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【発明の名称】組立体 【識別番号】519254978 【氏名又は名称】元谷 友宏 【住所又は居所】北海道北見市美山町南5丁目129番地10美山第二団地6-24 【代理人】 【識別番号】100122426 【弁理士】 【氏名又は名称】加藤 清志 【発明者】 【氏名】元谷 友宏 【住所又は居所】北海道北見市美山町南5丁目129番地10美山第二団地6-24 【要約】 【課題】意匠性を向上する。 【解決手段】組立体10では、連結部材ユニット30が、枠部材20における2箇所の角連結部22に架け渡されて、隣接する枠部材20同士を連結する。そして、連結部材ユニット30が、それぞれの枠部材20における開口部26内(開口凹部26A内)に配置される。これにより、組立体10では、連結部材ユニット30が枠部材20の開口部26(開口凹部26A内)内に配置されるため、組立体10の外周部を、枠部材20の外周面20Aのみによって構成することができる。その結果、組立体10における枠部材20の外周面20A同士の合わせ部の美観を向上することができる。したがって、組立体10の意匠性を向上することができる。 【選択図】図1 【特許請求の範囲】 【請求項1】 互いに隣接して配置された複数の枠状の枠部材と、前記枠部材を連結する連結部材と、を備えた組立体であって、 前記枠部材の外形は平面視で正三角形に形成されると共に、前記枠部材は内部に開口部を有する六面体に形成されており、 隣接する枠部材では、一方の前記枠部材及び他方の前記枠部材の2箇所の角部の頂点を合わせた状態で、隣接する前記枠部材の外周面同士が当接され、 前記連結部材は、前記枠部材における2箇所の角部に架け渡されて隣接する前記枠部材の角部を連結すると共に、前記開口部内に配置されていることを特徴とする組立体。 【請求項2】 前記枠部材の6箇所の外周面は、前記枠部材における3箇所の角部の頂点を通過する基準面に対して傾斜し、それぞれの外周面の前記基準面に対する傾斜角度が同じに設定されており、 隣接する前記枠部材では、一方の前記枠部材の平面視で、他方の前記枠部材における一方の前記枠部材の角部に当接していない角部の頂点が、一方の前記枠部材の中央部に配置されるように、前記枠部材の外周面の前記基準面に対する傾斜角度が設定されていることを特徴とする請求項1に記載の組立体。 【請求項3】 前記枠部材の角部には、前記開口部側へ開放された凹状の嵌合凹部が形成されており、 前記連結部材は、 長尺状に形成され、長手方向に伸縮可能に構成された一対の伸縮部材と、 一対の前記伸縮部材に装着され、前記伸縮部材を伸長させる方向に付勢する付勢部材と、 を含んで構成されており、 一方の前記伸縮部材が、一方の前記枠部材の2箇所の角部に架け渡されて、一方の前記伸縮部材の長手方向両端部が、当該角部の前記嵌合凹部に嵌合すると共に、 他方の前記伸縮部材が、他方の前記枠部材の2箇所の角部に架け渡されて、他方の前記伸縮部材の長手方向両端部が、当該角部の前記嵌合凹部に嵌合する請求項1又は請求項2に記載の組立体。 【請求項4】 前記伸縮部材の長手方向両端部には、前記嵌合凹部と嵌合される被嵌合部が形成されており、 前記連結部材は、前記被嵌合部と前記付勢部材との間に配置された一対のワッシャを有している請求項3に記載の組立体。 【発明の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本発明は、組立体に関するものである。 【背景技術】 【0002】 下記特許文献1に記載の組立体は、三角形構成部品とポストコネクタとを含んで構成されている。そして、ポストコネクタを三角形構成部品の辺に組付けることで、組立体を様々な形状に組立てることができる。例えば、4つの三角形構成部品と、6つのポストコネクタと、を組付けることで、特許文献1の図5に示されるように、組立体を4面体に組立てることができる。具体的には、ポストコネクタが、ロッド状に形成されて、ヒンジの機能を有する部材として構成されて、三角形構成部品が、ポストコネクタに回転可能に組付けられる。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0003】 【特許文献1】 特表2013−526336号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 しかしながら、上記組立体では、ポストコネクタが、組立体の各辺の外部に露出した状態で配置されているため、組立体の意匠性を向上するという点において、改善の余地がある。 