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【発明の名称】建築用管状体 【出願人】 【識別番号】513105144 【氏名又は名称】有限会社廣田板金 【住所又は居所】愛知県豊橋市富士見町297番3 【代理人】 【識別番号】110000534 【氏名又は名称】特許業務法人しんめいセンチュリー 【発明者】 【氏名】廣田 嘉久 【住所又は居所】愛知県豊橋市富士見町297番3 有限会社廣田板金内 【要約】 【課題】壁面や桟への取付構造を簡素化できる建築用管状体を提供すること。 【解決手段】取付板部11及び立設板部12を備える第1部材10、並びに、正面板部21、側板部22及び接合部23を備える第2部材20が板金加工によって形成される。第1部材10の取付板部11が壁面40に取り付けられ、立設板部12が接合部23によって側板部22と接合されることで、第1部材10及び第2部材20が管状にされる。壁面40に第1部材10を取り付けるビス43を第2部材20で隠蔽することができ、接続具を用意する必要もないので、取付構造を簡素化できる。 【選択図】図2 【特許請求の範囲】 【請求項1】 金属製の板材の一部で構成されると共に壁面や桟に取り付けられる長尺状の取付板部と、 その取付板部を一部が構成する板材の両端が折り曲げられて前記取付板部の長手方向の両側縁に立設される一対の立設板部とを備える第1部材と、 金属製の板材の一部で構成される長尺状の正面板部と、 その正面板部を一部が構成する板材の両端が折り曲げられて前記正面板部の長手方向の両側縁に立設される一対の側板部とを備える第2部材と、 前記側板部および前記立設板部の少なくとも一方は、前記側板部および前記立設板部の他方と接合されて前記第1部材および前記第2部材を管状にする接合部を備えていることを特徴とする建築用管状体。 【請求項2】 前記接合部は、前記側板部および前記立設板部の少なくとも一方の長手方向の側縁部を、その側板部または立設板部の内側面に重ねるように折り曲げて形成される折曲部と、 その折曲部の長手方向の側縁部を折り返して形成される折返部と、 その折返部の長手方向の側縁部を前記折曲部側に折り曲げて形成される鈎部とを備え、 前記側板部および前記立設板部の他方は、対向する側板部または立設板部に向かって突設される係止部を備え、 その係止部は、前記側板部および前記立設板部の他方が前記折曲部と前記折返部との間に挿入されると前記鈎部に係止されることを特徴とする請求項1記載の建築用管状体。 【請求項3】 前記接合部は、前記第2部材に形成されていることを特徴とする請求項2記載の建築用管状体。 【請求項4】 前記接合部で接合されることにより管状にされた前記第1部材および前記第2部材の少なくとも一方の端部に装着される蓋部材を備え、 前記蓋部材は、前記第1部材および前記第2部材の軸端に当接される閉鎖部と、 その閉鎖部に突設されると共に前記第1部材および前記第2部材の軸端に圧入される圧入部とを備え、 前記接合部は、前記折返部および前記鈎部の軸方向の端部に、前記圧入部との干渉を避けて切欠された切欠部を備えていることを特徴とする請求項2又は3に記載の建築用管状体。 【発明の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本発明は、壁面や桟に取り付けて用いられる建築用管状体に関し、特に壁面や桟への取付構造を簡素化できる建築用管状体に関するものである。 【背景技術】 【0002】 エントランスや窓等の開口において直射日光を遮るスクリーンやプライバシーを守る目隠し、建築物の壁面の意匠性の向上などのために、長尺の管状体を縦や横に並べた格子や連子が用いられている(例えば特許文献1、特許文献2)。格子や連子を構成する従来の管状体は、角形の中空断面をもつ形鋼により形成されている。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0003】 【特許文献1】特開2006−266016号公報 【特許文献2】特開2008−82028号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 しかしながら上記従来の技術では、角形の中空断面をもつ形鋼によって管状体が形成されているので、壁面や桟の正面からビスを管状体に貫入して壁面や桟に管状体を取り付けると、管状体の正面にビスの頭部が露呈してしまう。