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【発明の名称】サイコロ型ブロック建材 【出願人】 【識別番号】311010752 【氏名又は名称】野崎 重春 【住所又は居所】兵庫県三木市鳥町582 【代理人】 【識別番号】100143362 【弁理士】 【氏名又は名称】藤本 謙二 【発明者】 【氏名】野崎 重春 【住所又は居所】兵庫県三木市鳥町582 【テーマコード(参考)】 【要約】 【課題】1人の人間が持ち運んで簡単に据え付けることができ、基礎又は地下室のみならず、その他の上部建築物等をも含めた多目的利用を図ることのできるサイコロ型ブロック建材を提供する。 【解決手段】このサイコロ型ブロック建材1は、1人の人間が手で持ち運んで簡単に据え付けることができるサイコロ型ブロックを単位として、それらを接続することにより、所定の建築構造物を形成しうるものであって、前記ブロックは、対向する各面間において、それぞれ中央振り分けに配置され、かつ互いに非干渉状態で締結具5を挿通可能な貫通孔2,3,4を有するものである。 【特許請求の範囲】 【請求項1】 1人の人間が手で持ち運んで簡単に据え付けることができるサイコロ型ブロックを単位として、それらを接続することにより、所定の建築構造物を形成しうるサイコロ型ブロック建材であって、 前記ブロックは、対向する各面間において、それぞれ中央振り分けに配置され、かつ互いに非干渉状態で第一の接続具を挿通可能な第一の孔を有することを特徴とするサイコロ型ブロック建材。 【請求項2】 前記ブロックは、対向する面間において、それらの中央で第二の接続具を貫通可能な第二の孔を有することを特徴とする請求項1記載のサイコロ型ブロック建材。 【請求項3】 前記第一の接続具は、第一の孔に埋没可能なナットと、このナットに螺合可能なボルトとを有することを特徴とする請求項1記載のサイコロ型ブロック建材。 【請求項4】 前記第二の接続具は、第二の孔に挿通可能なピアノ線を有することを特徴とする請求項2記載のサイコロ型ブロック建材。 【請求項5】 前記ブロックは、略15kgよりも軽量であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のサイコロ型ブロック建材。 【請求項6】 前記ブロックは、セメントに繊維等を混入したものなどであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のサイコロ型ブロック建材。 【請求項7】 前記ブロックは、シール材を介して接続可能であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のサイコロ型ブロック建材。 【請求項8】 前記第一の孔、第二の孔は、水揚げ孔を兼ねることを特徴とする請求項2記載のサイコロ型ブロック建材。 【請求項9】 前記第一又は第二の接続具は、前記第一又は第二の孔に埋没可能な調整ナットと、この調整ナットに螺合可能な調整ボルトとを有し、 該調整ボルトの先端が前記ブロックの一面から突出するとともに、 前記調整ボルトの頭部が前記ブロックの他面から突出しており、該頭部を回転させることにより、前記調整ボルトの先端側の突出量を調整可能としたことを特徴とする請求項2記載のサイコロ型ブロック建材。 【請求項10】 前記調整ボルトの先端は、前記ブロックの一面に対向配置された調整台に当接可能であることを特徴とする請求項9記載のサイコロ型ブロック建材。 【請求項11】 前記ブロックが上下方向に複数個連設されているブロック群である場合には、 前記ブロックの一面は、最下部のブロックの底面であるとともに、 前記ブロックの他面は、最上部のブロックの天井面であることを特徴とする請求項9又は10記載のサイコロ型ブロック建材。 【先行技術文献】 【特許文献】 【特許文献1】特開2002−285565号公報 【発明の詳細な説明】 【技術分野】 本発明は、サイコロ型ブロック建材に関するものである。 【背景技術】 従来の鉄筋コンクリート建築物の施工方法は、主として鉄筋組み立て、型枠組み立て、コンクリート打設、養生、型枠解体撤去等の現場作業からなっている。 現場作業は、立地条件や天候などに左右されやすく、安全上や日程管理上からもできるだけ少ないことが望ましい。