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土木・建設
 
【考案の名称】建物用補強金具
【実用新案権者】
【識別番号】524125245
【氏名又は名称】望月 英彦
【住所又は居所】長野県塩尻市上西条134-1 西条団地 420号
【代理人】
【識別番号】100199819
【弁理士】
【氏名又は名称】大行 尚哉
【考案者】
【氏名】望月 英彦
【住所又は居所】長野県塩尻市上西条134-1 西条団地 420号
【要約】
【課題】屋外側からコンクリート基礎と建物本体とを容易且つ強固に結合させることが可能な建物用補強金具を提供する。
【解決手段】建物用補強金具1は、外壁材15表面に配置され土台13または柱14に固定するための取り付け穴h1が設けられているアングル鋼材部2と、アングル鋼材部2に密着する密着面を有するとともに、アングル鋼材部2に固定するための取り付け穴h2若しくは接合ポイントが設けられているアングル固定部分31、アングル固定部分31からコンクリート基礎11の表面側に向かって延びる段差吸収部分32、および、段差吸収部分32から延び、コンクリート基礎11の表面に密着する密着面を有するとともに、コンクリート基礎11に固定するための取り付け穴h3が設けられている基礎固定部分33からなる金属板曲げ構造の固定ベルト部3と、を備える。
【選択図】図3
選択図
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート基礎と、当該コンクリート基礎の上面に載置されて水平方向に広がる土台、当該土台から上方に延びる柱、当該柱の表面に貼られた外壁材を含む部材が組み上げられた建物本体と、からなる建物に取り付けられて、耐震補強するための建物用補強金具であって、
長尺の断面アングル形状の鋼材を含み、前記コンクリート基礎の高さ位置から前記土台の高さ位置を経由し前記柱に沿って上方に延びるようにして前記外壁材の表面角部に配置された際に締結具によって前記外壁材を貫通させて前記土台または前記柱に固定するための取り付け穴が間隔を隔てて複数設けられているアングル鋼材部と、
前記アングル鋼材部の表面上、前記コンクリート基礎の高さ位置に配置された際、前記アングル鋼材部に重ね合わされて密着する密着面を有するとともに、前記アングル鋼材部に締結具により固定するための取り付け穴若しくは接合ポイントが設けられているアングル固定部分、当該アングル固定部分のそれぞれの端部から前記コンクリート基礎の表面側に向かって延びる段差吸収部分、および、それぞれの前記段差吸収部分の端部から前記アングル固定部分から離れる方向へ延び、前記コンクリート基礎の表面に密着する密着面を有するとともに、前記コンクリート基礎に締結具により固定するための取り付け穴が設けられている基礎固定部分からなる金属板曲げ構造の固定ベルト部と、
を備える、ことを特徴とする建物用補強金具。
【請求項2】
請求項1に記載の建物用補強金具において、
前記固定ベルト部は、前記アングル固定部分と前記段差吸収部分との間、および、前記段差吸収部分と前記基礎固定部分との間が鈍角で曲げられた前記金属板曲げ構造を有する、建物用補強金具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の建物用補強金具において、
前記アングル鋼材部の表面を覆う薄板状のカバー部を更に備える、建物用補強金具。
【考案の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本考案は、建物用補強金具に関し、特にコンクリート基礎と当該コンクリート基礎に支えられている建物本体とからなる建物のコンクリート基礎と建物本体との接合強度を後付けで補強可能な建物用補強金具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地震後の教訓から、すでに建築済みの建物の耐震性を向上させることが望まれており、大掛かりな耐震工事をせずに建物を補強するための様々な建物用補強金具が提案されている。建物の耐震性を向上させるために、コンクリート基礎とコンクリート基礎に支えられている建物本体との接合強度を高めることも一つの有効な手段であり、この接合強度を高めるための建物用補強金具も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1では、木造建築物の基礎(12)と基礎(12)上に設けられた土台(14)と土台に直角状に立ち上げて固定される柱(16)の家屋内面側においてすべてまたがって設けられ、基礎(12)と土台(14)と柱(16)のそれぞれに対応する位置にねじ止め用の孔を有する金属板体からなる建物用補強金具が開示されている。この補強金具は、屋内側から基礎(12)と土台(14)と柱(16)との結合を補強するために用いられる。この補強金具によれば、基礎(12)と土台(14)と柱(16)との結合を補強することで建物の耐震性を向上させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】 実用新案登録第3064764号公報
