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【発明の名称】リップ溝形鋼用取付け具 【特許権者】 【識別番号】501189152 【氏名又は名称】倉本 謙二 【住所又は居所】静岡県浜松市中瀬70−2 【代理人】 【弁理士】 【識別番号】100097700 【氏名又は名称】増田 恒則 【発明者】 【氏名】倉本 謙二 【住所又は居所】静岡県浜北市根堅215−14 【特許請求の範囲】 【請求項1】 リップ溝形鋼(16)の背辺(16a)に沿う上辺(18a)、一方の側辺(16b)に沿う側辺(18b)及び一方のリップ辺(16c)に沿う下辺(18c)を連続して有するコ字状の主体(18)を設け、前記主体(18)の短手方向両側に内方に突出するフランジ(19)を設けるとともに、前記下辺(18c)の両側に設けた下部フランジ(19b)にリップ溝形鋼(16)の一方のリップ辺(16c)が係合するフック部(20)を形成し、前記上辺(18a)にブラケット(27)締結用の締結ボルト(26)が螺合するねじ孔21を形成し、前記下辺(18c)に前記一方のリップ辺(16c)に係止する止めボルト(25)が螺合するねじ孔(22)を形成し、前記各ねじ孔(21,22)間に長尺物を保持する係止具(32)が係止する複数の係止孔(23)を形成したことを特徴とするリップ溝形鋼用取付け具。 【請求項2】 主体(18)の上辺(18a)に形成したねじ孔(21)にL形のブラケット(27)を着脱可能に起立固定し、該ブラケット(27)の起立片(27a)に縦杆(31)を着脱可能に起立固定したことを特徴とする請求項1記載のリップ溝形鋼用取付け具。 【発明の詳細な説明】 【発明の属する技術分野】 本発明は、例えば、建築物の鉄骨支柱に水平配置して取付けられたリップ溝形鋼に、電線物あるいは配管物等の長尺物を係止する取付け具に関するものである。 【従来の技術】 従来の技術として、図7、図8に示すものがあった。図7において、1はリップ溝形鋼用の取付け具であり、長方形状の主板2の短手方向両側に下方に突出するフランジ3を形成し、該フランジ3の両端部に外端が開口する係合溝4を形成し、上記主板2の右端部にねじ孔5を、該主板2の内周部に複数の円形孔6、及び長孔7を形成する。 図8は上記取付け具1を介してリップ溝形鋼8に電線管9を取り付けたものである。図8において、8は建築物の鉄骨支柱9に取付けられた外壁支持用のリップ溝形鋼であり、下向きにかつ水平に配置して取り付けられている。このリップ溝形鋼8に上記取付け具1を取り付ける際には、該取付け具1を上下逆向きにしてその左右の係合溝4,4を上記リップ溝形鋼8の左右のリップ辺8a,8aに嵌合させ、主板2のねじ孔5に下方からボルト11をねじ込み、その先端(上端)で左部のリップ辺8aを下方から押圧する。これにより上記ボルト11と左部の係合溝4の上辺とで左部のリップ辺8aを挟持し、取付け具1をリップ溝形鋼8に固定する。 次いで2個一対の円弧状の挟持具12,12を互いに対面させてその脚部(上端)を主板2の円形孔6に係合させ、各挟持具12,12間に電線管9を挿通した後、各挟持具12,12の下端部をボルト・ナット13により対面方向に引き寄せて上記電線管9を挟持する。これにより、上記電線管9を挟持具12,12、及び取付け具1を介してリップ溝形鋼8に係止する。10は上記電線管9内に挿通した被覆電線である。 【発明が解決しようとする課題】 上記従来の取付け具1は、リップ溝形鋼8の開口側に取り付けるようになっているため、電線管9がリップ溝形鋼8の下面側で懸垂支持され、該電線管9がリップ溝形鋼8から垂れ易く、安全性が乏しくなる。本発明は上記不具合を解消した新規なリップ溝形鋼用取付け具を得ることを目的とする。 【課題を解決するための手段】 本発明は、上記目的を達成するために以下の如く構成したものである。即ち、請求項1に係る発明は、リップ溝形鋼(16)の背辺(16a)に沿う上辺(18a)、一方の側辺(16b)に沿う側辺(18b)及び一方のリップ辺(16c)に沿う下辺(18c)を連続して有するコ字状の主体(18)を設け、前記主体(18)の短手方向両側に内方に突出するフランジ(19)を設けるとともに、前記下辺(18c)の両側に設けた下部フランジ(19b)にリップ溝形鋼(16)の一方のリップ辺(16c)が係合するフック部(20)を形成し、前記上辺(18a)にブラケット(27)締結用の締結ボルト(26)が螺合するねじ孔21を形成し、前記下辺(18c)に前記一方のリップ辺(16c)に係止する止めボルト(25)が螺合するねじ孔(22)を形成し、前記各ねじ孔(21,22)間に長尺物を保持する係止具(32)が係止する複数の係止孔(23)を形成する構成にしたものである。