そこで、例えば特許文献1では、隣接する中空体のブロックを締結孔に締結ボルトを用いて締結することにより基礎又は地下室をつくっておき、その基礎又は地下室に基礎ボルト、ナット等を用いて上部建築物を締結する技術が開示されている 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、上記特許文献1の技術では、各ブロックの側面同士をボルト締結して、基礎又は地下室をつくるための中空体のブロックが対象となっており、各ブロックの単体寸法を、縦2メートル、横2メートル、高さ2.6メートル相当とするとともに、その重量を5.5トン相当とするのがよい、としている。 このため、上記特許文献1の技術では、各ブロックの搬送や据え付け時に、重機を用いて施工する必要があり、大がかりなものとなっている。したがって、1人の人間が持ち運んで簡単に据え付けることができるものではなかった。また、基礎又は地下室だけをつくるといったように、その利用先も限定されていた。 本発明は、上記事情に鑑みたものであり、その目的とするところは、1人の人間が持ち運んで簡単に据え付けることができ、基礎又は地下室のみならず、その他の上部建築物等をも含めた多目的利用を図ることのできるサイコロ型ブロック建材を提供することである。 【課題を解決するための手段】 本発明は、1人の人間が持ち運んで簡単に据え付けることができるサイコロ型ブロックを単位として、それらを接続することにより、所定の建築構造物を形成しうるサイコロ型ブロック建材であって、前記ブロックは、対向する各面間において、それぞれ中央振り分けに配置され、かつ互いに非干渉状態で第一の接続具を挿通可能な第一の孔を有することを特徴とするものである。 本発明によれば、前記ブロックは、1人の人間が持ち運んで簡単に据え付けることができるものであるから、各ブロックの搬送や据え付け時に、重機を用いる必要がない。したがって、重機が入り込めないような狭隘な場所や軟弱地盤などでも施工が可能となる。 また、該ブロックは、対向する各面間において、それぞれ中央振り分けに配置され、かつ互いに非干渉状態で第一の接続具を挿通可能な第一の孔を有するので、前後・左右・上下のいずれの方向にも組み立てることが可能となる。 よって、上記特許文献1の技術のように、基礎又は地下室のみに限定されず、その上部建築物をも含めた多目的利用を図ることができる。例えば家屋の仮足場、階段、堤防の修理部材などである。 また、前記ブロックは、対向する面間において、それらの中央で第二の接続具を貫通可能な第二の孔を有することが好ましい。 この場合、前記ブロックは、対向する面間において、それらの中央で第二の接続具を貫通可能な第二の孔を有するので、例えば橋梁のように、複数のブロックを一列に並べて使用するときに有用である。 また、前記第一の接続具は、第一の孔に埋没可能なナットと、このナットに螺合可能なボルトとを有することが好ましい。 この場合、前記第一の接続具は、第一の孔に埋没可能なナットと、このナットに螺合可能なボルトとを有するので、ブロック間をほとんど隙間のない状態で締結することができる。 また、前記第二の接続具は、第二の孔に挿通可能なピアノ線を有することが好ましい。 また、前記第二の接続具は、第二の孔に挿通可能なピアノ線を有するので、一列に並べたブロック同士を強固に連結することができる。 また、前記ブロックは、略15kgよりも軽量であることが好ましい。 この場合、前記ブロックは、略15kgよりも軽量であるので、1人の人間が手で持ち運んで簡単に据え付けることができる。 また、前記ブロックは、セメントに補強材料を混入したものであることが好ましい。 また、前記ブロックは、セメントに補強材料を混入したものであるので、ブロックの強度を向上できる。 また、前記ブロックは、シール材を介して接続可能であることが好ましい。 この場合、前記ブロックは、シール材を介して接続可能であるので、雨水の侵入を防止できる。 また、前記第一の孔、第二の孔は、水揚げ孔を兼ねることが好ましい。 この場合、前記第一の孔、第二の孔は、水揚げ孔を兼ねるので、水が溜まることを防止できる。 ところで、サイコロ型ブロックを据え付ける場所は必ずしも平坦ではない。