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【考案の名称】防草シート 【実用新案権者】 【識別番号】505300690 【氏名又は名称】増田 忠 【住所又は居所】埼玉県入間市小谷田3丁目9番28号 【代理人】 【識別番号】100089026 【弁理士】 【氏名又は名称】木村 高明 【代理人】 【識別番号】100091580 【弁理士】 【氏名又は名称】宮尾 雅文 【代理人】 【識別番号】100206645 【弁理士】 【氏名又は名称】中村 恒幸 【考案者】 【氏名】増田 忠 【住所又は居所】埼玉県入間市小谷田3丁目9番28号 【要約】 (修正有) 【課題】構成が簡単で、耐久性に優れた防草シートを提供する。 【解決手段】方形の合成樹脂製のシート部材11に開口部20となる複数の正方形の領域20aを想定し、各領域20aにおいて内部の一点21から放射状に複数本の切り込み線22a、22b、22c、22dを形成し、それぞれの領域において2本の隣り合う切り込み線の端点を結ぶ線分を底辺24とし、一点21を頂点とした三角形状をなす切片部23a、23b、23c、23dを複数形成し、切片部23a、23b、23c、23dを、底辺を折り線としてシート部材の一方側面に折り込んで開口部20を形成し、切片部が折り込まれた状態において、底辺の近傍においてシート部材にステープラー針26a、26b、26c、26dを固定し、シート部材11の端縁部に棒状部材を配置して土中への固定部を形成する。 【選択図】図1 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 方形の合成樹脂製のシート部材に開口部となる複数の領域を想定し、 各領域において前記領域の内部の一点から放射状に複数本の切り込み線を形成し、 各領域において2本の隣会う前記切り込み線の端点を結ぶ線分を底辺とし、前記一点が頂点である三角形状をなす切片部を複数形成し、 各切片部を、前記底辺を折り線として前記シート部材の一方側面に折り込んで前記開口部を形成し、 前記切片部が折り込まれた状態において、前記切片部を前記底辺の近傍において前記シート部材に固定したことを特徴とする防草シート。 【請求項2】 前記開口部は四角形であることを特徴とする請求項1に記載の防草シート。 【請求項3】 前記シート部材の端縁部には、前記端縁部に巻き込まれて保持された棒状部材を備え、この端縁部を土中に埋め込んだ状態とすることで前記端縁部を前記土中に固定する固定部を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の防草シート。 【請求項4】 前記切片部は、ステープラー針で固定されていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の防草シート。 【請求項5】 前記シート部材は網状であり、通気性と保水性を備えることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の防草シート。 【請求項6】 前記開口部より小さい小開口部が形成され前記シート部材の下側に配置されることで、前記小開口部が前記開口部の領域内に配置可能である中敷シート部材を備えることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の防草シート。 【請求項7】 前記防草シートのシート部材には、2列に前記開口部が開設され、前記中敷シート部材は、前記防草シートに形成された2列の開口部に対応した位置に複数の小開口部を開設可能な断続した切れ目部が形成されると共に、前記中敷シート部材には隣会う前記切れ目部の中間位置に中敷シート部材を切り離し可能とする分離線部が形成され、前記分離線部から前記中敷シート部材を切り裂くことにより、前記切れ目部を含む前記中敷シート部材の一部分を前記防草シートのシート部材の下側に折り込み、前記分離線部を前記開口部の外側に配置可能としたことを特徴とする請求項6に記載の防草シート。 【考案の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本考案は、植生した作物の周囲に雑草が繁茂するのを防止する防草シートに関する。 【背景技術】 【0002】 従来、圃場において作物の周囲に雑草の発生を防止する防草シートとして、合成樹脂製の黒色ビニールシートが使用される。この防草シートを使用するには、圃場にこの防草シートを張り、この防草シートの作物を植える箇所に穴を開けて土壌を露出して、この露出した土壌に植物の苗木等を植える。これにより、苗木等の周囲のおける雑草の繁茂を防止できる。 