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【発明の名称】衣服着用補助具を兼ねたスカーフ 【出願人】 【識別番号】507099284 【氏名又は名称】西山 美香 【住所又は居所】熊本県熊本市楡木2丁目11番71号 【代理人】 【弁理士】 【識別番号】100085327 【氏名又は名称】梶原 克彦 【発明者】 【氏名】西山 美香 【住所又は居所】熊本県熊本市楡木2丁目11番71号 【要約】 【課題】 腕や肩のスムーズな動作が難しい年配の人や身体面でのハンディキャップを持つ人でも、装着が簡単にできると共に、ジャケットなど袖のある衣服の着用をスムーズに行うことができるようにする補助具としての使用が可能なスカーフを提供する。 【解決手段】 スカーフSは表面が滑らかな素材で形成されている。スカーフSは、一端部に開口部3が設けられ他端部は閉塞された管状のスカーフ本体1と、スカーフ本体1の閉塞側に設けられた輪部2を備えている。スカーフ本体1は輪部2に通すことができる。スカーフ本体1と輪部2には、装飾のための重ね折り部5が設けられている。 【特許請求の範囲】 【請求項1】 少なくとも表面側が滑らかな素材で形成されており、一端側が開口され他端側が閉塞された管状または筒状で補助具としての使用時に腕の挿入が可能なスカーフ本体(1)と、 該スカーフ本体(1)の閉塞側に設けられ、スカーフ本体(1)を挿通または固定できる要素(2)と、 を備えている、衣服着用補助具を兼ねたスカーフ。 【請求項2】 スカーフ本体(1)またはスカーフ本体(1)を挿通または固定できる要素(2)に、装飾のための重ね折り部(5)が設けられている、 請求項1の衣服着用補助具を兼ねたスカーフ。 【請求項3】 スカーフ本体(1)の長さが、少なくとも400mmである、 請求項1または2の衣服着用補助具を兼ねたスカーフ。 【発明の詳細な説明】 【技術分野】 本発明は、衣服着用補助具を兼ねたスカーフに関するものである。更に詳しくは、例えば腕や肩のスムーズな動作が難しい年配の人や身体面でのハンディキャップを持つ人でも、装着が簡単にできると共に、ジャケットなど袖のある衣服の着用をスムーズに行うことができるようにする衣服着用補助具としても使用できるようにしたスカーフに関する。 【背景技術】 スカーフは、例えばシフォン(比較的粗めに織った平織り)、デシン(比較的薄地の広幅縮緬(ちりめん))、ツイル(綾織)、サテン(朱子織)などの各種素材を使用し、様々な風合いでつくられており、バイアス折り、三角折り、プリーツ折りなどの折り方と、巻き方をいろいろに変えることにより、衣服とコーディネイトしてお洒落を楽しむことができるものである。近年では、若い人たちばかりでなく、むしろ年配の人たちがお洒落を楽しんでいる傾向もみられ、スカーフを使用したお洒落も例外ではない。 しかしながら、年配の人たちにとって、スカーフをいろいろに折ったり巻いたりすることは不得手な場合も多い。一方で、年配の人たちは、一般に肩や腕の筋肉や関節が固くなっている傾向があり、コーディネイトする際にジャケットなど袖のある衣服を着用するときに、肘が衣服の肩部の袖穴口に引っ掛かったりして、腕を袖に通しにくく、スムーズに着用できない場合もある。また、身体面でのハンディキャップを持つ人たちの中には、年配の人たちと同様に、袖のある衣服をスムーズに着用することが困難な人もいる。 なお、衣服の袖や足など、衣服の細い部分に手足を通すときに、それをスムーズに行うことができるように補助するものとしては、例えば特許文献1記載の補助具がある。 この補助具は、ポリフッ化エチレンシートで一方を開口した袋体に構成され、袋体に手または足を入れてウエットスーツの袖口あるいは足首口を通してから袋体を外してウエットスーツを着用することができ、表裏面で摩擦係数が異なり、表面側が小摩擦係数となるよう形成されており、ウエットスーツへの手足の挿入が、手足を痛めることなく、慣れない使用者であっても容易に行うことができるというものである。 【特許文献1】 実用新案登録第3103338号 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 前記したように、年配の人たちや身体面でのハンディキャップを持つ人たちにとって、スカーフをいろいろに折ったり巻いたりすることは不得手な場合も多いために、従来の一般的なスカーフは、手軽にお洒落を楽しむには、やや使いにくい面もあった。 