そこで、前記第一又は第二の接続具は、前記第一又は第二の孔に埋没可能な調整ナットと、この調整ナットに螺合可能な調整ボルトとを有し、該調整ボルトの先端が前記ブロックの一面から突出するとともに、前記調整ボルトの頭部が前記ブロックの他面から突出しており、該頭部を回転させることにより、前記調整ボルトの先端側の突出量を調整可能とすることが好ましい。 この場合、前記第一又は第二の接続具は、前記第一又は第二の孔に埋没可能な調整ナットと、この調整ナットに螺合可能な調整ボルトとを有し、該調整ボルトの先端が前記ブロックの一面から突出するとともに、前記調整ボルトの頭部が前記ブロックの他面から突出しており、該頭部を回転させることにより、前記調整ボルトの先端側の突出量を調整可能としたので、調整ボルトの先端側の突出量を調整するだけで、例えば傾斜した場所や階段状の場所などであっても、ブロックを容易に据え付けることができる。 また、例えば据え付ける場所が軟弱な地盤であると、調整ボルトの先端がめり込んでしまうおそれがある。そこで、前記調整ボルトの先端は、前記ブロックの一面に対向配置された調整台に当接可能であることが好ましい。 この場合、前記調整ボルトの先端は、前記ブロックの一面に対向配置された調整台に当接可能であるので、例えば軟弱な地盤であっても、ブロックを容易に据え付けることができる。 また、前記ブロックが上下方向に複数個連設されているブロック群である場合には、前記ブロックの一面は、最下部のブロックの底面であるとともに、前記ブロックの他面は、最上部のブロックの天井面であることが好ましい。 この場合、前記ブロックが上下方向に複数個連設されているブロック群である場合には、前記ブロックの一面は、最下部のブロックの底面であるとともに、前記ブロックの他面は、最上部のブロックの天井面であるので、前記ブロックが上下方向に複数個連設されているブロック群である場合であっても、そのブロック群を容易に据え付けることができる。 【発明の効果】 本発明によれば、前記ブロックは、1人の人間が持ち運んで簡単に据え付けることができるものであるから、各ブロックの搬送や据え付け時に、重機を用いる必要がない。したがって、重機が入り込めないような狭隘な場所や軟弱地盤などでも施工が可能となる。 また、該ブロックは、対向する各面間において、それぞれ中央振り分けに配置され、かつ互いに非干渉状態で第一の接続具を挿通可能な第一の孔を有するので、前後・左右・上下のいずれの方向にも組み立てることが可能となる。 よって、上記特許文献1の技術のように、基礎又は地下室のみに限定されず、その上部建築物をも含めた多目的利用を図ることができる。例えば家屋の仮足場、階段、堤防の修理部材などである。 【発明を実施するための形態】 (実施形態1) 図1は本発明の実施形態1に係るサイコロ型ブロック建材1の全体構成を示す斜視図である。なお、以下では、各図中の紙面に沿った上下方向などをそのまま用いて、各要素の位置・姿勢等を表現することがある。 図1に示すように、このサイコロ型ブロック建材1は、コンクリート製の本体10を備えており、この本体の形状は、天井面11、底面12、正面15、背面16、右側面13、左側面14を有する正立方体をなしている。 本体10は、例えばセメントに補強材料としての山砂、石灰砂、砕石、繊維などを適宜混入して、ひび割れを防止するとともに、その強度を高めている。また、本体寸法を、上下左右前後で18cm程度とすることにより、建材としての使い勝手がよくなり、かつ、本体重量を10〜15kg程度に抑えて、1人の人間が簡単に持つことができるようになっている。 図2は本サイコロ型ブロック建材1の平面図、図3はその正面図、図4はその右側面図、図5は図4のA−A断面図である。 天井面11は、図2に示すように、周辺部に形成した角溝101と、角溝101内の四隅に形成した貫通孔2(21,22,23,24)と、中央に形成した貫通孔6とを備えている。底面12は、天井面11とほぼ同様であるので図示は省略するが、周辺部に形成した角溝102と、角溝102内の四隅に形成した貫通孔2(21,22,23,24)と、中央に形成した貫通孔6とを備えている。なお、これらの貫通孔2,3,4,6は、ブロックを、例えばべた基礎に使用したときに、水揚げ孔としても機能するものである。貫通孔2,3,4が第一の孔に相当し、貫通孔6が第二の孔に相当する。 