【0005】 本発明は、上記事実を考慮して、意匠性を向上することができる組立体を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0006】 本発明の1又はそれ以上の実施形態は、互いに隣接して配置された複数の枠状の枠部材と、前記枠部材を連結する連結部材と、を備えた組立体であって、前記枠部材の外形は平面視で正三角形に形成されると共に、前記枠部材は内部に開口部を有する六面体に形成されており、隣接する枠部材では、一方の前記枠部材及び他方の前記枠部材の2箇所の角部の頂点を合わせた状態で、隣接する前記枠部材の外周面同士が当接され、前記連結部材は、前記枠部材における2箇所の角部に架け渡されて隣接する前記枠部材の角部を連結する と共に、前記開口部内に配置されていることを特徴とする組立体である。 【0007】 本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記枠部材の6箇所の外周面は、前記枠部材における3箇所の角部の頂点を通過する基準面に対して傾斜し、それぞれの外周面の前記基準面に対する傾斜角度が同じに設定されており、隣接する前記枠部材では、一方の前記枠部材の平面視で、他方の前記枠部材における一方の前記枠部材の角部に当接していない角部の頂点が、一方の前記枠部材の中央部に配置されるように、前記枠部材の外周面の前記基準面に対する傾斜角度が設定されていることを特徴とする組立体である。 【0008】 本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記枠部材の角部には、前記開口部側へ開放された凹状の嵌合凹部が形成されており、前記連結部材は、長尺状に形成され、長手方向に伸縮可能に構成された一対の伸縮部材と、一対の前記伸縮部材に装着され、前記伸縮部材を伸長させる方向に付勢する付勢部材と、を含んで構成されており、一方の前記伸縮部材が、一方の前記枠部材の2箇所の角部に架け渡されて、一方の前記伸縮部材の長手方向両端部が、当該角部の前記嵌合凹部に嵌合すると共に、他方の前記伸縮部材が、他方の前記枠部材の2箇所の角部に架け渡されて、他方の前記伸縮部材の長手方向両端部が、当該角部の前記嵌合凹部に嵌合する組立体である。 【0009】 本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記伸縮部材の長手方向両端部には、前記嵌合凹部と嵌合される被嵌合部が形成されており、前記連結部材は、前記被嵌合部と前記付勢部材との間に配置された一対のワッシャを有している組立体である。 【発明の効果】 【0010】 上記構成の組立体によれば、意匠性を向上することができる。 【図面の簡単な説明】 【0011】 【図1】(A)は、本実施の形態に係る組立体を示す斜視図であり、(B)は、(A)に示される組立体の平面図である。 【図2】(A)は、図1に示される枠部材の平面図であり、(B)は、(A)に示される枠部材の側面図である。 【図3】図2(A)に示される枠部材の側断面図(図2(A)の3−3線断面図)である。 【図4】(A)は、図2(A)に示される2個の枠部材の組付状態を示す一方の枠部材の上側から見た平面図であり、(B)は、(A)の組付状態を示す断面図(図4(A)の4B−4B線断面図)である。 【図5】(A)は、図1に示される連結部材ユニットの側面図であり、(B)は、(A)の連結部材ユニットの長手方向一方側から見た正面図であり、(C)は、連結部材ユニットの側断面図(図5(B)の5C−5C線断面図)である。 【図6】図5に示される伸縮部材を構成する第1連結部材の斜視図である。 【図7】図6に示される第1連結部材の側面図である。 【図8】図5に示される伸縮部材を構成する第2連結部材の側面図である。 【図9】図5に示される連結部材ユニットによって2個の枠部材を連結した状態を示す、図4(B)の矢印F方向側から見た矢視図である。 【発明を実施するための形態】 【0012】 以下、図面を用いて、本実施の形態に係る組立体10について説明する。組立体10は、組立玩具や置物(オブジェ)等に用いられる組立体として構成されている。図1(A)及び(B)に示されるように、組立体10は、複数(本実施の形態では、4個)の枠部材20と、枠部材20を連結するための複数(本実施の形態では、6個)の「連結部材」としての連結部材ユニット30と、を含んで構成されている。