【0003】 また、特許文献1には、雑草の繁茂を防止する技術として、表面及び裏面を有するマット体と、そのマット体の表面から上方に延び出るように当該マット体に一体形成された少なくとも1つの可撓性の筒状部とを備え、マット体のうち、筒状部によって取り囲まれた筒状部の内側領域が、植生植物を土壌に植生するための植生部を提供すると共に、筒状部の外側領域が、土壌表面を被覆して土壌表面から雑草が伸び出るのを防止するための非植生部とし、防草マットを土壌表面に敷設した際、筒状部を植生部内に折り込んでマット体の裏面側に反転突出させることにより、土壌中に植生空間を確保するものが記載されている。 【特許文献1】特開2012−161276号公報 【考案の開示】 【考案が解決しようとする課題】 【0004】 しかし、上述した従来の防草シートは、耐久性に乏しく、一回の使用にしか耐えず、次回には新たな防草シートを使用する必要がある。即ち、従来の防草シートは、特に穴を開けた部分が裂けやすく再度使用することができない。 【0005】 また、特許文献1に記載のものは、マット体に筒状部を設ける等の加工を施す必要があり、製造に手間と費用がかかるという問題がある。 【0006】 本考案は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、構成が簡単で、耐久性に優れた防草シートを提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0007】 前記課題を解決する請求項1に記載の考案は、方形の合成樹脂製のシート部材に開口部となる複数の領域を想定し、各領域において前記領域の内部の一点から放射状に複数本の切り込み線を形成し、各領域において2本の隣会う前記切り込み線の端点を結ぶ線分を底辺とし、前記一点が頂点である三角形状をなす切片部を複数形成し、各切片部を、前記底辺を折り線として前記シート部材の一方側面に折り込んで前記開口部を形成し、前記切片部が折り込まれた状態において、前記切片部を前記底辺の近傍において前記シート部材に固定したことを特徴とする防草シートである。 本考案によれば、防草シートの開口部の周縁は、切片部の近傍がシート部材に固定された状態として補強されており、充分な強度を備える。また、開口部も切り込み線を形成し、切片部を折り返して固定するだけで形成することができる。よって、防草シートは、構成が簡単であり容易に作ることができ、しかも開口部の周囲が補強されているため耐久性に富む。 【0008】 同じく請求項2に記載の考案は、前記開口部は四角形であることを特徴とする。 本考案によれば、四角形の内部から放射状に4本の切り込み線を形成することで開口部を形成できる。よって、開口部をより簡単に形成できる。 【0009】 同じく請求項3に記載の考案は、前記シート部材の端縁部には、前記端縁部に巻き込まれて保持された棒状部材を備え、この端縁部を土中に埋め込んだ状態とすることで前記端縁部を前記土中に固定する固定部を設けたことを特徴とする。 本考案によれば、防草シートは、棒状部材を端縁部に巻き込んで形成した固定部を備える。これにより、防草シートの端縁部を土中に固定でき、防草シート内部に土壌を入れ込み防草シートの設置箇所を盛り上げることができ、隣会う圃場の境界、圃場と通路との境界を明確に画定することができる。 【0010】 同じく請求項4に記載の考案は、前記切片部は、ステープラー針で固定されていることを特徴とする。 本考案によれば、切片部をステープラーにより簡単に固定できる。よって、防草シートを容易に作ることができる。 【0011】 同じく請求項5に記載の考案は、前記シート部材は網状であり、通気性と保水性を備えることを特徴とする。 本考案によれば、シート部材は網状で通気性と保水性を備える。このため、植生した植物への酸素供給及び給水を良好なものとできる。 【0012】 同じく請求項6に記載の考案は、前記開口部より小さい小開口部が形成され前記シート部材の下側に配置されることで、前記小開口部が前記開口部の領域内に配置可能である中敷シート部材を備えることを特徴とする。 本考案によれば、中敷シート部材をシート部材の下側に配置することにより、シート部材に形成された開口部の内側に小開口部を配置することができる。よって、開口部に対して小さな苗木等を植生する場合でも、苗木等の周囲に土壌が露出することがなく、充分な防草効果を発揮できる。 【0013】 同じく請求項7に記載の考案は、前記防草シートのシート部材には、2列に前記開口部が開設され、前記中敷シート部材は、前記防草シートに形成された2列の開口部に対応した位置に複数の小開口部を開設可能な断続した切れ目部が形成されると共に、前記中敷シート部材には隣会う前記切れ目部の中間位置に中敷シート部材を切り離し可能とする分離線部が形成され、前記分離線部から前記中敷シート部材を切り裂くことにより、前記切れ目部を含む前記中敷シート部材の一部分を前記防草シートのシート部材の下側に折り込み、前記分離線部を前記開口部の外側に配置可能としたことを特徴とする。 本考案によれば、開口部が2列に配置されたシート部材の下側に中敷シート部材を配置して、それぞれの開口部に小開口部を開設できる切れ目部を配置できる。