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【考案の名称】帽子 【実用新案権者】 【識別番号】500371824 【氏名又は名称】合資会社村瀬商会 【住所又は居所】愛知県名古屋市中区平和一丁目4番2号 【代理人】 【識別番号】100107700 【弁理士】 【氏名又は名称】守田 賢一 【考案者】 【氏名】村瀬 勝彦 【住所又は居所】愛知県名古屋市中区平和1−4−2 合資会社村瀬商会内 【要約】 (修正有) 【課題】帽子内部で袋体が嵩張ることがない、折り込み収納状態で携行できる帽子を提供する。 【解決手段】使用状態に復元可能で、かつ裏返し状態を経て押し込まれた状態へ変形可能な材料よりなる帽子本体1と、帽子本体1の裏面に沿って裏返し状態で配設されてその外周縁が一部22を残して前記裏面に止着された袋形成用シート部材2とを備え、帽子本体1を裏返した状態で、シート部材2を、止着された外周縁を境に反転させて開口を有する袋体とし、当該袋体内に帽子本体1を押し込み収納する。 【選択図】図3 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 使用状態に復元可能で、かつ裏返し状態を経て押し込まれた状態へ変形可能な材料よりなる帽子本体と、帽子本体の裏面に沿って裏返し状態で配設されてその外周縁が一部を残して前記裏面に止着された袋形成用シート部材とを備え、前記帽子本体を裏返した状態で、前記シート部材を、止着された外周縁を境に反転させて開口を有する袋体とし、当該袋体内に前記帽子本体を押し込み収納するようにした帽子。 【請求項2】 前記シート部材を一対設け、各シート部材の止着されていない前記一部を対向させて上下位置で重ねて設けた請求項1に記載の帽子。 【請求項3】 前記シート部材を、弾性的に延伸変形可能な材料ないし織り方で構成した請求項1又は2に記載の帽子。 【請求項4】 前記シート部材の前記帽子本体の裏面に対向する面に図形部分を設け、当該図形部分が、前記帽子本体を押し込み収納した前記袋体の表面に露出するようにした請求項1ないし3のいずれかに記載の帽子。 【考案の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本考案は帽子に関し、特に折り込み収納状態で携行できる帽子に関するものである。 【背景技術】 【0002】 折り込み収納可能な帽子としては例えば特許文献1に記載されたような帽子がある。この帽子にはその内側面に予め収納用の袋体が設けてあり、帽子を携行する場合には、上記袋体を裏返して同形状の袋体とし、この中に変形可能な材料よりなる帽子本体を押し込んで収納する。なお、袋体の開口は、開口縁に設けられた閉止部材によって閉鎖されるようになっている。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0003】 【特許文献1】特表2001−518571 【考案の概要】 【考案が解決しようとする課題】 【0004】 しかし、上記従来の帽子では、帽子使用時に袋体が帽子内面で嵩張るとともに、開口を閉止する閉止部材を設ける必要があるという問題があった。 【0005】 そこで本考案はこのような課題を解決するもので、帽子内部で袋体が嵩張ることがなく、しかも閉止部材を設ける必要が無い帽子を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0006】 上記目的を達成するために、本第1考案では、使用状態に復元可能で、かつ裏返し状態を経て押し込まれた状態へ変形可能な材料よりなる帽子本体(1,5)と、帽子本体の裏面に沿って裏返し状態で配設されてその外周縁が一部(22,61,71)を残して前記裏面に止着された袋形成用シート部材(2,6,7)とを備え、前記帽子本体を裏返した状態で、前記シート部材を、止着された外周縁を境に反転させて開口(41,81)を有する袋体(4,8)とし、当該袋体内に前記帽子本体を押し込み収納する。 