又は居所】千葉県千葉市若葉区みつわ台3−4−3−301 【要約】 (修正有) 【課題】物品を収納した際に外部から見えてしまうことがなく、且つ、物品の出し入れが容易なシャツを提供する。 【解決手段】前身頃11と後身頃12を備え下着として着用されるシャツ10であって、前身頃の胸部に位置する箇所13に、一端部14に開口部15が形成されて物品16aを収納しうる袋状収納部17を備えている。袋状収納部は、全体略横長長方形状に形成され、開口部には線ファスナー19が設けられ、また防水加工が施されており、内方には袋状収納部よりも小さい長さ寸法及び幅寸法に形成された第二袋状収納部23が設けられていることが好ましい。 【選択図】図1 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 前身頃と後身頃を備え下着として着用されるシャツであって、前記前身頃の胸部に位置する箇所には、一端部に開口部が形成されて物品を収納しうる袋状収納部を備えていることを特徴とするシャツ。 【請求項2】 前記袋状収納部は、全体略横長長方形状に形成され、前記前身頃の幅方向中央に設けられており、前記開口部は、前記袋状収納部の上端部に幅方向全体に亘って形成され、前記開口部には線ファスナーが設けられていることを特徴とする請求項1記載のシャツ。 【請求項3】 前記袋状収納部は、防水加工が施されており、前記袋状収納部の内方には前記袋状収納部よりも小さい長さ寸法及び幅寸法に形成された第二袋状収納部が設けられていることを特徴とする請求項2記載のシャツ。 【請求項4】 前記袋状収納部は、全体略横長長方形状に形成され、前記開口部は、前記袋状収納部の上端部に幅方向全体に亘って形成されていると共に、前記開口部の両端部には、前記開口部の一部を閉塞する開放抑制部が形成されていることを特徴とする請求項1記載のシャツ。 【請求項5】 前記袋状収納部の内方には、前記袋状収納部とは別体に形成され防水素材により形成された物品を収納しうる第三袋状収納部を備えていることを特徴とする請求項4記載のシャツ。 【考案の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本考案は、収納部を備えたシャツの改良に関する。 【背景技術】 【0002】 従来、財布などの貴重品を持って外出をするには、例えばズボンのポケットに収納した状態で持ち運ばれていた。しかしながら、貴重品をズボンのポケットに入れて外出した場合、簡単に抜き取られてしまうため盗難や紛失の恐れがあった。 【0003】 また、外部より一目で確認できるポケットは、窃盗やスリなどの標的となりやすく、特に海外旅行などの見知らぬ土地への旅行においては窃盗やスリから危険に巻き込まれてしまうこともある。 【0004】 そこで、例えば上着の内ポケット等の外部から見えない箇所に貴重品を収納することがある。しかしながら、上着は、飲食店での食事の際などに脱ぐことがあり、その際に落としたり盗まれたりする恐れは解消できなかった。 【0005】 外出した際に、脱いだり着たりすることなく、且つ外部からも貴重品を収納していることがわかりづらい収納部を備えた衣類が要望されていた。 【0006】 このような収納部を備えた衣類としては、特許文献1の貴重品収納ポケット付きシャツが提案されている。特許文献1の貴重品収納ポケット付きシャツは、シャツ本体の脇の下に相当する箇所に貴重品収納ポケットが配されており、ワイシャツやブラウスなどの下に着用することにより貴重品収納ポケットの存在が外部から見えなくなるため、窃盗やスリに遭遇する確率を低減できる。 【0007】 しかしながら、特許文献1の貴重品収納ポケット付きシャツにあっては、貴重品収納ポケットは、シャツ本体の脇の下に相当する箇所に配されていることから、例えばワイシャツの下に着用した際は、貴重品を取出すにはワイシャツの裾を出すか、またはワイシャツと身体の間に手が入る程度にボタンを外して脇の下の貴重品収納ポケットまで手を伸ばす必要があり取出し難かった。 【0008】 そこで、本考案者はこのような観点から調査を行い、特許文献2と特許文献3を発見した。特許文献2の隠しポケット付きシャツについては特許文献1と同様に取り出しにくいという問題を抱えていた。 