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衣服・履物
 
【考案の名称】作業着
【実用新案権者】
【識別番号】522103812
【氏名又は名称】石川 秀一
【住所又は居所】東京都練馬区高野台1-23-12 セザール練馬高野台マンション101
【代理人】
【識別番号】100185270
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 貴史
【代理人】
【識別番号】100225347
【弁理士】
【氏名又は名称】鬼澤 正徳
【考案者】
【氏名】石川 秀一
【住所又は居所】東京都練馬区高野台1-23-12 セザール練馬高野台マンション101
【要約】
【課題】作業用具をポケットに出し入れする場合の作業性を向上することのできる、作業着を提供する。
【解決手段】
作業者の正面を覆う右前身頃15及び左前身頃16、右前身頃15及び左前身頃16に接続されて作業者の背面を覆う後身頃17を有するベスト11と、右前身頃15に設けた差し込み部36及び左前身頃16に設けたポケット45と、を有する作業着10において、ベスト11の正面視で、差し込み部36の幅方向の中心を表す仮想線A1、及びポケット45の幅方向の中心を表す仮想線A2は、ベスト11の幅方向の中心を表す仮想線B1に対して傾斜して配置されている。
【選択図】図2
選択図
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
作業者の正面を覆う前身頃、及び前記前身頃に接続されて前記作業者の背面を覆う後身頃を有するベストと、
前記前身頃に設けられ、かつ、作業具を収容できるポケットと、
を有する作業着において、
前記ベストの正面視で、前記ポケットの幅方向の中心を表す第1仮想線は、前記ベストの幅方向の中心を表す第2仮想線に対して傾斜して配置されている、作業着。
【請求項2】
請求項1記載の作業着において、
前記ベストは、前記作業者が前記ベストを着た場合に前記ポケットより下に位置する下縁部を有し、
前記下縁部に取り付け及び取り外しでき、かつ、前記作業者の膝を覆うエプロンが、更に設けられている、作業着。
【請求項3】
請求項1または2記載の作業着において、
前記後身頃には、鋸を収容できる鋸ホルダが設けられ、
前記ベストの背面視で、前記鋸ホルダの幅方向の中心を表す第3仮想線は、前記第2仮想線に対して傾斜して配置されている、作業着。
【請求項4】
請求項3記載の作業着において、
前記鋸ホルダに収容された前記鋸が前記鋸ホルダの外に出ることを防止するストッパが、さらに設けられている、作業着。

詳細な説明
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【考案の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作業着に関し、具体的には、作業内容及び作業目的に応じた作業用具を収容するポケットを備えた作業着に関する。
【背景技術】
【0002】
作業者が各種建造物のリフォーム等を行う際には、作業者が、作業内容及び作業目的に応じた作業用具を使用する。作業者が着用する作業用ベスト(作業着)の一例が、特許文献1に記載されている。特許文献1に記載されている作業用ベストは、本体の右前身頃及び左前身頃の各裾部に各1個、後身頃の裾部に振り分け配置に各1個、合計4個の作業用具を収容するポケットを、線ファスナーを用いて着脱可能に配置する構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 実用新案登録第3191202号公報
【考案の概要】
【考案が解決しようとする課題】
【0004】
本願考案者は、特許文献1に記載された作業用ベストのポケットは、作業用具を出し入れする方向についての考慮がなされておらず、作業用具をポケットに出し入れする場合の作業性が低下する、という課題を認識した。
【0005】
本開示の目的は、作業用具をポケットに出し入れする場合の作業性を向上することのできる、作業着を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、作業者の正面を覆う前身頃、及び前記前身頃に接続されて前記作業者の背面を覆う後身頃を有するベストと、前記前身頃に設けられ、かつ、作業具を収容できるポケットと、を有する作業着において、前記ベストの正面視で、前記ポケットの幅方向の中心を表す第1仮想線は、前記ベストの幅方向の中心を表す第2仮想線に対して傾斜して配置されている。
【考案の効果】
【0007】
本開示によれば、作業用具をポケットに出し入れする場合の作業性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本開示の作業着を着用した作業者の正面図である。