一方で、年配の人たちや身体面でのハンディキャップを持つ人たちにとっては、お洒落を楽しむために、例えばジャケットなど袖のある衣服を着用する際にも、人によっては着用をスムーズに行うことができないというもどかしさも少なからずあった。 そこで、本発明の目的は、腕や肩のスムーズな動作が難しい年配の人や身体面でのハンディキャップを持つ人でも、スカーフの巻き付けが簡単にできるようにすることである。 また、本発明の他の目的は、前記目的に加えて、腕や肩のスムーズな動作が難しい年配の人や身体面でのハンディキャップを持つ人でも、スカーフを使用してジャケットなど袖のある衣服の着用をスムーズに行うことができるようにすることである。 【課題を解決するための手段】 上記課題を解決するために本発明が講じた手段は次のとおりである。 本発明は、 少なくとも表面側が滑らかな素材で形成されており、一端側が開口され他端側が閉塞された管状または筒状で補助具としての使用時に腕の挿入が可能なスカーフ本体と、 該スカーフ本体の閉塞側に設けられ、スカーフ本体を挿通または固定できる要素と、 を備えている、衣服着用補助具を兼ねたスカーフである。 本発明のスカーフは、 スカーフ本体またはスカーフ本体を挿通または固定できる要素に、装飾のための重ね折り部が設けられているのがより好ましい。 本発明のスカーフは、 スカーフ本体の長さが、少なくとも400mmであるのがより好ましい。 スカーフ本体を挿通または固定できる要素は、スカーフ本体と別に形成して接続手段などによってスカーフ本体と一体化してもよいし、スカーフ本体の一部だったものを曲げたり変形させて輪をつくるなどして形成してもよい。 この要素の構造または形態は、スカーフ本体を挿通または固定できれば特に限定するものではなく、例えば輪部、穴部、フック部などの挿通部、面ファスナーなどの係着部を採用することができる。 スカーフの素材は、少なくとも表面側(外側をなす面側)が滑らかであれば特に限定するものではない。例えば、シルク繊維や合成繊維を使用したシフォン、デシン、ツイル、サテンの各織布などである。 装飾のための重ね折り部の折り方も特に限定するものではない。例えば、バイアス折り、三角折りあるいはプリーツ折りを模した折り目を設けたものなどである。 スカーフ本体の長さが400mmを超えるものは、多くの場合で一般的な着用者の片方の腕の全体を包むことができ、衣服着用補助具としての使用がより円滑にできる。また、400mmに満たないものは、多くの場合で一般的な着用者の片方の腕の全体を包むことができない傾向がある。 (作用) 本発明に係る衣服着用補助具を兼ねたスカーフの作用を説明する。なお、ここでは本発明の各構成要件のそれぞれに、後述する実施の形態において各部に付与した符号を対応させて付与し説明するが、この符号の付与は、あくまで説明の理解を容易にするためであって各構成要件の上記各部への限定を意味するものではない。 衣服着用補助具を兼ねたスカーフ(S)を首に巻くときは次のように行う。 まず、スカーフ(S)のスカーフ本体(1)を装着者の首の後部に掛けて両端側を胸側に垂らし、スカーフ本体(1)の開口部(3)側を、スカーフ本体(1)を挿通または固定できる要素(2)に差し込む。そして、要素(2)を通り抜けたスカーフ本体(1)の長さを調節したり、要素(2)で固定されるスカーフ本体(1)の位置を調節することによって、首に巻かれたスカーフ本体(1)で形成されたループの大きさを調節して装着が完了する。 また、スカーフ(S)を、ジャケット(上着)など袖のある衣服の着用をスムーズに行うための衣服着用補助具(袖通し用の補助具)として使用するときは次のように行う。 まず、着用者がスカーフ(S)のスカーフ本体(1)に開口部(3)から片方の腕を挿入し、例えばスカーフ本体(1)でその片方の腕全体を包むようにする。このとき、スカーフ本体(1)の先部は閉塞されているので、スカーフ本体(1)に挿入されている腕の先部もスカーフ本体(1)から外に出ることなくスカーフ本体(1)の中に収まっている。 この状態で、ジャケットの肩部の袖穴口から、スカーフ(S)で包まれた腕を入れる。前記のように腕はスカーフ(S)で包まれており、手先などの腕の皮膚部分もスカーフ(S)の表面に露出していない。そして、スカーフ(S)のスカーフ本体(1)の表面側は滑らかであり、袖部の内面に対しては滑りやすい。これによって、例えば着用者の肘がジャケットの肩部の袖穴口に引っ掛かったりしにくく、手先が袖部の内面に引っ掛かることもないので、ジャケットを容易に着用することができる。その後、衣服の袖口側からスカーフ(S)を抜き取る。 