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【発明の名称】自動組立家屋 【早期審査対象出願】 【特許権者】 【識別番号】521119809 【氏名又は名称】坂田 光史 【住所又は居所】千葉県八千代市八千代台南1-24-11 【代理人】 【識別番号】100175787 【弁理士】 【氏名又は名称】山田 龍也 【発明者】 【氏名】坂田 光史 【住所又は居所】千葉県八千代市八千代台南1-24-11 【参考文献】 【文献】 国際公開第2011/120075(WO,A1) 【文献】 特表2000−501148(JP,A) 【文献】 仏国特許出願公開第2552469(FR,A1) 【文献】 中国実用新案第205259354(CN,U) 【文献】 中国特許出願公開第106088342(CN,A) 【文献】 米国特許第3530982(US,A) 【文献】 米国特許出願公開第2020/0190790(US,A1) 【文献】 特開平11−193575(JP,A) 【文献】 特許第6367629(JP,B2) 【文献】 特開昭63−147035(JP,A) 【文献】 特開平08−053948(JP,A) 【文献】 特開平06−193274(JP,A) 【文献】 特開平07−139079(JP,A) 【文献】 特開2003−120056(JP,A) 【文献】 特公昭53−023131(JP,B2) 【調査した分野】(Int.Cl.,DB名) E04B 1/343−1/344 E04H 1/12 【要約】 【課題】屋根をクレーンで吊り上げる必要がなく、簡便に組み立てることが可能な自動組立家屋を提供する。 【解決手段】略直方体状の自動組立家屋1である。屋根部2と、一対の側面部4と、一対の妻面部6と、床部8と、4本の柱10と、を構成要素とし、組立前においては、一対の側面部4および一対の妻面部6が屋根部2と床部8の間に折り込まれた折り畳み構造体で あり、柱10を経由して屋根部2にモータの駆動力を伝達し、駆動力により屋根部2を所定の高さまで上昇させることが可能な自動組立家屋1。 【選択図】図1 【特許請求の範囲】 【請求項1】 略直方体状の自動組立家屋であって、 屋根部と、一対の側面部と、一対の妻面部と、床部と、4本の柱と、を構成要素とし、 組立前においては、前記一対の側面部および前記一対の妻面部が前記屋根部と前記床部の間に折り込まれた折り畳み構造体であり、 前記床部の四隅に前記4本の柱を取り付けるための取付孔が形成されており、 前記屋根部の四隅に前記4本の柱が貫通する貫通孔が形成されており、 前記4本の柱は前記屋根部の前記貫通孔を貫通して、前記床部の前記取付孔に取り付け可能となっており、 前記屋根部は前記貫通孔に前記4本の柱が貫通された状態のまま、前記4本の柱をガイドとして昇降させることが可能な構造となっており、 前記柱を経由して前記屋根部にモータの駆動力を伝達し、前記駆動力により前記屋根部を所定の高さまで上昇させることが可能な自動組立家屋。 【請求項2】 前記4本の柱は円柱状で、その周面にネジ溝が形成されたネジ柱であり、 前記屋根部の四隅に形成された貫通孔が前記ネジ柱のネジ溝と螺合するネジ孔であり、 前記ネジ柱のネジ溝と前記屋根部のネジ孔とを螺合させた状態で前記ネジ柱にモータの駆動力を伝達し、前記駆動力により前記ネジ柱を回転させ、前記屋根部を所定の高さまで上昇させる請求項1に記載の自動組立家屋。 【請求項3】 前記4本のネジ柱の下端部に前記ネジ柱と回転軸を同じくする4個の歯車が取り付けられ、 前記4個の歯車は環状のチェーンで連結されており、 前記チェーンに前記モータの駆動力を伝達し、前記4本のネジ柱を同時に回転させる請求項2に記載の自動組立家屋。 【請求項4】 前記4本の柱の頂部にワイヤを係止し得る滑車が取り付けられ、 前記屋根部の四隅には前記ワイヤを固定するフックが取り付けられており、 前記屋根部のフックに前記ワイヤを固定し、前記ワイヤを前記滑車に係止させた状態で前記ワイヤに前記モータの駆動力を伝達し、前記駆動力により前記ワイヤを巻き取り、前記屋根部を所定の高さまで上昇させる請求項1に記載の自動組立家屋。 【請求項5】 前記4本の柱に取り付けられた4本の前記ワイヤが全て連結されており、 前記ワイヤに前記モータの駆動力を伝達し、前記4本のワイヤを同時に巻き取る請求項4に記載の自動組立家屋。 