それを防ぐには、管状体と壁面等とを接続する接続具が別に必要となるため、部品点数が増加し、壁面や桟への取付構造が複雑化するという問題点があった。 【0005】 本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、壁面や桟への取付構造を簡素化できる建築用管状体を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段および発明の効果】 【0006】 この目的を達成するために請求項1記載の建築用管状体によれば、金属製の板材の一部で長尺状の第1部材の取付板部が構成される。その取付板部を一部が構成する板材の両端が折り曲げられて、取付板部の長手方向の両側縁に一対の立設板部が立設される。取付板部が壁面や桟に取り付けられる。 【0007】 金属製の板材の一部で長尺状の第2部材の正面板部が構成される。その正面板部を一部が構成する板材の両端が折り曲げられて、正面板部の長手方向の両側縁に一対の側板部が立設される。側板部および立設板部の少なくとも一方は、接合部によって側板部および立設板部の他方と接合され、第1部材および第2部材が管状にされる。 【0008】 従って、壁面や桟の正面に第1部材をビス等によって取り付けた後、第2部材を第1部材に接合して管状にすることができる。壁面や桟に第1部材を取り付けるビス等を第2部材で隠蔽することができ、接続具を用意する必要もないので、壁面や桟への取付構造を簡素化できる効果がある。 【0009】 請求項2記載の建築用管状体によれば、接合部は、側板部および立設板部の少なくとも一方の長手方向の側縁部が、その側板部または立設板部の内側面に重ねるように折り曲げられて折曲部が形成される。その折曲部の長手方向の側縁部が折り返されて折返部が形成され、その折返部の長手方向の側縁部が折曲部側に折り曲げられて鈎部が形成される。 【0010】 側板部および立設板部の他方は、対向する側板部または立設板部に向かって係止部が突設される。側板部および立設板部の他方が折曲部と折返部との間に挿入されると、係止部が鈎部に係止されて第1部材と第2部材とが接合される。従って、請求項1の効果に加え、第1部材と第2部材との接合を容易にできる効果がある。 【0011】 請求項3記載の建築用管状体によれば、接合部は第2部材に形成されているので、第1部材の短手方向外側に、第2部材の側板部および折曲部を位置させることができる。その結果、第1部材の立設板部に第2部材の側板部を被せて、第1部材および第2部材の中空状の空間内に折返部および鈎部を位置させることができる。壁面や桟の正面側から、第2部材の折返部および鈎部を視認不能にできるので、請求項2の効果に加え、見栄えを良くできる効果がある。 【0012】 請求項4記載の建築用管状体によれば、接合部で接合されることにより管状にされた第1部材および第2部材の少なくとも一方の端部に蓋部材が装着される。蓋部材は、第1部材および第2部材の軸端に閉鎖部が当接され、閉鎖部に圧入部が突設される。接合部は、切欠部によって折返部および鈎部の軸方向の端部が切欠されているので、折返部および鈎部と圧入部との干渉を避けて、第1部材および第2部材の軸端に圧入部を圧入できる。 【0013】 以上のように第1部材および第2部材の軸端に蓋部材が装着されるので、請求項2又は3の効果に加え、ゴミや虫等の異物の侵入を防止できると共に、軸端のエッジが露出することを閉鎖部によって防止できる効果がある。 【0014】 また、切欠部があるので、折返部および鈎部の内側への張り出しを防ぎ、第1部材および第2部材の軸端の開口が小さくなることを防止できる。開口が小さくなると蓋部材の圧入部の圧入が困難になるので、切欠部が設けられていない場合には、開口を確保するために、第1部材および第2部材の軸端を軸直方向外側に拡げる必要がある。軸端を軸直方向外側に拡げると、第1部材および第2部材の長手方向の直線性が損なわれてしまう。しかし、切欠部によって、第1部材および第2部材の軸端を軸直方向外側に拡げなくても軸端に蓋部材の圧入部を圧入可能にできるので、第1部材および第2部材の長手方向の直線性を確保できる効果がある。 【図面の簡単な説明】 【0015】 【図1】本発明の第1実施の形態における建築用管状体を用いた連子の正面図である。 