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【発明の名称】型取治具 【出願人】 【識別番号】503060282 【氏名又は名称】山崎 勲 【住所又は居所】新潟県豊栄市木崎2921の1 【代理人】 【弁理士】 【識別番号】100080089 【氏名又は名称】牛木 護 【発明者】 【氏名】山崎 勲 【住所又は居所】新潟県豊栄市木崎2921の1 【要約】 【課題】 簡易な構成で支持部材の一部が破損等してもユニット単位で簡単に交換できる物体の曲面形状の型取が可能な型取冶具を提供する。 【解決手段】 複数の棒材25のそれぞれを摺動自在に支持する複数の支持ユニット10と、複数の支持ユニット10を複数の棒材25と共に巻き付ける、可撓性を有する帯状体20とを備え、複数の支持ユニット10は、帯状体20の長手方向に配置され、複数の支持ユニット10のそれぞれは、平板部10Pと、両端において平板部10Pに直交する方向に形成され、棒材25を摺動自在に支持する開孔12を有する屈曲部10Eとを含み、帯状体20は、複数の棒材25が複数の支持ユニット10の開孔12に支持される際に、複数の棒材25と複数の支持ユニット10の平板部10Pとの間で形成される空隙に配置されることを特徴とする。 【特許請求の範囲】 【請求項1】 物体の曲面形状を型取りするための型取治具であって、 複数の棒材と、 該複数の棒材のそれぞれを摺動自在に支持する複数の支持ユニットと、 該複数の支持ユニットを前記複数の棒材と共に巻き付ける、可撓性を有する帯状体とを備え、 前記複数の支持ユニットは、前記帯状体の長手方向に配置され、前記複数の支持ユニットのそれぞれは、平板部と、該平板部の両端において該平板部に直交する方向に形成され、前記棒材を摺動自在に支持する開孔を有する屈曲部とを含み、 前記帯状体は、前記複数の棒材が前記複数の支持ユニットの前記開孔に支持される際に、前記複数の棒材と前記複数の支持ユニットの前記平板部との間で形成される空隙に配置されることを特徴とする型取治具。 【請求項2】 前記支持ユニットは、前記屈曲部のそれぞれに複数の開孔を有し、前記支持ユニットの前記屈曲部は、隣接する他の支持ユニットの屈曲部と、少なくとも1つの前記開孔が互いに重なるように、帯状体の長手方向に千鳥状に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の型取治具。 【請求項3】 前記棒材及び前記帯状体は、磁性体で形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の型取治具。 【請求項4】 前記支持ユニットのそれぞれは、上下左右対称な形状であることを特徴とする請求項1に記載の型取治具。 【発明の詳細な説明】 【発明の属する技術分野】 本発明は、物体の曲面形状を型取する型取治具に関し、特に、配管等の接続作業を現場にて行う際の、配管等の形状を型取りする型取治具に関する。 【従来の技術】 従来、ダクトや排気管といった配管の接続作業においては、現場でいわゆる現物合わせによる配管作業を強いられる場合が多々発生し、このような場合には、コンパス、巻尺等を使用し、現物に合わせて試行錯誤により配管表面等の曲面形状の型取りが行われ、形状の正確な型取りが困難であった。また、作業に長時間を要し、さらに不正確な型取りにより、配管材料を損失するといった問題を生じていた。 このような、現場での困難な型取作業を補助するために、種々の型取治具が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。 【特許文献1】 特開昭59−171698号公報 【特許文献2】 特公平8−14348号公報 【特許文献3】 特開平1−97580号公報 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、上述の特許文献1〜3に開示された型取治具においては、いずれも曲面形状に当接させる棒状部材を支持する支持部材と、これらを包摂する帯状部材とが一体となっており、現場での実際の配管径に合せた、微妙な調整が困難であり、種々の配管形状や配管径に対する現場での作業性に問題を生じていた。また、例えば、支持部材の一部に破損が生じた場合には、型取治具全体を交換しなければならず、経済性、効率性の点でも問題を生じていた。