【請求項6】 前記折り畳み構造体は、前記一対の側面部が高さ方向中央で内折りされ、前記一対の妻面部が前記屋根部と重なる方向に傾倒され、前記一対の側面部および前記一対の妻面部が前記床部と前記屋根部の間に折り込まれた構造のものである請求項1から5までのいずれか一項に記載の自動組立家屋。 【発明の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本発明は、自動組立家屋の技術分野に属する。具体的には、屋根部と、一対の側面部と、一対の妻面部と、床部と、4本の柱と、を構成要素とする自動組立家屋において、モータの駆動力を柱経由で屋根部に伝達することにより、人手を要することなく屋根部を所定の高さまで上昇させることが可能な自動組立家屋に関する。 【背景技術】 【0002】 近年、地震や台風等の災害時等に、一時的に組み立てて設置することが可能な組立家屋の需要が高まっている。特に、運搬時にはコンパクトに折り畳むことができ、簡便に組み立てることが可能な組立家屋が求められている。 【0003】 例えば、組立前においては、家屋の側面部や妻面部を屋根板と床板の間に折り込まれた折り畳み構造をなし、組み立て時にはその折り畳み構造を展開して組み立てるタイプの組立家屋が提案されている(特許文献1乃至3を参照)。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0004】 【特許文献1】 特開昭63−147035 【特許文献2】 特開平11−193575 【特許文献3】 特許6367629 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかし、特許文献1乃至3に記載の組立家屋は、クレーンを使って屋根を所定の高さまで吊り上げて家屋を組み立てる必要があり、簡便に組み立てることが困難であるという課題があった。 【0006】 本発明は、前記のような従来技術が有する課題を解決するものである。すなわち、本発明は、屋根をクレーンで吊り上げる必要がなく、簡便に組み立てることが可能な自動組立家屋を提供するものである。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明者らは、前記従来技術の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた。そして、本発明者は、略直方体状の自動組立家屋において、 (1)屋根部と、一対の側面部と、一対の妻面部と、床部と、4本の柱と、を構成要素とすること; (2)組立前においては、前記一対の側面部および前記一対の妻面部が前記屋根部と前記床部の間に折り込まれた折り畳み構造体であること; (3)前記柱を経由して前記屋根部にモータの駆動力を伝達すること; によって、前記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、前記課題は以下に示す本発明によって解決される。 【0008】 [1]自動組立家屋: 本発明は、略直方体状の自動組立家屋であって、屋根部と、一対の側面部と、一対の妻面部と、床部と、4本の柱と、を構成要素とし、組立前においては、前記一対の側面部および前記一対の妻面部が前記屋根部と前記床部の間に折り込まれた折り畳み構造体であり、前記床部の四隅に前記4本の柱を取り付けるための取付孔が形成されており、前記屋根部の四隅に前記4本の柱が貫通する貫通孔が形成されており、前記4本の柱は前記屋根部の前記貫通孔を貫通して、前記床部の前記取付孔に取り付け可能となっており、前記屋根部は前記貫通孔に前記4本の柱が貫通された状態のまま、前記4本の柱をガイドとして昇降させることが可能な構造となっており、前記柱を経由して前記屋根部にモータの駆動力を伝達し、前記駆動力により前記屋根部を所定の高さまで上昇させることが可能な自動組立家屋;である。 【発明の効果】 【0009】 本発明の自動組立家屋は、屋根をクレーンで吊り上げる必要がなく、簡便に組み立てることが可能である。 【図面の簡単な説明】 【0010】 【図1】本発明の自動組立家屋の一の実施形態を模式的に示す斜視図である。 【図2】図1に示す自動組立家屋の組み立て工程を模式的に示す斜視図であり、組立前の折り畳み構造体を示す。 【図3】図1に示す自動組立家屋について床部の内部構造を模式的に示す斜視図である。 