また、中敷シート部材を配置した場合、開口部に小開口部を配置しない箇所については、分離線部から中敷シート部材を切り離し切れ目部を含む中敷シート部材の一部をシート部材の下側に折り込むことにより、開口部の全領域から土壌を露出させた状態とすることができる。よって、2列に開口部が形成された一枚のシート部材と、これに対応する中敷シート部材を使用することで、所望の箇所に開口部及び小開口部を配置できる。 【考案の効果】 【0014】 本考案に係る考案によれば、構成が簡単で、耐久性に優れた防草シートを提供できる。 【0015】 即ち、請求項1に係る防草シートによれば、作物が植えられる開口部の周縁は、切片部の近傍がシート部材に固定された状態として補強されており、充分な強度を備え、開口部も切り込み線を形成し、切片部を折り返して固定するだけで形成することができるので、防草シートは、構成が簡単であり容易に作ることができ、しかも開口部の周囲が補強されているため、防草シートを耐久性に富むものとできる。 【0016】 また、請求項2に係る防草シートによれば、四角形の対角線に沿って2本の切り込み線を形成することで開口部を形成できるので、開口部をより簡単に形成でき、防草シートを容易に作ることができる。 【0017】 また、請求項3に係る防草シートによれば、防草シートの端縁部を土中に固定でき、防草シート内部に土壌を入れ込み防草シートの設置箇所を盛り上げることができるので、隣会う圃場の境界、圃場と通路との境界を明確に画定することができる。 【0018】 また、請求項4に係る防草シートによれば、切片部を、ステープラーを用いて簡単に固定できるので、防草シートを容易に作ることができる。 【0019】 また、請求項5に係る防草シートによれば、シート部材は網状で通気性と保水性を備える。このため、植生した植物への酸素供給及び給水を良好なものとできる。 【0020】 また、請求項6に係る防草シートによれば、中敷シート部材をシート部材の下側に配置することにより、シート部材に形成された開口部の内側に小開口部を配置することができ、開口部に対して小さな苗木等を植生する場合でも、苗木等の周囲に土壌が露出することがなく、充分な防草効果を発揮できる。 【0021】 また、請求項7に係る防草シートによれば、開口部が2列に配置されたシート部材の下側に中敷シート部材を配置して、それぞれの開口部に小開口部を開設できる切れ目部を配置できるとともに、中敷シート部材を配置した場合において、開口部に小開口部を配置しない箇所については、分離線部から中敷シート部材を切り離し切れ目部を含む中敷シート部材の一部をシート部材の下側に折り込むことにより、開口部の全領域から土壌を露出させた状態とすることができる。よって、2列に開口部が形成された一枚のシート部材と、これに対応する中敷シート部材を使用することで、所望の箇所に開口部及び小開口部を配置できる。 【図面の簡単な説明】 【0022】 【図1】本考案の第1実施形態に係る防草シートの製造過程を示すものであり、(A)は製作過程を示す模式図、(B)は開口部を拡大して示す模式図である。 【図2】同防草シートを示すものであり、(a)は平面模式図、(b)は周縁部の拡大模式図である。 【図3】同防草シートの使用状態を示す図2中のA−A線に相当する断面図である。 【図4】本考案の第2実施形態を示すものであり、(a)は防草シートの使用状態を示す模式図、(b)は同防草シートの使用状態を示す(a)中のB−B線に相当する断面図である。 【図5】本考案の第3実施形態を示すものであり、(a)は中敷シート部材を示す模式図、(b)は中敷シート部材を使用した場合における防草シートの使用状態を示す模式図、(c)は中敷シート部材を使用した場合における防草シートの使用状態を示す(b)中のC−C線に相当する断面図である。 【考案を実施するための最良の形態】 【0023】 本考案を実施するための形態に係る防草シートについて説明する。 <実施形態1> 図1は本考案の第1実施形態に係る防草シートの製造過程を示すものであり、(A)は製作過程を示す模式図、(B)は開口部を拡大して示す模式図、図2は同防草シートを示すものであり、(a)は平面模式図、(b)は周縁部の拡大模式図で、図3は同防草シートの使用状態を示す図2中のA−A線に相当する断面図である。 【0024】 図2(A)に示すように、実施形態に係る防草シート10は、方形の合成樹脂製のシート部材11に8箇所の開口部20を形成して構成する。防草シート10を構成するシート部材11は、市販の合成樹樹脂製の防草シートであり、合成樹脂製の糸で網状に編まれた部材である。この市販の防草シートは、通気性と保水性を備える。シート部材11は、例えば幅1.5m、長さ10m、厚さ0.4mmである。例えば日本農業システムの「nouオリジナル国産防草シートを使用できる。なお、このシート部材11の大きさ、開口部20の数は、圃場の広さ、作物の種類等により適宜変更できる。 