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衣服・履物
 
【考案の名称】シャツの襟元安定化構造及び襟元形状保持具
【実用新案権者】
【識別番号】502074219
【氏名又は名称】鈴木 誉四男
【住所又は居所】茨城県取手市椚木2500−5
【代理人】
【識別番号】100096002
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 弘之
【代理人】
【識別番号】100091650
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 規之
【考案者】
【氏名】鈴木 誉四男
【住所又は居所】茨城県取手市椚木2500−5
【要約】
【課題】ワイシャツ等に襟元形状保持具を装着した後に、その位置ずれや脱落が生じることがなく、しかもワイシャツの高級感を損なうこともない、襟元形状の安定化構造を提供する。
【解決手段】一対の端部(左端部12及び右端部14)を有する湾曲形状を備えた弾性部材よりなる襟元形状保持具10と、羽根襟18と台襟20を備えたワイシャツ16とからなり、台襟20が表布と裏布を重ね合わせた二重構造を備えており、台襟20の表側に一対の導入口22, 22が設けられており、襟元形状保持具10の両端部を各導入口22, 22から台襟20の内部に挿入させることにより、襟元形状保持具10とワイシャツ16との係合が完了するシャツの襟元安定化構造。
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
一対の端部を有する湾曲形状を備えた弾性部材よりなる襟元形状保持具と、
羽根襟と台襟を備えたシャツとからなり、
上記台襟が表布と裏布を重ね合わせた二重構造を備えており、
当該台襟側に一対の導入口が設けられており、
上記襟元形状保持具の両端部を、各導入口から台襟内部に挿入させることにより、襟元形状保持具とシャツとの係合状態が実現することを特徴とするシャツの襟元安定化構造。
【請求項2】
上記襟元形状保持具の表面に、1または複数の開口部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のシャツの襟元安定化構造。
【請求項3】
上記襟元形状保持具の表面に、1または複数の凹部が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のシャツの襟元安定化構造。
【請求項4】
羽根襟と、表布と裏布を重ね合わせた二重構造の台襟とを備えたシャツに装着される襟元形状保持具であって、
一対の端部を有する湾曲形状を備えた弾性部材よりなり、
各端部を、上記台襟側に設けられた一対の導入口から台襟内部に挿入させることにより、上記シャツに係合されることを特徴とする襟元形状保持具。
【請求項5】
表面に1または複数の開口部が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の襟元形状保持具。
【請求項6】
表面に1または複数の凹部が形成されていることを特徴とする請求項4または5に記載の襟元形状保持具。
【考案の詳細な説明】
【技術分野】
この考案は、シャツの襟元形状を安定化させる技術に係り、特に、ワイシャツなどのように台襟と羽根襟を備えたシャツにおいて、ネクタイを締めたり第1ボタンを留めたりしなくても、襟元の開口状態を自然な形で安定化させ得る技術に関する。
【背景技術】
昨今の省エネ意識の高まりに従い、ビジネスの現場でもネクタイを締めずにワイシャツの第1ボタンを外す装いが一般化してきている。これにより、ワイシャツの襟元に換気用の隙間が形成される結果、冷房の設定温度を若干高めても涼しさを保つことが可能となる。
ただし、ワイシャツの羽根襟は第1ボタンを外した状態で左右のバランスを維持することが構造上難しく、かなり糊を効かせた状態にしても、左右の羽根襟の位置が不揃いになったり、開口幅が必要以上に広がったりするため、相手に見苦しい印象を与えてしまう点が指摘されていた。
このワイシャツの襟元形状が安定化しないという問題に対処するために、これまでも数々の提案がなされていている。
例えば、特許文献1においては、薄板の直線側の長辺部に可撓性を備えた金属棒を取り付けた襟立てカラーを、ワイシャツの台襟と羽根襟との間に装着することにより、襟元の形状を安定化させるアイディアが開示されている。
