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土木・建設
 
【発明の名称】気体浄化システム
【出願人】
【識別番号】520456309
【氏名又は名称】木村 洋一
【住所又は居所】熊本県熊本市北区龍田1-11-34
【代理人】
【識別番号】100110629
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 雄一
【代理人】
【識別番号】100166615
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 大輔
【発明者】
【氏名】木村 洋一
【住所又は居所】熊本県熊本市北区龍田1-11-34
【要約】
【課題】簡易に導入しつつ吸引面の全面から確実に吸気することが可能な気体浄化システムを提供する。
【解決手段】気体を吸引するための吸引面23を有し吸引面23から吸引された気体を流通させる個別の床下空間15を内部に有する複数の床パネル3と、複数の床パネル3の床下空間15にそれぞれ連通して床下空間15から気体を排出するダクト5と、ダクト5に接続され上流側で複数の床パネル3の吸引面23を介して気体の吸引を行うと共に下流側で気体を吐出するブロワー7と、ダクト5に接続され気体を浄化する浄化ユニット9と、浄化ユニット9の下流側でダクト5に設けられ浄化された気体を放出する放出口11と、を備える。
【選択図】図1
選択図
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体を吸引するための吸引面を有し前記吸引面から吸引された気体を流通させる個別の床下空間を有する複数の床パネルと、
前記複数の床パネルの前記床下空間にそれぞれ連通して前記床下空間から前記気体を排出するダクトと、
前記ダクトに接続され上流側で前記複数の床パネルの前記吸引面を介して前記気体の吸引を行うと共に下流側で前記気体を吐出するブロワーと、
前記ダクトに接続され前記気体を浄化する浄化ユニットと、
前記浄化ユニットの下流側で前記ダクトに設けられ前記浄化された気体を放出する放出口と、
を備えた気体浄化システム。
【請求項2】
請求項1記載の気体浄化システムであって、
前記ダクトは、前記複数の床パネルに設けられそれぞれ前記床下空間に連通する複数の個別ダクトと、前記複数の個別ダクトに接続されるメインダクトとを備えた、
気体浄化システム。
【請求項3】
請求項2記載の気体浄化システムであって、
前記複数の個別ダクトのそれぞれは、前記床下空間への連通用の連通ダクト部と、前記複数の床パネル間で連結されて前記メインダクトに至り前記連通ダクトを合流させる連結ダクト部とを有する、
気体浄化システム。
【請求項4】
請求項3記載の気体浄化システムであって、
前記複数の床パネルの床下空間のそれぞれは、相互に区画された少なくとも一対の分割空間を備え、
前記複数の床パネルの連通ダクト部は、前記少なくとも一対の分割空間にそれぞれ連通して少なくとも一対備えられた、
気体浄化システム。
【請求項5】
請求項4記載の気体浄化システムであって、
前記少なくとも一対の連通ダクト部は、相互に合流してから前記連結ダクト部に合流し、相互に合流するまでの長さに応じて流量が調整され、且つ該流量に応じて相互に合流する際の向きを設定され、圧力損失が同一に設定された、
気体浄化システム。
【請求項6】
請求項5記載の気体浄化システムであって、
前記少なくとも一対の連通ダクト部は、相互に合流するまでの長さ及び流量が同一であり、且つ相互に合流する際の向きが逆向きに設定された、
気体浄化システム。
【請求項7】
請求項4記載の気体浄化システムであって、
前記少なくとも一対の連通ダクト部は、前記連結ダクト部に直接合流しており、前記連結ダクト部に合流するまでの長さに応じて流量が調整され、圧力損失が同一に設定された、
気体浄化システム。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか一項に記載の気体浄化システムであって、
前記相互に連結ダクト部が連結された前記複数の床パネルは、前記連通ダクト部の流量の調整により前記吸引面の吸引圧が同一に設定されている、
気体浄化システム。
【請求項9】
請求項1〜8の何れか一項に記載の気体浄化システムであって、
前記浄化ユニットは、前記気体にオゾンを発生させて前記気体内の前記ウイルスを不活性化するオゾン発生部と、前記気体に紫外線を照射して前記オゾンを分解すると共に前記不活性化したウイルスを死滅させる紫外線照射部と、を備えた、
気体浄化システム。
【請求項10】
請求項9記載の気体浄化システムであって、
前記紫外線照射部は、波長の異なる紫外線を照射する第1照射部及び第2照射部を備え、
前記第1照射部からの紫外線により一次的に前記オゾンを分解すると共に前記ウイルスを死滅させ、前記第2照射部からの紫外線により二次的に前記オゾンを分解すると共に前記ウイルスを死滅させる、
気体浄化システム。
【請求項11】
請求項9又は10記載の気体浄化システムであって、
前記紫外線照射部は、凹凸を有する反射板と、該反射板に取付けられた光源とを備える、
気体浄化システム。
【請求項12】
請求項1〜11の何れか一項に記載の気体浄化システムであって、
前記複数の床パネル、前記ダクト、前記ブロワー、前記浄化ユニット、及び前記放出口が空調環境内に設置された、
気体浄化システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内の空気等の所定空間内の気体を浄化する気体浄化システムに関する。
【背景技術】
【0002】
