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土木・建設
 
【発明の名称】打込み杭
【出願人】
【識別番号】514216764
【氏名又は名称】神津 毅
【代理人】
【識別番号】100088306
【弁理士】
【氏名又は名称】小宮 良雄
【代理人】
【識別番号】100126343
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 浩之
【発明者】
【氏名】神津 毅【要約】
【課題】回転を防止して所望の設置場所に簡単に打込むことができ、且つ引抜き抵抗を十分に向上できる打込み杭を提供する。
【解決手段】打込み杭10は棒状本体部12の先端部に設けられた打撃部12cと、打撃部12cに加えられる打撃により地中に打ち込まれる打込み部12aと、打込み部12aが地中に打ち込まれたとき、地上に突出する部分に細長材を保持する保持部12bとを備え、打込み部12aの周面に、前記周面と外側端との間隔Lが棒状本体部12の後端部側に次第に幅狭となる幅狭部を有する複数の第1矢羽根板16aと、前記幅狭部を有し、第1矢羽根板16aと同数枚の第2矢羽根板16bとの各取付端部が打込み部12aの長軸に対して傾斜して取り付けられており、第1矢羽根板16aの前記取付端部と第2矢羽根板12bの前記取付端部との打込み部12aの長軸に対する傾斜方向が逆方向であるものである。
【選択図】 図1
選択図
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状本体部の先端部に設けられた打撃部と、前記打撃部に加えられる打撃により地中に打ち込まれる打込み部と、前記打込み部が地中に打ち込まれたとき、地上に突出する部分に細長材を保持する保持部とを備える打込み杭であって、
前記打込み部の周面に、前記周面と外側端との間隔が前記棒状本体部の後端部側に次第に幅狭となる幅狭部を有する複数枚の第1矢羽根板と、前記幅狭部を有し、前記第1矢羽根板と同数枚の第2矢羽根板との各取付端部が前記打込み部の長軸に対して傾斜して取り付けられており、
前記第1矢羽根板の前記取付端部と前記第2矢羽根板の前記取付端部との前記打込み部の長軸に対する傾斜方向が逆向であることを特徴とする打込み杭。
【請求項2】
前記第2矢羽根板の各々は、前記打撃部側から見たとき、隣り合う前記第1矢羽根板間の中間に位置していることを特徴とする請求項1に記載の打込み杭。
【請求項3】
前記第1矢羽根板と前記第2矢羽根板とは、前記打込み部の長手方向に間隔を介して前記打込み部の周面に取り付けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の打込み杭。
【請求項4】
前記第1矢羽根板及び前記第2矢羽根板の各々が二枚であることを特徴とする請求項2に記載の打込み杭。
【請求項5】
前記第1矢羽根板と前記第2矢羽根板との各取付端部での前記打込み部の長軸に対する傾斜角が5〜10°であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の打込み杭。
【請求項6】
前記打込み杭が、農業用打込み杭である請求項1〜5のいずれかに記載の打込み杭。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は回転を防止しつつ打ち込むことができ、且つ引抜き抵抗を十分に向上できる打込み杭に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ビニールハウス等に用いられる農業用パイプハウスを支える簡便な杭として螺旋杭が従来から使用されている。螺旋杭は、軟弱地盤では全体として抜け抵抗が小さいだけでなく、ビニールハウス等に強風等の外力を繰返し受けると、土壌と共に抜けてしまうおそれがある。また、螺旋杭の先端部には、通常、農業用パイプハウスのパイプを保持する保持部が設けられているが、螺旋杭を旋回しつつ地盤に食い込ませる際に、地盤への食い込みが完了した螺旋杭の把持部の向き等を考慮することを要する。
【0003】
