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【考案の名称】ズボン用防雨カバー 【実用新案権者】 【識別番号】599170043 【氏名又は名称】志鷹 外美行 【住所又は居所】埼玉県越谷市東大沢4丁目8番4号 【代理人】 【弁理士】 【識別番号】100065260 【氏名又は名称】谷山 守 【考案者】 【氏名】志鷹 外美行 【住所又は居所】埼玉県越谷市東大沢4丁目8番4号 【要約】(修正有) 【課題】 ズボンの下部が雨水で濡れるのを防止するためにズボンの下部を包囲すると共にこの包囲状態を定位置に保ち、さらに上方からカバーを伝わって垂れてきた雨水が靴や靴下にかからなようにしたズボン用防雨具を提供する。 【解決手段】 カバー材2の両端に面状ファスナが設けられ、該面状ファスナで前記カバー材2を筒形状に接合してなる防雨カバー1であって、該防雨カバーをズボン10の下部の周りに包囲して吊下げるように、前記カバー材2の上端に設けられた吊り具または止具によって該カバー材2をズボンのベルトに吊下げるか又はズボンに係止し、さらに前記筒形状にしたカバー材2の下端には後方へ下り勾配を有する折返し片6が設けられ、該折返し片6で受けた水分を後方から逃がすための開口7が設けられたものである。 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 防水性被覆を施した布または防水性合成樹脂で形成されたカバー材の両端に面状ファスナが設けられ、該面状ファスナで前記カバー材を筒形状に接合してなる防雨カバーであって、該防雨カバーをズボンの下部の周りに包囲して吊下げるように、前記カバー材の上端に設けられた吊り具または止具によって該カバー材をズボンのベルトに吊下げるか又はズボンに係止し、さらに前記筒形状にしたカバー材の下端には後方へ下り勾配を有する折返し片が設けられ、該折返し片で受けた水分を後方から逃がすための開口が設けられたことを特徴とするズボン用防雨カバー。 【請求項2】 前記カバー材を展開した状態における下端が中央から両側に向けて下り勾配をなす形状を有し、該下り勾配の下端に沿って前記折返し片を形成すると共に、該折返し片の両端は開口してあることを特徴とする請求項1記載のズボン用防雨カバー。 【考案の詳細な説明】 【技術分野】 本考案は、ズボンの下部が雨水で濡れるのを防止するズボン用防雨カバーに関するものである。 【背景技術】 従来から使用されている雨合羽は、ビニール製上着とビニール製ズボンとに分離したもの、或いは薄厚のビニール製でレインコート形状に形成したものとがある。 このような雨合羽のうち、ビニール製上着とビニール製ズボンとに分離したものは防水性に優れるため、本格的な防雨具として降雨中の戸外での作業や移動の際に使用されている。ところが、このタイプの雨合羽は、身軽に装着するには不便であり、またこれを脱いだときに折り畳んでも嵩張るため、携帯に不便であり、またファッション性にも優れないという欠点があった。従って、通勤時や高級な衣服を着ている際等に装着するには適さないものである。 また、薄厚のビニール製でレインコート形状に形成した雨合羽は、身軽に装着することができ、小型に折り畳むことができるため、携帯に便利であり、また廉価であるという利点があった。ところが、このようなレインコート形状の雨合羽は、雨水でズボンの下部が濡れるという欠点がある。 ところで、傘をさしたときは、傘の下方に吹き込む雨水や、路面に跳ね返った雨水等でズボンの裾や膝下が濡れるという問題がある。さらに、このようにズボンが濡れると、乾いてもズボンの折り目がなくなり、アイロンがけの手間やクリーニングの出費が必要となる等の問題が生じる。 なお、傘の下方に吹き込む雨水を防止するために、レインコート形状の雨合羽を着用した場合でも、この雨合羽はズボンの下部を覆うほどの長さがないため、ズボンの下部が濡れるという問題を解消することはできない。 そこで、このような問題を解消するためになされた従来の防雨具として、下記の特許文献1を掲げる。この特許文献1の「雨水よけズボンカバー」は、図6(a)及び(b)に示すように、ポリプロ樹脂系薄膜シート又は防水性布シートの素材を使用して、大筒状の上下口部を貫通させた外装に所望模様の色彩を施した本体30を有し、該本体30の上辺縁付近の裏面要部又は表面要部に配設した貼着層面部 に剥離紙32を設け、雨風の日にズボン及びストッキング等の外装要部に剥離紙32を剥して跳躍層面31で貼着して利用する雨水よけズボンカバーを構成してなるものである。 