コロナウイルスやインフルエンザウイルス等による飛沫感染症対策としては、マスク等を着用して飛沫を生じさせないようにすることが重要であるが、飛沫を完全に生じさせないようにすることは困難である。
【0003】
飛沫が発生した場合の対策としては、遮蔽板を設けることや換気すること等が考えられる。しかし、冷暖房等が行われる室内では、遮蔽板で飛沫を防ぐことはできず、換気しても冷暖房効率が下がるばかりか飛沫を拡散させる結果になることもある。
【0004】
かかる状況下では、室内の空気を浄化することが有効である。室内の空気を浄化する技術としては、例えば、特許文献1にクリーンルームに適用される気体浄化システムが開示されている。
【0005】
特許文献1の気体浄化システムでは、グレーチング床の下に一つの床下空間を形成し、床下空間内に複数の吸込口を有する排気ダクトを配置している。この気体浄化システムでは、室内の空気がグレーチング床を通って床下空間内に至り、この床下空間内に至った空気が吸込口を介して排気ダクトに取り込まれて循環式で再利用される。
【0006】
しかし、かかる気体浄化システムでは、排気ダクトの形状や吸込口の数等によっては吸引面となるグレーチング床の全面から確実に吸気することができなかった。また、クリーンルームに適用される気体浄化システムは、既存の室内等に簡易に導入することができなかった。
【0007】
こうした問題は、感染症対策として室内の空気を浄化する場合に限られず、細菌・カビ菌等の病原性微生物に汚染された空間、その他の浄化対象の空間内の気体を浄化する場合に広く見られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】 特開昭62−172128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
解決しようとする問題点は、吸引面の全面から確実に気体を吸引することができなかったと共に簡易に導入できなかった点にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、気体を吸引するための吸引面を有し前記吸引面から吸引された気体を流通させる個別の床下空間を有する複数の床パネルと、前記複数の床パネルの前記床下空間にそれぞれ連通して前記床下空間から前記気体を排出するダクトと、前記ダクトに接続され上流側で前記複数の床パネルの前記吸引面を介して前記気体の吸引を行うと共に下流側で前記気体を吐出するブロワーと、前記ダクトに接続され前記気体を浄化する浄化ユニットと、前記浄化ユニットの下流側で前記ダクトに設けられ前記浄化された気体を放出する放出口と、を備えたことを気体浄化システムの最も主な特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、床パネルを並べるだけで吸引面と床下空間を形成することができ、これに放出口を有するダクト、ブロワー、浄化ユニットを接続すれば気体浄化システムを簡易に導入することができる。また、本発明では、床パネル毎の細分化された床下空間に対してそれぞれ吸引面が設けられているので、各吸引面で確実に気体を吸引でき、複数の床パネルの吸引面全体で気体の吸引を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の実施例1に係る気体浄化システムの概略構成図である。
【図2】図2は、図1の気体浄化システムの床パネルを示す概略平面図である。
【図3】図3は、図2の床パネルを示す概略横断面図である。
【図4】図4は、図3の床パネルのIV−IV線に係る縦断面図である。
【図5】図5は、図1の気体浄化システムの浄化ユニットを示す概略縦断面図である。
【図6】図6は、図1の気体浄化システムの放出口を示す概略平面図である。
【図7】図7は、本発明の実施例2に係る気体浄化システムの床パネルを示す概略横断面図である。
【図8】図8は、本発明の実施例2の変形例に係る気体浄化システムの床パネルを示す概略横断面図である。
【図9】図9は、本発明の実施例3に係る気体浄化システムの床パネルを示す概略横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
簡易に導入しつつ吸引面の全体から確実に吸気するという目的を、吸引面と個別の床下空間を有する床パネルを複数並べ、これに放出口を有するダクト、ブロワー、浄化ユニットを接続することによって実現した。
【0014】
すなわち、気体浄化システム(1)は、複数の床パネル(3)と、ダクト(5)と、ブロワー(7)と、浄化ユニット(9)と、放出口(11)とを備える。複数の床パネル(3)のそれぞれは、気体を吸引するための吸引面(23)を有し、吸引面(23)から吸引された気体を流通させる個別の床下空間(15)を内部に有する。ダクト(5)は、複数の床パネル(3)の床下空間(15)にそれぞれ連通して、床下空間(15)から気体を排出する。ブロワー(7)は、ダクト(5)に接続され、上流側で複数の床パネル(3)の吸引面(23)を介して気体の吸引を行うと共に下流側で気体を吐出する。浄化ユニット(9)は、ダクト(5)に接続され、気体を浄化する。放出口(11)は、浄化ユニット(9)の下流側でダクト(5)に設けられ、浄化された気体を放出する。
【0015】
ダクト(5)は、複数の床パネル(3)に設けられ、それぞれ床下空間(15)に連通した複数の個別ダクト(5a)と、複数の個別ダクト(5a)に接続されるメインダクト(5b)とを備えてもよい。
【0016】
複数の個別ダクト(5a)のそれぞれは、床下空間(15)への連通用の連通ダクト部(29a,29b)と、複数の床パネル(3)間で連結されてメインダクト(5b)に至り連通ダクト部(29a,29b)を合流させる連結ダクト部(31)とを有してもよい。
【0017】