【0007】 本第1考案においては、帽子本体の裏面には平面的なシート部材が止着されているだけなので、帽子を使用する際に従来のように内部の袋体が嵩張って違和感を生じることがない。 【0008】 本第2考案では、前記シート部材を一対(6,7)設け、各シート部材の止着されていない前記一部(61,71)を対向させて上下位置で重ねて設ける。 【0009】 本第2考案においては、一対のシート部材によって形成される袋体によって帽子本体を確実に収容することができる。 【0010】 本第3考案では、前記シート部材(2,6,7)を、弾性的に延伸変形可能な材料ないし織り方で構成する。 【0011】 本第3考案においては、帽子本体を押し込む際に、袋体を構成するシート部材が延伸変形するから帽子本体を袋体内にスムーズに収容することができる。そして、袋体内に帽子本体を収納した時点で、袋体の開口縁はシート部材の原形復帰力で閉鎖方向へ狭まるから、袋体の開口に特に閉止部材を設ける必要がない。 【0012】 本第4考案では、前記シート部材(2,6)の前記帽子本体(1,5)の裏面に対向する面に図形部分(3,9)を設け、当該図形部分が、前記帽子本体を押し込み収納した前記袋体(4,8)の表面に露出するようにする。なお、「図形」には文字も含むものとする。 【0013】 本第4考案においては、表面に現れた図形部分によって、顧客の帽子への愛着が喚起されて販促に寄与するとともに、収納状態の帽子を部屋の装飾等として利用することができる。 【0014】 上記カッコ内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を参考的に示すものである。 【考案の効果】 【0015】 以上のように、本考案の帽子によれば、帽子内部で袋体が嵩張ることがないから違和感が無く、また閉止部材を特に設ける必要が無い。 【図面の簡単な説明】 【0016】 【図1】本考案の第1実施形態における、使用状態の帽子本体の全体側面図である。 【図2】帽子収納過程における、裏返した状態の帽子本体の全体側面図である。 【図3】帽子収納過程における、上半裾部を折り返した状態の帽子本体の側面図である。 【図4】帽子収納過程における、袋体に帽子本体の大部分を押し込み収納した状態の背面図である。 【図5】帽子収納過程における、袋体に帽子本体の全部を押し込み収納した状態の正面図である。 【図6】本考案の第2実施形態における、上下反転させた帽子本体の全体斜視図である。 【図7】上下反転させた帽子本体の平面図である。 【図8】帽子収納過程における、鍔部の一部を折り畳んだ状態の帽子本体の平面図である。 【図9】帽子収納過程における、鍔部を全部折り畳んだ状態の帽子本体の平面図である。 【図10】帽子収納過程における、一方のシート部材を後方へ反転させる際の帽子本体の平面図である。 【図11】帽子収納過程における、一方のシート部材全体を後方へ反転させた状態の帽子本体の正面図である。 【図12】帽子収納過程における、他方のシート部材全体を後方へ反転させる際の帽子本体の正面図である。 【図13】帽子収納過程における、袋体に帽子本体の全部を押し込み収納した状態の背面図である。 【図14】帽子収納過程における、袋体に帽子本体の全部を押し込み収納した状態の正面図である。 【考案を実施するための形態】 【0017】 なお、以下に説明する実施形態はあくまで一例であり、本考案の要旨を逸脱しない範囲で当業者が行う種々の設計的改良も本考案の範囲に含まれる。 【0018】 (第1実施形態) 本実施形態では本考案を毛糸で編んだニット帽に適用した例について説明する。図1には使用状態のニット帽の外観を示す。帽子本体1は全体が編んだ毛糸で一端閉鎖の筒状に形成されて、後述するように、袋体内に押し込まれた状態へ変形可能である。帽子本体1は閉鎖された頂部11が側面視で半円形をなし、裾部12は全周が下方へ延びて、下方へ開放する袋状となっている。そして、図示するように開口縁13を一定幅で上方へ折り上げて使用する(被る)。 