また、特許文献2においては、可撓性を備えた金属棒に複数の面ファスナー切片を取り付けておき、これをワイシャツの台襟に設けておいた面ファスナーに固着させることにより、襟元の形状を安定化させるアイディアが開示されている。
【特許文献1】特開2003−138414
【特許文献2】特開2007−016344
【考案の開示】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1の襟立てカラーの場合には、ワイシャツとの接合構造を備えていないため、着用者の動きによって位置ずれや脱落が生じやすいという欠点があった。
これに対し、特許文献2の襟立てカラーの場合には面ファスナーを介してワイシャツ側に強固に固定されるため、位置ずれや脱落が生じにくい反面、複数組の面ファスナー切片同士を一々接合していく手間を要するという欠点があった。また、面ファスナーを用いることで、利用者に安っぽさを感じさせてしまうという問題もあった。
この考案は、このような問題を解決するために案出されたものであり、ワイシャツ等に対して簡単に装着できるにもかかわらず、装着後に位置ずれや脱落が生じることがなく、しかもワイシャツの高級感を損なうこともない、襟元形状の安定化技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載したシャツの襟元安定化構造は、一対の端部を有する湾曲形状を備えた弾性部材よりなる襟元形状保持具と、羽根襟と台襟を備えたシャツとからなり、上記台襟が表布と裏布を重ね合わせた二重構造を備えており、当該台襟側に一対の導入口が設けられており、上記襟元形状保持具の両端部を、各導入口から台襟内部に挿入させることにより、襟元形状保持具とシャツとの係合状態が実現することを特徴としている。
請求項2に記載したシャツの襟元安定化構造は、請求項1の構造であって、さらに、上記襟元形状保持具の表面に1または複数の開口部が形成されていることを特徴としている。
請求項3に記載したシャツの襟元安定化構造は、請求項1または2の構造であって、さらに、上記襟元形状保持具の表面に1または複数の凹部が形成されていることを特徴としている。
請求項4に記載した襟元形状保持具は、羽根襟と、表布と裏布を重ね合わせた二重構造の台襟とを備えたシャツに装着される襟元形状保持具であって、一対の端部を有する湾曲形状を備えた弾性部材よりなり、各端部を上記台襟側に設けられた一対の導入口から台襟内部に挿入させることにより、上記シャツに係合されることを特徴としている。
請求項5に記載した襟元形状保持具は、請求項4の襟元形状保持具であって、さらに、表面に1または複数の開口部が形成されていることを特徴としている。
請求項6に記載した襟元形状保持具は、請求項4または5の襟元形状保持具であって、さらに、表面に1または複数の凹部が形成されていることを特徴としている。
【考案の効果】
この考案にあっては、ワイシャツ等の襟元の形状や開き具合を調整するための襟元形状保持具が、ワイシャツ等の台襟側に設けられた一対の導入口に襟元形状保持具の両端部を挿入させることによって装着される構造を備えているため、ワイシャツ等に簡単に装着でき、一旦装着した後は位置ずれや脱落が生じることがない。また、固定のために面ファスナーを用いることもないため、ワイシャツ等の高級感を維持することができる。
【考案を実施するための最良の形態】
図1は、この考案に係る襟元形状保持具10を示す斜視図である。
この襟元形状保持具10は、環状体の一部を切除した「略C字型」の湾曲形状をなしており、一対の端部、すなわち左端部12及び右端部14を備えている。
この襟元形状保持具10は、例えば、厚さ2mm程度の弾力性(可撓性)に富んだチタニウム素材やプラスチック素材よりなる。ただし、その材質や寸法に限定はない。
襟元形状保持具10の左端部12及び右端部14は、断面楕円形状を備えている。
また、襟元形状保持具10の上端面は直線状に形成されているが、下端面の端部側には幅が狭くなる狭窄部15が形成されている。
襟元形状保持具10の左端部12、右端部14及び狭窄部15の表面は、平滑に仕上げられている。
つぎに、図2に従い、この襟元形状保持具10をワイシャツ16に装着する方法を説明する。