複数の床パネル(3)の床下空間(15)のそれぞれは、相互に区画された少なくとも一対の分割空間(17a〜17d)を備え、複数の床パネル(3)の連通ダクト部(29a,29b)は、少なくとも一対の分割空間(17a〜17d)にそれぞれ連通して少なくとも一対備えられた構成としてもよい。
【0018】
少なくとも一対の連通ダクト部(29a,29b)は、相互に合流してから連結ダクト部(17a〜17d)に合流し、相互に合流するまでの長さに応じて流量が調整され、且つその流量に応じて相互に合流する際の向きを設定され、圧力損失が同一に設定された構成としてもよい。
【0019】
少なくとも一対の連通ダクト部(29a,29b)は、相互に合流するまでの長さ及び流量が同一であり、且つ相互に合流する際の向きが逆向きに設定された構成としてもよい。
【0020】
少なくとも一対の連通ダクト部(29a,29b)は、連結ダクト部(31)に直接合流しており、連結ダクト部(31)に合流するまでの長さに応じて流量が調整されて圧力損失が同一に設定された。
【0021】
相互に連結ダクト部(31)が連結された複数の床パネル(3)は、連通ダクト部(29a,29b)の流量の調整により、吸引面(23)の吸引圧が同一に設定されてもよい。
【0022】
吸引面(23)は、空隙率がダクト(5)側に向けて小さくなる多孔面としてもよい。
【0023】
浄化ユニット(9)は、気体にオゾンを発生させて気体内のウイルスを不活性化するオゾン発生部(43)と、気体に紫外線を照射してオゾンを分解すると共に不活性化したウイルスを死滅させる紫外線照射部(45)と、を備えた構成としてもよい。
【0024】
紫外線照射部(45)は、波長の異なる紫外線を照射する第1照射部(45a)及び第2照射部(45b)を備え、第1照射部(45a)からの紫外線により一次的にオゾンを分解すると共にウイルスを死滅させ、第2照射部(45b)からの紫外線により二次的にオゾンを分解すると共にウイルスを死滅させる。
【0025】
紫外線照射部(45)は、凹凸を有する反射板(51)と、この反射板(51)に取付けられた光源(49)とを備えた構成としてもよい。
【0026】
複数の床パネル(3)、ダクト(5)、ブロワー(7)、浄化ユニット(9)、及び放出口(11)が空調環境内に設置された構成としてもよい。
【実施例1】
【0027】
[気体浄化システムの構成]
図1は、本発明の実施例1に係る気体浄化システムの概略構成図、図2は、気体浄化システムの床パネルを示す概略平面図である。
【0028】
気体浄化システム1は、室内の空気等のように所定空間内の気体を浄化するものであり、一般的な室内の他、クリーンルーム等にも適用可能なものである。本実施例の気体浄化システム1では、空間S内の空気の浄化としてウイルスを除去する。
【0029】
ただし、気体浄化システム1は、他の目的で所定空間内の気体を浄化するものであってもよい。このため、浄化は、対象物を気体から除去することであり、目的に応じた方法によって行うことが可能である。
【0030】
この気体浄化システム1は、簡易に導入や移設が可能なものであり、空間S内に複数の床パネル3と、ダクト5と、ブロワー7を有する浄化ユニット9と、放出口11とを備える。
【0031】
本実施例の気体浄化システム1が適用される空間Sは、多数の人が収容される店舗等の室内であり、冷暖房等の空調設備13が設置されている。従って、複数の床パネル3、ダクト5、ブロワー7、浄化ユニット9、及び放出口11は、空調環境内に設置された構成となっている。ただし、ダクト5、ブロワー7、浄化ユニット9の一部又は全部を空間S外に設置してもよい。
【0032】
なお、空調環境とは、気体の浄化を除く冷暖房等の空調がなされている環境をいう。空調設備13は、壁掛け式の他、天井埋め込み式等の適宜のものを用いることが可能であり、設置場所も任意である。この空間Sの床面F上に複数の床パネル3が設置されている。
【0033】
[床パネル]
図3は、図2の床パネルを示す概略横断面図、図4は、図3の床パネルのIV−IV線に係る縦断面図である。
【0034】
床パネル3は、図1〜図4のように、中空状のパネルであり、床面F上の所望の設置範囲に敷き詰めて設置される。本実施例では、設置範囲が空間Sの壁面Wとのクリアランス、ダクト5、及び浄化ユニット9を除いた床面Fの全面となっている。床パネル3と床面Fとの間は、粘着剤等の適宜の固定手段によって固定してもよい。
【0035】
床パネル3は、平面矩形のポリプロピレン等の樹脂製のパネルとなっている。なお、床パネル3の平面形状は、矩形に限られず、円形等の他の形状とすることも可能であり、床パネル3の材質は、樹脂製に限られず、金属製や木製等としてもよい。
【0036】
この中空状の床パネル3は、個別の床下空間15及び吸引面23を有している。個別の床下空間15は、床パネル3の内部に区画され、吸引面23から吸引された気体を流通させる。なお、個別の床下空間15とは、他の床パネル3の床下空間15との間で気体が流動しないように隔離された床下空間をいう。
【0037】
本実施例において、床下空間15は、相互に区画された一対の分割空間17a,17bを備えている。なお、床下空間15の構成は、分割空間17a及び17bに限られるものではない。例えば、床下空間15は、単一の空間によって構成してもよい。
【0038】
分割空間17a及び17bの区画は、分割空間17a,17b相互間で気体が流動しないように隔離することをいう。この区画は、床下空間15内に設けられた区画壁19により、後述するダクト5の連結ダクト部31に対する遠近で行われている。なお、分割空間17a及び17bの区画は、任意に行うことができる。
【0039】