【図2】ベストの正面図である。
【図3】(A)は、ベストの背面図、(B)は、図3(A)のII−II線に沿った断面図である。
【考案を実施するための形態】
【0009】
本開示の作業着は、作業者が、オフィスビル、マンション、一般戸建住宅、工場建屋等のような各種建造物の新築工事、改築工事、リフォーム等の各種作業を行う際に、作業目的及び作業内容に応じて作業者が着用するものである。以下、本開示の作業着の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0010】
本開示の作業着の一実施形態を図面を参照して説明する。図1、図2に示される作業着10は、ベスト11と、ベスト11に組み合わせて利用されるエプロン12と、を有する。ここでは、作業者13の利き手が右手14である場合に対応するベスト11の例を説明する。ベスト11は、ポリエステル、アクリル、レーヨン、コットン等の素材を、用途に応じて複数組み合わせて縫製されている。ベスト11は、右前身頃15及び左前身頃16と、図3(A)に示す後身頃17とを有する。図1のように、作業者13がベスト11を着ると、右前身頃15は、作業者13の右脇、腹部の前面、右胸、右肩に相当する領域を覆う。作業者13がベスト11を着ると、左前身頃16は、作業者13の左脇、腹部の前面、左胸、左肩に相当する領域を覆う。作業者13がベスト11を着ると、後身頃17は、作業者13の背中(背面)、両脇、両肩の一部に相当する領域を覆う。
【0011】
後身頃17は、右前身頃15に対して右肩部18及び右脇部19を介して接続されている。また、後身頃17は、左前身頃16に対して左肩部20及び左脇部21を介して接続されている。右前身頃15と左前身頃16とは別々に設けられており、右前身頃15の縁部22と、左前身頃16の縁部23とが、ファスナー24によって開閉できる。つまり、ファスナー24が閉じられると、右前身頃15の縁部22と、左前身頃16の縁部23とが接続される。ファスナー24が開かれると、右前身頃15の縁部22と、左前身頃16の縁部23とが離間される。
【0012】
ベスト11を正面視すると縁部22,23は共に直線状であり、かつ、作業者13がベスト11を着ると、縁部22,23は、共に上下方向に配置される。また、右前身頃15の縁部82と、後身頃17の縁部25とにより右開口部(右袖口)26が構成されている。作業者13がベスト11を着る場合、ベスト11の内側から右開口部26に右手14を通す。さらに、左前身頃16の縁部27と、後身頃17の縁部28とにより左開口部(左袖口)29が構成されている。作業者13がベスト11を着る場合、ベスト11の内側から左開口部29に左手30を通す。さらに、右前身頃15の縁部31と、左前身頃16の縁部32と、後身頃17の縁部33とにより首出し開口部(襟口)34が構成されている。作業者13がベスト11を着る場合、首35が首出し開口部34から出る。
【0013】
右前身頃15には、差し込み部36が設けられている。作業者13がベスト11を着ると、差し込み部36は、右胸に対応する位置に設けられている。差し込み部36は、右前身頃15に固定されており、差し込み部36は、作業具を出し入れする開口部37を有する。開口部37は、ベスト11の高さ方向で上端に設けられている。差し込み部36には、長尺状の作業具38、例えば、直角定規(指矩)の一部を挿入することができる。差し込み部36は底が抜けており、作業具38の先端が差し込み部36の外に露出する。図2のように、ベスト11を正面視すると、差し込み部36の幅方向における中心が仮想線A1で表されている。ファスナー24が閉じられている状態でベスト11を正面視すると、ベスト11の幅方向における中心が仮想線B1で表されている。ベスト11の外周形状は、仮想線B1を隔てて略左右対称である。仮想線A1は、右肩部18に近づくことに伴い、仮想線A1が右開口部26から離れるように、仮想線A1が配置されている。つまり、仮想線A1は、仮想線B1に対して傾斜されている。
【0014】
図1及び図2のように、右前身頃15にポケット39が取り付けられている。ベスト11を作業者13が着ると、ポケット39は、作業者13の腹部に対応する箇所に位置する。ポケット39は、開口部40及びバンド90を有する。右前身頃15の下縁部69は、図2に示すベスト11の正面視で略直線状に配置されている。開口部40からポケット39に電動工具41、例えば、電動ドライバを収容することができる。電動ドライバは、電動モータを収容する本体42と、本体42に着脱される電池パック43と、電動モータの回転力で回転されるチャック44と、を有する。バンド90の一端がポケット39に固定され、バンド90の他端は、ポケット39に設けられた面ファスナーに対して係合及び解放ができるようになっている。電動工具41がポケット39に差し込まれ、バンド90が面ファスナーに係合されていると、電動工具41がポケット39から抜け出ることを防止できる。
