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【考案の名称】足場板固定部材 【実用新案権者】 【識別番号】521543646 【氏名又は名称】加藤 一也 【住所又は居所】岐阜県岐阜市中西郷1丁目91番地11 【考案者】 【氏名】加藤 一也 【住所又は居所】岐阜県岐阜市中西郷1丁目91番地11 【要約】 (修正有) 【課題】建設現場に於いて、仮設足場への足場板の固定や足場板同士の固定を目的として使用され、足場板の固定不良による仮設足場からの作業員の転落事故や、工具、部品などの落下に起因する事故を防止することができる足場板固定部材を提供する。 【解決手段】一本の金属部材を任意に曲げ加工することにより、第1曲げ部2と第2曲げ部3と第3曲げ部4を設け、更に設けた複数の曲げ部を引掛部6とした。足場板固定部材1は、複数の曲げ部が任意の間隔で設けられているため、ゴム素材の平ベルトを容易に取り付けることができる。取り付けられたゴムベルトは、折り返して取り付けることによりゴムベルト間に高い摩擦力(引っ張り摩擦)を発生させることができる。また、ゴムベルトの長さを任意に決めることができるので、幅広い固定箇所に適用することができる。 【選択図】図1 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 一本の金属部材を任意に曲げ加工することにより、 第1曲げ部と第2曲げ部と第3曲げ部を設け、 更に設けた複数の曲げ部を引掛部としたことを特徴とする足場板固定部材。 【考案の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本考案は、仮設足場に使用される足場板を固定するための足場板固定部材に関するものである。更に言えば、特に建設現場に於いて、仮設足場への足場板の固定や、足場板同士の固定を目的として使用され、固定不良に起因する仮設足場からの作業員の転落事故や、足場板の固定不良による工具、部品などの落下に起因する事故を防止するためのものである。 【背景技術】 【0002】 建設現場等に於いて、仮設足場の足場板の固定不良による事故を防止するため、仮設足場への足場板の固定や、足場板同士の固定手段として様々な固定部材が提供されている。その中でも、特に多く用いられている固定部材は、ゴムバンドに金属金具が圧着固定されているものであり、長さのバリエーションも少ないため、固定に必要な張力を持たせるためには余剰部分を巻き回して結束しなければならず、作業に多くの時間を費やしていた。 【0003】 また、ゴム部分が劣化した場合には部材ごと廃棄する必要があり、作業性のみならずコストパフォーマンスにも優れた固定部材が求められていた。 【0004】 特許文献1には、ゴム製の帯状主体の両端にフック金具を固定すると共に該帯状主体にリングを遊挿した足場板止め用バンドであって、前記両端のフック金具の基端部を包被すべくゴム製の帯状主体を一体に成形することによって該両端のフック金具を連結してある仮設足場板止め用バンドが開示されている。 【0005】 特許文献2には、所望の長さを有するゴム製ベルトの両端部に金属製フックを掛止するための透孔を穿設し、この透孔穿設部のベルト強度を十分に保持せしめるためにベルトの両端部の肉厚を厚く形成し、また、前記フックの一端部には上記透孔を貫通してその貫通端を折り曲げフックとベルトとの係合を保持させ、又そのフックの端部は鈎部に折曲形成し足場管とこの足場管に交叉して組み立てられる足場板との交叉部に上記固定バンドのベルトを巻き付け、しかる後ベルトの両端部若しくは一端に取付けられている双方のフックを互いに若しくは透孔に掛止させることで足場管と足場板とを緊締できるようにしたことを特徴とした建築現場における足場部材の固定用バンドが開示されている。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0006】 【特許文献1】 実公昭52−32113号 【特許文献2】 実公平5−32591号 【考案の概要】 【考案が解決しようとする課題】 【0007】 特許文献1に開示されている仮設足場板止め用バンドは、ゴム製の帯状主体と金属製のフック金具とから構成されているが、部材そのものが一体成形されているため、ゴム部分の劣化による部材そのものの廃棄を免れることはできない。 【0008】 特許文献2に開示されている足場部材の固定用バンドは、所望の長さを有するゴム製ベルトの両端部に設けられた透孔穿設部に、金属製フックを掛止することで構成されており、フックとベルトの係合によって固定手段としているものの、ゴム部分を金具に締め付ける手段に乏しく、足場板同士を強固に固定することはできない。 