スカーフ本体(1)またはスカーフ本体(1)を挿通または固定できる要素(2)に、装飾のための重ね折り部(5)が設けられているスカーフ(S)は、前記のように簡単な装着方法でも、特に折りなどを施すことなく見栄えがするように外観を整えて装着することができる。 スカーフ本体(1)の長さが、少なくとも400mmであるスカーフ(S)は、一般的な着用者の片方の腕のほぼ全体を包むことができるので、腕の一部がスカーフ本体(1)から外側に露出することはなく、スカーフ(S)の滑らかな表面側だけが袖部の内面側に接触するので、前記着用をよりスムーズに行うことができる。 【発明の効果】 (a)本発明のスカーフは、腕や肩のスムーズな動作が難しい年配の人や身体面でのハンディキャップを持つ人でも、スカーフの装着(巻き付け)が簡単にできる。 (b)本発明のスカーフは、腕や肩のスムーズな動作が難しい年配の人や身体面でのハンディキャップを持つ人でも、ジャケットなど袖のある衣服の着用をスムーズに行うことができる。また、袖部内部の摩擦が大きい衣服を着用するときには、健常者にとっても便利である。 【発明を実施するための最良の形態】 本発明を図に示した実施例に基づき詳細に説明する。 図1は本発明に係るスカーフの一実施の形態を示す斜視図、 図2はスカーフの正面図、 図3はスカーフの背面図、 図4はスカーフの平面図、 図5はスカーフの底面図、 図6はスカーフの右側面図、 図7はスカーフの左側面図である。 スカーフSは、シルクを使用したサテンの織布で形成されている。サテンの織布は表面が滑らかで光沢がある。なお、スカーフSを形成する素材は、サテンの織布に限定されるものではなく、衣服の袖の内面側の布との間で滑りやすい性質のものであれば、例えば各種繊維、例えば合成繊維を使用したシフォン、デシン、ツイル、サテンの各織布など様々な素材を採用することができる。 スカーフSは、スカーフ本体1と輪部2を備えている。輪部2はスカーフ本体1を挿通する要素を構成する。スカーフ本体1と輪部2を形成する前記織布で形成された管状体(または筒状体:符号省略)は、所要の長さを有しており、一端側には開口部3が形成されている。管状体の長さと、管状体が膨らんだときの太さは、少なくとも着用者が片方の腕を入れることができるように設定されている。 管状体の他端側(開口部3とは反対側)の表面側には、プリーツ折りを模した襞状の重ね折り部5が幅方向に一定間隔で複数形成されており、管状体の他端側はこれによって開口部3側よりやや窄まるように形成されている。 前記輪部2は、管状体の重ね折り部5が形成されている他端側を輪状に曲げて、基側の部分と重ね合わせ、さらに重ね合わせた部分を貫通するよう縫合部4で幅方向に縫い付けることにより形成されている。これによって、管状体は縫合部4を境としてスカーフ本体1と輪部2に分かれ、スカーフ本体1の他端側は縫合部4で閉塞されており、輪部2の表面側にも重ね折り部5が形成された構造となる。 また、スカーフ本体1の長さ(開口部3の端縁から縫合部4までの長さ)は、本実施形態では、約500mmであるが、これに限定するものではない。なお、スカーフ本体1の長さは、後述するように、スカーフSを腕を袖に通すための補助具として使用する場合の利便性を考慮すれば、腕を肩部まで深く入れることができるように設定するのがより好ましい。 (作用) 図8はスカーフとしての使用状態を示す説明図、 図9はスカーフの衣服着用補助具としての使用方法を示し、腕に装着している状態の説明図、 図10はスカーフの衣服着用補助具としての使用方法を示し、腕と共に袖に通した状態の説明図である。 主に、図1、図8ないし図10を参照してスカーフSの使用方法及び作用を説明する。 装着者MがスカーフSを首に巻くときは、まず、スカーフSのスカーフ本体1を装着者Mの首の後部に掛けて両端側を胸側に垂らし、スカーフ本体1の開口部3側を輪部2に差し込む。そして、輪部2を通り抜けたスカーフ本体1を手で引っ張り、その長さを調節することによって、首に巻かれたスカーフ本体1で形成されたループ(符号省略)の大きさを調節して装着することができる(図8参照)。 なお、装着されたスカーフSの外観には重ね折り部5が表れており、装着者Mが特に装飾のための折りを施さなくても見栄えがするよう外観を整えることができる。 このように、スカーフSは装着が簡単であるので、スカーフをいろいろに折ったり巻いたりすることが不得手な、腕や肩のスムーズな動作が難しい年配の人や身体面でのハンディキャップを持つ人でも、スカーフの装着(巻き付け)が無理なく簡単にできる。 