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【発明の名称】補助ウェア 【要約】 【課題】着脱が容易で使用者に負担の少ない補助ウェアを提供する。 【解決手段】補助ウェア100は、少なくとも股間を覆うパンツ部110と、左右の肩に掛かるショルダー部120と、パンツ部110から身体の前面を経てショルダー部120に至る前側上半身部130と、パンツ部110から身体の背面を覆いショルダー部120に至る後ろ身頃部140とを備え、後ろ身頃部140は、着丈方向に伸縮する弾性素材からなり、パンツ部110の股間部分とショルダー部120を支点として、後ろ身頃部140の伸縮を支持することを特徴とする。パンツ部110の股間部分とショルダー部120を支点として後ろ身頃部140の伸縮を支持することから、動作による支点のズレを防ぐことができる。このため、ベルト状のもので固定する必要がない。よって、着脱が容易で使用者に負担が少ない。 【選択図】図2 【特許請求の範囲】 【請求項1】 少なくとも股間を覆うパンツ部と、左右の肩に掛かるショルダー部と、前記パンツ部から身体の前面を経て前記ショルダー部に至る前側上半身部と、前記パンツ部から身体の背面を覆い前記ショルダー部に至る後ろ身頃部を備え、前記後ろ身頃部は、着丈方向に伸縮する弾性素材からなり、前記パンツ部の股間部分と前記ショルダー部を支点として、前記後ろ身頃部の伸縮を支持することを特徴とする補助ウェア。 【請求項2】 前記前側上半身部に、前記前側上半身部の長さを調整することにより、前記後ろ身頃部の弾性力を調整するための長さ調整部を備えたことを特徴とする、請求項1に記載の補助ウェア。 【請求項3】 前記パンツ部は、股間を保護する股間パッドを備えたことを特徴とする、請求項1又は2に記載の補助ウェア。 【請求項4】 前記パンツ部の股間部分に、滑り止めを備えたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の補助ウェア。 【請求項5】 前記ショルダー部は、肩を保護するショルダーパッドを備えたことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の補助ウェア。 【請求項6】 前記ショルダー部は、滑り止めを備えたことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の補助ウェア。 【請求項7】 前記パンツ部は、股間以外は身体に密着しないことを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の補助ウェア。 【請求項8】 前記後ろ身頃部は、前記ショルダー部の幅と同じかそれ以上の幅を有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の補助ウェア。 【請求項9】 前記後ろ身頃部は、身体の背面の全域を覆うことを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の補助ウェア。 【請求項10】 前記後ろ身頃部と前記前側上半身部は連結されていないことを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の補助ウェア。 【請求項11】 前記パンツ部、前記ショルダー部及び前記前側上半身部は、伸縮性のない素材又は前記後ろ身頃部の伸縮率の1/4以下の伸縮率を有する素材からなることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の補助ウェア。 【請求項12】 前記後ろ身頃部は、複数の後ろ身頃片をつなぎ合わせて構成されることを特徴とする、請求項1〜11に記載の補助ウェア。 【発明の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本発明は、着用することにより身体の動きを補助する補助ウェアに関する。 【背景技術】 【0002】 従来、着用することにより身体の動きを補助する補助ウェアとして、特開2016−64055号公報(特許文献1)に開示するものがあった。同文献に開示される補助ウェアは、左肩から背中を通り右腰部にかけて配置される第1の上半身用主部材と、右肩から背中を通り左腰部にかけて配置される第2の上半身用主部材と、上半身用主部材と接続し臀部に配置される下半身用主部材とによって、体幹を前屈させた姿勢での腰背部の筋を補助する。そして、第1の上半身用主部材と第2の上半身用主部材が背中で交差する交差位置に、第1の上半身用主部材と第2の上半身用主部材との離間距離を所定以下に規制する離間規制部を備えているものである。 