正面15は、図3に示すように、周辺部に形成した角溝105と、角溝105内の四隅の上下左右両方向でやや中央よりの位置に形成した貫通孔4(41,42,43,44)とを備えている。背面16は、正面15とほぼ同様であるので図示は省略するが、周辺部に形成した角溝106と、角溝106内の四隅の上下左右両方向でやや中央よりの位置に形成した貫通孔4(41,42,43,44)とを備えている。 右側面13は、図4に示すように、周辺部に形成した角溝103と、角溝103内の四隅の左右方向でやや中央よりの位置に形成した貫通孔3(31,32,33,34)とを備えている。左側面14は、右側面13とほぼ同様であるので図示は省略するが、周辺部に形成した角溝104と、角溝104内の四隅の左右方向でやや中央よりの位置に形成した貫通孔3(31,32,33,34)とを備えている。 角溝103は、図5に示すように、右側面13の表面から浅めに形成されており、この角溝103に図示しないゴム製などのシール材が嵌め込み可能となっている。他の角溝101,102,104,105,106についても同様である。 貫通孔3(31,32,32,33)は、図5に示すように、右側面13から左側面14まで貫通する貫通部と、この貫通部より若干拡径された開口部とを備えている。他の面における貫通孔2(21,22,23,24),4(41,42,43,44),6についても同様である。なお、開口部を拡径したのは、ここにボックスレンチを入れて締結具5の締結作業をするためである。 図6は本サイコロ型ブロック建材1の締結具5を示す説明図であって、(a)はボルト51の正面図と側面図、(b)はナット52の側断面図と正面図である。 図6に示すように、本サイコロ型ブロック建材1の締結具(第一の接続具に相当する。)5は、貫通孔2,3,4に埋没可能なナット52と、このナット52に螺合可能なボルト51とが対にして設けられている。そして、ナット52は右側面13の貫通孔3(31,32,32,33)に埋没されている。このナット52に、隣り合うブロック建材1を挿通するボルト51をねじ込むことにより、両ブロック建材1間を隙間なく締結できるようになっている。他の面における貫通孔2(21,22,23,24),4(41,42,43,44)についても同様である。 図7は本サイコロ型ブロック建材1の使用例の説明図であって、(a)は縦梁状組立体の概念図、(b)は横梁状組立体の概念図、(c)は格子状組立体の概念図、(d)は千鳥状組立体の概念図をそれぞれ示す。以下、詳述する。 縦梁状組立体は、図7(a)に示すように、本サイコロ型ブロック建材1を上下方向に一列に連結してなっている。その組立方法としては、まず、本サイコロ型ブロック建材1を複数個用意しておき、その1つを人間が持ち運んで所定場所に置く。その上にもう1つのブロックを積み、両ブロックを締結具5で締結する。このようにして、例えば本サイコロ型ブロック建材1を下に継ぎ足していくことで、狭い場所での仮足場の組み立てが可能となる。また、例えば外壁を組み立てる場合には、ブロック間にゴムシール材やフィルム等を介在させると、継ぎ目から雨水が入るのを防止できる。 横梁状組立体は、図7(b)に示すように、本サイコロ型ブロック建材1を左右又は前後方向に一列に連結してなっている。これを橋梁に使用するときには、貫通孔6が横向きになるようにして、本サイコロ型ブロック建材1を一列に連結しておく。そして、各サイコロ型ブロック建材間で連続する貫通孔6に、ピアノ線(第二の接続具に相当する。)7を貫通させることで、一列に並べたブロック建材同士を強固に連結することができる。 格子状組立体は、図7(c)に示すように、本サイコロ型ブロック建材1を上下、左右又は前後方向のいずれか2方向に格子状に並べて連結してなっている。これを、べた基礎として使用したときに、貫通孔2,3,4,6が、水揚げ孔としても機能するものであるから、その基礎の下に水が溜まることを防止できる。また、格子状組立体を複数段重ねると、枡状組立体となる。 千鳥状組立体は、図7(d)に示すように、本サイコロ型ブロック建材1を上下、左右又は前後方向のいずれか2方向に千鳥状に並べて連結してなっている。 このように、本サイコロ型ブロック建材1を使用すると、型枠なしで、さまざまな物ができる。例えば(1)家や倉庫などは、強度、耐震性を考えて組んでいけばよい。(2)塀は、掘り方をしてランまで付くだけでいける。