【0019】 図2には、帽子本体1の頂部11を開口14(図1参照)から下方へ引き出して全体を裏返し、上下が反対になった状態を示す。図示するように、帽子本体1の裏面には頂部11側の半部にこれに沿って一枚のシート部材2が止着されている。 【0020】 シート部材2は本実施形態では布製で円形に成形され、裏返し状態でその外周縁の略上半周21のみが帽子本体1の裏面に縫着されている。シート部材2は本実施形態では弾性的に延伸変形可能な織り方で製造されている。なお、シート部材2を弾性的に延伸変形可能な材料で製造してももちろん良い。 【0021】 シート部材2には、帽子本体1の裏面に対向する面(図2ではシート部材2の裏側面)に図形部分3として、本実施形態では漫画的な熊の顔が縫製等によって描かれている。なお、熊の顔の頭部両側にはそれぞれ折り込まれた耳片31の基端が縫着されている。 【0022】 このように、本実施形態では、帽子本体1の裏面にこれに沿って平面的な一枚のシート部材2が止着されているだけであるから、帽子を使用する際に従来のように内部の袋体が嵩張って違和感を生じることはない。 【0023】 このような構造の帽子を携行のために収納する場合には、図1に示す使用状態から、図2に示すように裏返し状態とし、裏返した帽子本体1の裾部12側の半部(図2の上半部)を図示の破線に沿って後ろ側へ折り返し、頂部11側に重ねる(図3)。この状態でシート部材2の縫着されていない略下半周22を上方へ引き上げつつ後方へ反転させる。 【0024】 このようにすると、シート部材2が覆っていた帽子本体1の頂部11側の裏面と、反転したシート部材2によって開口41を有する袋体4が形成される(図4)。この際、シート部材2の裏側面に描かれた熊の顔が頭部両側の耳片31を立てつつ袋体4の表面に現れる。 【0025】 袋体4内に帽子本体1の残る部分を押し込みつつ全体を前方に転回させ(図5)、さらに袋体4内に帽子本体1を完全に押し込んで全体の形を整える。このようにして帽子本体1が袋体4内に押し込み収納される。そして、表面に現れた図形部分3によって、顧客の帽子への愛着が喚起されて販促に寄与するとともに、収納状態の帽子を部屋の装飾等として利用することができる。 【0026】 本実施形態ではシート部材2を弾性的に延伸変形可能な織り方で製造しているから、袋体4内に帽子本体1を押し込む際に袋体4を構成するシート部材2が延伸変形して帽子本体1を袋体4内にスムーズに収容することができる。そして、袋体4内に帽子本体1全体を収納した時点で、袋体4の開口41縁はシート部材2の原形復帰力で閉鎖方向へ狭まる。したがって、袋体4の開口41に特に閉止部材を設ける必要がない。 【0027】 (第2実施形態) 本実施形態では布製ハット帽に本考案を適用した例について説明する。図6にはハット帽を上下反転させた斜視図を示す。ハット帽の帽子本体5は、頂面(図6の下面)が閉鎖された略円筒形の本体部51の開口縁全周に一定幅の鍔部52が形成された形状である。上記帽子本体5は全体が布製で、後述するように折り畳まれて袋体内に押し込まれた状態へ変形可能である。 【0028】 図7は反転させたハット帽の平面図を示し、本体部51の閉鎖頂面の内面(裏面)に沿って裏返し状態で二枚のシート部材6,7が重ねて止着されている。すなわち、下側(外側)シート部材6は本体部51の頂面(端面)よりやや小さい横長円形状のもので、一側縁61(図7の上縁)を除く外周縁の大部分が本体部51の頂面裏面(内面)に縫着されている。シート部材6には、本体部51頂面の裏面に対向する面(図7ではシート部材6の裏側面)に、例えば漫画的なパンダの顔のような図形部分が縫製等によって描かれている(図示略)。そして、本実施形態ではパンダの頭部両側の適当部分に、折り込まれた状態で耳片62の基端が縫着されている。 【0029】 上側(内側)シート部材7は横長の略半円形のもので、シート部材6の半分よりやや大きい領域を覆って、端縁71(図7の下縁)を除く外周縁が本体部51の頂面裏面(内面)に縫着されている。