このような従来の螺旋杭に対し、引抜き抵抗が向上された杭として、特許文献1に、平面部を持つ抵抗板と、当該抵抗板の平面部の中央に一端が固着され、他端に根がらみ固定部が形成された本体棒から成るアンカー杭が記載されている。更に、特許文献2に、先細打込み端部が地中に打込まれるアンカー杭と、この先細打込み端部の周方向に間隔をおいて形成された複数の円弧状案内部と、この円弧状案内部の各々に打ち込まれる円弧状長尺体とを具備する打込み杭が記載されている。
【0004】
また、引抜き抵抗を向上した杭として、先端にかえしを有する矢じり部を設けた杭(特許文献3)が記載されている。更に、杭を打込む際に、杭の回転を防止すべく、地中に埋設される部分に回転防止板を突設する杭(特許文献4)が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−161442号公報
【特許文献2】特開2007−262686号公報
【特許文献3】特開平5−3335号公報
【特許文献4】特開平5−127600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のアンカー杭及び特許文献2の打込み杭によれば、螺旋杭よりも引抜き抵抗を向上できる。しかし、特許文献1のアンカー杭を用いる場合には、その抵抗板を埋設する穴を掘削しなければならず、農業用パイプハウスのように多数本のアンカー杭を要する場合は、多数個の抵抗板の埋設穴を掘削することが必要となり、その手間が多大である。更に、特許文献2の打込み杭でも、アンカー杭と弧状長尺体とを別々に打込むことを要し、打込み作業が煩雑である。また、引用文献3の杭や引用文献4の杭は、所望位置に簡単に設置できるものの、矢じり部や回転防止板の取付端部は杭の長軸に沿っており、引抜き抵抗を十分に向上することは困難である。
【0007】
本発明は、前記の課題を解決するためになされたもので、回転を防止しつつ所望の設置場所に杭を簡単に設置でき、且つ引抜き抵抗を十分に向上できる打込み杭を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するためになされた本発明は、棒状本体部の先端部に設けられた打撃部と、前記打撃部に加えられる打撃により地中に打ち込まれる打込み部と、前記打込み部が地中に打ち込まれたとき、地上に突出する部分に細長材を保持する保持部とを備える打込み杭であって、前記打込み部の周面に、前記周面と外側端との間隔が前記棒状本体部の後端部側に次第に幅狭となる幅狭部を有する複数枚の第1矢羽根板と、前記幅狭部を有し、前記第1矢羽根板と同数枚の第2矢羽根板との各取付端部が前記打込み部の長軸に対して傾斜して取り付けられており、前記第1矢羽根板の前記取付端部と前記第2矢羽根板の前記取付端部との前記打込み部の長軸に対する傾斜方向が逆向であることを特徴とする打込み杭である。
【0009】
前記第2矢羽根板の各々は、前記打撃部側から見たとき、隣り合う前記第1矢羽根板間の中間に位置していることが、打込みの中の杭の傾きを防止でき好ましい。
【0010】
前記第1矢羽根板と前記第2矢羽根板とは、前記打込み部の長手方向に間隔を介して前記打込み部の周面に取り付けられていることが、打込み部の同一周面に取り付けられる矢羽根板の枚数を少なくでき、各矢羽根板の取付端部の取り付けを簡単に行うことができ好ましい。
【0011】
前記第1矢羽根板及び前記第2矢羽根板の各々が二枚である打込み杭が、簡易な構造で簡単に打込みができ且つ引抜き抵抗を螺旋杭よりも大きくでき好ましい。
【0012】
前記第1矢羽根板と前記第2矢羽根板との各取付端部での前記打込み部の長軸に対する傾斜角が5〜10°であることが、打込みを簡単にでき且つ引抜き抵抗を螺旋杭よりも大きくでき好ましい。
【0013】
前記打込み杭は、農業用打込み杭として好適に用いることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の打込み杭によれば、回転を防止しつつ地中に簡単に打込むことができ、杭の打込み前に保持部材が確実に挿入されるように位置決めした棒状部材の保持部の向きを打込み完了時にも保持できることから、打込み杭を所望の設置場所に簡単に設置できる。また、第1矢羽根板及び第2矢羽根板は、各取付端部が打込み部の長軸に対して傾斜して取り付けられており、第1矢羽根板の取付端部と第2矢羽根板の取付端部との打込み部の長軸に対する傾斜方向が逆方向であることから、棒状本体部の打撃部に加えられた打撃により地中に進入した第1矢羽根板と第2矢羽根板とで確実に地盤を把持でき、杭の引抜き抵抗を大きくできる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明を適用する打込み杭の正面図である。