ただし、場所による。(3)擁碧は、型枠の代わりにして、組みながら生コンを入れていけば、10メートル、20メートルと高く伸びていく。(4)仮設の橋は、上記したように、強度や場所にもよるが、原則としてピアノ線を使用すればよい。(5)階段は、取付場所さえ把握すれば、山、川、家のどこにでもつけることができる。(6)仮設の道は、狭くても、広くても、状態を見ながら組んでいくことができる。(7)側溝は、場所による。(8)強度にもよるが、L型土留め凸型が現場ですぐに組める。(8)弱い地盤であれば、一帯に組んで生コンを打てばよいが、場所による。(9)その他いろいろ工夫すれば、いろんな場所で使用できる。すなわち、手で持てるサイコロ型ブロックであるから、誰にでも少し慣れると上手に組める。 以上説明したように、本実施形態1に係るサイコロ型ブロック建材1は、1人の人間が持ち運んで簡単に据え付けることができるものであるから、各ブロックの搬送や据え付け時に、重機を用いる必要がない。したがって、重機が入り込めないような狭隘な場所や軟弱地盤などでも施工が可能となる。 また、該ブロックは、対向する各面間において、それぞれ中央振り分けに配置され、かつ互いに非干渉状態で締結具5を挿通可能な貫通孔2,3,4を有するので、前後・左右・上下のいずれの方向にも組み立てることが可能となる。 よって、上記特許文献1の技術のように、基礎又は地下室のみに限定されず、その上部建築物をも含めた多目的利用を図ることができる。例えば家屋の仮足場、階段、堤防の修理部材などである。 なお、上記実施形態1では、本サイコロ型ブロック建材1の各面11〜16に、それぞれシール材を挿入するための角溝101〜106を設けているが、雨水の侵入などがありえない場所に使用するときには、かかる角溝は不要である。角溝に代えて、半円状、U字状、V字状溝であってもよい。また、貫通孔2,3,4,6の配置は、互いに干渉しない限り、任意に配置できる。たとえば、図8のサイコロ型ブロック建材1aの天井面11に示すように、角溝を設けることなく、また、貫通孔2a(21a,22a,23a,24a)、貫通孔6を十字形に配置してもよい。 また、上記実施形態1では、本サイコロ型ブロック建材1として、コンクリート製のブロックを例示したが、アルミニウム、鉄、ステンレス鋼などの金属製、プラスチックなどの合成樹脂製、集成材などの木製、シリコンゴムなどのゴム製その他のあらゆる材料のものとすることができる。 また、上記実施形態1では、ボルト・ナットからなる締結具5を使用しているが、その強度があまり要求されないときには、本サイコロ型ブロック建材1のいずれかの面に、大小孔が連通するように形成しておいて、その大孔から差し込んだフックを小孔に移動させることで固定する、いわゆる落とし込みや、流し込みなどの手法にて連結することとしてもよい。 また、上記実施形態1では、サイコロ型ブロック建材1の寸法を上下左右前後で18cm程度であるとしているが、重量が10〜15kg程度に収まり、かつ、締結具5が非干渉状態で挿通可能な貫通孔2,3,4,6を配置できる限り、上下左右前後で15cm程度としてもよい。また、正立方体としているが、場合によっては、直方体となっていてもよい。 (実施形態2) ところで、サイコロ型ブロック建材1を据え付ける場所は、必ずしも平坦で硬い地盤ではなく、傾斜したり、階段状であったり、さらには軟弱な地盤であることがある。そこで、本発明者は上記実施形態1をベースにして、さらなる工夫を加えることにより、以下のような実施形態2を開発するに至った。図9は本実施形態2に係るサイコロ型ブロック建材1の縦断面図、図10はその組立例を示す説明図である。なお、本実施形態2では、上記実施形態1と共通する要素には同一符号を付して、その重複説明をできるだけ省略した。 本実施形態2に係るサイコロ型ブロック建材1は、例えば上記図1〜4に示したものと同様のコンクリート製の本体10を備えており、この本体10の形状は、天井面11、底面12、右側面13、左側面14、正面15、背面16を有する正立方体をなし、貫通孔2,3,6と、角溝101,102,103,104,105,106とを備えている。 ただし、本実施形態2に係るサイコロ型ブロック建材1の締結具(第一の接続具に相当する。)