【0003】 このような補助ウェアによれば、体幹を前屈させた姿勢での腰背部の筋を補助する機能を損なったり、体幹側屈や回旋などの動作に干渉したりすることなく、弾性部材同士や生地との絡まりを防いで着脱を容易にすることができる。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0004】 【特許文献1】 特開2016−64055号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかしながら、特許文献1に開示されるような従来の補助ウェアでは、装着の際にバンド状の部材を身体に取り付ける必要があるため、着脱しやすいとは言えず更なる改善の余地があった。また、バンド状の部材を身体に固定すると、部材が身体に食い込み、使用者に負担を与えるという問題があった。 【0006】 そこで本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、着脱が容易で使用者に負担の少ない、新規かつ改良された補助ウェアを提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0007】 上記課題を解決するために、本発明によれば、少なくとも股間を覆うパンツ部と、左右の肩に掛かるショルダー部と、前記パンツ部から身体の前面を経て前記ショルダー部に至る前側上半身部と、前記パンツ部から身体の背面を覆い前記ショルダー部に至る後ろ身頃部を備え、前記後ろ身頃部は、着丈方向に伸縮する弾性素材からなり、前記パンツ部の股間部分と前記ショルダー部を支点として、前記後ろ身頃部の伸縮を支持することを特徴とする、補助ウェアが提供される。 【0008】 かかる構成によれば、パンツ部の股間部分とショルダー部を支点として後ろ身頃部の伸 縮を支持することから、股間部分とショルダー部のみが身体に密着するように着用すればよい。その他の部分は身体に密着させる必要がない。身体の中で動作性が少ない股間部分を支点とすることにより、動作による支点のズレを防ぐことができる。このため、特にベルト状のもので固定する必要がない。このことから、着脱が容易であるとともに、使用者に負担が少ない。このようにして、着脱が容易で使用者に負担の少ない補助ウェアを提供することができる。 【0009】 本発明は様々な応用が可能である。以下の応用例は適宜組み合わせることが可能である。例えば、前記前側上半身部に、前記前側上半身部の長さを調整することにより、前記後ろ身頃部の弾性力を調整するための長さ調整部を備えるようにしてもよい。例えばバックルのようなものを備えてもよい。本発明ではパンツ部の股間部分とショルダー部を支点として後ろ身頃部の伸縮を支持することから、このような長さ調整部を備えることで、後ろ身頃部の伸縮を確実に支持することができる。 【0010】 また、前記パンツ部は、股間を保護する股間パッドを備えるようにしてもよい。本発明ではパンツ部の股間部分とショルダー部を支点として後ろ身頃部の伸縮を支持することから、このような股間パッドを備えることで、股間を保護することができる。 【0011】 また、前記パンツ部の股間部分に、滑り止めを備えるようにしてもよい。股間部分に又は股間パッドに滑り止めを備えることで、股間部分のずれが防止されて、股間部分における支点のずれが防止される。よって、ショルダー部とパンツ部で、後ろ身頃部の伸縮をより確実に支持することができる。 【0012】 また、前記ショルダー部は、肩を保護するショルダーパッドを備えるようにしてもよい。本発明ではパンツ部の股間部分とショルダー部を支点として後ろ身頃部の伸縮を支持することから、このようなショルダーパッドを備えることで、肩を保護することができる。特に、上記の長さ調整部を備えた場合には、長さ調整時の肩の締め付け防止に効果がある。 【0013】 また、前記ショルダー部は、滑り止めを備えるようにしてもよい。ショルダー部に滑り止めを備えることで、ショルダー部の肩からのずれが防止されて、肩における支点のずれが防止される。よって、ショルダー部とパンツ部で、後ろ身頃部の伸縮をより確実に支持することができる。特に、パンツ部の股間部分とショルダー部に同じ滑り止めを備えると、肩と股間部分で滑り止めの感覚が共通となり、伸縮動作時の力の入れ方が容易になる。 【0014】 また、前記パンツ部は、股間以外は身体に密着しないようにしてもよい。パンツ部はルーズな構成となっており股間以外は身体に密着しない構成であるため、着脱が容易である。 【0015】 また、前記後ろ身頃部は、前記ショルダー部の幅と同じかそれ以上の幅を有するようにしてもよい。後ろ身頃部の伸縮力が左右のショルダー部にほぼ等分にかかるため、後ろ身頃部の伸縮を確実に支持することができる。 