【図2】建築用管状体の分解斜視図である。 【図3】(a)は壁面に取り付けられた短手方向における建築用管状体の断面図であり、(b)は図3(a)のIIIbで示す部分を拡大して示す建築用管状体の断面図であり、(c)は蓋部材が装着された建築用管状体の長手方向における軸端の断面図である。 【図4】(a)は第2実施の形態における建築用管状体の短手方向における断面図であり、(b)は第3実施の形態における建築用管状体の短手方向における断面図であり、(c)は第4実施の形態における建築用管状体の第1部材の斜視図である。 【発明を実施するための形態】 【0016】 以下、本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図3を参照して第1実施の形態について説明する。図1は本発明の第1実施の形態における建築用管状体1を用いた連子2の正面図である。図1に示すように、建築用管状体1は長尺状に形成される部材であり、横方向(図1左右方向)に所定の間隔をあけて複数本が縦方向に列設されることで、建築物Bの壁面40に連子2が形成されている。 【0017】 次に図2及び図3を参照して、建築用管状体1について説明する。図2は建築用管状体1の分解斜視図であり、図3(a)は短手方向における建築用管状体1の断面図であり、図3(b)は図3(a)のIIIbで示す部分を拡大して示す建築用管状体1の断面図である。 【0018】 図2に示すように建築用管状体1は、金属製の板材の板金加工によって形成される第1部材10及び第2部材20と、第1部材10及び第2部材20の軸端に装着される蓋部材30とを備えて構成される。なお、第1部材10及び第2部材20の長手方向の一端および他端は同一形状に形成されているので、図2では、第1部材10及び第2部材20の長手方向の一端(上部)側の軸端付近を図示し、その他の長手方向の図示を省略している。 【0019】 第1部材10及び第2部材20を構成する板材としては、鋼、クラッド鋼、ステンレス鋼等の合金鋼製の板材;アルミニウム、銅、亜鉛、チタン等の非鉄金属製やそれらの合金製の板材;これらの板材に亜鉛メッキ等の表面処理を施した板材;塩ビ被膜鋼板等の合成樹脂製被覆板材;溶融アルミニウム・亜鉛合金メッキ鋼板であるガルバリウム鋼板;これらの板材に塗装を施した塗装板材等が用いられる。 【0020】 板材は、0.3〜0.8mm程度の板厚のものが用いられる。本実施の形態では、第1部材10及び第2部材20は、同一の材質で同一の板厚をもつ板材によって形成されている。板材の長さ及び幅は、建築用管状体1が固定される建築物B(図1参照)の大きさ等によって適宜設定される。板材は、プレスブレーキ、ベンダー、ロール成形機等によって曲げ加工がされ、第1部材10及び第2部材20の所定の形状に成形される。特に、プレスブレーキにより形成されると、ロール成形機によって成形される場合と比較して、第1部材10及び第2部材20の長手方向の波打ち(蛇行)が抑制されるので好ましい。 【0021】 第1部材10は、壁面40(図1参照)に取り付けられて第2部材20を支持するための部材である。図2に示すように第1部材10は、縦長の矩形状の板材の一部で構成される取付板部11と、一部が取付板部11を構成する板材の両端が略直角に折り曲げられることで取付板部11の長手方向の両側縁11aに立設される一対の立設板部12とを備えて構成される。取付板部11及び立設板部12はいずれも長尺の矩形状に形成され、一対の立設板部12は対向して互いに略平行となるように配置される。これにより、第1部材10は全体として断面コ字状に形成される。 【0022】 立設板部12は、側縁12a寄りの位置に係止部13が形成されている。係止部13は、立設板部12の内側面の凸起であり、本実施の形態では、立設板部12の外側面から内側面に向かってパンチされ、穿孔されることで生じるバリにより形成される。また、係止部13は、側縁12aに沿って所定(本実施の形態では約20cm)の間隔をあけて複数形成される。 【0023】 第2部材20は、第1部材10に支持されることで第1部材10と共に中空断面の管状体を構成するための部材である。第2部材20は、縦長の矩形状の板材の一部で構成される正面板部21と、一部が正面板部21を構成する板材の両端が折り曲げられて正面板部21の長手方向の両側縁に立設される一対の側板部22と、側板部22に形成される接合部23とを備えて構成される。