即ち、特許文献1の「雨水よけズボンカバー」は、防水性を有する素材によって筒状の本体30を形成し、この本体30の上辺に貼着層面31を設けてあり、該貼着層面31に設けてあった剥離紙32を剥すことによってズボン或いはストッキングに貼着することにより、該筒状の本体30で雨水を避けるようにしたものである。 【特許文献1】 登録実用新案第304216号公報(第1、2頁、図1、3) 【考案の開示】 【考案が解決しようとする課題】 ところが、上記の特許文献1の「雨水よけズボンカバー」においては、本体が筒状に完成されたものであり、これをズボンの上に装着するとき、靴を履いたまま行なうと、靴の泥水等がズボンカバーに付着し、この泥水等がズボンを汚してしまうという不都合が生じる。 また、上記のズボンカバーの本体の上辺に設けられた貼着層面をズボン等に貼着することによって固定するものであるため、貼着層面の接着剤等でズボンの布を汚すおそれがあり、さらには貼着層面に雨水がつくと、接着力をなくしてズボンカバーが脱落するという欠点がある。 さらに、上記のズボンカバーは単純な筒状をなすため、ズボンカバーに降りかかった雨水が垂れ落ちて靴又は靴下を濡らしてしまうという欠点がある。 本考案は上記のような問題点を解消するためになされたもので、ズボンの下部が雨水で濡れるのを防止するためにズボンの下部を包囲すると共にこの包囲状態を定位置に保ち、さらに上方からカバーを伝わって垂れてきた雨水が靴にかからなようにしたズボン用防雨具を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 上記の目的を達成するために、本考案の請求項1は、防水性被覆を施した布または防水性合成樹脂で形成されたカバー材の両端に面状ファスナが設けられ、該面状ファスナで前記カバー材を筒形状に接合してなる防雨カバーであって、該防雨カバーをズボンの下部の周りに包囲して吊下げるように、前記カバー材の上端に設けられた吊り具または止具によって該カバー材をズボンのベルトに吊下げるか又はズボンに係止し、さらに前記筒形状にしたカバー材の下端には後方へ下り勾配を有する折返し片が設けられ、該折返し片で受けた水分を後方から逃がすための開口が設けられたことを特徴とする。 また、本考案の請求項2は、請求項1において、前記カバー材を展開した状態における下端が中央から両側に向けて下り勾配をなす形状を有し、該下り勾配の下端に沿って前記折返し片を形成すると共に、該折返し片の両端は開口してあることを特徴とする。 【考案の効果】 以上のように構成された本考案のズボン用防雨カバーによれば、防水性被覆を施した布または防水性合成樹脂で形成されたカバー材の両端に面状ファスナが設けられ、該面状ファスナでカバー材を筒形状に接合することができるため、携帯や保管の際には嵩張らずに折り畳んでケース等に収納しておくことができ、降雨時に使用する際には、展開状態からズボンの下部を筒状に包囲して面状ファスナで接合することができるため、靴等の汚れがズボンに付着することなく装着することができ、さらに装着状態においては、ズボンの下部をカバー材で包囲することができるため、ズボンの下部が降雨中の雨水で濡れるのを防止することができる。 また、上記のように簡単にズボンに装着することができる上、簡単な吊り具又は止具によってカバー材をズボンの下部に装着した状態を保持することができる。 さらに、カバー材の下端には後方へ下り勾配を有する折返し片が設けられているため、降雨時にカバー材を伝って折返し片で受けた水分は折返片の内部に入って後方に設けられた開口から靴の後方へ落下するため、カバー材で受けた雨水が靴にかかったり、靴下をぬらしたりすることがない。 以上のように本考案のズボン用防雨カバーは、材料費及び製造コストが非常に安価であって、携帯または保管の際にも嵩張らず、降雨時に傘を使用した際のズボンの下部が雨水で濡れるのを手軽に防止することができ、さらにはこの防雨カバーを伝わって垂れてくる雨水が靴や靴下を濡らすこともなく、非常に利便性の高い簡易的なズボン用防雨カバーとして使用することが可能となる。 【考案を実施するための最良の形態】 以下、本考案の実施例について図面を参照しながら説明する。 