【0016】 また、前記後ろ身頃部は、身体の背面の全域(ほぼ全域)を覆うようにしてもよい。後ろ身頃部が身体の背面の全域を覆うため、腰を曲げたときの弾性素材の伸縮力が背面全域に作用して、重量物を持ち上げる際に、背筋を効率よく補助することができる。 【0017】 また、前記後ろ身頃部と前記前側上半身部は連結されていないようにすることもできる。例えば、前側上半身部をバンド状にするなどして、後ろ身頃部と前側上半身部とは連結されておらず、脇が開いている構成とすることによって、前側上半身部が後ろ身頃部の伸 縮に影響を及ぼさない。このため、後ろ身頃部を効率よく伸縮することができる。 【0018】 また、前記パンツ部、前記ショルダー部及び前記前側上半身部は、伸縮性のない素材又は前記後ろ身頃部の伸縮率の1/4以下の伸縮率を有する素材からなるようにしてもよい。パンツ部の股間部分とショルダー部の位置がずれにくいため、股間部分とショルダー部を支点として、後ろ身頃部の伸縮を効率よく支持することができる。 【0019】 また、前記後ろ身頃部は、複数の後ろ身頃片をつなぎ合わせて構成されるようにしてもよい。複数の後ろ身頃片は、数、後ろ身頃片毎の引張弾性率、連結方向などを任意とすることができるため、後ろ身頃片の数、引張弾性率、連結方向などを任意に組み合わせることよって、後ろ身頃部の弾性力を調整することができる。 【発明の効果】 【0020】 本発明によれば、着脱が容易で使用者に負担の少ない補助ウェアを提供することが可能である。本発明のその他の効果については、後述する発明を実施するための形態においても説明する。 【図面の簡単な説明】 【0021】 【図1】着用した状態の補助ウェア100を前側から見た図である。 【図2】着用した状態の補助ウェア100を後側から見た図である。 【図3】補助ウェア100の着用方法を示す図であり、(a)はパンツ部110を履くために、片足を入れたところを示し、(b)はパンツ部110を着用したところを示す。 【図4】補助ウェア100の着用方法を示す図であり、(a)はショルダー部120を片方通したところを示し、(b)はショルダー部120を両方通したところを示し、(c)はショルダー部120を調整しているところを示す。 【図5】補助ウェア100の作用を示す図であり、(a)は使用者が直立しているところを示し、(b)は使用者が腰をかがめているところを示す。 【図6】着用した状態の補助ウェア200を前側から見た図である。 【図7】着用した状態の補助ウェア200を後側から見た図である。 【図8】補助ウェア300を前側から見た図である。 【図9】補助ウェア300を後側から見た図である。 【発明を実施するための形態】 【0022】 以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。 【0023】 (第1の実施形態) 補助ウェア100の構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、着用した状態の補助ウェア100を前側から見た図である。図2は、着用した状態の補助ウェア100を後側から見た図である。 【0024】 補助ウェア100は、図1及び図2に示したように、少なくとも股間を覆うパンツ部110と、左右の肩に掛かるショルダー部120と、パンツ部110から身体の前面を経てショルダー部120に至る前側上半身部130と、パンツ部110から身体の背面を覆いショルダー部120に至る後ろ身頃部140とを備える。そして、補助ウェア100の特徴としては、後ろ身頃部140は着丈方向に伸縮する弾性素材からなり、パンツ部110の股間部分とショルダー部120を支点として、後ろ身頃部140の伸縮を支持することを特徴とする。以下、各構成要素について、詳述する。 【0025】 (パンツ部110) パンツ部110は、図1及び図2に示したように、少なくとも股間を覆う部分である。なお股間とは、脚の付け根近傍から臀部近傍を含む部分である。パンツ部110は、股間部分以外の部分は身体に密着していない。パンツ部110は、後述する後ろ身頃部140の1/4程度の伸縮率を有する素材で構成されている。ただし、パンツ部110は、例えば伸縮性のない素材や、汗で濡れたときや洗濯時などにも渇きやすく適度な伸縮性を有するドライストレッチ素材で構成されていてもよい。 【0026】 パンツ部110は、図1及び図2に示したように、股間に当たる部分にウレタンパッド112を備える。ウレタンパッド112は、身体に密着することによりパンツ部110が股間へ食い込むことを防ぎ、身体を保護するとともに、後述するように、後ろ身頃部140の伸縮を支持する。なお、ウレタンパッド112は、縫製などにより着脱不能なように取り付けられてもよく、パンツ部110に縫い付けられたインナーパンツの股間に当たる部分に取り付けられてもよい。