正面板部21及び側板部22はいずれも長尺の矩形状に形成され、一対の側板部22は互いに対向して配置される。これにより、正面板部21及び側板部22は全体として断面コ字状に形成される。なお、正面板部21の短手方向の幅は、第1部材10の取付板部11の短手方向の幅より少し大きめに設定されている。 【0024】 接合部23は、第1部材10の立設板部12と第2部材20の側板部22とを接合するために形成される部位であり、本実施の形態では第2部材20に形成されている。接合部23は、側板部22の長手方向の側縁部を側板部22同士の対向面(内側面)に重ねるように折り曲げて形成される折曲部24と、折曲部24の長手方向の側縁部を折り返して形成される折返部25と、折返部25の長手方向の側縁部を折曲部24側に折り曲げて形成される鈎部26とを備えて構成される。 【0025】 折曲部24は、折返部25が連成されることにより、折返部25と一体となって断面U字状の袋状に形成される。側板部22の内側に折り曲げられた一対の折曲部24は、互いに対向する折曲部24の間隔が正面板部21から離れるにつれて幅狭になるように設定されている。即ち、折曲部24は、正面板部21から最も離れたところで、折曲部24間の距離が最小になる。折曲部24及び折返部25によって形成された袋状の部位に、第1部材10の立設板部12が挿入され、挿入された立設板部12の側縁12aは、折曲部24の底部24aに当接される(図3(b)参照)。 【0026】 鈎部26は、立設板部12(係止部13)の抜け止めの機能を果たす部位であり、先端が正面板部21側を向いて折り曲げられている。これにより、折曲部24と折返部25との間に立設板部12が挿入されるときには、折返部25及び鉤部26が弾性変形して、立設板部12に突設された係止部13は鈎部26を通過できる。一方、係止部13が鈎部26を通過した後は、鈎部26の縁に係止部13が引っ掛かる(図3(b)参照)。従って、折曲部24及び折返部25間に挿入された立設板部12は、折曲部24の底部24aに側縁12aが当接され、鈎部26の縁に係止部13が引っ掛かることで短手方向(図3(a)左右方向)に固定される。 【0027】 また、折曲部24は、互いに対向する折曲部24の間隔が正面板部21から離れるにつれて幅狭になるように設定されているので、立設板部12の外側に側板部22及び折曲部24を被せると、一対の側板部22及び折曲部24に挟まれて、立設板部12が間隔を狭めるように弾性変形される。その結果、折曲部24と立設板部12との摩擦を大きくできるので、第1部材10に対して第2部材20が長手方向(図3(a)紙面垂直方向)に位置ずれすることを防止できる。 【0028】 第2部材20は、接合部23のうち軸端の折返部25及び鈎部26が切欠された切欠部27を備えている。切欠部27は、第1部材10及び第2部材20の軸端に装着される蓋部材30との干渉を避けるための部位である。蓋部材30は、接合された第1部材10及び第2部材20の管状の軸端に装着される合成樹脂製や金属製の部材であり、第1部材10及び第2部材20の軸端に当接されて開口を閉鎖する閉鎖部31と、閉鎖部31に突設される圧入部32とを備えて構成される。 【0029】 次に図3(a)を参照して、建築用管状体1の施工方法について説明する。なお、本実施の形態では、下地材41を介して躯体42に固定された壁面40(サイディング)に建築用管状体1を施工する場合について説明する。まず、第1部材10の取付板部11を壁面40に当接させ、ビス43を、取付板部11から壁面40、下地材41を貫通して躯体42までねじ込むことによって、壁面40に第1部材10を固定する。次いで、第1部材10の立設板部12に、第2部材20の折曲部24を被せるようにして第2部材20を叩き込み、折曲部24と折返部25との間に立設板部12を挿入する。立設板部12が底部24aに当接し、鈎部26が係止部13に引っ掛かることで、第2部材20が第1部材10に固定され、第1部材10及び第2部材20の全体で管状にされる。 【0030】 以上のように、壁面40に第1部材10をビス43によって取り付けた後、接合部23によって第2部材20が第1部材10に接合されるので、第1部材10を壁面40に取り付けるビス43を第2部材20で隠蔽できる。第2部材20でビス43が見えなくなるので、見栄えを良くできる。