そして、図1に示される例で は、枠部材20が連結部材ユニット30によって連結されて、組立体10が三角錐状に組立てられている。以下、組立体10の各構成について説明する。 【0013】 (枠部材20について) 図2〜図4を用いて、枠部材20について説明する。なお、図2(B)及び図3において示される矢印UPは、枠部材20の上側としており、枠部材20の上下方向に直交する面を基準面CS(図2(B)及び図3参照)としている。枠部材20は、樹脂材(本実施の形態では、ABS樹脂)によって構成されている。また、枠部材20は、三角形枠状に形成されると共に、上側から見た平面視で、枠部材20の外形が正三角形に形成されている。さらに、枠部材20は、内部に開口部26を有する六面体に形成されている。具体的には、枠部材20は、枠部材20の角部を構成する3箇所の角連結部22と、3箇所の角連結部22を接続し且つ枠部材20の各辺を構成する接続部24と、を含んで構成されている。そして、角連結部22及び接続部24によって囲まれた領域が、開口部26として構成されており、開口部26は、上下方向に貫通している。また、角連結部22の外周面と接続部24の外周面とは、面一に形成されている。 【0014】 そして、2個の枠部材20を組付けるときには、一方の枠部材20における2箇所の角連結部22の頂点22Aを、他方の枠部材20における2箇所の角連結部22の頂点22Aに合わせるように、2個の枠部材20を配置すると共に、2個の枠部材20における外周面20Aが互いに当接されるようになっている(図4(A)及び(B)参照)。これにより、組立体10では、枠部材20が互いに隣接して配置される構成になっている。 【0015】 枠部材20における各々の角連結部22の頂点22Aは、基準面CS上に配置されており、枠部材20は、基準面CSに対して上下対称に形成されている。このため、以下の説明では、枠部材20における上部(基準面CSに対して上側の部分)について説明し、枠部材20における下部の説明については、適宜省略する。 【0016】 枠部材20の上部における3箇所の外周面20Aは、基準面CSに対して同じ角度に傾斜されている。そして、隣接する枠部材20では、一方の枠部材20の平面視において、他方の枠部材20における一方の枠部材20の角連結部22に当接していない角連結部22の頂点22Aが、一方の枠部材20の中央部に配置されるように、枠部材20における外周面20Aの基準面CSに対する傾斜角度θ(図3参照)が設定されている(図4(A)参照)。具体的には、枠部材20における外周面20Aの基準面CSに対する傾斜角度θが、略35度に設定されている。すなわち、1個の枠部材20の上部の外周面20Aに3個の枠部材20を組付けたときには、組立体10が、三角錐状に組立てられる構成になっている(図1(A)及び(B)参照)。 【0017】 また、開口部26は、2箇所の角連結部22の間において、枠部材20の中央側へ開放された開口凹部26Aを有している。すなわち、角連結部22は、平面視で、隣接する接続部24よりも枠部材20の内側へ張り出されている。そして、角連結部22における開口凹部26Aを構成する一対の連結面22Bが、開口凹部26Aを構成する接続部24の延在する方向に対して直交する面に沿って形成されている。 【0018】 角連結部22の一対の連結面22Bには、それぞれ一対の嵌合凹部28が形成されている。すなわち、角連結部22には、4箇所の嵌合凹部28が形成されている。嵌合凹部28は、開口凹部26A側へ開放された凹状に形成されており、枠部材20の周方向から見て、略D字形状に形成されている。具体的には、嵌合凹部28の内周面は、円弧状に湾曲された第1内周面28Aと、第1内周面28Aの周方向両端を接続する直線状の第2内周面28Bと、を含んで構成されている。そして、枠部材20の周方向から見て、嵌合凹部28の第1内周面28Aが、角連結部22の外周面20A側へ開放するように、嵌合凹部 28の向きが設定されている。 【0019】 嵌合凹部28の第1内周面28Aには、第1内周面28Aの周方向中間部において、位置決め溝部28Cが形成されており、位置決め溝部28Cは、第1内周面28Aの径方向内側へ開放された略半円状に形成されている。また、嵌合凹部28の第2内周面28Bには、第2内周面28Bの周方向中間部において、キー溝部28Dが形成されている。