また、ボタンなどにより容易に着脱可能に取り付けられてもよい。 【0027】 パンツ部110は、補助ウェア100の着用のしやすさのために、ルーズな構成となっており、ウレタンパッド112のみ身体に密着するが、それ以外の部分は身体に密着しない構成となっている。このため、補助ウェア100の着用時には、簡単にパンツ部110に脚を通せる。なお、パンツ部110の長さは任意でよい。例えば、夏用と冬用あるいは大人用と子供用などに応じて、長さを変えてもよい。 【0028】 (ショルダー部120) ショルダー部120は、図1に示したように、左右の肩に掛かる部分である。ショルダー部120は後述する前側上半身部130と後ろ身頃部140に連結されている。ショルダー部120は、後述する後ろ身頃部140の1/4程度の伸縮率を有する素材で構成されている。ただし、ショルダー部120は、例えば伸縮性のない素材や、汗で濡れたときや洗濯時などにも渇きやすく適度な伸縮性を有するドライストレッチ素材で構成されていてもよい。ショルダー部120は肩に密着する。使用者は、ショルダー部120の2点と上記パンツ部110の股間部分の1点の合計3点のみで、後ろ身頃部140の伸縮を支持する。 【0029】 (前側上半身部130) 前側上半身部130は、図1に示したように、パンツ部110から身体の前面を経てショルダー部120に至る部分である。前側上半身部130は、左右のショルダー部120から連なるバンド状に構成されている。このため、着脱時には、前側上半身部130を左右に開くことで、着脱が容易である。前側上半身部130は、後述する後ろ身頃部140の1/4程度の伸縮率を有する素材で構成されている。ただし、前側上半身部130は、例えば伸縮性のない素材や、汗で濡れたときや洗濯時などにも渇きやすく適度な伸縮性を有するドライストレッチ素材で構成されていてもよい。 【0030】 前側上半身部130には、図1に示したように、後ろ身頃部140の弾性力を調整するためのバックル状の長さ調整部132を備えている。本実施形態の補助ウェア100は、股間とショルダー部120のみで、後ろ身頃部140の伸縮を支持することを特徴とする。この長さ調整部132を調整することで、後ろ身頃部140の弾性素材を伸長させて、弾性素材の復元力を調整することができる。すなわち、後ろ身頃部140の弾性素材を伸長した状態で腰を曲げると、弾性素材の復元力が強まり、重量物を持ち上げる際に、背筋を補助する仕組みになっている。 【0031】 (後ろ身頃部140) 後ろ身頃部140は、図2に示したように、パンツ部110から身体の背面を覆いショルダー部120に至る部分である。後ろ身頃部140は、例えば肩甲骨の下部から骨盤の上部までとすることができる。後ろ身頃部140は、着丈方向に伸縮する弾性素材からなる。なお一般に後ろ身頃とは、ウェアの胴体の後ろを覆う部分であり、うしろみとも称される部分である。本実施形態の補助ウェア100は、背中の部分をほぼ全域及び腰部から臀部わたって覆うことを特徴とする。そして、後ろ身頃部140は、ショルダー部120の幅と同じかそれ以上の幅を有し、着丈方向に伸縮する弾性素材からなる。例えば、後ろ身頃部140は、他の部分よりも4倍程度、伸縮する素材(例えば、見掛けの引張弾性率(引っ張り弾性係数)が3.5〜3.7MPa程度の素材)とすることができる。なお、後ろ身頃部140は、強度や伸縮を増すために、複数の弾性素材を重ねたり、つなげたりしたものであってもよい。 【0032】 以上、補助ウェア100の構成について説明した。次に、補助ウェア100の着用時の動作について、図3及び図4を参照しながら説明する。図3及び図4は、補助ウェア100の着用時の動作を示す図である。 【0033】 補助ウェア100の着用時について、図3を参照しながら説明する。まず、使用者は、ショルダー部120と前側上半身部130の左右の部分を押し広げる。そして、使用者は、図3(a)に示したように、補助ウェア100を左右の手で持って、パンツ部110を通常のパンツのように履く。このとき、パンツ部110はウレタンパッド112の部分のみを身体に密着させればよく、その他の部分は身体に密着させる必要がないため、着用が容易である。図3(b)は、使用者がパンツ部110を着用した状態である。 【0034】 次に、使用者は、図4(a)に示したように、ショルダー部120を一方の肩に掛ける。図4(b)は、使用者がショルダー部120を両肩に掛けた状態である。このときも、前側上半身部130を身体に密着させる必要がなく、後から長さを調整できるため、着用が容易である。その後、使用者は、図4(c)に示したように、長さ調整部132によって長さを調整する。長さ調整部132を調整することで、後ろ身頃部140の伸縮を支持するのに適切な長さに調整することができる。 