8は、第一の孔としての貫通孔6に埋没可能な調整ナット83,84と、これらの調整ナット83,84に螺合可能な調整ボルト81とが対にして設けられている。 調整ナット83,84は、天井面11と底面12とをそれぞれの中央で貫通する貫通孔6(第一の孔に相当する。)の拡開部にそれぞれ埋没されている。 調整ボルト81は、その六角形状の頭部が天井面11から若干突出するとももに、適当なアール部を備えた先端82が底面12から若干突出するようになっている。そして、六角レンチなどを用いて、調整ボルト81の頭部を時計まわりあるいは反時計回りに回転させることにより、先端82の突出量を調整可能としている。 また、調整ボルト81の先端82は、本体10の底面12に対向配置された調整台9に当接可能である。 調整台9は、例えば高性能セメント、石灰砂、石灰石微粉末(ネオフロー80:清水工業株式会社の登録商標)、砕砂、砕石(直径が5〜25mm程度である。)、繊維、混和剤、混和材、三分金、五分金などを使って高強度に作られたコンクリート製のものである。調整台9は、本体10の受け皿となるためその平面形状を本体10の底面12と同じく18cm×18cm程度とするとともに、厚みを8cm程度としており、また1人の人間が手で持ち運びできる範囲となるように、重量を10〜15kg程度としている。 この調整台9を、軟弱な地盤上の適宜位置に敷設する。その上に、上記図7(a)〜(d)のいずれかの方法で上下方向に複数個連設するように組み立てるブロック群の最下位となるサイコロ型ブロック建材1,1,・・・を載せて、それらを前後左右方向に適宜連結すると、例えば図10に示すような平面配置が得られる。 そして、上下方向に複数個連設されているブロック群の最上位となるサイコロ型ブロック建材1,1,・・・の各本体10の天井面11から若干突出した調整ボルト81の頭部を例えば六角レンチで時計まわりに回転させることにより先端82の突出量を増大させ、反時計まわりに回転させることにより先端82の突出量を減少させる。このとき、水準器などを用いて、サイコロ型ブロック建材1,1,・・・の各本体10の水平度を適宜確認しながら、上記調整を行うのが好ましい。 このようにして、本実施形態2によれば、調整ボルト81の先端82の突出量を調整するだけで、例えば多少傾斜した場所や階段状の場所や軟弱な地盤であっても、サイコロ型ブロック建材1,1,・・・を容易に据え付けることができる。 なお、上記実施形態2では、サイコロ型ブロック建材1の締結具8は、貫通孔6に埋没可能な調整ナット83,84と、これらの調整ナット83,84に螺合可能な調整ボルト81とが対にして設けられているが、その要目は要求される強度などによって決定される。例えば1個のサイコロ型ブロック建材1に加わる重量が大きくて、調整ボルト81に加わる軸力が大きくなるときには、第一の孔としての貫通孔2(21,22,23,24)に同様の締結具(この場合は、第一の接続具に相当する。)を備えることにより、そのサイコロ型ブロック建材1に5個の締結具を備えることができる。この逆に、例えば1個のサイコロ型ブロック建材1に加わる重量が小さくて、調整ボルト81に加わる曲げモーメントが小さくなるときには、調整ナット83,84の一方を省略することもできる。 また、上記実施形態2では、サイコロ型ブロック建材1の締結具8は、上下方向に設けられているが、前後左右のいずれかの方向であってもよい。その場合は、例えば垂直壁あるいは傾斜壁から、サイコロ型ブロック建材1を適宜支持することができて便利である。 また、上記実施形態2では、調整台9の形状は、1個のサイコロ型ブロック建材1の本体10の底面12に応じた形状としているが、複数個のサイコロ型ブロック建材1,1,・・・をカバーするものとしてもよい。この場合でも、調整台9の寸法や重量は、1人の人間が持ち運びできる上記範囲であることが好ましい。 また、上記実施形態2では、調整台9の断面形状は、やや扁平の四角形状となっているが、例えば台形や階段状などとしておくこととしてもよい。この場合には、大きく傾斜した地盤や階段状の地盤にも適用できて便利である。また、調整台9の調整ボルト81の先端82が当接する面には、該調整ボルト81の先端82が滑らないように凹部を設けてもよいし、さらに、該凹部まわりを適宜の方法で補強しておいてもよい。