さらに、帯状部材を展開するときに、曲面形状を型取した際の棒状部材の位置がずれて、実際の曲面形状の正確な展開が困難であるという問題を生じていた。 そこで、本発明は上記のような従来技術の問題点に鑑みて、簡易な構成で支持部材の一部が破損等してもユニット単位で簡単に交換できる物体の曲面形状の型取が可能な型取治具を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するために、本発明の型取治具は、物体の曲面形状を型取りするための型取治具であって、複数の棒材と、該複数の棒材のそれぞれを摺動自在に支持する複数の支持ユニットと、該複数の支持ユニットを前記複数の棒材と共に巻き付ける、可撓性を有する帯状体とを備え、前記複数の支持ユニットは、前記帯状体の長手方向に配置され、前記複数の支持ユニットのそれぞれは、平板部と、該平板部の両端において該平板部に直交する方向に形成され、前記棒材を摺動自在に支持する開孔を有する屈曲部とを含み、前記帯状体は、前記複数の棒材が前記複数の支持ユニットの前記開孔に支持される際に、前記複数の棒材と前記複数の支持ユニットの前記平板部との間で形成される空隙に配置されることを特徴とする。 このように構成した本発明の型取治具は、複数の棒材が複数の支持ユニットの開孔に支持される際に、複数の棒材と複数の支持ユニットの平板部との間に、配置された帯状体により保持されるので、簡易な構成で支持ユニットのユニット単位での増減が可能な型取治具が実現できる。 また、前記支持ユニットは、前記屈曲部のそれぞれに複数の開孔を有し、前記支持ユニットの前記屈曲部は、隣接する他の支持ユニットの屈曲部と、少なくとも1つの前記開孔が互いに重なるように、帯状体の長手方向に千鳥状に配置されていてもよい。 この場合は、支持ユニットの開孔が、棒材を保持すると共に、棒材により支持ユニット同士が連結されるので、簡易な構成で支持ユニットのユニット単位での増減を可能とすると共に、より確実に支持ユニットの連結を実現することができる。 さらに、前記棒材及び前記帯状体は、磁性体で形成されていてもよい。 この場合は、棒材が帯状体に対して、任意の位置で固定されるので、帯状体を展開した際にも、棒材の位置が移動せず、曲面形状の平面展開が容易となる。 さらにまた、前記支持ユニットのそれぞれは、上下左右対称な形状であってもよい。 この場合は、ユニット単位での製作がより容易となり、より安価に型取治具を提供することができる。 【発明の実施の形態】 以下図面を参照して、本発明の好適な実施形態について、図1〜図3を用いて説明する。 図1は、本発明に係る型取治具の展開状態を示す斜視図である。また、図2は、本発明の型取治具に係る支持ユニットの詳細を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は平面図、(d)は側面図である。さらに、図3は、本発明に係る支持ユニットの連結構造を示す模式図である。 図1に示されるように、本発明の一実施形態に係る型取治具1は、開孔12を有する多数の支持ユニット10が、マグネットベルト20の長手方向に沿って千鳥状に配列され、この上に可撓性を有する帯状体であるマグネットベルト20が載置されている。さらに、棒材である磁性体から形成された多数のピン25が、支持ユニット10の両端の開孔12を介して摺動自在に保持されるように構成されている。なお、磁性ピン25の両端には、接触による作業者や部材間の損傷を防ぐために、必要に応じて任意の形状のキャップ27を設けることができる。 以下、本発明の型取治具の詳細について説明する。 まず、本発明に係る支持ユニット10は、図2に示されるように、平板部10Pとこの両端において、平板部10Pと直交する方向に屈曲した2つの屈曲部10Eから構成される。さらに、2つの屈曲部10Eのそれぞれには、棒材を摺動自在に保持できるような大きさに形成された、例えば2つの開孔12が形成されている。そして、多数の支持ユニット10は、図3に模式的に示されるように、それぞれの平板部10Pが互いに隣接し、さらに、両端の屈曲部Eのそれぞれに形成された2つの開孔12が、互いに隣接する他の支持ユニット10の屈曲部10Eの開孔12と重なり合い、かつ、平板部10Pと直交する方向に互い違い(千鳥状)に配置されている。 