【0015】
図2のように、左前身頃16には、ポケット45が設けられている。作業者13がベスト11を着ると、ポケット45は、作業者13の左胸に対応する箇所に位置する。ポケット45は、作業具を出し入れする開口部46を有する。開口部46は、ベスト11の上下方向でポケット45の上端に設けられている。ポケット45には、長尺状の作業具、例えば、ボールペン47の一部を挿入することができる。ポケット45の幅方向の中心が仮想線A2で表されている。図2のように、ベスト11を正面視すると、開口部46が右開口部26に近づくように、仮想線A2が仮想線B1に対して傾斜されている。
【0016】
図2のように、左前身頃16には、係合部としての係合リング48が取り付けられている。係合リング48は、ポケット45と左開口部29との間に設けられている。係合リング48は、例えば金属製である。支持リング50に設けられたキーリール51を、係合リング48に対して係合および解放させることができる。支持リング50には、複数のビットホルダ52が取り付けられており、各ビットホルダ52は、種類が異なるドライバビット53をそれぞれ支持できる。このように、ビットホルダ52を支持する支持リング50は、キーリール51を介して係合リング48に吊り下げられる。キーリール51は伸縮自在である。作業者13は、図2に示す電動工具41をポケット39から取り出し、1個のドライバビット53をチャック44に取り付けて使用する。さらに、図2に示すように、左前身頃16には、係合リング48の下方にポケット79が取り付けられている。ポケット79は、ドライバビット53を収容する。このため、係合リング48にビットホルダ52が吊り下げられている状態で、ドライバビット53が動くことを防止できる。
【0017】
図2に示すように、左前身頃16には、ポケット45とは異なるポケット83が設けられている。このポケット83は、袋状の構成片である。ポケット83は、作業具を出入りさせる開口部80を有する。左前身頃16には、支持具54が取り付けられている。支持具54は、ポケット45と左前身頃16の下縁部55との間に設けられたシャフトを有する。下縁部55は、ベスト11の正面視で略直線状に配置されている。また、ポケット83に差し込み穴56が設けられている。
【0018】
支持具54のシャフトを差し込み穴56へ挿入したり、抜き出したりすることで、ポケット83を左前身頃16に着脱できるようになっている。また、ポケット83の裏面に面ファスナー81が取り付けられている。面ファスナー81は、左前身頃16の表面に係合される。面ファスナー81は、ポケット83の振れ止めである。
【0019】
図3(A)のように、ベスト11を背面視すると、後身頃17に鋸ホルダ57が取り付けられている。鋸ホルダ57は、ベスト11を背面視すると、右肩部18の下方から、縁部33の下方における後身頃17の略中央に亘って設けられている。鋸ホルダ57の幅方向の中心が仮想線A3で表されている。ベスト11を背面視すると、後身頃17の下縁部58は直線状である。仮想線A3は仮想線B1に対して傾斜されている。具体的には、後身頃17の上部であるほど、仮想線A3が右開口部26に近づくように仮想線A3が傾斜されている。
【0020】
鋸ホルダ57は、鋸59を出し入れできるポケット60を有する。鋸59は、金属製、例えば、鋼製の刃部61と、刃部61に固定された柄部62と、を有する。柄部62は、作業者13が右手14で握る部位であり、刃部61は、対象物を切断する部位である。鋸ホルダ57は、合成樹脂製である。鋸ホルダ57は、基板63と、基板63に接続された補助板64と、基板63及び補助板64に接続された接続部84と、を有する。
【0021】
図3(B)のように、基板63と補助板64との間にポケット60が設けられている。ポケット60は空間であり、ポケット60には出入口(スリット)67がつながっている。基板63の内面にマグネット65が取り付けられている。マグネット65は、例えば、シート状であり、マグネット65は、刃部61を吸着することにより、ポケット60に収容された鋸59が動くことを防止する。また、補助板64の内面から、ポケット60に向けて突出されたストッパ66が設けられている。ストッパ66は、ポケット60に収容された鋸59が、ポケット60の出入口67から抜け出すことを防止するために設けられている。さらに、図3(A)のように、後身頃17において、縁部33の下方であり、かつ、縁部25と縁部28との間に、仮想線B1に沿った開口部95が設けられている。開口部95は、安全帯のハーネスを通すために設けられた穴である。