図1において、本考案によるズボン用防雨カバー1は合成樹脂フィルム等の防水性被覆を施した布または防水性を有する合成樹脂製フィルム等によるカバー材2から成り、その展開形状は略矩形の平面形状とされている。 なお、本実施例の防雨カバー1は、ズボンの下部が雨水で濡れるのを防止するためのものであり、ズボンのいかなる上方位置まで雨水を防止するかは、カバー材2の長さによって設定され得るものである。 このようなカバー材2の周縁部は折返した部位3に糸縫い4が施されている。これは、補強のためであり、またカバー材2に布地を含む場合、この布地から糸のほつれが生じないためになされたものである。 また、図1に示すように展開したカバー材2の両端の側縁部において離間した複数箇所には面状ファスナ5、5…が設けられている。これらの面状ファスナ5は、カバー材2の一方の端部においてはカバー材2の表側に固着し、カバー材2の片方の端部においてはカバー材2の裏側に固着するようにしている。 このような面状ファスナ5としてはマジックテープ(商標名)を使用するのが好ましく、図2に示すように、カバー材2を筒状に形成して、カバー材2の両端を互いに接合することにより、夫々の面状ファスナ5が接着し合う結果、カバー材2を筒形状に保つことができる。 さらに、本考案においては、図2に示すように、筒形状にしたカバー材2の下端に後方(図4に示すようにカバー材2を装着した状態における靴20の後方)へ下り勾配を有する折返し片6が設けられている。 そのため、図1に示すように、上記のカバー材2の展開形状において、全体的には略矩形をなすその下端が中央から両側に向けて僅かな下り勾配を有する形状とされ、この下り勾配の下端に沿って折返し片6が形成され、さらに折返し片6の両端は開口した状態(開口7)とされ、後述するように、折返し片6で受けた水分を後方の開口7から逃がすことができる。 なお、上記の折返し片6の上方は開放された状態とされるが、該折返し片6の上縁の要部に糸縫いによる保持部8が施され、これによって折返し片6が型崩れしないようにしている。 上記のカバー材2には、筒形状にしてズボン10の下部の周りに包囲して吊下げた状態を保つように、カバー材2の上端に吊り具11または止具12が設けられている。図1又は図2に示すものは、安全ピン15による止具12であり、カバー材2の上端中央に吊下げ片13を糸縫い等によって固着し、その吊下げ片13の上端に折返し部14を形成して安全ピン15等を挿着することにより、この安全ピン15でズボン10に係止するようにしたものである。 また、図3又は図5に示すものは、カバー材2の上端中央に紐又はリボン状の吊下げ材16を糸縫い等によって固着し、その吊下げ材16の上端に図5に示すような折返し形状の掛止金具17を固設するようにしたものである。なお、リボン状の吊下げ材16を透明の合成樹脂で形成した場合、防雨カバー1の吊下げ16が見えにくいという利点がある。 このような吊下げ材16を使用する際には、図3に示すように、掛止金具17をズボン10のベルト18の内側から外側へ向けて掛止すると、図5に示すように、ベルト18に掛止された掛止金具17は使用者の腹部に押圧されて容易に脱落しない装着状態となる。 上記のように構成されたズボン用防雨カバー1を携帯し、又は保管するときは、図1に示すようにカバー材2を展開形状にして折り畳み、これを専用のケース等に入れるなりすると、小型であって薄厚の状態で携帯又は保管に供することができる。 また、本考案のズボン用防雨カバー1を使用するときは、図1の展開形状のカバー材2をズボン10の下部に包囲した状態で、カバー材2の両端を夫々の面状ファスナ5で接合することにより、ズボン10の下部をカバー材2で包囲した状態とし、このとき靴等がカバー材2にあたることもなくズボン10の下部に装着することができ、靴等の汚れがズボン10に付着することがない。 また、上記のようにカバー材2の上端に設けられた吊り具11または止具12によって該防雨カバー1をズボン10のベルト18に吊下げるか、又はズボン10に安全ピン15等で係止すると、ズボン10の下部は筒状にされたカバー材2によって降雨中の雨水をあらゆる後方から防御することができ、ズボン10の下部が雨水で濡れるようなことがなくなる。 