【0025】 本実施形態では、開口部20を開設するものとして200mm×200mmの正方形の領域20aを想定する(図1(A)(a)参照)。この正方形の領域20aにおいて内部の中央である一点21から放射状に複数本、この例では4本の切り込み線22a、22b、22c、22dを電気こてで溶解しつつ切り込んで形成する。この例では想定した領域20aは正方形であるので、切り込み線22a、22b、22c、22dは正方形である領域20aの対角線上に形成される。これにより、正方形の領域20aにおいて2本の隣会う切り込み線の端点を結ぶ線分を底辺24とし、一点21を頂点とする三角形状をなす切片部23aが形成される(同(b)参照)。次いでこの切片部23aを、底辺24を折り線としてシート部材の使用時に裏面(土壌側)となる一方側面に折り返す(同(c)参照)。 【0026】 更に、図1(A)(e)及び図1(B)に示すように、この切片部23aを高さ方向の半分の折り線27aで折り返し、この折り線27aの内側においてステープラー針26aで固定する(同図(A)(f)参照)。切片部23aを折り線27aで折り返すことにより、シートが重なった位置においてステープラー針35で強固に固定できる。領域20aの他の各辺についても同様に切片部23b、23c、23dを折り込み、ステープラー針26b、26c、26dで固定し、開口部20を形成する。なお、切片を折り返すとき、切片が三つ折りにすると、ステープラー針35での固定箇所においてシートが四重になり、より強固に固定でき、開口部20の形状が良好になると共に、開口部20の周囲にしわが発生しにくくなる。 【0027】 本実施形態に係る防草シート10によれば、圃場の土壌は植生された苗木Pの周囲において開口部20だけで露出される。このため、肥料、石灰、農薬等を苗木Pの周囲の土壌に集中して散布でき、肥料等の無駄な使用が防止できる。 【0028】 また、本実施形態によれば、作物が植生される開口部20の周縁は、切片部23b、23c、23dの近傍がシート部材にステープラー針26b、26c、26dで固定された状態として補強されているので、充分な強度を備え、耐久性に富むものとして、連続して使用できる。更に、開口部20は、切り込み線22a、22b、22c、22dを形成して、切片部23a、23b、23c、23dを折り返して固定するだけで形成することができる。このため、防草シートは、構成が簡単であり容易に作ることができる。 【0029】 また、本実施形態に係る防草シートによれば、開口を正方形としているので、切り込み線22a、22b、22c、22dの位置を容易に決定でき、簡単に切り込みを入れることができる。更に、切片部を、ステープラー針を用いて簡単に固定できるので、防草シートを容易に作ることができる。 【0030】 本実施形態に係る防草シート10では、図2(a)及び図3に示すように、シート部材11の4辺をなす端縁部12a、12b、12c、12dに、棒状部材31、32、33、34を配置して固定部30を形成する。棒状部材31、32、33、34は、防草シート10の端縁部12a、12b、12c、12dに巻き込まれて保持される。棒状部材31、32、33、34は、木材、金属、合成樹脂等で形成される。この棒状部材31、32、33、34は、図2(b)に示すように、シート部材11の端縁部12a、12b、12c、12dを折り返し、棒状部材31、32、33、34を巻き込み、例えば10cm間隔でステープラー針を配置して固定することにより、端縁部12a、12b、12c、12dに配置する。そして、この端縁部に設けた固定部30を、土中に埋め込んだ状態とすることで防草シート10の端縁部12a、12b、12c、12dを土中に固定できる。 【0031】 図3に示すように、固定部30は、シャベル等で形成した溝に埋め込むことにより固定する。このとき、防草シート10で覆われる被覆部分51を一般部50から盛り上がるように土壌を入れ込み、畝部を形成する。固定部30を土中に固定することにより、防草シート10の端縁部を土中に確実かつ長期にわたり崩れることなく固定できる。また、防草シート10で囲われる被覆部分51を盛り上げることで、隣会う畝部の境界や畝部と通路との境界を明確に画定することができる。 【0032】 <実施形態2> 次に本考案の第2実施形態について説明する。図4は本考案の第2実施形態を示すものであり、(a)は防草シートの使用状態を示す模式図、(b)は同防草シートの使用状態を示す(a)中のB−B線に相当する断面図である。 【0033】 防草シート10を使用するとき、開口部20の大きさが植生する苗木Pに比して大きい場合がある。この場合、苗木Pの周囲に土壌が露出して雑草が繁茂する場合がある。本実施形態に係る防草シート10Aは、シート部材11と、中敷シート部材60とを備える。中敷シート部材60は、シート部材11の下側であって開口部20に相当する位置に配置される。この中敷シート部材60は、シート部材11と同素材で形成された四角形状のシート部材であり、開口部20よりやや大きく形成されている。