次に、スカーフSを、ジャケット6など袖のある衣服の着用をスムーズに行うための衣服着用補助具として使用するときは次のように行う。 まず、着用者M(便宜上、装着者と同じ符号を付している)がスカーフSのスカーフ本体1に開口部3側から片方の腕7を挿入し、スカーフ本体1でその腕7全体を包むようにする(図9参照)。 これにより、例えば腕7の一部がスカーフ本体1から外側に露出することはなく、スカーフSの滑らかな表面側だけが、袖部61の内面側に接触するようになる。 また、スカーフ本体1の先部は縫合部4で閉塞されているので、スカーフ本体1に挿入されている腕7の先部(手先部)もスカーフ本体1から外に出ることなくスカーフ本体1の中に収まっている。 この状態で、ジャケット6の肩部の袖穴口60から、スカーフSで包まれた腕7を入れる。腕7はスカーフSで包まれており、手先などの腕7の皮膚部分もスカーフSの表面に露出していない。このため、スカーフSのスカーフ本体1の表面側は全体が滑らかであり、袖部61の内面に対しては滑りやすい。 これによって、例えば着用者Mの肘がジャケット6の袖穴口60に引っ掛かったりしにくく、着用者Mの手先が袖部61の内面に引っ掛かることもないので、ジャケット6をスムーズに着用することができる。その後、ジャケット6の袖口62側からスカーフSを抜き取るようにする(図10参照)。 このように、スカーフSを袖のある衣服の着用をスムーズに行うための衣服着用補助具として使用することにより、腕や肩のスムーズな動作が難しい年配の人や身体面でのハンディキャップを持つ人でも、ジャケット6など袖のある衣服の着用をスムーズに、かつ容易に行うことができる。 なお、本明細書で使用している用語と表現は、あくまで説明上のものであって限定的なものではなく、上記用語、表現と等価の用語、表現を除外するものではない。また、本発明は図示されている実施の形態に限定されるものではなく、技術思想の範囲内において種々の変形が可能である。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係るスカーフの一実施の形態を示す斜視図。 【図2】スカーフの正面図。 【図3】スカーフの背面図。 【図4】スカーフの平面図。 【図5】スカーフの底面図。 【図6】スカーフの右側面図。 【図7】スカーフの左側面図。 【図8】スカーフとしての使用状態を示す説明図。 【図9】スカーフの衣服着用補助具としての使用方法を示し、腕に装着している状態の説明図。 【図10】スカーフの衣服着用補助具としての使用方法を示し、腕と共に袖に通した状態の説明図。 【符号の説明】 S スカーフ 1 スカーフ本体 2 輪部 3 開口部 4 縫合部 5 重ね折り部 6 ジャケット 60 袖穴口 61 袖部 62 袖口 7 腕 M 着用者、装着者 |
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【図1】 |
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【図2】 |
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【図3】 |
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【図4】 |
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【図5】 |
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【図6】 |
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【図7】 |
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【図8】 |
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【図9】 |
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【図10】 |
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【使い方】 | 【ひっぱり方】 | |
【装着図】 | 【衣服着用補助具を兼ねたスカーフ】 |
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