【図2】本発明を適用する打込み杭の部分斜視図である。
【図3】本発明を適用する打込み杭に取り付けられた各矢羽根板の側面図である。
【図4】本発明を適用する打込み杭の打込み前の状態を示す正面図である。
【図5】本発明を適用する打込み杭の打込み途中の状態を示す正面図である。
【図6】図5に示すX−X線での断面図である。
【図7】本発明を適用する打込み杭について、打込み完了の状態を示す正面図である。
【図8】本発明を適用する打込み杭について、他の態様を示す部分正面図である。
【図9】本発明を適用する打込み杭について、他の態様を示す部分正面図である。
【図10】本発明を適用する打込み杭について、他の態様を示す部分正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。
【0017】
本発明の打込み杭一例を図1に示す。図1は打込み杭10の正面図であって、鉄製の棒状本体部12の先端部に打撃部12cが設けられ、棒状本体部12の後端部に打込端12dが設けられている。打撃部12cの直近の打込端12d側に保持部12bが設けられている。保持部12bは、後述するように地面に載置されたパイプを地面との間で保持できるように、逆U字状部材が棒状本体部12の打撃部12cの直近周面に溶接されて取り付けられている。また、打撃部12cの先端面はハンマー22等の打撃具で打撃される打撃面である。
【0018】
保持部12bよりも棒状本体部12の打込端12d側が、打撃部12cの打撃面への打撃により地盤内に打ち込まれる打込み部12aである。この打込み部12aの打込端12d側の周面に、二枚の第1矢羽根板16a,16aが、打込み部12aを回転中心とする回転対称となるように取り付けられている。第1矢羽根板16a,16aの各々は、幅約2cm、長さ約10cmの短冊状板であって、打込み部12aに対する突出角αで先端が斜め上方に突き出されている。このように打込み部12aの周面に取り付けられた第1矢羽根板16aには、その外側縁と打込み部12aの周面との間隔Lが打込端12d側に次第に幅狭となる幅狭部が形成されている。更に、第1矢羽根板16a,16aの各取付端は、図3(a)に示すように打込み部12aの長軸に対して傾斜角θで同一方向に傾斜している。尚、第1矢羽根板16a,16aの各先端面は、打込み部12aに対して平行である
【0019】
図1に示す打込み杭10は、図2に示すように、第1矢羽根板16a,16aよりも打撃部12c側の打込み部12aの周面に、第2矢羽根16b,16bが、打込み部12aを回転中心とする回転対称となるように取り付けられている。第2矢羽根板16b,16bは、第1矢羽根板16a,16aと同様に、幅約2cm、長さ約10cmの短冊状板であって、先端が打撃部12cの方向に斜めに突き出されている。この第2矢羽根板16b,16bの各々は、第1矢羽根板16a,16a間の中間に位置しており、打撃部12c側から見たとき、第1矢羽根板16a,16aと第2矢羽根板16b,16bとは、十字状に打込み部12aの周面に取り付けられている。第2矢羽根板16b,16bでも、その外側縁と打込み部12aの周面との間隔Lが打込端12d側に次第に幅狭となる幅狭部が形成されている。
【0020】
第2矢羽根板16b,16bの各々は、打込み部12aに対して第1矢羽根板16a,16aと同一の突出角αで斜め上方に突き出されている。更に、第2矢羽根板16b,16bの各取付端は、図3(b)に示すように打込み部12aの長軸に対して傾斜角θで傾斜している。図1及び図2に示す第2矢羽根板16b,16bの各取付端の打込み部12aの長軸に対する傾斜方向は、図2及び図3に示すように第1矢羽根板16a,16aの各取付端部の打込み部12aの長軸に対する傾斜方向と逆向である。
【0021】