【図4】図1に示す自動組立家屋の組み立て工程を模式的に示す斜視図であり、折り畳み構造体に柱を取り付けた状態を示す。 【図5】図1に示す自動組立家屋の組み立て工程を模式的に示す斜視図であり、屋根部を上昇させている状態を示す。 【図6】図1に示す自動組立家屋の組み立て工程を模式的に示す斜視図であり、屋根部を完全に上昇させた状態を示す。 【図7】図1に示す自動組立家屋の組み立て工程を模式的に示す斜視図であり、妻面部を展開している状態を示す。 【図8】図1に示す自動組立家屋の組み立て工程を模式的に示す斜視図であり、妻面部を完全に展開した状態を示す。 【図9】本発明の自動組立家屋の別の実施形態を模式的に示す斜視図である。 【図10】図9に示す自動組立家屋の組み立て工程を模式的に示す斜視図であり、組立前の折り畳み構造体を示す。 【図11】図9に示す自動組立家屋の組み立て工程を模式的に示す斜視図であり、折り畳 み構造体に柱を取り付けた状態を示す。 【図12】図11に示す自動組立家屋の屋根部とワイヤの固定部分を拡大して模式的に示す概念図である。 【図13】図11に示す自動組立家屋の柱の内部構造を拡大して模式的に示す側面図である。 【図14】図11に示す自動組立家屋の屋根部を引き上げる仕組みを模式的に示す斜視図である。 【図15】図9に示す自動組立家屋の組み立て工程を模式的に示す斜視図であり、屋根部を上昇させている状態を示す。 【図16】図9に示す自動組立家屋の組み立て工程を模式的に示す斜視図であり、屋根部を完全に上昇させた状態を示す。 【図17】図9に示す自動組立家屋の組み立て工程を模式的に示す斜視図であり、妻面部を展開している状態を示す。 【図18】図9に示す自動組立家屋の組み立て工程を模式的に示す斜視図であり、妻面部を完全に展開した状態を示す。 【発明を実施するための形態】 【0011】 以下、発明を実施するための形態について、図面を参照しながらさらに具体的に説明する。但し、本発明は特許請求の範囲に記載された要件を満たす全ての形態を包含し、図面に示された形態のみに限定されるものではない。 【0012】 [1]本発明の特徴: 図1に示す自動組立家屋1は本発明の一の実施形態である。自動組立家屋1は、略直方体状の自動組立家屋であり、屋根部2と、一対の側面部4と、一対の妻面部6と、床部8と、4本の柱10と、を構成要素とする。そして、屋根部2、一対の側面部4、一対の妻面部6および床部8が直方体の6面に対応している。 【0013】 図2に示すように、自動組立家屋1は組立前においては一対の側面部4および一対の妻面部6が屋根部2と床部8の間に折り込まれた折り畳み構造体12となっている。折り畳み構造体12は屋根部2および床部8を平面視した際の面積内に側面部4および妻面部6が収納されたコンパクトな構造である。また、折り畳み構造体12は平板状であるために複数の折り畳み構造体12を積層することも可能である。従って、自動組立家屋1はトラック等に積載して容易に運搬することができるという特徴がある。 【0014】 更に、図3に示すように、自動組立家屋にモータ18を接続すれば、自動で屋根部を所定の高さまで上昇させることもできる。具体的には、前記柱を経由して前記屋根部にモータ18の駆動力を伝達し、前記駆動力により前記屋根部を所定の高さまで上昇させることが可能となるという特徴がある。このような形態は、屋根部をクレーンで吊り上げることなく、自動組立家屋を簡便に組み立てることが可能である。 【0015】 [2]第1の実施形態: 図1乃至図8は本発明の第1の実施形態を示す図である。以下、図1乃至図8に示す自動組立家屋1の例により、本発明の第1の実施形態について説明する。本発明の第1の実施形態においては、図4に示すように、4本の柱10として、円柱状で、その周面にネジ溝が形成されたネジ柱20を用いている。そして、図2に示すように、屋根部2の四隅に形成された貫通孔16がネジ柱のネジ溝と螺合するネジ孔22となっている。 【0016】 図3に示すように、自動組立家屋1は床部8の四隅に4本の柱を取り付けるための取付孔14が形成されており、図2に示すように、屋根部2の四隅に4本の柱が貫通する貫通孔16が形成されている。更に、図4に示すように、4本の柱10は屋根部2の貫通孔1 6を貫通して、床部8の図示されない取付孔に取り付け可能となっている。