キー溝部28Dは、位置決め溝部28C側へ開放された略U字形状に形成されており、キー溝部28Dの深さ寸法が、キー溝部28Dの幅寸法よりも大幅に小さく設定されている。 【0020】 (連結部材ユニット30について) 図5(A)〜(C)に示されるように、連結部材ユニット30は、一対の伸縮部材40と、一対のワッシャ70と、「付勢部材」としての連結バネ80と、を含んで構成されている。 【0021】 伸縮部材40は、全体として略半円柱状に形成されている。また、伸縮部材40は、伸縮部材40の軸方向一方側の部分を構成する第1連結部材50と、伸縮部材40の軸方向他方側の部分を構成する第2連結部材60と、を含んで構成されている。 【0022】 図6及び図7にも示されるように、第1連結部材50は、樹脂材(本実施の形態では、ABS樹脂)によって構成され、略長尺棒状に形成されている。具体的には、第1連結部材50は、第1連結部材50の基端部を構成する「被嵌合部」としての第1被嵌合部52と、第1被嵌合部52から第1連結部材50の先端側へ延出された連結軸54と、を含んで構成されている。 【0023】 第1被嵌合部52は、第1連結部材50の長手方向を板厚方向とした略D字板形状に形成されており、第1被嵌合部52の厚みが枠部材20の嵌合凹部28の深さと一致している。そして、第1連結部材50の長手方向から見て、第1被嵌合部52の外形が、枠部材20の嵌合凹部28の外形と相似形を成し、嵌合凹部28の外形よりも僅かに小さく設定されており、第1被嵌合部52が、嵌合凹部28内に嵌合可能に構成されている。すなわち、第1被嵌合部52は、嵌合凹部28の位置決め溝部28Cに嵌入される第1位置決め突起52Aと、嵌合凹部28のキー溝部28Dに嵌入される第1キー部52Bと、を有している。 【0024】 連結軸54は、第1被嵌合部52に接続された軸ベース部56と、軸ベース部56から第1連結部材50の先端側へ延出された軸本体部58と、を含んで構成されている。軸ベース部56は、略半円柱状に形成されている。具体的には、軸ベース部56は、第1連結部材50の長手方向から見て、半円状に湾曲された第1湾曲面56Aと、直線状に延在された第1平坦面56Bと、を有している。第1湾曲面56Aの径寸法は、第1被嵌合部52における円弧状に湾曲された面の径寸法よりも小さく設定されている。そして、第1湾曲面56Aが、第1被嵌合部52における円弧状に湾曲された面と同心円状に配置されている。これにより、第1被嵌合部52の外周部が、第1湾曲面56Aよりも第1湾曲面56Aの径方向外側へフランジ状に突出されている。さらに、第1連結部材50の長手方向から見て、第1平坦面56Bが、第1キー部52Bよりも突出している。 【0025】 また、軸ベース部56の先端面は、側面視で、第1平坦面56Bの先端から第1湾曲面56A側へ向かうに従い軸ベース部56の先端側へ傾斜している。さらに、軸ベース部56の第1湾曲面56Aと第1被嵌合部52との境界部は、滑らかに接続されており、軸ベース部56の基端部では、第1湾曲面56Aの径寸法が第1被嵌合部52側へ向かうに従い大きくなるように設定されている。 【0026】 軸本体部58は、断面略D字形状に形成されて、軸ベース部56の先端面から第1連結部材50の先端側へ延出されている。第1連結部材50の長手方向から見て、軸本体部58の外形は、軸ベース部56の外形よりも小さく設定されており、軸本体部58が軸ベース部56の略中央部に配置されている。 【0027】 図5及び図8に示されるように、第2連結部材60は、第1連結部材50と同様に樹脂材(本実施の形態では、ABS樹脂)によって構成され、長尺状に形成されている。具体的には、第2連結部材60は、第2連結部材60の基端部を構成する「被嵌合部」としての第2被嵌合部62と、第2被嵌合部62から第2連結部材60の先端側へ延出された筒部64と、を含んで構成されている。 【0028】 第2被嵌合部62は、第1連結部材50における第1被嵌合部52と同様に構成されている。すなわち、第2被嵌合部62は、第2連結部材60の長手方向を板厚方向とした略D字板形状に形成されており、第2被嵌合部62の厚みが枠部材20の嵌合凹部28の深さと一致している。そして、第2連結部材60の長手方向から見て、第2被嵌合部62の外形が、枠部材20の嵌合凹部28の外形と相似形を成し、嵌合凹部28の外形よりも僅かに小さく設定されており、第2被嵌合部62が、嵌合凹部28内に嵌合可能に構成されている。