【考案の概要】
【考案が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1で開示されている建物用補強金具による耐震補強工事は、屋内側から行うものであり、既に建築済みの建物に対しては、屋内側の床上にはコンクリート基礎が露出していないこともあり、建物の増築、改築のタイミングで行うことが好ましい。この建物用補強金具による建物の補強工事は、建物の増築、改築のタイミングでなくても、床下に潜り行うことも可能ではあるが、狭いスペースで作業する必要があり、大変であるためである。一方で、既に建築済みの建物のコンクリート基礎、土台、および柱の補強工事時に広い作業スペースを確保すべく、屋外側からコンクリート基礎、土台、および柱に建物用補強金具を固定できればよいが、土台および柱には外壁材が貼られており、コンクリート基礎の表面に対し外壁材が外側に飛び出しているため、特許文献1で開示されているような平板形状の建物用補強金具を用いると、コンクリート基礎の表面と外壁材の表面との段差によりコンクリート基礎と建物本体とを強固に結合させることができない。
【0006】
本考案は、このような点に鑑みて、コンクリート基礎の表面と外壁材の表面とに段差があっても、屋外側からコンクリート基礎と建物本体とを容易且つ強固に結合させて耐震補強することが可能な建物用補強金具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく、本考案に係る建物用補強金具は、コンクリート基礎と、当該コンクリート基礎の上面に載置されて水平方向に広がる土台、当該土台から上方に延びる柱、当該柱の表面に貼られた外壁材を含む建物本体とからなる建物に取り付けられて、耐震補強するための建物用補強金具であって、
長尺の断面アングル形状の鋼材を含み、コンクリート基礎の高さ位置から土台の高さ位置を経由し柱に沿って上方に延びるようにして外壁材の表面角部に配置された際に締結具によって外壁材を貫通させて土台または柱に固定するための取り付け穴が間隔を隔てて複数設けられているアングル鋼材部と、
アングル鋼材部の表面上、コンクリート基礎の高さ位置に配置された際、アングル鋼材部に重ね合わされて密着する密着面を有するとともに、アングル鋼材部に締結具により固定するための取り付け穴若しくは接合ポイントが設けられているアングル固定部分、アングル固定部分のそれぞれの端部からコンクリート基礎の表面側に向かって延びる段差吸収部分、および、それぞれの段差吸収部分の端部からアングル固定部分から離れる方向へ延び、コンクリート基礎の表面に密着する密着面を有するとともに、コンクリート基礎に締結具により固定するための取り付け穴が設けられている基礎固定部分からなる金属板曲げ構造の固定ベルト部と、
を備える、ことを特徴とする。
【0008】
この建物用補強金具においては、固定ベルト部は、アングル固定部分と段差吸収部分との間、および、段差吸収部分と基礎固定部分との間が鈍角で曲げられた金属板曲げ構造を有する、ことが好ましい。
【0009】
また、この建物用補強金具においては、アングル鋼材部の表面を覆う薄板状のカバー部を更に備える、ことが好ましい。
【考案の効果】
【0010】
本考案によれば、基礎の表面と外壁材の表面とに段差があっても、屋外側から基礎と建物本体とを容易且つ強固に結合させて耐震補強することが可能な建物用補強金具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】建物に取り付けられた実施形態に係る建物用補強金具の外観斜視図である。
【図2】図1に示す建物用補強金具のカバー部を外した状態についてコンクリート基礎の高さ位置付近を拡大して示す拡大斜視図である。
【図3】図2のA−A断面を模式的に示すA−A断面模式図である。
【図4】図2のB−B断面を模式的に示すB−B断面模式図である。
【図5】図2のC−C断面を模式的に示すC−C断面模式図である。
【考案を実施するための形態】
【0012】
以下に、図面を参照して本考案の一実施形態である建物用補強金具を説明するが、本考案は、この実施形態に限定されるものではない。なお、各図面は必ずしも実際の形状や寸法を厳密に反映したものではない。
【0013】
(建物用補強金具1の構成)