【0009】 特許文献3の汗カットポケット付シャツは、取出し易い位置に汗カットポケットを有しているが、ワイシャツ状のシャツが開示されており、所謂下着ではないため、貴重品を収納した収納部が外部から見えてしまうものであった。 【特許文献1】登録実用新案第3047024号公報 【特許文献2】公開特許第2012−202014号公報 【特許文献3】登録実用新案第3069794号公報 【考案の開示】 【考案が解決しようとする課題】 【0010】 そこで、本考案は、このような従来の要請に基づくものであって、物品を収納した際にも外部から見えてしまうことがなく、且つ、物品の出し入れが容易なシャツを提供することを課題とする。 【課題を解決するための手段】 【0011】 前記課題を解決するために、請求項1に記載の考案にあっては、前身頃と後身頃を備え下着として着用されるシャツであって、前記前身頃の胸部に位置する箇所には、一端部に開口部が形成されて物品を収納しうる袋状収納部を備えていることを特徴とする。 【0012】 従って、物品は開口部を通じて胸部の袋状収納部に収納することができる。また、下着として着用されるシャツであるため、上着を着用した状態においては、袋状収納部は他人から確認されにくい。袋状収納部は、胸部に設けられていることから上着を着用した状態であっても、物品を出し入れしやすい。 【0013】 請求項2に記載の考案にあっては、前記袋状収納部は、全体略横長長方形状に形成され、前記前身頃の幅方向中央に設けられており、前記開口部は、前記袋状収納部の上端部に幅方向全体に亘って形成され、前記開口部には線ファスナーが設けられていることを特徴とする。 【0014】 従って、袋状収納部の上方から物品を出し入れすることができ、且つ物品を収納した状態において線ファスナーを閉じて閉塞することができる。 【0015】 請求項3に記載の考案にあっては、前記袋状収納部は、防水加工が施されており、前記袋状収納部の内方には前記袋状収納部よりも小さい長さ寸法及び幅寸法に形成された第二袋状収納部が設けられていることを特徴とする。 【0016】 従って、袋状収納部は、防水加工が施されているため、収納した物品が汗で染みてしまうことを防止することができる。また、小さい物品は他の大きい物品と分けて第二袋状収納部に収納することができる。 【0017】 請求項4に記載の考案にあっては、前記袋状収納部は、全体略横長長方形状に形成され、前記開口部は、前記袋状収納部の上端部に幅方向全体に亘って形成されていると共に、前記開口部の両端部には、前記開口部の一部を閉塞する開放抑制部が形成されていることを特徴とする。 【0018】 従って、袋状収納部の上方から物品を出し入れすることができる。また、開口部の両端部には、開口部の一部を閉塞する開放抑制部が形成されていることから、袋状収納部の表面側を形成する生地の開口部近傍が自重により表面側へ垂れ下がってしまうことを防止できる。 【0019】 請求項5に記載の考案にあっては、前記袋状収納部の内方には、前記袋状収納部とは別体に形成され防水素材により形成された物品を収納しうる第三袋状収納部を備えていることを特徴とする。 【0020】 従って、物品を防水素材より形成された第三袋状収納部に収納して袋状収納部に収納することにより、収納した物品が汗で染みてしまうことを防止することができる。 【考案の効果】 【0021】 請求項1に記載のシャツにあっては、物品は開口部を通じて胸部の袋状収納部に収納することができるため、上着を着用したまま、例えば、上着の襟元の開口を通じて袋状収納部に物品を収納することができ物品の出し入れが容易であり、買い物等にも便利である。 【0022】 また、上着を着用した状態においては、袋状収納部に物品を収納した際にも外部から見えてしまうことがなく、窃盗やスリに狙われにくくなり安全である。 【0023】 請求項2に記載のシャツにあっては、袋状収納部の上方から物品を出し入れすることができ物品の出し入れが容易であり、買い物等にも便利である。また、物品を収納した状態において線ファスナーを閉じて閉塞することにより物品が不意に落下して紛失することがない。 【0024】 請求項3に記載のシャツにあっては、収納した物品が汗で染みてしまうことを防止することができるため、場所や季節を選ばず広く利用することができる。 