また、中敷シート部材60には、小さい苗木pの植生に適した大きさの小開口部61が開設されている。小開口部61は、開口部20より小さく苗木pの周囲に土壌が露出しない大きさとする。これにより、露出した土壌から雑草が繁茂したり、降雨により土壌が流れ出したりすることを防止できる。 【0034】 本実施形態に係る防草シート10Aによれば、中敷シート部材60をシート部材11の下側に配置することにより、シート部材11に形成された開口部20の内側に小開口部61を配置することができ、開口部20に対して小さな苗木等を植生する場合でも、苗木等の周囲に土壌が露出することがなく、充分な防草効果を発揮できる。 【0035】 <第3実施形態> 次に本考案の第3実施形態について説明する。図5は本考案の第3実施形態を示すものであり、(a)は中敷シート部材を示す模式図、(b)は中敷シート部材を使用した場合における防草シートの使用状態を示す模式図、(c)は中敷シート部材を使用した場合における防草シートの使用状態を示す(b)中のC−C線に相当する断面図である。 【0036】 本実施形態に係る防草シート10Bは、シート部材11と、中敷シート部材70とを備える。シート部材11は、図5(b)に示すように、長辺と短辺と備える長方形であり、長辺に沿って2列の開口部20が形成されている。そして、シート部材11の下には、中敷シート部材70が配置されている。中敷シート部材70は、シート部材11よりやや小さい長方形のシート本体71の小開口部80を開設可能なコ字状の断続した切れ目部72が形成されている。この切れ目部72は例えばコ字状に形成されており、切れ目部72に沿って中敷シート部材70を切り裂くことで、小開口部80を開設できる。切れ目部72は、シート部材11の開口部20に相当する箇所に形成されている。なお、切れ目部72の形状はコ字状に限らず、四角形状とすることができる。 【0037】 また、中敷シート部材70の各切れ目部72の間には、中敷シート部材70の長辺から中央部に向けて断続的な分離線部73が形成されている。この分離線部73から中敷シート部材70を切り裂くことで、特定の分離線部73を含む中敷シート部材70の領域を、シート部材11の下側において中央に向けて折り込み、切れ目部72を含む領域が開口部20の下方に配置されない状態にできる。図5(b)、(c)の領域Dにおいて、中敷シート部材70の一部をシート部材11の下方(土壌側)において、長辺側から中央に折り込み(符号74)、シート部材11の開口部20の全域で土壌が露出されるようにした状態を示している。同図(b)において、領域Eでは、開口部20の内部に小開口部80が配置され、小さい苗木pを植えるのに適する状態となっている。 【0038】 このように、本実施形態に係る防草シート10Bによれば、シート部材11のそれぞれの開口部20に小開口部80を開設できる切れ目部72を配置できるとともに、中敷シート部材70を配置した場合において、開口部20に小開口部80を配置しない箇所については、分離線部73から中敷シート部材70を切り離し、切れ目部72を含む中敷シート部材70の一部をシート部材11の下側に折り込むことができる。これにより、開口部20の全領域から土壌を露出させた状態とすることができる。よって、所望の箇所に開口部20及び小開口部80を配置できる。 【産業上の利用可能性】 【0039】 本考案に係る防草シートは、構成が簡単で、耐久性に優れたものであり、簡単に製造でき、複数年にわたり使用できるため、農業、家庭菜園等において有用であり産業上の利用できる。 【符号の説明】 【0040】 10:防草シート 11:シート部材 12a、12b、12c、12d:端縁部 20:開口部 20a:領域 21:一点 22a、22b、22c、22d:切り込み線 23a、23b、23c、23d:切片部 24:底辺 26a、26b、26c、26d:ステープラー針 30:固定部 31、32、33、34:棒状部材 50:一般部 51:被覆部分 60:中敷シート部材 61:小開口部 70:中敷シート部材 72:切れ目部 73:分離線部 80:小開口部 P、p:苗木 |
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【図1】 |
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【図2】 |
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【図3】 |
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【図4】 |
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【図5】 |
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