また、壁面40へ固定するための接合具等を要しないので、部品点数を削減できると共に、壁面40への取付構造を簡素化できる。さらに、壁面40の正面から第1部材10及び第2部材20を固定できるので、壁面40への取付作業性を向上できる。従って、既設の建築物Bに格子や連子を簡便に設けることができる。 【0031】 また、第2部材20の側板部22及び折曲部24の内側に、第1部材10の立設板部12を嵌め込むことで、係止部13が鈎部26に引っ掛かって第2部材20が第1部材10に固定される。第1部材10に対する第2部材20の叩き込み(嵌め込み作業)が1度で済むので、取付作業性を向上できる。 【0032】 また、接合部23は第2部材20に形成されているので、第1部材10の立設板部12の外側に、第2部材20の側板部22及び折曲部24を位置させることができる。その結果、第1部材10の立設板部12に第2部材20の側板部22を被せて、第1部材10及び第2部材20の中空状の空間内に折返部25及び鈎部26を位置させることができる。壁面40の正面側から、側板部22及び立設板部12は視認可能であるが、第2部材20の折返部25及び鈎部26を視認不能にできるので、見栄えを良くできる。 【0033】 壁面40の正面側から、側板部22(第2部材20)及び立設板部12(第1部材10)を視認可能にできるので、第1部材10と第2部材20とを異なる色にすることによって、配色の自在性を向上できる。特に、エントランスや窓等の開口等において、建築用管状体1をスクリーンや目隠しの用途として用いる場合には、第1部材10と第2部材20とを異なる色にすることで、外部(第2部材20側)から受ける印象と内部(第1部材10側)から受ける印象とを異ならせることができるので、好ましい。 【0034】 次に図3(c)を参照して蓋部材30の装着構造について説明する。図3(c)は蓋部材30が装着された建築用管状体1の長手方向における軸端の断面図である。図3(c)に示すように、蓋部材30の閉鎖部31は、接合された第1部材10及び第2部材20の軸端の開口を閉鎖するための部位であり、第1部材10及び第2部材20により形成される管状の軸端と略同一の形状および大きさに設定されている。 【0035】 圧入部32は、第1部材10及び第2部材20により形成される管状の軸端に圧入される基部33と、基部33の軸方向に突設される軸部34と、軸部34の軸直方向外側に突設される複数の突条状の張出部35,36,37とを備えて構成される。基部33及び張出部35,36は、第1部材10及び第2部材20の内壁面に外周が圧接される部位である。基部33及び張出部35,36は、軸部34の軸方向に互いに間隔をあけて設けられているので、軸部34は第1部材10及び第2部材20の軸方向の複数箇所で支持される。その結果、軸端に装着された蓋部材30がガタつくことを防止できる。 【0036】 また、張出部35,36は、軸部34の軸方向の複数箇所で軸直方向外側に突条状に突設されているので、シール性を確保することができ、第1部材20及び第2部材20と蓋部材30との隙間から雨水等が浸入することを抑制できる。さらに、閉鎖部31によって軸端が覆われるので、開口からのゴミや虫等の異物の侵入を防止できると共に、軸端のエッジが露出することを防止できる。従って、第1部材10及び第2部材20の軸端のエッジが鋭利であっても、閉鎖部31によって切傷するおそれをなくすことができる。 【0037】 また、切欠部27によって折返部25及び鈎部26の軸端が切欠されているので、折返部25及び鈎部26の内側への張り出しを防ぎ、第1部材10及び第2部材20の軸端の開口が小さくなることを防止できる。開口が小さくなると蓋部材30の圧入部32の圧入が困難になるので、切欠部27が設けられていない場合には、開口を確保するために、第1部材10及び第2部材20の軸端を軸直方向外側に拡げる必要がある。軸端を軸直方向外側に拡げると、第1部材10及び第2部材20の長手方向(軸方向)の直線性が損なわれてしまう。しかし、切欠部27によって、第1部材および第2部材の軸端を軸直方向外側に拡げなくても軸端に蓋部材30の圧入部32を圧入可能にできるので、第1部材10及び第2部材20の長手方向の直線性を確保できる。 【0038】 なお、第2部材20の折曲部24は、正面板部21から最も離れたところ(折曲部24と折返部25との境界)で、対向する折曲部24間の距離が最小になるように設定されている。