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施形態1に係るサイコロ型ブロック建材の斜視図である。 【図2】本サイコロ型ブロック建材の平面図である。 【図3】本サイコロ型ブロック建材の正面図である。 【図4】本サイコロ型ブロック建材の右側面図である。 【図5】本サイコロ型ブロック建材のA−A断面図である。 【図6】本サイコロ型ブロック建材の締結具を示す説明図である。 【図7】本サイコロ型ブロック建材の組立例を示す説明図である。 【図8】本発明の変形例に係るサイコロ型ブロック建材の平面図である。 【図9】本発明の実施形態2に係るサイコロ型ブロック建材の縦断面図である。 【図10】本実施形態2に係るサイコロ型ブロック建材の組立例を示す説明図である。 【符号の説明】 1 本サイコロ型ブロック建材 10 本体 11 天井面 12 底面 13 右側面 14 左側面 15 正面 16 背面 101,102,103,104,105,106 角溝 2(21,22,23,24) 貫通孔(第一の孔に相当する。) 3(31,32,33,34) 貫通孔(第一の孔に相当する。) 4(41,42,43,44) 貫通孔(第一の孔に相当する。) 5 締結具(第一の接続具に相当する。) 51 ボルト 52 ナット 6 貫通孔(第二の孔に相当する。) 7 ピアノ線(第二の接続具に相当する。) 8 締結具(第一又は第二の接続具に相当する。) 81 調整ボルト 82 調整ボルトの先端 83,84 調整ナット 9 調整台 |
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【図1】 |
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【図2】 |
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【図3】 |
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【図4】 |
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【図5】 |
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【図6】 |
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【図7】 |
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【図8】 |
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【図9】 |
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【図10】 |
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@(名称)サイコロ型ブロック建材とは18cm角としたコンクリート製品です。 サイコロ型ブロックを連結して行くのは、ボルトナットで対角線に2本閉めた後モルタルに膨張材や繊維を入れてボルトナット孔に流し込みます。あるいはボルトナット孔に二分金〜五分金を入れてモルタルを流し込んだり全てボルトナットで連結したり色々な場所や、作る製品により連結方法も替えていきます。 A(18cm角のサイコロ型ブロック建材については) 4面穴無3面穴無2面1面作る製品により孔をあけない面、孔を開ける面を作ります。又完成するまで高等な技術が必要ですが完成すれば、サイコロ型ブロックを発明の基本として特大、大、中、小のコンクリートブロック建材だけでなく、特に樹脂を利用したブロックが良いと思いますが、あるいはプラスチック、ステンレス、鉄、アルミ、集成材、発泡スチロール、石工芸玩具や出来ると思った材料があれば厚い、薄い物や長方形あるいは直円柱など色々と作ることによりサイコロ型ブロック建材を基本とした改良発明が生まれます。サイコロ型ブロック建材の特許取得してもらえませんか。宜しくお願いします。 B(写真は試作品です) |
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