そして、第2被嵌合部62は、嵌合凹部28の位置決め溝部28Cに嵌入される第2位置決め突起62Aと、嵌合凹部28のキー溝部28Dに嵌入される第2キー部62Bと、を有している。 【0029】 筒部64は、第2連結部材60の先端側へ開放された有底筒状に形成されている。また、筒部64は、第2連結部材60の先端側から見て、略D字形環状に形成されている。具体的には、伸縮部材40の長手方向から見て、筒部64の外形が、第1連結部材50における軸ベース部56の外形と同じに設定されている。すなわち、筒部64は、第2連結部材60の長手方向から見て、半円状に湾曲された第2湾曲面64Aと、第2湾曲面64Aの周方向両端部を接続する直線状の第2平坦面64Bと、を含んで構成されている。 【0030】 そして、第2湾曲面64Aが、第2被嵌合部62における円弧状に湾曲された面と同心円状に配置されている。これにより、第2被嵌合部62の外周部が、第2湾曲面64Aよりも第2湾曲面64Aの径方向外側へフランジ状に突出されている。さらに、第2連結部材60の長手方向から見て、第2平坦面64Bが、第2キー部62Bよりも突出している。 【0031】 また、筒部64の先端面は、第1連結部材50の軸ベース部56の先端面に対応して、側面視で、第2平坦面64Bの先端から第2湾曲面64A側へ向かうに従い筒部64の基端側へ傾斜している。さらに、筒部64の第2湾曲面64Aと第2被嵌合部62との境界部は、滑らかに接続されており、筒部64の基端部では、第2湾曲面64Aの径寸法が第2被嵌合部62側へ向かうに従い大きくなるように設定されている。 【0032】 そして、伸縮部材40では、第1連結部材50の軸本体部58が、第2連結部材60の筒部64内に相対移動可能に挿入されている。これにより、伸縮部材40が、長手方向に伸縮可能に構成されており、伸縮部材40の長手方向両端部に、第1被嵌合部52及び第2被嵌合部62が設けられている。また、伸縮部材40では、第1連結部材50の軸ベース部56の外周面と第2連結部材60の筒部64の外周面とが面一に配置されるように、第1連結部材50と第2連結部材60とが組付けられている。 【0033】 さらに、連結部材ユニット30では、一方の伸縮部材40が、他方の伸縮部材40に対して長手方向において反転して配置されると共に、両方の伸縮部材40における第2連結部材60の第2平坦面64Bが、互いに対向して配置されるようになっている。これによ り、連結部材ユニット30では、一対の伸縮部材40が、円柱状を成すように配置されている。 【0034】 図5(A)〜(C)に示されるように、ワッシャ70は、円筒状(リング状)に形成されている。そして、ワッシャ70が、一対の伸縮部材40の一端側部分及び他端側部分に装着されている。具体的には、第1連結部材50の連結軸54及び第2連結部材60の筒部64の各々の基端部が、ワッシャ70内に配置されるように、ワッシャ70が一対の伸縮部材40に組付けられている。換言すると、ワッシャ70が、第1被嵌合部52及び第2被嵌合部62に対して、連結部材ユニット30の長手方向内側に隣接して配置されている。また、ワッシャ70の内周面は、第1連結部材50における軸ベース部56の基端部及び第2連結部材60における筒部64の基端部に対応して、円弧状に湾曲されている。 【0035】 連結バネ80は、圧縮コイルバネとして構成されている。そして、連結バネ80が、一対の伸縮部材40に装着されて、一対のワッシャ70の間に配置されている。具体的には、連結バネ80の長手方向両端部が、一対のワッシャ70に隣接して配置されている。そして、連結部材ユニット30の初期状態では、連結バネ80が自然状態となっており、初期状態における連結部材ユニット30の第1被嵌合部52及び第2被嵌合部62を除く部分の長手方向の長さL1(図5(A)参照)が、枠部材20における開口凹部26Aの幅方向の長さL2(図2(A)参照)よりも長く設定されている。そして、連結部材ユニット30の長手方向両端部を、連結部材ユニット30の長手方向内側へ押圧することで、連結バネ80が圧縮変形して、連結部材ユニット30(伸縮部材40)の長手方向の長さが短くなるように構成されている。 【0036】 (作用効果) 次に、組立体10の組立手順を説明しつつ、本実施の形態の作用効果について説明する。 【0037】 初めに、連結部材ユニット30の組立手順について説明する。