図1は建物10に取り付けられた実施形態に係る建物用補強金具1の外観斜視図であり、図2はその建物用補強金具1のカバー部4を外した状態についてコンクリート基礎11の高さ位置付近を拡大して示す拡大斜視図であり、図3は図2のA−A断面を模式的に示すA−A断面模式図であり、図4は図2のB−B断面を模式的に示すB−B断面模式図であり、図5は図2のC−C断面を模式的に示すC−C断面模式図である。これらの図を参照し、本考案を適用した建物用補強金具1について説明する。
【0014】
建物用補強金具1は、図1に示すように、建物10に屋外側から取り付けられ、建物10を耐震補強するために用いられる。
【0015】
建物用補強金具1を説明する前に、まず、建物用補強金具1が取り付けられる建物10を説明する。建物10は、コンクリート基礎11と、コンクリート基礎に支えられた建物本体12とからなる。
【0016】
コンクリート基礎11は、地上に建物本体12を支えるための基礎構造物であり、鉄筋コンクリートで作られている。コンクリート基礎11は、下方側が地面に埋まり上方側が地上に露出しており、その上面で建物本体12を支える。
【0017】
建物本体12は、図3も参照し、コンクリート基礎11の上面に支えられ水平方向に広がる土台13、土台13から上方に延びる柱14、および、その他、梁や屋根で骨組みが構成され、柱14表面等の骨組みに外壁材15等の壁材が貼られ、組み上げられた構造物である。建物本体12は、コンクリート基礎11を介して地面に固定されることになり、コンクリート基礎11にしっかり固定されていないと耐震性が悪くなってしまう。
【0018】
この建物10を耐震補強するために用いられる本考案を適用した建物用補強金具1は、長尺の断面アングル形状の鋼材からなるアングル鋼材部2と、アングル鋼材部2の外面側からアングル鋼材部2に固定される固定ベルト部3と、化粧用としてアングル鋼材部2および固定ベルト部3の表面を覆うカバー部4とを備えている。アングル鋼材部2、および、固定ベルト部3は、スクリューボルトやボルトナットといった締結具により、重なり合う相手に対し固定されるとともに、少なくともアングル鋼材部2および固定ベルト部3が一体となった建物用補強金具1として建物10に固定されることで、建物10を補強することができる。
【0019】
アングル鋼材部2は、図2〜図4に示すように、断面がアングル形状の鋼材であり、少なくともコンクリート基礎11の高さ位置から土台13の高さ位置を経由し柱14に沿って更に上方に延びる長さ寸法を有している。アングル鋼材部2は、使用時にコンクリート基礎11の高さ位置から土台13の高さ位置を経由し柱14に沿って上方に延びるようにして外壁材15の表面角部に曲げ内側の面を密着させるようにして配置される。アングル鋼材部2には、使用時に配置された際に複数の締結具T1によって外壁材15を貫通させて土台13または柱14に固定するため、または、後述の固定ベルト部3を固定するために用いられる取り付け穴h1が間隔を隔てて複数設けられている。アングル鋼材部2は、例えばスクリューボルトといった締結具T1がこの取り付け穴h1を通し、外壁材15を更に貫通させて土台13または柱14に打ち込まれることで建物10に固定される。なお、アングル鋼材部2は、直交する2方向それぞれに対し板幅があり、両方向に対しての曲げ強度が高く、その結果、固定される建物10の耐横揺れの補強となる。
【0020】
固定ベルト部3は、図2、図3、および図5に示すように、アングル鋼材部2の表面およびコンクリート基礎11の表面に沿うようにした曲げ構造を有する金属製の厚めの板材からなる。固定ベルト部3は、使用時にアングル鋼材部2の表面上、コンクリート基礎11の高さ位置に配置される。固定ベルト部3は、曲げ構造により異なる高さ位置または方向に広がる複数の面を有し、アングル固定部分31、段差吸収部分32、基礎固定部分33からなる。
【0021】
アングル固定部分31は、断面アングル形状で使用時に配置された際、アングル鋼材部2に重ね合わされて密着する密着面を有する。アングル固定部分31には、アングル鋼材部2に締結具T2により固定するための取り付け穴h2が設けられている。
【0022】
段差吸収部分32は、アングル固定部分31のそれぞれの端部からコンクリート基礎11の表面側に向かって延びている。段差吸収部分32は、アングル固定部分31をアングル鋼材部2に重ね合わされて密着させた際、後述の基礎固定部分33がコンクリート基礎11の表面に密着するようアングル固定部分31に対するなす角および長さ寸法が規定されている。
【0023】