従って、自動組立家屋1は屋根部2を4本の柱10に係合させた状態で昇降させることが可能である。 【0017】 図4に示すように、自動組立家屋1は、ネジ柱20のネジ溝と屋根部2のネジ孔とを螺合させた状態で用いる。この状態において、ネジ柱20にモータの駆動力を伝達し、前記駆動力によりネジ柱20を回転させる。そうすると、図5に示すように、ネジ柱20の回転に伴って屋根部2は徐々にせり上がる。このため、図6に示すように、屋根部2を所定の高さまで上昇させることができる。 【0018】 また、図3に示すように、自動組立家屋1においては、4本のネジ柱20の下端部にネジ柱と回転軸を同じくする4個の歯車が取り付けられ、4個の歯車は環状のチェーン24で連結されている。即ち、チェーン24にモータ18の駆動力を伝達し、4本のネジ柱を同時に回転させる構造としている。このような構造によれば、1基のモータ18で4本のネジ柱を回転させることができるため、駆動機構を簡素化することができるという利点がある。 【0019】 但し、ネジ柱とモータを連結する方法はこの方法に限定されるものではない。例えば、各々のネジ柱に各1基のモータを直結する方法でネジ柱とモータを連結させてもよい。 【0020】 [3]第2の実施形態: 図9乃至図18は本発明の第2の実施形態を示す図である。以下、図9乃至図18に示す自動組立家屋100の例により、本発明の第2の実施形態について説明する。 【0021】 本発明の第2の実施形態は、自動組立家屋の床部の四隅に4本の柱を取り付けるための取付孔が形成されており、図10に示すように、屋根部102の四隅に4本の柱が貫通する貫通孔116が形成されている。更に、図11に示すように、4本の柱110は屋根部102の貫通孔を貫通して、床部108の取付孔に取り付け可能となっている。従って、自動組立家屋100は屋根部102を4本の柱110に係合させた状態で昇降させることが可能である。 【0022】 また、本発明の第2の実施形態は、図14に示すように、4本の柱の頂部にワイヤ124を係止し得る滑車126が取り付けられ、図12に示すように屋根部102の四隅にはワイヤを固定するフック128が取り付けられているものである。 【0023】 図12乃至図14に示すように、自動組立家屋100においては、屋根部102のフック128にワイヤ124を固定している。具体的には、結合リング132およびワイヤ124の先端に取り付けられた移動フック130を介して、屋根部102のフック128にワイヤ124を固定している。そして、ワイヤ124を柱の頂部に取り付けられた滑車126に係止させた状態で用いる。 【0024】 この状態において、ワイヤ124にモータ118の駆動力を伝達すると、前記駆動力によりワイヤ124が巻き取られる。そうすると、図15に示すように、ワイヤ124の巻取りに伴って屋根部102は徐々に引き上げられる。このため、図16に示すように、屋根部102を所定の高さまで上昇させることができる。 【0025】 また、図14に示すように、自動組立家屋100においては、4本の柱110に取り付けられた4本のワイヤ124が全て連結されている。ワイヤ124にモータ118の駆動力を伝達し、4本のワイヤ124を同時に巻き取る構造としている。 【0026】 具体的には、巻取りリール134、巻取りシャフト136を介して4本のワイヤ124 が全てモータ118に連結されている。このような構造によれば、1基のモータ118で4本のワイヤ124を巻き取ることができるため、駆動機構を簡素化することができるという利点がある。 【0027】 但し、ワイヤとモータを連結する方法はこの方法に限定されるものではない。例えば、各々のワイヤに各1基のモータを連結する方法でワイヤとモータを連結させてもよい。 【0028】 [4]折り畳み構造体: 図2に示す折り畳み構造体12は、図5に示すように、一対の側面部4が高さ方向中央で内折りされ、図7に示すように、一対の妻面部6が屋根部2と重なる方向に傾倒されることによって、図2に示すような一対の側面部4および一対の妻面部6が床部8と屋根部2の間に折り込まれた構造となっているものである。 【0029】 具体的には、図5に示すように、一対の側面部4の上端は屋根部2に係合され、一対の側面部4の下端は床部8に係合されていて、屋根部2がせり上がると、内折りされた状態の一対の側面部4が自動的に展開するように構成されている。 