【0035】 補助ウェア100を脱ぐときには、以上の動作の逆の手順で脱ぐことができる。 【0036】 次に、補助ウェア100の作用について、図5を参照しながら説明する。図5は、補助ウェア100の作用を示す図であり、(a)は使用者が直立しているところを示し、(b)は使用者が腰をかがめているところを示す。 【0037】 一例として物を持ち上げるときの動作について説明する。 使用者が補助ウェア100を着て直立した状態では、図5(a)に示したように、肩から股間までの長さはL1である。この長さL1は後ろ身頃部140が伸びてもいず縮んでもいない自然長であってもよく、また、曲げ方向に対する復元力を増すために後ろ身頃部140が伸長している状態の長さでもよい。そして、図5(b)に示したように、使用者が前にかがむと、肩と股間を支点として後ろ身頃部140の長さがL2に伸びる。このとき後ろ身頃部140の弾性力により、かがむ前の状態に復元しようとする。物を把持した者は、この後ろ身頃部140の復元力によって、物を持ち上げる動作が補助される。 【0038】 (第1の実施形態の効果) 以上説明したように、本実施形態によれば、パンツ部110の股間部分とショルダー部120を支点として後ろ身頃部140の伸縮を支持することから、股間部分とショルダー部120のみが身体に密着するように着用すればよい。その他の部分は身体に密着させる必要がない。身体の中で動作性が少ない股間部分を支点とすることにより、動作による支 点のズレを防ぐことができる。このため、特にベルト状のもので固定する必要がない。このことから、着脱が容易であるとともに、使用者に負担が少ない。このようにして、着脱が容易で使用者に負担の少ない補助ウェア100を提供することができる。 【0039】 また、パンツ部110の股間部分とショルダー部120を支点として後ろ身頃部140の伸縮を支持することから、バックル状の長さ調整部132を備えることで、後ろ身頃部140の伸縮を確実に支持することができる。 【0040】 また、パンツ部110の股間部分とショルダー部120を支点として後ろ身頃部140の伸縮を支持することから、股間を保護するウレタンパッド112を備えることで、股間を保護することができる。 【0041】 (第2の実施形態) 第2の実施形態に係る補助ウェア200の構成について、図6及び図7を参照しながら説明する。図6は、着用した状態の補助ウェア200を前側から見た図である。図7は、着用した状態の補助ウェア200を後側から見た図である。本実施形態の補助ウェア200は、ショルダー部220に滑り止め222が設けられている。この点が、上記第1の実施形態の補助ウェア100と相違する点である。本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略することがある。 【0042】 本実施形態のパンツ部210、ウレタンパッド212、ショルダー部220、前側上半身部230、長さ調整部232、後ろ身頃部240は、それぞれ上記第1の実施形態のパンツ部110、ウレタンパッド112、ショルダー部120、前側上半身部130、長さ調整部132、後ろ身頃部140に対応するため、説明を省略する。 【0043】 ショルダー部220には、図6及び図7に示したように、身体の前側から後側にかけて滑り止め222が設けられている。このため、ショルダー部220の肩からのずれが防止されている。よって、ショルダー部220の肩における支点のずれが防止されているので、両肩と股間の3点の支点がずれることによる後ろ身頃部240の弾性素材の復元力の低下を防ぐことができる。 【0044】 (第2の実施形態の効果) 以上説明したように、本実施形態によれば、ショルダー部220に滑り止め222を備えることで、ショルダー部220の肩からのずれが防止されて、肩における支点のずれが防止される。よって、ショルダー部220とパンツ部210で、後ろ身頃部240の伸縮をより確実に支持することができる。 【0045】 (第3の実施形態) 第3の実施形態に係る補助ウェア300の構成について、図8及び図9を参照しながら説明する。図8は、補助ウェア300を前側から見た図である。図9は、補助ウェア300を後側から見た図である。本実施形態の補助ウェア300は、パンツ部310、前側上半身部330、後ろ身頃部340の構成が、上記第1の実施形態の補助ウェア100と相違する点である。本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略することがある。 【0046】 本実施形態のショルダー部320、長さ調整部332は、それぞれ上記第1の実施形態のショルダー部120、長さ調整部132に対応するため、説明を省略する。 