【0022】
図2のように、ベスト11の右肩部18及び左肩部20には、係合部68がそれぞれ設けられている。係合部68は、共に電動工具及びメジャーを係合及び解放させることができる。図2のように、右前身頃15の下縁部69、左前身頃16の下縁部55には、係合部として金属製のボタン70がそれぞれ固定されている。図1に示すエプロン12の素材は、例えば、デニム、コットン、ポリエステル等である。図2のように、エプロン12の上縁部74は略直線状であり、上縁部74に複数の取り付け金具75が設けられている。作業者13は、取り付け金具75をボタン70に係合または解放させることで、エプロン12をベスト11に取り付け及び取り外しできる。
【0023】
作業者13が、図2のように、取り付け金具75をボタン70に係合させ、かつ、図1のように、作業者13がベスト11を着用して立つと、エプロン12が自重でベスト11から吊り下げられた状態になる。エプロン12は、作業者13の右足76及び左足77の前面を覆う外周形状を有している。図1のように、エプロン12の前面における右膝及び左膝を含む領域に、クッション性を有する保護材78が取り付けられている。保護材78の正面形状は、例えば、楕円形、四角形等のうちのいずれでもよい。保護材78の素材は、エプロン12の素材と同じでもよいし、異なっていてもよい。
【0024】
ベスト11は、作業者13の利き手が右手14である場合に対応する形状及び構造を有する。例えば、図2のように、ベスト11を正面視すると、差し込み部36の幅方向の中心を表す仮想線A1は、右肩部18に近づくことに伴い、仮想線A1が右開口部26に近づくように、仮想線A1が配置されている。したがって、作業者13が左手30で作業具38を差し込み部36に出し入れする場合の作業性を向上することができる。また、ベスト11を正面視すると、ポケット45は、開口部46が右開口部26に近づくように、仮想線A2が仮想線B1に対して傾斜されている。したがって、作業者13が右手14でボールペン47をポケット45に出し入れする場合の作業性を向上することができる。
【0025】
また、図3(A)のようにベスト11を背面視すると、鋸ホルダ57の幅方向の中心を表す仮想線A3は、後身頃17の上部であるほど右開口部26に近づくように、仮想線B1に対して傾斜されている。したがって、作業者13が右手14で鋸59を鋸ホルダ57に出し入れする場合の作業性を向上することができる。さらに、鋸ホルダ57にはストッパ66が設けられている。このため、作業者13が右手14で鋸59を持ち、鋸59を刃部61の幅方向に移動させ、出入口67を通してポケット60へ出し入れする場合、柄部62がストッパ66に押し付けられてストッパ66が弾性変形し、かつ、柄部62がストッパ66を乗り越えると、ストッパ66が弾性復元力で元の形状に復帰する。さらに、鋸59がポケット60に収容されている状態で、作業者13が歩行したり、前かがみになったりしたとしても、ストッパ66が柄部62に係合するため、鋸59が出入口67から不用意に抜け出すことを防止できる。
【0026】
本実施形態で説明した事項の技術的意味の一例は、次の通りである。右前身頃15及び左前身頃16は、前身頃の一例である。後身頃17は、後身頃の一例である。差し込み部36及びポケット45は、ポケットの一例である。仮想線A1,A2は、それぞれ第1仮想線の一例である。仮想線B1は、第2仮想線の一例である。仮想線A3は、第3仮想線の一例である。下縁部55,69は、それぞれ下縁部の一例である。本実施形態の作業着は、図面を用いて開示されたものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、左手30が利き手である場合に対応させてベスト11を次のように構成することもできる。まず、差し込み部36を左前身頃16に設け、ポケット45を右前身頃15に設けたベスト11を構成できる。さらに、係合リング48は、右前身頃15に設けられる。さらに、ベスト11の背面視で、鋸ホルダ57を左肩部20の下方から縁部33の下方に亘って設ける。そして、鋸ホルダ57の上端が左肩部20に近づくように、仮想線A3を仮想線B1に対して傾斜させる。
【符号の説明】
【0027】
10…作業着、11…ベスト、12…エプロン、15…右前身頃、16…左前身頃、17…後身頃、36…差し込み部、45…ポケット、55,69…下縁部、57…鋸ホルダ、66…ストッパ、A1,A2,A3,B1…仮想線
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
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