まず、ワイシャツ16の羽根襟18を跳ね上げた状態で、台襟20の左端近傍及び右端近傍に形成された一対の導入口22に対して、襟元形状保持具10の左端部12及び右端部14を挿入する。
台襟20の部分は表布と裏布を重ね合わせた二重構造となっているため、襟元形状保持具10の左端部12及び右端部14は、表布に形成された各導入口22から台襟20の表布と裏布との間の隙間に収納される。
導入口22の周囲には、ボタン穴と同様のかがり加工が施されている。
このようにして、襟元形状保持具10の各端部を台襟20の表側に形成された導入口22にそれぞれ挿入した後、羽根襟18を折り畳んで元に戻す。
この結果、図3に示すように、襟元形状保持具10はワイシャツ16の台襟20に沿って装着され、第1ボタン24を外していても、襟元26の開き幅(開度)を一定(例えば2〜3cm)に保持することが可能となる。
もちろん、襟元形状保持具10の左端部12及び右端部14は台襟20内に挿入されており、また残りの部分には羽根襟18が覆い被さっているため、外部からその存在が認識されることもない。
図示は省略したが、第2ボタン25を外した場合であっても、襟元形状保持具10を装着することにより、襟元26の開き幅を一定に保持することができる。
S、M、L、LLというように、サイズの異なる襟元形状保持具10を複数種類用意しておけば、首28の太さやに合致した襟元形状保持具10を利用者が自由に選択することが可能となる。
また、襟元形状保持具10のサイズを変更することにより、利用者は襟元の開度をTPOに合わせて調節することもできる。
襟元形状保持具10とワイシャツ16との係合が、襟元形状保持具10の左端部12及び右端部14をワイシャツ16の導入口22に挿入することによって簡単に完了するにもかかわらず、一旦装着した後には襟元形状保持具10の先端部分がしっかりと台襟20内に収納されるため、容易に位置がずれたり脱落したりすることがない。
また、固定のために多数の面ファスナーを用いる必要もないため、ワイシャツ16の高級感を損なうこともない。
襟元形状保持具10とワイシャツ16との係合度を上げるために、図示は省略したが、台襟20側に1または複数のベルトループを設けておき、そこに襟元形状保持具10を挿通させるようにしてもよい。
襟元形状保持具10の色彩は特に限定されるものではなく、様々なバリエーションを用意しておくことが望ましい。
上記のように、装着時に襟元形状保持具10が人目につくことはないが、シャツの色柄に適合した色彩の襟元形状保持具10を提供することにより、利用者のお洒落心を満たすことが可能となる。
図4は、襟元形状保持具10のバリエーションとして、長方形状の開口部32を複数形成した例を示している。この結果、襟元形状保持具10の軽量化や材料費の節約、デザイン性の向上等の利点が生じる。
開口部32の形状や数に限定はなく、円形の開口部を一定のピッチで多数形成したり、比較的長尺の開口部を一つ形成したりすることもできる。
あるいは貫通した開口部32の代わりに、非貫通の凹部を形成したり、各種の紋様を襟元形状保持具10の表面に刻設したりすることもできる。図5は、襟元形状保持具10の表面に、メッシュ状紋様34を形成した例を示している。
上記においては、紳士用のワイシャツ16に襟元形状保持具10を装着する例を説明したが、この考案はこれに限定されるものではなく、羽根襟18と台襟20を備えた他の衣類に対しても適用可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案に係る襟元形状保持具の全体構成を示す斜視図である。
【図2】襟元形状保持具をワイシャツに装着する様子を示す側面図である。
【図3】襟元形状保持具をワイシャツに装着した状態を示す正面図である。
【図4】この考案に係る襟元形状保持具の変形例を示す斜視図である。
【図5】この考案に係る襟元形状保持具の変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 襟元形状保持具
12 左端部
14 右端部
15 狭窄部
16 ワイシャツ
18 羽根襟
20 台襟
22 導入口
23 袋部
24 第1ボタン
26 襟元
28 首
32 開口部
34 メッシュ状紋様
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5 
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