連結部材ユニット30の組立では、一方の伸縮部材40における第1連結部材50の第1平坦面56Bと、他方の伸縮部材40における第2連結部材60の第2平坦面64Bと、を対向して配置させると共に、第1連結部材50の第1被嵌合部52と第2連結部材60の第2被嵌合部62を、連結部材ユニット30の長手方向において同じ位置に配置する。この状態で、第1連結部材50の連結軸54及び第2連結部材60の筒部64を、一方のワッシャ70の内部に挿入して、一方のワッシャ70を第1連結部材50の第1被嵌合部52及び第2連結部材60の第2被嵌合部62に隣接した位置に配置する。そして、連結バネ80を、第1連結部材50の連結軸54及び第2連結部材60の筒部64に装着させる。 【0038】 この状態で、他方のワッシャ70を、第1連結部材50の連結軸54及び第2連結部材60の筒部64に装着して、連結バネ80の端部に隣接した位置に配置する。そして、一方の伸縮部材40における第2連結部材60の筒部64内に、一方の伸縮部材40における第1連結部材50を挿入して、一方の伸縮部材40を組立てる。また、他方の伸縮部材40における第1連結部材50の連結軸54を、他方の伸縮部材40における第2連結部材60の筒部64内に挿入して、他方の伸縮部材40を組立てる。これにより、連結部材ユニット30が組立てられる。 【0039】 次に、組立体10の組立について説明する。なお、以下の説明では、便宜上、4つの枠部材20を区別するために、4つの枠部材20の符号を、それぞれ、「20−1」、「20−2」、「20−3」、「20−4」として説明する。 【0040】 組立体10の組立では、初めに、枠部材20−1の上部に、枠部材20−2を組付ける 。具体的には、枠部材20−1における2箇所の角連結部22の頂点22Aに、枠部材20−2における2箇所の角連結部22の頂点22Aを合わせつつ、枠部材20−1の外周面20Aと枠部材20−2の外周面20Aとを当接させる。 【0041】 この状態で、連結部材ユニット30を、隣接する枠部材20−1及び枠部材20−2の開口凹部26A内に配置させる。具体的には、連結部材ユニット30の長手方向両端部を長手方向内側へ押圧して、連結バネ80を圧縮変形させる。これにより、連結部材ユニット30における一対の伸縮部材40の長手方向の長さが短くなり、連結部材ユニット30の全体の長手方向の長さが短くなる。 【0042】 そして、連結部材ユニット30の長手方向一方側の第1被嵌合部52を枠部材20−1の嵌合凹部28内に嵌入させ、連結部材ユニット30の長手方向一方側の第2被嵌合部62を枠部材20−2の嵌合凹部28内に嵌入させる。さらに、連結部材ユニット30の長手方向他方側の第2被嵌合部62を枠部材20−1の嵌合凹部28内に嵌入させ、連結部材ユニット30の長手方向他方側の第1被嵌合部52を枠部材20−2の嵌合凹部28内に嵌入させる。これにより、連結部材ユニット30が、枠部材20−1及び枠部材20−2の開口凹部26A内において2箇所の角連結部22に架け渡される。より詳しくは、連結部材ユニット30における一方の伸縮部材40が枠部材20−1の2箇所の角連結部22に架け渡されると共に、連結部材ユニット30における他方の伸縮部材40が枠部材20−2の2箇所の角連結部22に架け渡される。これにより、枠部材20−1及び枠部材20−2の角連結部22に、連結部材ユニット30が跨ぐように配置されて、連結部材ユニット30によって、枠部材20−2が枠部材20−1に連結される。 【0043】 次に、枠部材20−3を枠部材20−1の上部に組付ける。このときには、上記と同様に、枠部材20−3を枠部材20−1に連結部材ユニット30によって連結させる。また、枠部材20−3の枠部材20−1への連結後には、枠部材20−2と枠部材20−3とが隣接して配置される。このため、上記と同様にして、枠部材20−3を枠部材20−2に連結部材ユニット30によって連結させる。 【0044】 次に、枠部材20−4を枠部材20−1の上部に組付ける。このときには、上記と同様にして枠部材20−4を枠部材20−1に連結部材ユニット30によって連結させる。また、枠部材20−4の枠部材20−1への連結後には、枠部材20−4と枠部材20−2とが隣接して配置される。このため、上記と同様にして、枠部材20−4を枠部材20−2に連結部材ユニット30によって連結させる。さらに、枠部材20−4の枠部材20−1への連結後には、枠部材20−4と枠部材20−3とが隣接して配置される。このため、上記と同様に、枠部材20−4を枠部材20−3に連結部材ユニット30によって連結させる。