このような第1矢羽根板16a及び第2矢羽根板16bの突出角αは25〜45°とすることが好ましい。この突出角αが25°未満の打込み杭10は、その引抜き抵抗が低くなる傾向があり、突出角αが45°を超える打込み杭10は、打ち込みし難くなる傾向がある。また、第1矢羽根板16a及び第2矢羽根板16bの各取付端部の傾斜角θは5〜10°とすることが好ましい。この傾斜角θが5°未満の打込み杭10は、その引抜き抵抗が小さくなる傾向があり、傾斜角θが10°を超える打込み杭10は、打ち込みし難くなる傾向がある。
【0022】
図1〜図3に示す打込み杭10を地面に垂直に打ち込む場合の当初位置を図4に示す。打込み杭10を、地面上に載置するハウス用のパイプ20の直上に逆U字状の保持部12bの開口部が位置するように位置決めした後、打撃部12cにハンマー22で打撃を加えて打込端12dを地盤18内に打ち込む。第1矢羽根板16a,16a及び第2矢羽根板16b,16bが地盤18内への打ち込み途中の打込み杭10の状態を図5に示す。このように第1矢羽根板16a,16a及び第2矢羽根板16b,16bが地盤18内に打ち込まれた打込み杭10は、棒状本体部12が回転することなく打ち込まれ、保持部12bの開口部は当初位置を維持している。この状態で保持部12bの開口部の直下の地面上にパイプ20を載置する。
【0023】
棒状本体部12が回転することなく打込み杭10が打ち込まれた理由を図6で説明する。図6は、図5に示すX−X線での断面図であって、第1矢羽根板16a,16aと第2矢羽根板16b,16bとは十字状に打ち込み部12aに設けられ、且つ第1矢羽根板16a,16aと第2矢羽根板16b,16bとの傾斜角θは互いに等しいが、その打込み部12aの長軸に対する傾斜方向は逆方向である。このため、第1矢羽根板16a,16a及び第2矢羽根板16b,16bが打ち込まれる際に、図6の矢印で示すように、第1矢羽根板16a,16aが地盤18に生じる回転トルクと第2矢羽根板16b,16bに生じる回転トルクとは、その大きさは略等しいものの、その向きが逆方向であることから、互いに打ち消し合って、棒状本体部12の回転を防止できる。
【0024】
更に、第2矢羽根板16b,16bの各々は、図6に示すように第1矢羽根板16a,16a間に第2矢羽根板16bが位置することから、打込み杭10を地盤18内に打ち込む際に、棒状本体部12が一方側に傾斜し、保持部12bの開口部の位置が当初位置と異なることも防止できる。このように棒状本体部12の回転及び傾斜を防止しつつ地盤18内に打ち込まれた打込み杭10は、図7に示すように地盤18の地面に載置したパイプ20を逆U字状の保持部12b内に挿入し保持できる。
【0025】
図7に示すように地盤18内に打ち込まれた打込み杭10は、引き抜く際に、第1矢羽根板16a,16a及び第2矢羽根板16b,16bの各傾斜面のうち、引き抜き方向の傾斜面が地盤18と接しており、その引き抜き抵抗を大きくできる。一方、第1矢羽根板16a,16a及び第2矢羽根板16b,16bの各斜角αを0°とした打込み杭は、打込み杭10よりも引き抜き抵抗が小さくなる。また、長さ65cmの棒状本体部12の打込端12dから5〜10cmの箇所に第1矢羽根板16a,16a(第1矢羽根板16a:幅 2cm、長さ 10cm、突出角α 45°、傾斜角θ 5〜10°)と、第1矢羽根板16a,16aから10cmの箇所に第2矢羽根板16b,16b(第1矢羽根板16b:幅2 cm、長さ 10cm、突出角α 45°、傾斜角θ 5〜10°)とを設けた打込み杭10の引き抜き抵抗は200〜300kgであった。この引き抜き抵抗の測定では、打込み杭10に所定の引き抜く力を加えたとき、打込み杭10は一気に抜き出た。これに対し、市販の略同一サイズの螺旋杭の引抜き抵抗は150〜200kgであった。この螺旋杭の引き抜き抵抗の測定では、螺旋杭に150〜200kgよりも小さな引き抜き力を加えたときでも、その一部が抜き出る現象が見られた。また、打込み杭10を地盤18に打ち込む際に、第1矢羽根板16a,16a及び第2矢羽根板16b,16bのいずれかが石に当たっても、その矢羽根板が曲がって地中に進入できる。このように矢羽根板が曲がることにより、打込み杭10の引抜き抵抗値を向上できる。尚、図4〜図7では、地面に対して打込み杭10を垂直に打ち込む場合を説明したが、当初から地面上にパイプ20を載置して打込み杭10を地面に斜めに打ち込んでもよい。