このように構成した本発明の型取治具においては、多数の支持ユニット10が互いに隣接する開孔12が重なり合うように千鳥状に配置され、同一支持ユニット10における両端の開孔12間に亘って磁性ピン25を貫通させることにより、多数の支持ユニット10が互いに連結されると共に、多数の磁性ピン25と多数の支持ユニット10との間に形成されている空間にマグネットベルト20が配置されることにより、簡易な構成で多数の磁性ピン25を、互いに連結された多数の支持ユニット10と共に、保持することが可能となる。また、支持ユニット10は、上下左右対称の構造であり、製作が容易であると共に、ユニット構造であるので、複数の支持ユニット10の内、一部が破損等した場合であっても、簡単に交換することができる。さらに、ピン25とマグネットベルト20とは、共に磁性体で形成されているので、図5に示されるように、ピン25とマグネットベルト20とが互いに磁気的に引きつけ合いマグネットベルト20を展開した状態においても、磁性ピン25の位置が変化しない。これにより、曲面形状の平面展開や現場での展開図の作成が容易となる。ここで、ピン25とマグネットベルト20との間の磁気結合力は、現場での型取りの際には、磁気力に打ち勝って摺動自在に移動できるような磁気結合力であることが好ましい。 また、マグネットベルト20を締結する際には、例えば、予め適当数の棒材25及び支持ユニット10を通しておいたマグネットベルト20を接合する配管50の外周面に沿って巻きつける。そして、微細な外周径の調整は、現場にて支持ユニット10の数量を適宜増減して調整する。その後、図4に示されるように、マグネットベルト20の開放端部を、適当数に調整されたピン25及び支持ユニット10の外周面に重畳するように、さらに巻きつける。これにより、マグネットベルト20と棒材25との間の磁気結合力によりマグネットベルト20が簡易に締結される。なお、この段階で、ピン25が作業者により上下方向に摺動可能なよう、仮止めしておくことが好ましい。さらに、接合する配管60に対して、実際の接合角度に従って、型取治具1を接触させ、相手側の配管60の曲面形状に倣うように、複数のピン25を摺動させて、相手側の配管60の表面にピン25の先端を当接させる。 なお、より詳細に配管50と配管60との接触面の曲面形状を型取りしたい場合には、例えば、型取治具1により得られる曲面形状の輪郭線から、キャップ27の径をオフセットさせることにより求めてもよいし、キャップ27の先端部の描く軌跡が配管50の外径と一致するように、先端部を内径側に傾斜させて形成することにより求めてもよい。 【発明の効果】 以上説明したとおり、本発明に係る型取治具によれば、簡易な構成で物体の曲面形状が型取りでき、支持材の一部が破損等しても簡単に交換することができる型取治具を実現することが可能となる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係る型取治具の展開状態を示す斜視図である。 【図2】本発明の型取治具に係る支持ユニットの詳細を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は平面図、(d)は側面図である。 【図3】本発明に係る支持ユニットの連結構造を示す模式図である。 【図4】本発明に係る型取治具の使用状態を示す斜視図である。 【図5】本発明に係る型取治具の展開状態での棒材の配置を示す平面図である。 【符号の説明】 1 型取治具 10 支持ユニット 10E 屈曲部 10P 平板部 12 開孔 20 マグネットベルト 25 ピン 27 キャップ |
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【図1】 |
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【図2】 |
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【図3】 |
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【図4】 |
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【図5】 |
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