また、折返部25を設けることによって折曲部24の剛性が向上されるので、折曲部24及び折返部25の間に立設板部12が挿入されると、立設板部12は、折曲部24に外側から押されて互いの間隔を狭めるように弾性変形される。これにより、蓋部材30の圧入部32(基部33及び張出部35,36)が立設板部12よって両側から挟み付けられる。蓋部材30の基部33及び張出部35,36が立設板部12に締め付けられるので、圧入部32が軸端に圧入された蓋部材30を外れ難くできる。 【0039】 次に図4を参照して、他の実施の形態について説明する。なお、図4に示す他の実施の形態において、第1実施の形態と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図4(a)は第2実施の形態における建築用管状体101の短手方向における断面図であり、図4(b)は第3実施の形態における建築用管状体201の短手方向における断面図であり、図4(c)は第4実施の形態における建築用管状体の第1部材310の斜視図である。 【0040】 図4(a)に示すように、第2実施の形態における建築用管状体101の第1部材110は、立設板部112の幅(図4(a)上下方向寸法)が、第1実施の形態における第1部材10の立設板部12の幅(図3(a)左右方向寸法)と比較して小さく設定される。これにより、立設板部112の幅と接合部23の幅とは略同一とされる、また、立設板部112に形成される係止部113は、立設板部112を長手方向に折曲することで内側に向き合うように突設される。また、第2部材120は、正面板部121が短手方向(図4(a)左右方向)に沿って凸の湾曲面として形成される。 【0041】 以上のように構成される建築用管状体101は、第1実施の形態と同様に、接合部23に立設板部112が嵌挿されて第1部材110及び第2部材120が管状に形成される。立設板部112の幅は接合部23の幅と略同一に設定されているので、立設板部112のほぼ全てが側板部22に覆われる。第2部材120側から、第1部材110と第2部材120との継ぎ目(側板部22の端)を見え難くできるので、建築用管状体101を一体物のようにできる。 【0042】 図4(b)に示すように、第3実施の形態における建築用管状体201の第2部材220は、短手方向(図4(b)左右方向)に沿う凸の多角面状に正面板部221が形成される。接合部23に立設板部112が嵌挿されて第1部材210及び第2部材220が多角筒状に形成される。第2部材120,220は板金加工によって形成されるので、曲げ加工によって正面板部121,221を湾曲面状や多角面状に成形できる。そのため、注文に応じて建築用管状体101,201の形状を適宜設定できる。 【0043】 図4(c)に示すように、第4実施の形態における建築用管状体の第1部材310は、立設板部12に突設される係止部313が、立設板部12の長手方向に沿って突条状に形成されている。以上説明したように、係止部13をボタンパンチ状とすることや、係止部113を折曲形成すること、係止部313を突条状とすること等、適宜設定することができる。 【0044】 以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、連子2を構成する建築用管状体1の数は一例であり、適宜選択できる。また、壁面40は建築物Bの外壁面だけではなく、内装パネル等の屋内の壁面も当然含まれる。なお、建築物Bは、柱または壁、及び、屋根を有するもの、これに付随する門や塀、観覧のための工作物などが含まれる。 【0045】 上記実施の形態では、建築用管状体1を壁面40にビス43で固定して連子2を形成する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。複数本の横桟を設け、その横桟に対して建築用管状体1を縦方向に配置して、建築用管状体1の所定箇所を横桟に固着することによって格子状にすることは当然可能である。また、複数本の縦桟を設け、その縦桟に対して建築用管状体1を横方向に配置して、建築用管状体1の所定箇所を縦桟に固着することによって格子状にすることは当然可能である。或いは、建築物の開口の上下に設けられた窓台やまぐさ等の横板に建築用管状体1を固定することにより、面格子のように用いることは当然可能である。 