【0047】 補助ウェア300は、図8及び図9に示したように、パンツ部310、前側上半身部330及び後ろ身頃部340がそれぞれ別体で構成されている。前側上半身部330はパンツ部310の前側に連結されており、後ろ身頃部340はパンツ部310の後ろ側に連結されている。前側上半身部330と後ろ身頃部340とは連結されておらず、脇が連結されていない構成である。以下、各部の構成について説明する。 【0048】 (パンツ部310) パンツ部310は、骨盤より下の臀部や下半身の一部を覆うように構成されている。パンツ部310は、第1の実施形態のパンツ部110と同様に、補助ウェア300の着用のしやすさのために、ルーズな構成となっており、ウレタンパッド312のみ身体に密着するが、それ以外の部分は身体に密着しない構成となっている。パンツ部310内には、図8及び図9に示したように、股間に当たる部分に装着されるウレタンパッド312を収容する収容部314が設けられている。 【0049】 収容部314は、帯状の形状をしており、前後の両端部がパンツ部310の前側と後側の上端部にそれぞれ連結されてパンツ部310内で吊り下げられた状態である。このように、ウレタンパッド312は、パンツ部310の股間部分とは離間しているため、使用者が前にかがんで後ろ身頃部340が伸長して後ろ身頃部340とパンツ部310との連結部分が引き上げられても、ウレタンパッド312が股間に食い込むことが防止されている。 【0050】 (ショルダー部320) ショルダー部320は、図9に示したように、左右の肩に掛かる部分でありベルト状に構成されたベルト状部322と、ベルト状部322の下端と後述する後ろ身頃部340を連結する略台形状に構成された台形状部324からなる。ベルト状部322の上端は後述する前側上半身部330に連結されている。ショルダー部320は、伸縮性のない素材で構成されている。 【0051】 (前側上半身部330) 前側上半身部330は、図8に示したように、ベルト状に構成されており、下端部がパンツ部310の前側の上端部に連結されており、上端部が第1の実施形態と同様にショルダー部320に連結されている。前側上半身部330には、第1の実施形態と同様に、伸縮性のない素材で構成されており、長さ調整部332が設けられている。 【0052】 (後ろ身頃部340) 後ろ身頃部340は、図9に示したように、ショルダー部320の幅と同じかそれ以上の幅を有し、着丈方向に伸縮する弾性素材からなる。後ろ身頃部340は、3つの短冊状に構成された生地である後ろ身頃片340−1、340−2、340−3を左右につなぎ合わせて構成されている。3つの後ろ身頃片340−1、340−2、340−3は、幅が10cm程度である。後ろ身頃部340の下端部340aは、パンツ部310のウエストから股間までの間の位置に連結されている。後ろ身頃部340とウレタンパッド312の収容部314とは連結されていない。よって、後ろ身頃部340は、パンツ部310のウエストに引き上げる方向の力を作用しないため、ウレタンパッド312が引き上げられない。このため、ウレタンパッド312が股間に食い込むことを防止することができる。 【0053】 後ろ身頃部340の上端340bは、ショルダー部320の台形状部324の下端に連結されている。よって、後ろ身頃部340が伸長した際の引っ張り力が、台形状部324を介して、左右のベルト状部322にほぼ均等にかかることになる。なお、後ろ身頃部340を構成する後ろ身頃片は、数、引張弾性率、連結方向などを任意とすることができる。例えば、引張弾性率が異なる複数の後ろ身頃片を連結することによって、後ろ身頃部と して所望の引張弾性率が得られるようにしてもよい。また、例えば、後ろ身頃片の連結方向は上下方向や斜め方向などとしたり、左右上下斜めなどの複数の連結方向を任意に組み合わせたりしてもよい。後ろ身頃片の数や引張弾性率、連結方向などを任意に組み合わせることよって、後ろ身頃部340の弾性力を調整することができる。 【0054】 (第3の実施形態の効果) 以上説明したように、本実施形態によれば、後ろ身頃部340の引っ張り力がウレタンパッド312に直接作用しないため、ウレタンパッド312が股間に食い込むことを防止することができる。また、前側上半身部330と後ろ身頃部340とが連結されていないため、後ろ身頃部340の伸縮に前側上半身部330が影響しない。 【0055】 以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。 【0056】 例えば、上記実施形態では、前側上半身部130に後ろ身頃部140の弾性力を調整するための長さ調整部132を備えたが、本発明はこの例に限定されない。