また、請求項2に係る発明は、上記主体(18)の上辺(18a)に形成したねじ孔(21)にL形のブラケット(27)を着脱可能に起立固定し、該ブラケット(27)の起立片(27a)に縦杆(31)を着脱可能に起立固定したものである。 【発明の実施の形態】 以下、本発明の実施の形態を図面に基いて説明する。図面において、図1は本発明の実施例を示す断面図、図2は図1の要部拡大断面図、図3は本発明による取付け具の断面図、図4は図3の平面図、図5は図3のV-V断面図、図6は縦杆の斜視図である。 図1〜図2において、15はH形鋼からなる建物の鉄骨支柱、16は上記鉄骨支柱15の側辺に固定された外壁支持用のリップ溝形鋼である。該リップ溝形鋼16は下向きにかつ水平に配置され、上記鉄骨支柱15の側面に上下に所定の間隔をおいて固定されている。上記リップ溝形鋼16に取付け具17、縦杆31を介して配線・配管等の長尺物35、35’を係止する。 上記取付け具17は鋼板材により図2〜図5に示すように形成されている。即ち、上記リップ溝形鋼16の背辺16aに沿う上辺18a、一方の側辺16bに沿う側辺18b及び一方のリップ辺16cに沿う下辺18cを連続して有する異形コ字状の主体18を形成するとともに、該主体18の短手方向両側に内方に突出するフランジ19を形成する。このフランジ19は主体18の上辺18a及び側辺18bの両側に形成する周フランジ19a、及び主体18の下辺18cに形成する下部フランジからなり、周フランジ19aは等幅で短く突出させ、該周フランジ19aにより、主体18の曲げ剛性を高くするとともに、取付け具17をリップ溝形鋼16に取り付けた際に、上記主体18とリップ溝形鋼16の外面との間に所定の間隙を発生させる。 また、上記下部フランジ19bは大きく内方(図2において上方)に突出させ、該下部フランジ19bの基部にスリット19cを形成し、該下部フランジ19b及びスリット19cによりリップ溝形鋼16の一方(図2おいて右部)のリップ辺16cが係合するフック部20を形成する。 上記主体18の両端部、即ち、上辺18aの左端部と下辺18cの基部とにねじ孔21,22を形成する。なお、上記下辺18c側のねじ孔22は前述したフック部20の直下方に形成する。また、上記主体18に複数の係止孔23を形成する。即ち、上辺18aに2個の等径の上部係止孔23a,23bを、側辺18bに大小3個の側部係止孔23c〜23eを、下辺18に1個の下部係止孔23fをそれぞれ形成する。なお、上記各係止孔23a〜23fの径及び形状は係止物の種類によって適宜設定する。 前述した縦杆31は、図6に示すように、開口側の各リップ辺31aが溝形に屈曲され、また、断面積が前述したリップ溝形鋼16の2分の1〜3分の1となる軽量小型のリップ溝形鋼からなり、これを所定の長さ、本例では上下に配列されたリップ溝形鋼16,16’の間隔に略対応する長さに切断して形成する。 前述した取付け具17及び縦杆31は、図1、図2に示すようにしてリップ溝形鋼16に取付ける。即ち、その上部及び右側部を上記リップ溝形鋼16の上面及び右側面に沿わせ、そのフック部20をリップ溝形鋼16の右部のリップ辺16cに係合させる。次いで、下部のねじ孔22に止めボルト25をねじ込み、その先端(上端)で上記リップ辺16cを下方から押圧する。これにより上記止めボルト25とフック部20とで左部のリップ辺16cを挟持し、取付け具17をリップ溝形鋼16に固定する。 次に上記取付け具17の上辺18aのねじ孔21に締結ボルト26を介してL形のブラケット27を締付け固定し、該ブラケット27の起立辺27aに他の締結ボルト及び当て金28を介して縦杆31の下部を締付け固定し、該縦杆31の上端部を上段側のリップ溝形鋼16’の左側部に接近させる。また、上記上段側のリップ溝形鋼16’の下面側に従来と同様の取付け具1を左部側でボルト11を介して取り付ける。このとき、上記ボルト11によりL形の上部ブラケット29を下向きにして共締め固定する。そして、該上部ブラケット29の垂下辺29aにボルト及び当て金30を介して上記縦杆31の上部を締付け固定する。 