【0026】
このように棒状本体部12の回転及び傾斜を防止しつつ地盤18内に打ち込むことができ、且つ引抜き抵抗を向上できる図1〜図7に示す打込み杭は、地盤18に簡単に打込むことができることから農業用打込み杭、特にビニールハウス等に用いられる農業用パイプハウスを支える多数本の打込み杭に好適に用いることができる。更に、図1〜図7に示す打込み杭を用いたビニールハウスは、強風が繰り返し吹き付けても、打込み杭が抜き出る事態を防止できる。
【0027】
図1〜図7に示す打込み杭10は、第1矢羽根板16a,16aと第2矢羽根板16b,16bとを打込み部12aの長手方向に間隔を置いて設けており、硬い地盤18内に第1矢羽根板16a,16aが打ち込まれたとき、棒状本体部12が若干回転するおそれがある。このようなおそれを解消するには、図8に示すように第1矢羽根板16a,16aと第2矢羽根板16b,16bとを打込み部12aの同一周縁に設けることが好ましい。また、第1矢羽根板16a,16aと第2矢羽根板16b,16bとの各々を、図9(a)に示すように短冊状板とし、その先端面を打込み部12aに対して傾斜するようにしてもよく、図9(b)に示すように三角形板としてもよい。更に、図1〜図7に示す打込み杭10は、第1矢羽根板16a,16aと第2矢羽根板16b,16bとの各々に二枚の矢羽根を設けていたが、第1矢羽根板16a,16aと第2矢羽根板16b,16bとの各々に三枚以上の矢羽根板を設けてもよく、第2矢羽根板16bの各々は、棒状本体部12の先端部側から見たとき、隣り合う第1矢羽根板16a,16aの間の中間に位置するように設けることが好ましい。但し、打込み部12aの同一周縁に多数枚の矢羽根板の後端を溶着することは、その溶着作業を困難となる傾向があり、同一周縁に溶着する矢羽根板の枚数は4枚程度にすることが好ましい。更に、棒状本体部12に取り付ける複数枚の矢羽根板の大きさ及び形状を同一とすることにより、打込み杭10を打込む際に、棒状本体部12の回転を更に一層防止できる。尚、図1〜図9の第1矢羽根板16a,16a及び第2矢羽根板16b,16bは、その各取付端から所定角度で矢羽根板の全体が傾斜していたが、取付端よりも若干外側寄りの箇所で捩れ矢羽根板の実質的全体が所定角度で傾斜していてもよい。
【0028】
図1〜図7に示す打込み杭10は、保持部12bが逆U字状であったが、図10(a)に示すようにU字状の保持部12bとしてもよく、環状の保持部12bとしてもよい。U字状の保持部12bや環状の保持部12bの打込み杭10は、打込み部12aを地盤18内に打ち込んだ後に保持部12bにパイプやロープ等を保持させることができる。また、図10(c)に示すように打撃部12cを打込み部12aよりも太くし且つ打撃面である上端面を平坦面としてもよく、棒状本体部12の先端部に環状の保持部12bを設け、その上部に平坦な打撃部12cとしての平坦面を設けてもよい。尚、図1〜図10に示す打込み杭10の棒状本体部12は、丸断面のものを用いたが、楕円形や四角形等の任意の形状のものを用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明に係る打込み杭はパイプやロープ等を保持する打込み杭として用いることができ、特にビニールハウス等に用いられる農業用パイプハウスを支える農業用打込み杭にとして好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0030】
10:杭、12:棒状本体部、12a:打込み部、12b:保持部、12c:打撃部、12d:打込端、16a:第1矢羽根板、16b:第2矢羽根板、18:地盤、20:パイプ、22:ハンマー、L:第1矢羽根板16aの外側縁と打込み部12aの周面との間隔、α:突出角、θ:傾斜角
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5
【図6】
図6
【図7】
図7
【図8】
図8
【図9】
図9
【図10】
図10
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