なお、上記各シート部材6,7は本実施形態では弾性的に延伸変形可能な織り方で製造されている。なお、シート部材6,7を弾性的に延伸変形可能な材料で製造しても良い。 【0030】 このように、本実施形態では、帽子本体5の裏面にこれに沿って平面的な二枚のシート部材6,7が止着されているだけであるから、帽子使用時に従来のように内部の袋体が嵩張って違和感を生じることはない。 【0031】 このような構造の帽子を携行のために収納状態とする場合には、帽子本体5の鍔部52を上下左右で紙面後方へ折り返して(図8)全体を裏返した状態にする(図9)。これにより、本体部51の閉鎖頂面に止着されたシート部材6,7が前面に位置するようになる。この状態で、シート部材7の縫着されていない端縁71を上方へ引き上げつつ(図10)後方へ反転させる(図11)。反転させられたシート部材7は帽子本体5の表面との間に開口を有する袋体を形成し、当該袋体内に帽子本体5の一部が押し込まれる。本実施形態ではシート部材7を弾性的に延伸変形可能な織り方で製造しているから、袋体内に帽子本体5を押し込む際に袋体を構成するシート部材7が延伸変形して帽子本体5を袋体内にスムーズに収容することができる。 【0032】 この状態で、シート部材6の全体が前面に露出するから(図11)、その縫着されていない上縁61を引き下げつつシート部材6を後方へ反転させる(図12)。反転させられたシート部材6は帽子本体5の表面との間に開口81を有する袋体8を形成し(図13)、当該袋体8内にシート部材7と共に帽子本体5の全体が完全に押し込まれる。この際、シート部材7の裏側面に描かれた図形部分9が頭部両側の耳片62を立てつつ袋体8の後面に逆さ状態で露出させられる。 【0033】 そこで、全体の前後および上下を逆にすると、図形部分(漫画的なパンダの顔)9が前面全体に現れた袋体8内に、帽子本体5が完全に押し込み収納された状態となる(図14)。シート部材6は弾性的に延伸変形可能な織り方で製造されているから、袋体8内に帽子本体5を押し込む際に袋体8を構成するシート部材6が延伸変形して帽子本体5を袋体8内にスムーズに収容することができる。本実施形態によっても第1実施形態と同様の効果が得られる。 【符号の説明】 【0034】 1…帽子本体、2…シート部材、22…シート部材の一部、3…図形部分、4…袋体、41…開口、5…帽子本体、6…シート部材、61…シート部材の一部、7…シート部材、71…シート部材の一部、8…袋体、81…開口、9…図形部分。 【図面の簡単な説明】 【0016】 【図1】本考案の第1実施形態における、使用状態の帽子本体の全体側面図である。 【図2】帽子収納過程における、裏返した状態の帽子本体の全体側面図である。 【図3】帽子収納過程における、上半裾部を折り返した状態の帽子本体の側面図である。 【図4】帽子収納過程における、袋体に帽子本体の大部分を押し込み収納した状態の背面図である。 【図5】帽子収納過程における、袋体に帽子本体の全部を押し込み収納した状態の正面図である。 【図6】本考案の第2実施形態における、上下反転させた帽子本体の全体斜視図である。 【図7】上下反転させた帽子本体の平面図である。 【図8】帽子収納過程における、鍔部の一部を折り畳んだ状態の帽子本体の平面図である。 【図9】帽子収納過程における、鍔部を全部折り畳んだ状態の帽子本体の平面図である。 【図10】帽子収納過程における、一方のシート部材を後方へ反転させる際の帽子本体の平面図である。 【図11】帽子収納過程における、一方のシート部材全体を後方へ反転させた状態の帽子本体の正面図である。 【図12】帽子収納過程における、他方のシート部材全体を後方へ反転させる際の帽子本体の正面図である。 【図13】帽子収納過程における、袋体に帽子本体の全部を押し込み収納した状態の背面図である。 【図14】帽子収納過程における、袋体に帽子本体の全部を押し込み収納した状態の正面図である。 |
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