【0030】 一方、図7に示すように、一対の妻面部6の上端は屋根部2に係合されているが、一対の妻面部6の下端は床部8と係合されておらず、自由端となっている。 【0031】 更に、図4に示すように、一対の側面部4が展開された状態において、一対の妻面部6は未だ屋根部2と重なる方向に傾倒されていて、屋根部2に格納されている。即ち、一対の妻面部6は内折りされた一対の側面部4よりも上部(屋根部2に近い側)に折り込まれている。このため、一対の側面部4とは異なり、屋根部2がせり上がっても、一対の妻面部6は自動的に展開されず、作業者が自ら引き出して展開する構造となっている。 【0032】 但し、折り畳み構造体の構造はこの構造に限定されるものではない。例えば、一対の側面部が屋根部と重なる方向に傾倒されているものであってもよいし、一対の妻面部が高さ方向中央で内折りされているものであってもよい。 【0033】 この項では、図2に示す折り畳み構造体12(第1の実施形態の折り畳み構造体)の例で折り畳み構造の説明をした。但し、図10に示す折り畳み構造体112(第2の実施形態の折り畳み構造体)の折り畳み構造も同じ折り畳み構造を採用している。 【0034】 [5]使用方法: 本発明の自動組立家屋は以下のようにして使用する。 【0035】 [5−1]第1の実施形態の場合: 図1乃至図8に示す自動組立家屋1の場合、以下のようにして使用する。 【0036】 (1)図2に示すように、折り畳み構造体12を用意する。この状態においては、一対の側面部4および一対の妻面部6が屋根部2と床部8の間に折り込まれている。 【0037】 (2)次に、図4に示すように、屋根部2の四隅に形成された貫通孔(ネジ孔)に、4本の柱10(ネジ柱20)を貫通させ、4本の柱10(ネジ柱20)を床部8の取付孔に取り付ける。この際、ネジ柱20のネジ溝と屋根部2のネジ孔とを螺合させた状態としておく。 【0038】 (3)ネジ柱にモータの駆動力を伝達し、前記駆動力によりネジ柱を回転させる。そうすると、図5に示すように、屋根部2が徐々にせり上がり、一対の側面部4が展開されてい く。最終的には、図6に示すように、屋根部2が所定の高さまで上昇し、一対の側面部4が完全に展開される。 【0039】 (4)図7に示すように、屋根部2に格納されていた一対の妻面部6を引き出し、図8に示すように、一対の妻面部6を完全に展開する。 【0040】 (5)最後に、図1に示すように、4本の柱10を覆うようにカバー50を取り付けることで、自動組立家屋1が完成する。 【0041】 [5−2]第2の実施形態の場合: 図9乃至図18に示す自動組立家屋100の場合、以下のようにして使用する。 【0042】 (1)図10に示すように、折り畳み構造体112を用意する。この状態においては、一対の側面部104および一対の妻面部106が屋根部102と床部108の間に折り込まれている。 【0043】 (2)次に、図11に示すように、屋根部102の四隅に形成された貫通孔116に4本の柱110を貫通させ、4本の柱110を床部108の取付孔に取り付ける。この際、図12乃至図14に示すように、4本の柱110の頂部に取り付けられた滑車126にワイヤ124を係止し、屋根部102の四隅に取り付けられたフック128にワイヤ124を固定し、ワイヤ124を滑車126に係止させた状態としておく。 【0044】 (3)ワイヤにモータの駆動力を伝達し、前記駆動力により前記ワイヤを巻き取る。そうすると、図15に示すように、屋根部102が徐々に引き上げられ、一対の側面部104が展開されていく。最終的には、図16に示すように、屋根部102が所定の高さまで上昇し、一対の側面部104が完全に展開される。 【0045】 (4)図17に示すように、屋根部102に格納されていた一対の妻面部106を引き出し、図18に示すように、一対の妻面部106を完全に展開する。 【0046】 (5)最後に、図9に示すように、4本の柱110を覆うようにカバー150を取り付けることで、自動組立家屋100が完成する。 【産業上の利用可能性】 【0047】 本発明の自動組立家屋は、例えば、地震や台風等の災害時等に、一時的に組み立てて設置することが可能な組立家屋として利用することができる。 【符号の説明】 【0048】 1:自動組立家屋,2:屋根部,4:側面部,6:妻面部,8:床部,10:柱,12:構造体,14:取付孔,16:貫通孔,18:モータ,20:ネジ柱,22:ネジ孔,24:チェーン,50:カバー,100:自動組立家屋,102:屋根部,104:側面部,106:妻面部,108:床部,110:柱,112:折り畳み構造体,116:貫通孔,118:モータ,124:ワイヤ,126:滑車,128:フック,130:移動フック,132:結合リング,134:リール,136:シャフト,150:カバー |