分割空間17aは、連結ダクト部31に対する近位に配置され、分割空間17a及び17bの区画方向に対する交差方向に長い平面矩形状となっている。なお、区画方向とは、相互に区画された分割空間17a及び17bが隣接する方向をいい、交差方向は、区画方向に交差する方向いう(以下同じ。)。
【0040】
分割空間17bは、連結ダクト部31に対する遠位に配置され、交差方向に長い平面矩形状となっている。分割空間17bは、分割空間17aよりも交差方向に長く、区画方向に短い。これにより、分割空間17a及び17bは、容積が同一に設定されている。
【0041】
分割空間17a及び17bは、側壁21にそれぞれ設けられた開口21a及び21bによってダクト5に連通している。分割空間17aの開口21aは、吸引面23の分割吸引面27a及び27bの吸気圧を一致させるために、分割空間17bの開口17bよりも小さい。なお、床下空間15は、分割空間17a及び17bに分割することにより、吸引面23の吸気圧の均一性を向上させている。
【0042】
吸引面23は、床パネル3の上壁25によって構成されている。なお、吸引面23は、床パネル3の上壁25に限られず、設置した状態で空間Sに面する部分に設ければよい。本実施例の吸引面23は、上壁25の内外を連通する多数の孔25aが設けられた多孔面からなっている。多孔面とは、多数の孔が設けられた面であればよい。
【0043】
かかる吸引面23は、空間Sから床下空間15へと気体を吸引可能とする。なお、吸引面23は、多孔面に限られず、気体の吸引が可能なものであればフィルター状のもの等としてもよい。
【0044】
吸引面23の吸気圧は、複数の床パネル3間で同一に設定されている。かかる設定は、後述する連通ダクト部29a,29bの流量の調整により行われている。
【0045】
また、各吸引面23は、吸引圧を均一に作用させることができるように、空隙率がダクト5側に向けて小さくなっている。ダクト5側とは、本実施例において床下空間15がダクト5に連通する部分であり、本実施例において開口21a,21b側をいう。なお、空隙率は、吸引面23全体にわたって同一にする等、任意に設定することが可能である。
【0046】
本実施例の吸引面23は、床下空間15の分割空間17a及び17bに対応して、分割吸引面27a及び27bに分割されている。これら分割吸引面27a及び27bは、空隙率がダクト5側となる開口21a及び21bの位置に応じて逆方向に向けて小さくなっている。
【0047】
なお、分割吸引面27a及び27bは、逆向きの空隙率を有する以外は同一構成であるため、図4において吸引面27bのみを図示し、吸引面27aについてはかっこ書きで符号のみを示す。
【0048】
[ダクト]
ダクト5は、図1〜図4のように、複数の床パネル3の床下空間15にそれぞれ連通して床下空間15から気体を排出する。ダクト5は、任意の構成を採用可能であるが、本実施例において、複数の個別ダクト5aと、メインダクト5bとを備えている。
【0049】
複数の個別ダクト5aは、それぞれ複数の床パネル3に設けられて床下空間15に連通する。なお、個別ダクト5aを省略して、メインダクト5bに各床パネル3の床下空間15に連通するためのダクト部を設けてもよい。
【0050】
本実施例において、個別ダクト5aは、一対の連通ダクト部29a及び29bと、連結ダクト部31とを備えている。
【0051】
連通ダクト部29a及び29bは、床下空間15への連通用のダクト部である。連通ダクト部29a及び29bは、分割空間17a及び17bの数に応じて設けられ、本実施例において一対設けられている。
【0052】
本実施例の連通ダクト部29a及び29bは、床パネル3の交差方向の両側に一体に設けられ、分割空間17a及び17bに連通する。これら連通ダクト部29a及び29bは、それぞれ区画方向に沿って配置され、床パネル3の区画方向の一側において連結ダクト部31に直接合流している。
【0053】
連通ダクト部29a及び29bの長さLa及びLbは、連通ダクト部29bの長さLbが連通ダクト部29aの長さLaよりも長く設定されている。ここでの連通ダクト部29a及び29bの長さLa及びLbは、床下空間15の開口21a及び21bから連結ダクト部31に合流するまでの長さである。この長さLa及びLbに応じて、連通ダクト部29a及び29bは、流量が調整され、圧力損失が同一に設定されている。
【0054】
流量の調整は、連通ダクト部29a及び29bの連結ダクト部31との合流部分に設けられた調圧弁33a及び33bによって行われている。具体的には、連通ダクト部29a及び29b内の流速をVa及びVbとしたときに、以下の式1が成り立つように流量が調整される。
【0055】
Lb/La=Va/Vb 式1
【0056】
なお、式1では、連通ダクト部29a及び29bの断面形状が同一であることから、連通ダクト部29a及び29bの径は無視している。また、圧力損失は、連通ダクト部29a及び29bの入口損失及び連通ダクト部29a及び29bの摩擦損失であるが、入口損失は、連通ダクト部29a及び29bの径の設定により無視できる。
【0057】
本実施例の径の設定は、20mm程度となっており、入口損失が摩擦損失よりも大幅に小さくなって無視可能となっている。このため、本実施例では、上記式1に基づく流速調整により、連通ダクト部29a及び29bの摩擦損失が同一になっている。
【0058】
連結ダクト部31は、複数の床パネル3間で連結されて用いられ、上記のように連通ダクト部29a及び29bを合流させつつメインダクト5bに至るものである。本実施例の連結ダクト部31は、床パネル3の区画方向の一側に一体に設けられ、交差方向に沿って配置されている。
【0059】
連結ダクト部31は、床パネル3の交差方向の両側で、隣接する床パネル3の連結ダクト部31に連結される。隣接する床パネル3間の連結ダクト部31の連結は、気密性を確保可能な連結であれば適宜の手法で行うことが可能である。