また、小さい物品は他の大きい物品と分けて第二袋状収納部に収納することができることから、小さい物品を取出しやすい。 【0025】 請求項4に記載のシャツにあっては、袋状収納部の上方から物品を出し入れすることができ物品の出し入れが容易であり、買い物等にも便利である。また、袋状収納部の表面側を形成する生地が開口部近傍が自重により表面側へ垂れ下がってしまうことを防止できるため、垂れ下がった部位から収納した物品が不意に落下することを抑制することができ紛失を防止できる。 【0026】 請求項5に記載のシャツにあっては、物品を防水素材より形成された第三袋状収納部に収納して袋状収納部に収納することにより、収納した物品が汗で染みてしまうことを防止することができるため、場所や季節を選ばず広く利用することができる。 【図面の簡単な説明】 【0027】 【図1】図1は、本考案に係るシャツの第一の実施の形態を示し、第二袋状収納部に物品を収納した状態を示した平面図である。 【図2】図2は、本考案に係るシャツの第二の実施の形態を示し、第三袋状収納部に物品を収納した状態を示した平面図である。 【図3】図3は、本考案に係るシャツの第一の実施の形態を示し、ワイシャツの下に肌着として着用した状態を示し、袋状収納部に物品を収納した状態を示した概念図である。 【考案を実施するための最良の形態】 【0028】 以下、本考案に係るシャツを第一の実施の形態に基づき、図面を参照して詳細に説明する。 【0029】 図1に示すように、第一の実施の形態に係るシャツ10は、綿とポリエステル繊維から形成される前身頃11と後身頃12を備え下着として着用される。前身頃11と後身頃12は、夫々略T字形状に形成されて縫い合わされることによりシャツ10を形成している。 【0030】 図1に示すように、シャツ10は、襟部20、袖部21,21、胴部22より構成され、前身頃11胴部22の着用した際に着用者の胸部に位置する箇所13には、一端部14に開口部15が形成されて物品16aを収納しうる袋状収納部17を備えている。 【0031】 図1に示すように、袋状収納部17は、全体略横長長方形状に形成され、前身頃11の幅方向中央に設けられており、開口部15は、袋状収納部17の上端部18に幅方向全体に亘って形成され、開口部15には線ファスナー19が設けられている。図1においては、線ファスナー19のスライダ25は、左側に位置しており開口部15が閉塞されている状態である。 【0032】 本実施の形態においては、袋状収納部17は、前身頃11と同素材により形成され、全体略横長長方形状に形成された表面側生地24の上端部18に線ファスナー19が設けられた表面側生地24の周囲全体に亘って前身頃11の胸部に位置する箇所13に縫い付け固定することにより形成される。 【0033】 袋状収納部17は、高さ寸法L1が95mm、幅寸法L2が180mmとなるように形成され、防水加工が施されており、袋状収納部17の内方には全体略横長長方形状に形成され、袋状収納部17の約半分の長さ寸法及び幅寸法に形成された第二袋状収納部23が設けられている。図1においては、物品16aは、第二袋状収納部23内に収納されている。 【0034】 図1に示すように、第二袋状収納部23は、前身頃11と同素材により形成され、第二袋状収納部の上端部26は線ファスナー19よりもわずかに下方に位置するように設けられており、第二袋状収納部の上端部26を残して周囲を前身頃11に縫い付けされることにより袋状に形成されている。 【0035】 以下、第一の実施の形態に係るシャツ10の作用について、図面を参照して詳細に説明する。 【0036】 第一の実施の形態に係るシャツ10は、以上のように構成されていることから、図3に示すように、ボタン27,27・・・を備えたワイシャツ28の下に肌着として着用した際には、袋状収納部17に物品16bを収納した際にもワイシャツ28によって隠れるため袋状収納部17は外部から見えにくい。 【0037】 また、袋状収納部17に物品16bを収納する際には、ワイシャツ28を脱ぐことなく、例えば第一ボタン27aと第二ボタン27bを外してワイシャツ28の襟元を開放した後、襟元から手を挿入して胸部に位置する箇所13に形成された袋状収納部17の線ファスナー19のスライダ25を右側へと操作して袋状収納部17の開口部15を開放する。 