【0046】 上記実施の形態では、接合部23の接合構造をボタンパンチはぜとする場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、他の接合構造を採用することは当然可能である。他の接合構造としては、例えばピッツバーグはぜが挙げられる。 【0047】 上記実施の形態では、第2部材20,120,220の側板部22に接合部23を設け、第1部材10,110,210,310を壁面40等に固定した後、接合部23を介して第2部材20,120,220を第1部材10,110,210,310に固定する場合について説明した。しかし、必ずしもこれに限られるものではなく、第1部材10,110,210,310の立設板部12,112に接合部23を設けることは当然可能である。この場合は、第2部材20,120,220の側板部22が接合部23に嵌挿され、第1部材10,110,210,310と第2部材20,120,220とが接合される。 【0048】 また同様に、接合部23を、第1部材10,110,210,310の一対の立設板部12,112の一方に設けると共に、第2部材20,120,220の一対の側板部22の一方に設けることは当然可能である。この場合は、第2部材20,120,220の側板部22の一方、第1部材10,110,210,310の立設板部12,112の一方が接合部23に嵌挿され、第1部材10,110,210,310と第2部材20,120,220とが接合される。 【符号の説明】 【0049】 1,101,210 建築用管状体 10,110,210,310 第1部材 11 取付板部 12,112 立設板部 13,113,313 係止部 20,120,220 第2部材 21,121,221 正面板部 22 側板部 23 接合部 24 折曲部 25 折返部 26 鈎部 27 切欠部 30 蓋部材 31 閉鎖部 32 圧入部 40 壁面 【図面の簡単な説明】 【0015】 【図1】本発明の第1実施の形態における建築用管状体を用いた連子の正面図である。 【図2】建築用管状体の分解斜視図である。 【図3】(a)は壁面に取り付けられた短手方向における建築用管状体の断面図であり、(b)は図3(a)のIIIbで示す部分を拡大して示す建築用管状体の断面図であり、(c)は蓋部材が装着された建築用管状体の長手方向における軸端の断面図である。 【図4】(a)は第2実施の形態における建築用管状体の短手方向における断面図であり、(b)は第3実施の形態における建築用管状体の短手方向における断面図であり、(c)は第4実施の形態における建築用管状体の第1部材の斜視図である。 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【図1】 |
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【図2】 |
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【図3】 |
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【図4】 |
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この建築用管状体の利点は、一般的な格子の製品はアルミ製がもっとも使われているが、鋼板製の勘合式は、通常、腐食がアルミ製に比べて、劣っているがその逆を考えると、磁石が容易に付くという利点があります。 考え方を変えると、格子の部分に何かを一時的に簡単に取り付けたい場合に用いると、都合がいいかなと思います。 又、アルミ製の格子は高価なもので、行われていると思いますけど鋼板製の勘合式の場合、比較的安値で施工ができ鋼板製はメーカーが色々あるのでカラーバリェーションが豊富にあり、両面カラーが変えられ、複雑な形にも容易に変えられます。 店舗内、エントランス、商業施設内、アーケード、天井など考え方しだいで立格子の本来の目的、目隠し用もしくはアクセントに使うときに薄物板金、国内独自の製品を使うことで面白いものが作れると思います。 十人十色の発想で色々なパターンがあると思います。 |
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