【0060】
メインダクト5bは、複数の個別ダクト5aに接続されるダクト部である。メインダクト5bは、浄化ユニット9の上流及び下流に分離して設けられている。
【0061】
上流側では、メインダクト5bに上記のように個別ダクト5aが接続されている。この接続は、交差方向で隣接する一群の床パネル3毎に行われる。具体的には、一群の床パネル3において個別ダクト5aの連結ダクト部31が相互に連結されており、交差方向の端部に位置する床パネル3の連結ダクト部31がメインダクト5bに連結されている。かかる連結は、気密性を確保した適宜の手法で連結することで行えばよい。
【0062】
このメインダクト5bには、調圧弁33cが設けられており、一群の床パネル3毎の吸気圧を同一に設定している。本実施例では、一群の床パネル3がメインダクト5bに合流した合流部分よりも下流に調圧弁33cが設けられている。ただし、調圧弁33cは、合流部分よりも上流に設けてもよい。
【0063】
浄化ユニット9の下流側では、メインダクト5bが上方に伸び、天井C付近で側方に伸びる分岐ダクト34を有している。メインダクト5bや分岐ダクト34は、天井Cや壁面W等に適宜固定すればよい。分岐ダクト34は、端部に放出口11が設けられ、浄化した気体を空間S内に放出可能とする。放出口11については、後述する。
【0064】
[浄化ユニット]
図5は、図1の気体浄化システムの浄化ユニットを示す概略縦断面図である。
【0065】
浄化ユニット9は、図1,図2及び図5のように、ダクト5に接続され、気体としての空気を浄化するユニットである。この浄化ユニット9は、中空状の本体部35内にブロワー室37及び浄化路39を有している。
【0066】
ブロワー室37は、内部にブロワー7が配置される。なお、本実施例の浄化ユニット9は、ブロワー7を内蔵しているが、ブロワー7を浄化ユニット9とは別に設けてもよい。この場合、ブロワー7は、浄化ユニット9の上流又は下流の何れに設置してもよい。
【0067】
ブロワー室37は、吸引口37aを有している。吸引口37aは、ダクト状に形成され、ブロワー室37の内外を挿通している。吸引口37aの一端は、上流側のメインダクト5bに接続され、吸引口37aの他端は、ブロワー7に接続されている。ここでの接続も、気密性を確保した適宜の手法で行われる。
【0068】
かかる構成により、ブロワー7は、上流側で複数の床パネル3の吸引面23を介して気体の吸引を行うと共に下流側で気体を吐出する。気体の吐出は、ブロワー室37内へと行われる。
【0069】
ブロワー室37は、浄化路39を介して下流側のメインダクト5bに接続されている。メインダクト5bへの接続は、浄化ユニット9の内外を連通する吐出口40を介して行われている。この接続も、気密性を確保した適宜の手法で行われる。
【0070】
浄化路39は、ブロワー7によって吸引され吐出された気体を浄化しつつ下流へと流動させる。本実施例の浄化路39は、折り返し流路で構成されている。
【0071】
この浄化路39に対し、金属フィルター41と、オゾン発生部43と、紫外線照射部45と、制御部47とが設けられている。なお、浄化ユニット9は、浄化対象の気体や浄化目的に応じて構成を変更することが可能であり、例えば、物理フィルターのみとしてもよい。
【0072】
金属フィルター41は、ブロワー室37の下流側に位置し、気体を透過させて金属イオンによりウイルスを一次的に不活性化させる。この金属フィルター41は、金属粒子を焼結したもの、金網を積層したもの、フィルター材間に金属繊維や金属クロスを詰めたもの等とすることが可能である。
【0073】
金属フィルター41の材質としては、ウイルスを不活性化可能な金属であればよく、銅、銀、金、鉛、白金、ニッケル、アルミニウム、錫、亜鉛等とすることが可能である。本実施例の金属フィルター41には銅が用いられている。金属フィルター41の下流側には、オゾン発生部43が設けられている。
【0074】
オゾン発生部43は、気体にオゾンを発生させてウイルスを二次的に不活性化するものである。オゾン発生部43は、周知のオゾン発生装置を利用することが可能であり、放電、紫外線照等によってオゾンを発生させる。
【0075】
本実施例のオゾン発生部43は、沿面放電式であり、浄化路39の隣接する流路部39aに渡って複数の放電電極43aが配置されている。複数の放電電極43aを隣接する流路部39aに渡って設けることで、気体内にオゾンを確実に発生させることができる。
【0076】
オゾンの濃度は、1.0ppm以上となっている。なお、紫外線照による場合は、LED等の紫外線の光源を放電電極43aに代えて設ければよい。このオゾン発生部43の下流側には、紫外線照射部45が設けられている。
【0077】
紫外線照射部45は、気体に紫外線を照射して、オゾンを分解すると共に不活性化したウイルスを死滅させるものである。本実施例の紫外線照射部45は、波長の異なる紫外線を照射する第1照射部45a及び第2照射部45bを備える。なお、紫外線照射部45は、単一の照射部のみで構成してもよい。
【0078】
第1照射部45aは、第2照射部45bに対して上流側に配置され、一次的にオゾンを分解すると共にウイルスを死滅させる。第1照射部45aは、LED等の複数の光源49が隣接する流路部39aに渡って設けられている。本実施例において、複数の光源49は、流路部39a内に設けられた反射板51に対して取り付けられている。
【0079】