以上により、4個の枠部材20が、互いに隣接して配置されて、組立体10が三角錘状に組立てられる。 【0045】 なお、本実施の形態では、組立体10が、4個の枠部材20と6個の連結部材ユニット30を含んで構成されているが、組立体10における枠部材20及び連結部材ユニット30の個数は任意に設定可能である。例えば、組立体10において、枠部材20を5個以上に設定し、連結部材ユニット30を枠部材20の個数に対応する数に設定することで、組立体10の形状を任意の形状に組立てることができる。 【0046】 以上説明したように、組立体10は、互いに隣接して配置された複数の三角形枠状の枠部材20を有している。この枠部材20の外形は、平面視で正三角形状に形成され、枠部材20は、内部に開口部26を有する六面体に形成されている。そして、隣接する枠部材20では、一方の枠部材20及び他方の枠部材20の2箇所の角連結部22の頂点22Aを合わせた状態で、隣接する枠部材20の外周面20A同士が当接される。 【0047】 ここで、組立体10では、連結部材ユニット30が、枠部材20における2箇所の角連結部22に架け渡されて、隣接する枠部材20の角連結部22を連結する。そして、連結部材ユニット30が、それぞれの枠部材20における開口部26内(開口凹部26A内)に配置される。これにより、組立体10の外観を、枠部材20の外周面20Aのみによって構成することができる。その結果、組立体10において、隣接する枠部材20の外周面20A同士が合わさる部分の美観を向上することができる。したがって、組立体の外観において、連結部材ユニットが、隣接する枠部材の間に配置される場合と比べて、組立体10の意匠性を向上することができる。 【0048】 また、枠部材20では、6箇所の外周面20Aの基準面CSに対する傾斜角度θが同じに設定されている。そして、隣接する2個の枠部材20では、一方の枠部材20の平面視において、他の枠部材20における一方の枠部材20の角連結部22に当接していない角連結部22の頂点22Aが、一方の枠部材20の中央部に配置されるように、枠部材20の外周面20Aにおける基準面CSに対する傾斜角度θが設定されている。具体的には、外周面20Aにおける基準面CSに対する傾斜角度θが、略35度に設定されている。これにより、例えば、4つの枠部材20を組付けて組立体10を形成するときには、上述のように、組立体10を三角錘状に組立てることができる。そして、組立体10を三角錘状に組立てたときには、組立体10の角部の外周部が、枠部材20の外周面20Aによって6面体状に形成されるため、組立体10の意匠性を効果的に向上することができる。また、例えば、5個以上の枠部材20を互いに組付けて組立体10を組立てることで、組立体10を任意の形状に発展させた形状に組立てることができる。すなわち、組立体10を様々な形に発展させて組立てることができる。 【0049】 また、連結部材ユニット30は、伸縮可能に構成された一対の伸縮部材40と、一対の伸縮部材40に装着された連結バネ80と、を含んで構成されており、連結バネ80が、伸縮部材40を伸長させる方向に付勢している。そして、一方の伸縮部材40が、一方の枠部材20の2箇所の角連結部22に架け渡されて、この伸縮部材40の第1被嵌合部52及び第2被嵌合部62が枠部材20の嵌合凹部28に嵌合(嵌入)する。また、他方の伸縮部材40が、他方の枠部材20の2箇所の角連結部22に架け渡されて、この伸縮部材40の第1被嵌合部52及び第2被嵌合部62が枠部材20の嵌合凹部28に嵌合(嵌入)する。このため、隣接する枠部材20において、2箇所の角連結部22の間の距離(開口凹部26Aの幅方向の長さL2)にバラツキが生じたときでも、当該バラツキを一対の伸縮部材40によって吸収して、隣接する枠部材20の角連結部22を連結部材ユニット30によって連結することができる。 【0050】 また、連結部材ユニット30では、一対の伸縮部材40に装着された一対のワッシャ70が設けられており、一対のワッシャ70が、連結バネ80と第1被嵌合部52及び第2被嵌合部62との間に配置されている。このため、連結バネ80の付勢力を、ワッシャ70を介して、伸縮部材40の第1被嵌合部52及び第2被嵌合部62へ良好に伝達することができる。 【0051】 また、枠部材20の嵌合凹部28は、略D字形状に形成されており、嵌合凹部28の第1内周面28Aの周方向中間部には、位置決め溝部28Cが形成されている。