基礎固定部分33は、それぞれの段差吸収部分32の端部からアングル固定部分31と平行でアングル固定部分31から離れる方向へ延び、コンクリート基礎11の表面に密着する密着面を有する。基礎固定部分33には、コンクリート基礎11に締結具T3により固定するための取り付け穴h3が設けられている。
【0024】
固定ベルト部3においては、アングル固定部分31と段差吸収部分32との間、および、段差吸収部分32と基礎固定部分33との間が鈍角で曲げられている。このような形態の固定ベルト部3は、使用時に配置された際、アングル固定部分31の密着面がアングル鋼材部2の表面に密着する状態になるとともに、基礎固定部分33の密着面がコンクリート基礎11の表面に密着した状態となる。そして、固定ベルト部3は、アングル鋼材部2に対し、アングル固定部分31の取り付け穴h2を挿通させた例えばボルトとナットといった締結具T2によって締結されて一体化し、コンクリート基礎11に対し、基礎固定部分33の取り付け穴h3を挿通させた例えばコンクリート用ボルトといった締結具T3によって固定される。
【0025】
カバー部4は、図1に示すように断面アングル形状の金属製薄板若しくは樹脂製薄板であり、アングル鋼材部2の表面を覆う。カバー部4は、ボルト、接着剤、両面粘着テープ、溶接、リベット、ベルト、嵌め合い爪等、適宜選択された接合用手段を用いて、アングル鋼材部2の表面に固定される。カバー部4は、施工箇所の外観を整える役目を有している。なお、カバー部4は更に固定ベルト部3を更に覆うようにしてもよい。
【0026】
(建物用補強金具1の建物10への取り付け)
続いて、図1〜図4を参照し、建物用補強金具1の建物10への取り付けについて説明する。
【0027】
まず、アングル鋼材部2に対し、所定の位置に固定ベルト部3を配置する。そのうえで、アングル鋼材部2の取り付け穴h1と、固定ベルト部3のアングル固定部分31の取り付け穴h2とを重ね合わせた状態でこれらの取り付け穴h1,h2に締結具T2としてボルトナットを用い、一方からボルトを通し他方からナットで締め付けて、アングル鋼材部2と固定ベルト部3とを一体化させる。なお、アングル鋼材部2と固定ベルト部3とを溶接等により最初から一体化させておく構造を採用してもよく、その場合にはこの工程は不要である。
【0028】
次に、アングル鋼材部2と固定ベルト部3とが一体化したものを、固定ベルト部3を下方にしてアングル鋼材部2が上下方向に延びる向きで、固定ベルト部3をコンクリート基礎11の高さ位置にして、取り付け対象の建物10の外壁材15の上下方向に延びる角部に配置する。そして、外壁材15の角部を構成する2面にアングル鋼材部2の内面を密着させた状態にして、アングル鋼材部2の複数の取り付け穴h1それぞれに締結具T1としてのスクリューボルトを、外壁材15を貫通させて土台13または柱14まで打ち込み、アングル鋼材部2と固定ベルト部3とが一体化したものを建物10にしっかり固定する。そうすると、固定ベルト部3の基礎固定部分33の密着面がコンクリート基礎11の表面と面する状態となっており、締結具T3としてのコンクリート用ボルトを基礎固定部分33の取り付け穴h3を通し、コンクリート基礎11に打ち込む。これにより、建物10は、アングル鋼材部2により前述したように耐横揺れの補強がなされるとともに、アングル鋼材部2と固定ベルト部3とが一体化したもので、コンクリート基礎11と建物本体12との連結が強まる。
【0029】
次に、建物10の外観にアングル鋼材部2を露出させることが好まない場合には、カバー部4をアングル鋼材部2の表面を覆うようにして建物10に取り付ける。カバー部4については、ボルト、接着剤、両面粘着テープ、溶接、リベット、ベルト、嵌め合い爪等を適宜用いて建物10に取り付ければよい。
【0030】
(作用・効果)
建物用補強金具1は、長尺の断面アングル形状の鋼材を含み、コンクリート基礎11の高さ位置から土台13の高さ位置を経由し柱14に沿って上方に延びるようにして外壁材15の表面角部に配置された際に締結具T1によって外壁材15を貫通させて土台13または柱14に固定するための取り付け穴h1が間隔を隔てて複数設けられているアングル鋼材部2を備えている。これにより、建物用補強金具1は、屋外からの取り付けで建物本体12の角部を水平2方向からしっかり受けることが可能となる。そのうえで、建物用補強金具1は、アングル鋼材部2に重ね合わされて密着する密着面を有するとともに、アングル鋼材部2に締結具T2により固定するための取り付け穴h2若しくは接合ポイントが設けられているアングル固定部分31、アングル固定部分31のそれぞれの端部からコンクリート基礎11の表面側に向かって延びる段差吸収部分32、および、それぞれの段差吸収部分32の端部からアングル固定部分31から離れる方向へ延び、コンクリート基礎11の表面に密着する密着面を有するとともに、コンクリート基礎11に締結具T3により固定するための取り付け穴h3が設けられている基礎固定部分33からなる金属板曲げ構造の固定ベルト部3を備えている。これにより、建物用補強金具1は、コンクリート基礎11の表面と外壁材15の表面とに段差があっても、屋外からの取り付けで、建物本体12の角部を水平2方向からしっかり受けるアングル鋼材部2とコンクリート基礎11とを、アングル固定部分31がしっかりアングル鋼材部2に固定され、基礎固定部分33がしっかりコンクリート基礎11に固定される固定ベルト部3で強固に結合することができる。