反射板51は、エンボス加工やプレス加工等によって複数の凹凸を有し、表面がメッキや研磨による鏡面処理が施されている。この反射板51は、光源49から照射された紫外線を反射させると共にエネルギーを増幅する。また、反射板51は、金属等の熱伝導性の高い材質からなり、光源49のヒートシンクとしても機能している。このとき、反射板51の凹凸は、冷却効率を向上させる役割を有する。また、反射板51の凹凸は、浄化路39を流通する気体に乱流による混合を生じさせる。この混合により、光源49からの紫外線の気体に対する均一性を向上させる。なお、反射板51は、省略してもよい。
【0080】
かかる第1照射部45aによる紫外線の波長は、254nmであり、オゾンの濃度を1/10程度の0.1ppmまで減少させる。
【0081】
オゾンは、0.1ppm程度の低濃度でもウイルスを不活性化することができるため、第1照射部45aは、次の第2照射部45bでオゾンを完全に分解可能な濃度まで低下させながらウイルスの不活性化性能を有することができる。
【0082】
なお、第1照射部45aの紫外線の波長は、254nmに限られるものではなく、第2照射部45bにおいてオゾンを無害化及びウイルスを死滅できれば他の波長としてもよい。例えば、より殺菌効果やオゾンの無害化効果が低い波長とする場合は、第1照射部45aを設ける流路部39aの長さを長くすればよい。
【0083】
第2照射部45bは、第1照射部45aの下流側に配置され、二次的にオゾンを分解すると共にウイルスを死滅させる。第2照射部45bも、第1照射部45aと同様、LED等の複数の光源51が反射板53上に取り付けられ、隣接する流路部39aに渡って設けられている。
【0084】
第2照射部45bによる紫外線の波長は、253.7nmであり、オゾンの濃度を無害化させる程度の0.06ppm以下にまで減少させると共にウイルスを完全に不活性化させる。
【0085】
なお、第2照射部45bの紫外線の波長は、253.7nmに限られるものではなく、オゾンを無害化及びウイルスを死滅できれば他の波長としてもよい。例えば、第1照射部45a同様に、より殺菌効果やオゾンの無害化効果が低い波長とする場合は、第2照射部45bを設ける流路部39aの長さを長くすればよい。
【0086】
制御部47は、オゾン発生部43及び紫外線照射部45並びにブロワー7を制御するコンピューターである。この制御部47は、浄化路39の一部を構成する収納部39aに収納され、浄化された気体を利用して冷却される。
【0087】
[放出口]
図6は、図1の気体浄化システムの放出口を示す概略平面図である。
【0088】
放出口11は、図1及び図6のように、浄化された気体を空間S内に放出するものであり、上記のように分岐ダクト34の端部に設けられている。なお、放出口11は、分岐ダクト34の中間部にも設けることが可能である。
【0089】
本実施例の放出口11は、分岐ダクト34から上方に突出した筒状である。この放出口11の上方には、傘部11aを備えられている。なお、放出口11は、単に分岐ダクト34に穴を設けて形成してもよい。また、傘部11aは、省略してもよい。
【0090】
傘部11bは、中心部が突出口11に上下方向で対向し、外周に向けて漸次下方へ湾曲している。この湾曲により、突出口11から放出された浄化された気体を下方へ向けて案内する。
【0091】
なお、放出口11は、4か所に設けられているが、放出口11に至るまでの分岐ダクト34の長さを同一に設定されている。これにより、各放出口11から均等に気体を放出することができる。気体の放出速度は、極めて低速であり、乱流が生じない程度である。
【0092】
放出された気体は、下降に伴い動圧よりも静圧が大きい静圧領域から徐々に動圧が大きくなって静圧よりも動圧が大きい動圧領域へと推移する。
【0093】
[作用等]
本実施例の気体浄化システム1は、設置する際、まず床パネル3を空間S内の床面F上の設置範囲に敷き詰めて設置する。このとき、交差方向に隣接する床パネル3間の個別ダクト5aの連結ダクト部31を相互に連結しておく。
【0094】
こうして設置された床パネル3に、メインダクト5b及び浄化ユニット9を連結する。本実施例では、更に傘部11bを天井C等に設置する。これにより、気体浄化システム1を空間S内に簡易に導入や移設することができる。
【0095】
こうして設置された気体浄化システム1では、浄化ユニット9を駆動させるだけで空間S内の気体を浄化できる。
【0096】
すなわち、浄化ユニット9は、まずブロワー7により、上流側のメインダクト5b、個別ダクト5aを介して各床パネル3の吸引面23から空間S内の気体を吸引する。
【0097】
この吸引では、各床パネル3の吸引圧が調圧弁33a,33b,33cによって一定に設定されている。しかも、各床パネル3内においては、吸引面23の分割吸引面27a及び27bの吸引圧が、圧力損失の設定により同一であると共に空隙率の設定によって均一となっている。
【0098】
さらに、吸引面23の分割吸引面27a及び27bが、それぞれ気体が相互に流通しない分割空間17a及び17bを介して吸引圧が作用するため、分割吸引面27a及び27bの吸引圧の同一性と均一性をより向上できる。
【0099】
従って、本実施例では、複数の床パネル3の吸引面23全体で、気体の吸引を均一且つ確実に行うことができる。
【0100】
ブロワー7で吸引された気体は、浄化ユニット9内のブロワー室37に吐出される。ブロワー室37からは、気体が金属フィルター41を透過し、浄化路39へと流動する。このとき、気体に含まれるウイルスが、金属イオンによって一次的に不活性化される。
【0101】
浄化路39へと流動した気体には、オゾン発生部43によりオゾンが発生する。このオゾンにより、気体内のウイルスが二次的に不活性化される。
【0102】
次いで、紫外線照射45により、気体に紫外線を照射してオゾンを分解すると共に不活性化したウイルスを死滅させる。具体的には、第1照射部45aからの紫外線により一次的にオゾンを分解すると共にウイルスを死滅させ、第2照射部45bからの紫外線により二次的にオゾンを分解すると共にウイルスを死滅させる。