さらに、伸縮部材40の第1被嵌合部52(第2被嵌合部62)には、位置決め溝部28C内に嵌入される第1位置決め突起52A(第2位置決め突起62A)が形成されている。これにより、位置決め溝部28Cを目印として、伸縮部材40の第1被嵌合部52(第2被嵌合部62)を嵌合凹部28内に嵌入させることができる。よって、連結部材ユニット30を枠部材20に組付けるときの組付性を向上することができる。 【0052】 なお、本実施の形態では、枠部材20の外周面20Aが、平面状に形成されているが、枠部材20の外周面20Aを、枠部材20の外側へ凸となる凸曲面として構成してもよい。この場合には、隣接する2つの枠部材20において、外周面20Aが線で当接するようになる。これにより、枠部材20の外周面20Aに寸法誤差が生じた場合でも、一方の枠部材20に対する他方の枠部材20の組付角度を微調整することができる。したがって、組立体10の組立性を向上することができる。 【0053】 また、本実施の形態では、連結部材ユニット30が一対の伸縮部材40を含んで構成されているが、連結部材ユニットを1個の伸縮部材によって構成してもよい。この場合には、第1連結部材を略円柱状に形成して、第1連結部材の基端部を、第1被嵌合部52及び第2被嵌合部62を結合した形状にしてもよい。また、この場合には、第2連結部材を略円筒状に形成して、第2連結部材の基端部を、第1被嵌合部52及び第2被嵌合部62を結合した形状にしてもよい。 【0054】 また、本実施の形態では、枠部材20及び伸縮部材40(第1連結部材50及び第2連結部材60)の色については、特に規定していないが、枠部材20、第1連結部材50、及び第2連結部材60の色を以下のように設定してもよい。例えば、枠部材20を透明の樹脂材により構成して、第1連結部材50及び第2連結部材60を黒色の樹脂材によって構成してもよい。これにより、組立体10に対して、連結部材ユニット30の第1連結部材50及び第2連結部材60が、組立体10の骨格を構成するような美観にすることができる。 【符号の説明】 【0055】 10 組立体 20 枠部材 20A 外周面 22 角連結部(角部) 22A 頂点 26 開口部 28 嵌合凹部 30 連結部材ユニット(連結部材) 40 伸縮部材 52 第1被嵌合部(被嵌合部) 62 第2被嵌合部(被嵌合部) 70 ワッシャ 80 連結バネ(付勢部材) CS 基準面 θ 外周面の基準面に対する傾斜角度 |
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【図1】 |
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【図2】 |
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【図3】 |
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【図4】 |
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【図5】 |
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【図6】 |
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【図7】 |
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【図8】 |
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【図9】 |
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この組立体は、同一形状の三角部材をスプリングの弾性力を利用して連結しています。 また、このスプリングによる連結方式は部材間のズレを受け入れながら連結できる仕組みになっています。 元々は、巨大な構造物の骨格を組む事をイメージした発案だったのですが、(枠部材の大きさは、小型の物で大型トラックの荷台に縦積みで重ねて積める程度の大きさをイメージしていました)。 私は、建築に関しては全くの素人ですので、ミニチュアモデルをオブジェ組立玩具として紹介することにしました。 |
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