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本発明はモータの駆動により人手を要する事なく屋根部を所定の高さまで上昇させることで組立が可能な自動組立家屋です。 大地震や大型台風等の被災時等に緊急的に仮設家屋の必要性が高まりますが、現在の仮設ハウスは箱型の形状をしているものが多く、1台の車両に1戸分のハウスしか運搬できません。組立式のハウスもありますが、誰もが組立てられるわけではなく専門の職人が必要で、しかも組立には時間がかかる為に多数のハウスの設置が緊急に必要な災害時の場合は問題があります。そこで運搬時にはコンパクトに折り畳むことができ、数戸分を1台の車両で運搬できて特別な技量がなくても小型発電機1台あれば簡便に組み立てや折り畳んで撤収することが可能な組立家屋を考えてみました。 これは特に被災地に限ることなく建築や土木の現場の仮設建物としても大いに活用できます。 今迄もクレーンを使って屋根を所定の高さまで吊り上げて家屋を組立てるという発明はありましたが、被災地でのクレーン不足や狭い敷地にクレーンを導入することの困難を考えると、本発明は前記のような従来技術が有する課題を解決するものであると思います。 |
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【図1】 |
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【図2】 |
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【図3】 |
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【図4】 |
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【図5】 |
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【図6】 |
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【図7】 |
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【図8】 |
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【図9】 |
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【図10】 |
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【図11】 |
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【図12】 |
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【図13】 |
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【図14】 |
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【図15】 |
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【図16】 |
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【図17】 |
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【図18】 |
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