【0103】
このとき、第1照射部45aによる紫外線の波長は、254nmであり、オゾンの濃度を1/10程度の0.1ppmまで減少させる。これにより、第1照射部45aは、次の第2照射部45bでオゾンを完全に分解可能な濃度まで低下させながら、オゾンは、ウイルスの不活性化性能を有することができる。
【0104】
第2照射部45bによる紫外線の波長は、253.7nmであり、オゾンの濃度を無害化させる程度の0.06ppm以下にまで減少させると共にウイルスを完全に不活性化させる。
【0105】
かかる段階的な紫外線照射により、オゾンの無害化とウイルスの死滅を確実に行うことができる。
【0106】
こうして浄化された気体は、浄化ユニット9の制御部47を冷却しつつ下流ダクト34bへと流動する。そして、浄化された気体は、下流ダクト34bから放出口11を介して空間S内へと放出されることとなる。
【0107】
[実施例1の効果]
以上説明したように、本実施例の気体浄化システム1は、気体を吸引するための吸引面23を有し吸引面23から吸引された気体を流通させる個別の床下空間15を内部に有する複数の床パネル3と、複数の床パネル3の床下空間15にそれぞれ連通して床下空間15から気体を排出するダクト5と、ダクト5に接続され上流側で複数の床パネル3の吸引面23を介して気体の吸引を行うと共に下流側で気体を吐出するブロワー7と、ダクト5に接続され気体を浄化する浄化ユニット9と、浄化ユニット9の下流側でダクト5に設けられ浄化された気体を放出する放出口11と、を備えている。
【0108】
従って、床パネル3を並べるだけで吸引面23と床下空間15を形成することができ、これに放出口11を有するダクト5、ブロワー7、浄化ユニット9を接続すれば気体浄化システム1を簡易に導入や移設することができる。
【0109】
また、床パネル3毎の細分化された床下空間15に対してそれぞれ吸引面23が設けられているので、各吸引面23で確実に気体を吸引でき、複数の床パネル3の吸引面23全体で気体の吸引を確実に行うことができる。
【0110】
ダクト5は、複数の床パネル3に設けられ、それぞれ床下空間15に連通する複数の個別ダクト5aと、複数の個別ダクト5aに接続されるメインダクト5bとを備えている。
【0111】
このように、床パネル3にダクト5の一部を設けることで、構成の簡素化を図り、より簡易な導入を可能とする。
【0112】
複数の個別ダクト5aのそれぞれは、床下空間15への連通用の連通ダクト部29a,29bと、複数の床パネル3間で連結されてメインダクト5bに至り、連通ダクト5を合流させる連結ダクト部31とを有する。
【0113】
従って、複数の床パネル3間で連結ダクト部31を連結して共用することで、メインダクト5bに至る流路を構成でき、より構造の簡素化を図ることができる。
【0114】
複数の床パネル3の床下空間15のそれぞれは、相互に区画された一対の分割空間17a,17bを備え、複数の床パネル3の連通ダクト部29a,29bは、一対の分割空間17a及び17bにそれぞれ連通して一対備えられた。
【0115】
従って、各床パネル3の床下空間15をさらに細分化することで、より確実に各吸引面23で気体を吸引させ、より確実に複数の床パネル3の吸引面23全体で気体の吸引を行うことができる。
【0116】
この場合において、一対の連通ダクト部29a及び29bは、連結ダクト5に直接合流しており、連結ダクト5に合流するまでの長さL1及びL2に応じて流量が調整され、圧力損失が同一に設定されている。
【0117】
このため、各床パネル3内において、一対の分割空間17a及び17bを介した吸引圧を同一にすることができ、より確実且つ均一に複数の床パネル3の吸引面23全体で気体の吸引を行うことができる。
【0118】
また、複数の床パネル3では、連通ダクト部29a及び29bの流量の調整により吸引面23の吸引圧が同一に設定されている。このため、より確実且つ均一に吸複数の床パネル3の吸引面23全体で気体の吸引を行うことができる。
【0119】
各吸引面23は、空隙率がダクト側に向けて小さくなる多孔面であるため、より確実且つ均一に気体の吸引を行うことができる。
【0120】
浄化ユニット9は、気体にオゾンを発生させて気体内のウイルスを二次的に不活性化するオゾン発生部43と、気体に紫外線を照射してオゾンを分解すると共に不活性化したウイルスを死滅させる紫外線照射部45と、を備えている。
【0121】
このため、オゾンでウイルスを確実に不活性化でき、その後に人体に有害なオゾンを確実に無害化し且つウイルスも死滅させることができ、気体の浄化を確実に行うことができる。
【0122】
紫外線照射部45は、波長の異なる紫外線を照射する第1照射部45a及び第2照射部45bを備え、第1照射部45aからの紫外線により一次的にオゾンを分解すると共にウイルスを死滅させ、第2照射部45bからの紫外線により二次的にオゾンを分解すると共にウイルスを死滅させる。
【0123】
従って、確実にオゾンの無害化とウイルスの死滅を行うことができる。
【0124】
また、紫外線照射部45(第1照射部45a及び第2照射部45b)は、この反射板51は、凹凸を有する反射板51と、この反射板51に取付けられた光源49とを備える。
【0125】
従って、紫外線照射部45は、光源49から照射された紫外線を反射板51で反射させることでエネルギーを増幅でき、より確実にオゾンの無害化とウイルスの死滅を行うことができる。
【0126】
また、反射板51は、光源49のヒートシンクとしても機能させることができ、凹凸により冷却効率を向上させることができる。従って、本実施例では、紫外線照射部45の波長を正確にコントロールでき、より確実にオゾンの無害化とウイルスの死滅を行うことができる。