例えば、体型に合わせた各種サイズを用意するなどによって、後ろ身頃部140の弾性力の調整が必要なくなれば、長さ調整部132を設けなくてもよい。 【0057】 また、上記実施形態では、バックル状の長さ調整部132としたが、本発明はこの例に限定されない。前側上半身部の長さを調整することにより、後ろ身頃部の弾性力を調整するものであれば、任意の構成とすることができる。例えば、バックルではなく、ボタンと複数のボタンホールや、バンド状の上半身部を巻き解きして長さ調整する機構などでもよい。 【0058】 また、上記実施形態では、パンツ部110は、股間を保護するウレタンパッド112を備えた構成としたが、本発明はこの例に限定されず、パンツ部の股間部分を支点とする構成であれば、必ずしも、股間パッドは備えなくてもよい。 【0059】 また、上記第1の実施形態では、パンツ部110の股間に当たる部分にウレタンパッド112を備えた構成について説明したが、本発明はこれに限定されない。パンツ部110には、上記第2の実施形態のような滑り止めを備えるようにしてもよい。滑り止めは、ウレタンパッド112に加えて又はウレタンパッド112の代わりに備えることができる。滑り止めを備えることで、股間部分のずれが防止されて、股間部分における支点のずれが防止される。 【0060】 また、上記第2の実施形態では、ショルダー部220に滑り止め222を設けた構成について説明したが、本発明はこれに限定されない。ショルダー部220には、上記第1の実施形態のようなウレタンパッド(ショルダーパッド)を、滑り止め222に加えて又は滑り止め222の代わりに設けるようにしてもよい。ショルダー部220にウレタンパッド(ショルダーパッド)を設けると、肩に掛かる負担を軽減することが可能である。よって肩の痛みなどを防ぐことができる。 【0061】 また、上記実施形態では、股間に当たる部分にウレタンパッド112を備えたが、本発明はこの例に限定されない。股間を保護するパッドであれば、例えば、コットン、ゴム、ジェルなど任意の材質のものを用いることができる。第2の実施形態においてショルダー部220にショルダーパッドを設けるときについても同様である。 【0062】 上記実施形態、応用例、変形例は、任意に組み合わせて実施することができる。 【符号の説明】 【0063】 100、200、300 補助ウェア 110、210、310 パンツ部 112、212、312 ウレタンパッド(股間パッド) 120、220、320 ショルダー部 130、230、330 前側上半身部 132、232、332 長さ調整部 140、240、340 後ろ身頃部 222 滑り止め |
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【図1】 |
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【図2】 |
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【図3】 |
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【図4】 |
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【図5】 |
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【図6】 |
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【図7】 |
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【図8】 |
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【図9】 |
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同文献に開示される補助ウェアは、左肩から背中を通り右腰部にかけて配置される第1の上半身用主部材と、右肩から背中を通り左腰部にかけて配置される第2の上半身用主部材と、上半身用主部材と接続し臀部に配置される下半身用主部材とによって、体幹を前屈させた姿勢での腰背部の筋を補助する。 そして、第1の上半身用主部材と第2の上半身用主部材が背中で交差する交差位置に第1の上半身用主部材と第2の上半身用主部材との離間距離を所定以下に規制する離間規制部を備えているものである。 このような補助ウェアによれば、体幹を前屈させた姿勢での腰背部の筋を補助する機能を損なったり、体幹側屈や回旋などの動作に干渉したりすることなく弾性部材同士や生地との絡まりを防いで着脱を容易にすることができる。 従来の補助ウェアでは、装着の際にバンド状の部材を身体に取り付ける必要があるため、着脱しやすいとは言えず更なる改善の余地があった。また、バンド状の部材を身体に固定すると、部材が身体に食い込み使用者に負担を与えるという問題があった。 そこで、本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、着脱が容易で使用者に負担の少ない新規かつ改良された補助ウェアを提供することにある。 |
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The supportive wear I would like to introduce in this document has the first main materials for upper body that are set up from the left shoulder through back to the right chest, and the second materials for upper body that are set up from the right shoulder through back to the left chest. With those main materials for the upper body and the main materials for lower body that are set up at around buttocks and being linked to the main materials for the upper body, it works as a support for the spine part of your back while taking the posture of anteflexion. Then, at the crossing point on your back, the both, the first main materials for the upper body and the second main materials, the certain regulation is applied about the distance between them to be necessarily shorter than a certain length. This type of supportive wear may lose its function as a supporter on buttocks part while taking the posture of anteflexion and it would get in the way while taking the movement of lateral bending of trunk or rotation, etc. This wear can avoid those and make it easy to be put on and taken off, preventing elastic parts and cloth from being tangled up. As for conventional wears, the band -like fixing material is needed to be attached to a body, which hardly gives any comfort when it is put on and taken off, so there are still some rooms for some developments. Besides, fixing the band-like materials to a body may cause a physical damage or burden to human body by a part of the materials strongly attaching to human body. Therefore, this invention was made reflecting to those problems, and the very objective is to provide a newly improved harmless wear that can be easily put on and taken off and cause less damage or burden to human body. |
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