この状態で係止具32,32’を介して上記取付け具17及び縦管31に所定の長尺物35,35’、本例では配線管を係止する。即ち、取付け具17においては、2個一対の円弧状の挟持片32a,32aを互いに対面させてその脚部(下端)を主体18の上部係止孔23a,23bに係合させ、各挟持片32a,32a間に電線管35を挿通した後、各挟持片32a,32aの上端部をボルト・ナット32bにより対面方向に引き寄せて上記電線管35を挟持する。これにより、上記電線管35を係止具32を介して取付け具17、従って下部のリップ溝形鋼16に係止する。36は上記電線管35内に挿通した被覆電線である。 また、縦杆31においては、一対の円弧状の挟持片32c,32cを脚部側で互いに連結された係止具32’を設け、該係止具32’をその脚部側で縦杆31の開口部に係合させ、各挟持片32c,32c間に電線管35’を挿通した後、各挟持片32c,32cの開放側端部をボルト・ナット32dにより対面方向に引き寄せて上記電線管35’を挟持する。これにより、上記電線管35’を係止具32’を介して縦杆31、従って上下のリップ溝形鋼16’,16間に係止する。なお、上記長尺物35,35’はガス管、被覆電線等であってもよく、この場合、上記係止具32はこれらに対応するものに適宜変更する。 【発明の効果】 以上説明した如く、請求項1に係る発明は、取付け具を下向きになっているリップ溝形鋼の背面(上面)側に取り付けることができ、該取付け具により係止した配線等の長尺物がリップ溝形鋼の背面側で支持されることになる。このため、上記長尺部をリップ溝形鋼に安定して支持することができる。 また、請求項2に係る発明は、上記取付け具に縦管を起立固定するようにしたので、各リップ溝形鋼の上下間に縦杆を所定ピッチで配列することができ、該縦杆により、各リップ溝形鋼の上下のスペースを活用して他の長尺物を支持することができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】図1は本発明の実施例を示す断面図である。 【図2】図1の要部拡大断面図である。 【図3】本発明による取付け具の断面図である。 【図4】図3の平面図である。 【図5】図3のV-V断面図である。 【図6】縦杆の斜視図である。 【図7】従来の取付け具の斜視図である。 【図8】従来の取付け具の使用状態を示す断面図である。 【符号の説明】 15 鉄骨支柱 16,16’ リップ溝形鋼 16b 背辺 16b 側辺 16c リップ辺 17 取付け具 18 主体 18a 上辺 18b 側辺 18c 下辺 19 フランジ 19a 周フランジ 19b 下部フランジ 19c スリット 20 フック部 21,22 ねじ孔 23 係止孔 23a,23b 上部係止孔 23c〜23e 側部係止孔 23f 下部係止孔 25 止めボルト 26 締結ボルト 27 ブラケット 27a 起立辺 28 締結ボルト 29 上部ブラケット 29a 垂下辺 30 締結ボルト 31 縦杆 31a リップ辺 32,32’ 係止具 32a、32c 挟持片 32b,32d ボルト・ナット 35,35’ 長尺物(電線管) 36 被覆電線 |
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【図1】 |
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【図2】 |
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【図3】 |
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【図4】 |
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【図5】 |
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【図6】 |
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【図7】 |
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【図8】 |
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