さらに、本考案のズボン用防雨カバー1には、図4に示すように、カバー材2の下端に後方へ下り勾配を有する折返し片6が設けられているため、降雨時にカバー材2を伝って折返し片6で受けた水分は折返し片6の上方から内部に入って後方へと至り、折返し片6の開口7から落下する。この折返し片6の開口7は、靴20の後方に向けられているため、開口7から落下した水分は靴20の後方へ落下する結果、カバー材2で受けた雨水が靴20にかかったり、靴下をぬらしたりすることがない。 【産業上の利用可能性】 本考案のズボン用防雨カバーは、ズボンの下部が降雨中の雨水で濡れることを防止するために使用するもので、携帯や保管の際に嵩張らず、降雨時には靴の汚れが付着することなく装着することができ、簡単な吊り具又は止具によってカバー材をズボンの下部を包囲した状態に保持することができ、また降雨時にカバー材を伝って折返し片で受けた水分で靴や靴下をぬらしたりすることがない防雨カバーとして利用することができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本考案による防雨カバーの展開状態を示す平面図である。 【図2】本考案による防雨カバーを筒状に接合した状態を示す斜視図である。 【図3】本考案による防雨カバーをズボンの下部に装着した状態を示す図である。 【図4】本考案による防雨カバーをズボンの下部に装着して側方から見た状態を示す図である。 【図5】本考案による防雨カバーの吊下げ具に使用した掛止金具の側面図である。 【図6】(a)は従来の雨水よけズボンカバーの斜視図、(b)はその使用状況を示す図である。 【符号の説明】 1…防雨カバー 2…カバー材 3…折返した部位 4…糸縫い 5…面状ファスナ 6…折返し片 7…開口 8…保持部 10…ズボン 11…吊り具 12…止具 13…吊下げ片 14…折返し部 15…安全ピン 16…吊下げ材 17…掛止金具 18…ベルト 20…靴 |
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【図1】 |
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【図2】 |
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【図3】 |
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【図4】 |
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【図5】 |
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【図6】 |
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考案名 ズボン用防雨カバ− 課題 ズボンの下部が雨水で濡れるのを防止するためにズボンの下部を包囲すると 共に、この包囲状態を定位置に保ち、さらに上方からカバ−を伝わって垂れてきた雨水が靴や靴下にかからないようにしたズボン用防雨具を提供する。 解決手段 カバ−材2の両端に面状ファスナが設けられ、該面状ファスナで前記カバ−材2を筒形状に接合してなる防雨カバ−であって、該防雨カバ−をズボン10の下部の周りに包囲して吊り下げるように、前記カバ−材2の上端に設けられた吊り具又は止具によって、該カバ−材2をズボンのベルトに吊り下げるか又はズボンに係止し、さらに前記筒状にしたカバ−材2の下端には後方へ下り勾配を有する折返し片6が設けられ、該折返し片で受けた雨水を後方から逃がすための開口7が設けられたものである。 考案理由 特にサラリ−マンは、朝の出社時に服装が気になると共に、他社への打合せ時に服装の乱れが相手に与える印象も悪く、雨天日にはズボンの膝下部分が雨により折り目が無くなり、乾くと筒状になり人前に出る時に気になった経験を持っている人が多いと思います。 傘をさしても膝下が濡れることが多く、自宅から駅もしくはバス停までの間に、ズボンの膝下部分が濡れないように考えたカバ−であり、駅もしくはバス停に到着後に後部のファスナを外して折りたたみ、小さくしてバックにしまえます。 奥さんのアイロン掛の手間も少なくなると思っている。 |
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