【0038】 この状態において、物品16bをワイシャツ28の襟元を通じて袋状収納部17内方に収納することができる。その後、線ファスナー19を操作して開口部15を閉塞することにより、収納した物品16bを紛失することはない。収納した物品16bを取り出す際には、前記とは逆の操作を行うことにより達成される。 【0039】 図1に示すように、第二袋状収納部23に物品16aを収納する場合も同様に、スライダ25を操作して袋状収納部17の開口部15を開放した後に、第二袋状収納部の上端部26から第二袋状収納部23の内方に物品16aを収納すればよい。 【0040】 前記実施の形態においては、袋状収納部17は、前身頃11に対して縫い付け固定されている例を説明したが、これに限定されることはなく、熱融着によって固定されていても良く既存の下着に取付ける際に操作が簡便である。 【0041】 前記実施の形態においては、開口部15は、袋状収納部17の上端部18に形成されている例を説明したが、これに限定されることはなく、左右両端のいずれかの辺に形成されても良いし、左右両端の両方の辺に形成されても良く上着の形状に合わせて種々選択される。 【0042】 次に、本考案に係るシャツ30を第二の実施の形態に基づき、図面を参照して詳細に説明する。なお、同一部材には同一の符号を付して説明を省略する。 【0043】 図2に示すように、袋状収納部31は、全体略横長長方形状に形成され、開口部32は、袋状収納部31の上端部33に幅方向全体に亘って形成されていると共に、開口部32の両端部34,34には、開口部32の一部を閉塞する開放抑制部35が形成されている。本実施の形態においては、開放抑制部35は、開口部32を形成する表面側生地38と前身頃11とを互いに開口部32の両端部34において縫い付けることにより形成されている。 【0044】 図2に示すように、袋状収納部31の内方には、袋状収納部31とは別体に形成され防水素材により形成された物品37を収納しうる第三袋状収納部36を備えている。本実施の形態においては、第三袋状収納部36は略長方形状の防水性のナイロン生地2枚を夫々重ねて、一辺を残して周囲を縫合して袋状に形成されている。 【0045】 以下、第二の実施の形態に係るシャツ30の作用について、図面を参照して詳細に説明する。 【0046】 第二の実施の形態に係るシャツ30は、以上のように構成されていることから、利用者が下着として着用した状態において、予め取りだされた第三袋状収納部36に物品37を収納し、第三袋状収納部36を袋状収納部31に収納して持ち運ぶことができる。第三袋状収納部36は防水性素材により形成されているため収納した物品37が汗で染みてしまうことがない。 【0047】 袋状収納部31は開口部32の一部を縫い止めされて開放抑制部35が形成されていることから、開口部32を構成する表面側生地38は、一部が開放抑制部35により前身頃11と一体に保持されるため、自重により垂れ下がってしまうことを抑制できる。 【産業上の利用可能性】 【0048】 本考案に係るシャツは、例えば海外旅行の際に収納部を有する下着として利用することができ産業上の利用可能性を有している。 【符号の説明】 【0049】 10、30:シャツ 11:前身頃 12:後身頃 13:胸部に位置する箇所 14:一端部 15、32:開口部 16a、16b、37:物品 17、31:袋状収納部 18、33:上端部 19:線ファスナー 20:襟部 21:袖部 22:胴部 23:第二袋状収納部 24、38:表面側生地 25:スライダ 26:第二袋状収納部の上端部 27:ボタン 27a:第一ボタン 27b:第二ボタン 28:ワイシャツ 34:両端部 35:開放抑制部 36:第三袋状収納部 |
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【図1】 |
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【図2】 |
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【図3】 |
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