【0127】
さらに、反射板51の凹凸が浄化路39を流通する気体に乱流による混合を生じさせるため、光源49からの紫外線の気体に対する均一性を向上させることができ、より確実にオゾンの無害化とウイルスの死滅を行うことができる。
【0128】
気体浄化システム1では、複数の床パネル3、ダクト5、ブロワー7、浄化ユニット9、及び放出口11が空調環境内に設置されているため、空調効率を向上することができる。
【実施例2】
【0129】
図7は、本発明の実施例2に係る気体浄化システムの床パネルを示す概略横断面図である。なお、実施例2では、実施例1と同一構成部分に同符号を付して重複した説明を省略する。
【0130】
本実施例の気体浄化システム1は、床パネル3の内部構造を実施例1に対して変更したものである。その他は、実施例1と同一である。
【0131】
床パネル3は、床下空間15を4つの分割空間17a〜17dに分割し、これに応じて第1連通ダクト部29aを二対(4つ)備える。さらに、床パネル3は、各対となる第1連通ダクト部29aが相互に合流させる一対の第2連通ダクト部29bを備え、且つ第2連通ダクト部29bを合流させる第3連通ダクト部29cを備える。
【0132】
かかる構成により、本実施例では、少なくとも一対の連通ダクト部29aが、相互に合流してから連結ダクト部31に合流するようになっている。
【0133】
床下空間15の分割空間17a〜17dは、同一容積に設定されている。第1連通ダクト部29aは、分割空間17a〜17dに対し、区画方向に沿って設けられている。区画方向に隣接する対となる分割空間17a及び17b並びに17c及び17d間では、第1連通ダクト部29aが相互に合流している。
【0134】
この第1連通ダクト部29aは、相互に合流するまでの長さに応じて流量が調整され、且つ流量に応じて相互に合流する際の向きを設定され、圧力損失が同一に設定されている。本実施例において、第1連通ダクト部29aは、相互に合流するまでの長さL1及び流量が同一であり、相互に合流する際の向きが逆向きに設定されている。
【0135】
なお、第1連通ダクト部29aの流量は、第1連通ダクト部29aが同一断面、同一流速を有することで同一となっている。第1連通ダクト部29aの長さL1は、床下空間15の開口21a〜21dから第2連結ダクト部31に合流するまでの長さである。
【0136】
第2連通ダクト部29bは、交差方向に沿って設けられ、区画方向で隣接する分割空間17a及び17b並びに17c及び17d間に位置している。これら第2連通ダクト部29bは、相互に合流するまでの長さL2及び流量が同一であり、相互に合流する際の向きが逆向きに設定されている。
【0137】
第2連通ダクト部29bの流量は、第2連通ダクト部29bが同一断面、同一流速を有することで同一となっている。第2連通ダクト部29bの長さL2は、第2連結ダクト部31に合流するまでの全長である。
【0138】
第3連通ダクト部29cは、交差方向に沿って設けられ、連結ダクト部31に至る。
【0139】
かかる実施例2では、実施例1と同様の作用効果を奏することができるのに加え、各床下空間15をさらに細分化して、より確実且つ均一に複数の床パネル3の吸引面23全体で気体の吸引を行うことができる。
【0140】
図8は、変形例に係る気体浄化システムの床パネルを示す概略断面図である。
【0141】
図8の変形例は、図7の実施例2に対し、床下空間15を一対の分割空間17a及び17bに分割したものである。
【0142】
第1連通ダクト部29aは、区画方向に沿って設けられ区画方向で相互に合流する。第2連通ダクト部29bは、分割空間17a及び17b間に交差方向に沿って設けられ、第3連通ダクト部29cに至る。第3連通ダクト部29cは、第1連通ダクト部29aとは交差方向の反対側に位置し、区画方向に沿って設けられて連結ダクト部31に至る。
【0143】
かかる変形例でも、実施例2と同様の作用効果を奏することができる。
【実施例3】
【0144】
図9は、本発明の実施例3に係る気体浄化システムの床パネルを示す概略断面図である。なお、実施例3では、実施例1と同一構成部分に同符号を付して重複した説明を省略する。
【0145】
本実施例の気体浄化システム1は、床パネル3の内部構造を実施例1に対して変更したものである。その他は、実施例1と同一である。
【0146】
本実施例では、床下空間15が一対の分割空間17a及び17bに分割され、交差方向の一側に連通ダクト部29a,29bが区画方向に連通して設けられている。連結ダクト部29a,29bは、合流した後に連結ダクト部31に合流するようになっている。連結ダクト部29bには、入口損失を考慮して分割空間17a内に至る延長ダクト部30を備えている。
【0147】
かかる実施例3でも、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0148】
1 気体浄化システム
3 床パネル
5 ダクト
5a 個別ダクト
5b メインダクト
7 ブロワー
9 浄化ユニット
11 放出口
15 床下空間
17a、17b 分割空間
23 吸引面
29a、29b 連通ダクト部
31 連結ダクト部
41 金属フィルター
43 オゾン発生部
45 紫外線照射部
45a 第1照射部
45b 第2照射部
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5
【図6】
図6
【図7】
図7
【図8】
図8
【図9】
図9
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