【0009】 そこで、本考案は、上記問題に鑑み、仮設足場への足場板の固定や、足場板同士を強固に固定することができるだけでなく、部材の一部が劣化した場合に於いても、その部分を交換することによって、部材自体の目的を果たすことができる足場板固定部材を提供することを目的としている。 【課題を解決するための手段】 【0010】 上記課題を解決するために、本考案の足場板固定部材は、一本の金属部材を任意に曲げ加工することにより、第1曲げ部と第2曲げ部と第3曲げ部を設け、更に設けた複数の曲げ部の一部を引掛部としたことを特徴とする足場板固定部材とした。 当該特徴のように、本考案の足場板固定部材は、複数の曲げ部が任意の間隔で設けられているため、ゴム素材の平ベルトを容易に取り付けることができる。取り付けられたゴムベルトは、折り返して取り付けることによりゴムベルト間に高い摩擦力(引っ張り摩擦)を発生させることができる。また、ゴムベルトの長さを任意に決めることができるので、幅広い固定箇所に適用することができる。 【0011】 また、本考案の足場板固定部材は、ゴムベルトが一体成形されていないため、万が一ゴム素材の劣化により部材の目的が果たせなくなった場合には、ゴムベルトを取り替えることにより、再度本来の目的を果たすための部材として使用することができるのである。 更に、本考案の足場板固定部材は、複数の曲げ部の一部を引掛部としたため、仮設足場や足場板に容易に引っ掛けることができるだけで無く、部材同士の連結も容易に行うことができる。 【考案の効果】 【0012】 上記の本考案の足場板固定部材によれば、仮設足場への足場板の固定や、足場板同士の固定を極めて容易に、且つ強固で安全に行うことができる。 【図面の簡単な説明】 【0013】 【図1】本考案の足場板固定部材の概略図で、正面、平面、側面を表す。 【図2】本考案の足場板固定部材の概略図で、ゴムベルトを取り付けた状態の正面、平面、側面を表す。 【図3】本考案の足場板固定部材を使用して、仮設足場に足場板を固定した状態を表す概略図である。 【図4】本考案の足場板固定部材の別の実施形態を表す概略図で、正面図、平面を表す。 【考案を実施するための形態】 【0014】 以下に、本考案の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において参照する各図の形状は、好適な形状寸法を説明する上での概念図又は概略図であり、寸法比率等は実際の寸法比率とは必ずしも一致しない。つまり、本考案は、図面における寸法比率に限定されるものではない。 【0015】 まず、本考案の足場板固定部材の全体構造について説明する。本考案の足場板固定部材は、鉄や銅、アルミニウムやステンレスなどの金属によって構成される。図1に示すように、足場板固定部材1には、一本の金属部材を任意に曲げ加工することにより、第1曲げ部2と第2曲げ部3と第3曲げ部4を設け、更に設けた第5曲げ部7を引掛部6としている。 【0016】 図2に示すように、ゴムベルトAを任意の曲げ部2〜5の間に通し、折り返して装着することができる。通し方は自由であり、摩擦力を発生させることができればどの位置を通しても構わない。 【0017】 図3に示すように、引掛部6は足場板の穴などに引っ掛けて取り付けることができ、別途連結手段を用意しなくても良い。ゴムベルトAを仮設足場や、パイプ、足場板などにある程度のテンションを掛けながら通して固定することにより、全体としてとても強固に固定することができる。 また、図4に示す通り、曲げ部を別の形状に設けることによってゴムベルトA同士の連結に使うこともできるのである。 【0018】 なお、本考案の足場板固定部材に用いる素材は、鉄や銅、アルミニウムやステンレスとしたが、ある程度の剛性を有していればその他の金属でも構わない。 また、上記考案の実施の形態は、実用新案登録請求の範囲に記載した考案の要旨を逸脱しない範囲で適宜の変更、追加、組み合わせ、置き換え、省略等を行うことが可能であり、これらについても実用新案登録請求の範囲に記載された考案の技術的範囲に含まれるものである。 【符号の説明】 【0019】 1 足場板固定部材 2 第1曲げ部 3 第2曲げ部 4 第3曲げ部 5 第4曲げ部 6 引掛部 7 第5曲げ部 A ゴムバンド B 仮設足場 C 足場板 |
【図1】 |
【図2】 |
【図3】 |
【図4】 |
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