【0031】
その結果、建物用補強金具1は、コンクリート基礎11の表面と外壁材15の表面とに段差があっても、屋外側からコンクリート基礎11と建物本体12とを容易且つ強固に結合させて耐震補強することが可能な建物用補強金具となる。
【0032】
また、建物用補強金具1によれば、固定ベルト部3がアングル固定部分31と段差吸収部分32との間、および、段差吸収部分32と基礎固定部分33との間が鈍角で曲げられているため、鋭角で曲げられているよりも外からの力に対しての変形を抑制することが可能である。
【0033】
また、建物用補強金具1によれば、アングル鋼材部2の表面を覆う薄板状のカバー部4を更に備えるため、取り付け後の建物10の外観を損なわないよう配慮されている。
【0034】
[その他の形態]
以上、本考案を上記の実施形態に基づき説明したが、本考案は上記の実施形態に限定されるものではない。その趣旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
【0035】
(1)上記実施形態において記載した数、形状、位置、大きさ、材質、締結具の種類、接合の方法等は例示であり、本考案の効果を損なわない範囲において変更することが可能である。
【0036】
(2)上記した実施形態においては、アングル鋼材部2と固定ベルト部3とがアングル固定部分31においてボルトとナットにより締結されて一体化しているものとして説明したが、本考案はこれに限定されるものではない。例えば、アングル鋼材部と固定ベルト部とがリベットや溶接といった接合ポイントにより一体化されていてもよい。
【0037】
(3)上記した実施形態においては、アングル鋼材部2について、土台13への固定部分と柱14への固定部分とに特に大きな違いを設けていなかったが、土台13への固定をより強固にすることも可能である。すなわち、土台13については水平に広がっているため、アングル鋼材部2の幅が広くても土台13と重ね合わさる。このため、アングル鋼材部2は、アングル形状の鋼材に土台13の高さ位置に対応する部分だけ幅の広がる部分を形成する、若しくは、アングル形状の鋼材に水平方向に延びる別ステーを固定して、その広がる部分にスクリューボルトを打ち込んで土台13への固定をより強固することも好ましい。
【0038】
(4)上記した実施形態においては、建物用補強金具1とコンクリート基礎11とは、接触箇所が固定ベルト部3の基礎固定部分33の密着面とコンクリート基礎11表面とのみであったが、建物用補強金具として、アングル鋼材部2とコンクリート基礎11との間に挟み込まれる形状のブロック材を別途取り付けることも好ましい。
【0039】
(5)上記した実施形態においては、アングル鋼材部2については、断面がアングル形状の鋼材のみからなるものとして説明した本考案はこれに限定されるものではない。アングル鋼材部は、アングル形状の鋼材に板幅を広げるための別ステーを締結具若しくは溶接等により一体化させ、使用時に配置された際に締結具T1によって外壁材15を貫通させて土台13または柱14に固定するための取り付け穴h1が一体化させたステーに形成されているものであってもよい。
【0040】
(6)上記した実施形態においては、固定ベルト部3の基礎固定部分33が一枚の板材のみで構成されているものとして説明したが、本考案はこれに限定されるものではない。固定ベルト部3の基礎固定部分は、板材と、板材のコンクリート基礎11側に重ね合わせて配置されたスペーサ材とからなるものであってもよい。
【符号の説明】
【0041】
1…建物用補強金具、2…アングル鋼材部、3…固定ベルト部、4…カバー部、10…建物、11…コンクリート基礎、12…建物本体、13…土台、14…柱、15…外壁材、31…アングル固定部分、32…段差吸収部分、33…基礎固定部分、h1,h2,h3…取り付け穴、T1,T2,T3…締結具
【図1】
図
【図2】
図
【図3】
図
【図4】
図
【図5】
図
説明図 
メッセージ
発明者のメッセージ 
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