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【考案の名称】トラッキング防止差込プラグ 【実用新案権者】 【識別番号】523413334 【氏名又は名称】益子 哲行 【住所又は居所】埼玉県さいたま市浦和区北浦和1-7-1-903 【代理人】 【識別番号】100205523 【弁理士】 【氏名又は名称】木村 浩也 【考案者】 【氏名】益子 哲行 【住所又は居所】埼玉県さいたま市浦和区北浦和1-7-1-903 【要約】 (修正有) 【課題】単純な構造で、火災等を引き起こす前の状態を早期に検知することができるトラッキング防止差込プラグを提供する。 【解決手段】2つの栓刃を備える差込プラグ1であって、脱落発生を知らせるスイッチ部13と、ブザー鳴動部2と、を備え、栓刃を電源コンセント4に挿入した際に、鳴動部の電源が供給され、スイッチ部が押下されることによって、ブザー鳴動部が停止し、スイッチ部が押下解除されることによって、ブザー鳴動部が鳴動する、ことを特徴とする。単純な構造で、トラッキング短絡の原因となるコンセントの脱落の際に、ブザーを鳴動させることによって、火災等の原因を早期に検知することが可能である。 【選択図】図6 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 栓刃1と栓刃2を備える差込プラグであって、 スイッチ部と、 ブザー鳴動部と、 を備え、 前記栓刃1と前記栓刃2を電源コンセントに挿入した際に、前記鳴動部の電源が供給され、 前記スイッチ部が押下されることによって、前記ブザー鳴動部が停止し、 前記スイッチ部が押下解除されることによって、前記ブザー鳴動部が鳴動する、 ことを特徴とするトラッキング防止差込プラグ 【請求項2】 栓刃1と栓刃2を備える差込プラグであって、 スイッチ部と、 発光部と、 を備え、 前記栓刃1と前記栓刃2を電源コンセントに挿入した際に、前記発光部の電源が供給され、 前記スイッチ部が押下されることによって、前記発光部が消灯し、 前記スイッチ部が押下解除されることによって、前記発光部が発光する、 ことを特徴とするトラッキング防止差込プラグ 【請求項3】 前記スイッチ部は、前記栓刃1と前記栓刃2の間に設けられている、 ことを特徴とする請求項1又は請求項2トラッキング防止差込プラグ 【請求項4】 前記スイッチ部は、前記栓刃1又は前記栓刃2の外側に設けられている、 ことを特徴とする請求項1又は請求項2トラッキング防止差込プラグ 【請求項5】 前記鳴動部は、テーブルタップ本体内に備えられている ことを特徴とする請求項1のトラッキング防止差込プラグを電源供給部とするテーブルタップ 【請求項6】 前記発光部は、テーブルタップ本体内に備えられている ことを特徴とする請求項2のトラッキング防止差込プラグを電源供給部とするテーブルタップ 【考案の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本考案はトラッキングを防止する差込プラグ及びトラッキングを防止するテーブルタップに関する。 【背景技術】 【0002】 電源コンセントに長年接続した結果、電源プラグが半抜け状態で埃が積り、当該埃が原因で差込プラグの電極間(栓刃間)が火花放電を起こし、差込プラグ電極間の樹脂が炭化してやがて短絡に至る、所謂トラッキング短絡による事故が度々発生している。 【0003】 近年は、トラッキング短絡を防止するため様々な発明及び考案が生まれている。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0004】 【特許文献1】 実用新案登録第3172796号 【特許文献2】 特開2004−362836号公報 【特許文献3】 特開2006−48965号公報 【考案の概要】 【考案が解決しようとする課題】 【0005】 特許文献1では、埃自体をコンセント付近に積もらせない工夫であるが、トラッキング短絡の要因となる脱落発生を知らせる仕組みは存在しない。また特許文献2及び特許文献3は、漏電検出回路や、検出センサなど、複雑な仕組みや高価なセンサを要し、安価な電源プラグの量産には向いていない。 【課題を解決するための手段】 【0006】 前記課題を解決するために、請求項1記載の考案は スイッチ部と、ブザー鳴動部とを備え、前記栓刃1と前記栓刃2を電源コンセントに挿入した際に、前記鳴動部の電源が供給され、前記スイッチ部が押下されることによって、前記ブザー鳴動部が停止し、前記スイッチ部が押下解除されることによって、前記ブザー鳴動部が鳴動することを特徴としている。 【0007】 請求項3の考案は、前記スイッチ部を栓刃1と栓刃2の間に設ける、ことを特徴としている。 【考案の効果】 【0008】 本考案によれば、単純な構造で、トラッキング短絡に至る前の半抜け状態時に、ブザーを鳴動させることによって、火災等を引き起こす前の状態を早期に検知することが可能である。 【図面の簡単な説明】 【0009】 【図1】本考案の実施形態にかかるトラッキング防止差込プラグ1の回路図である。 【図2】本考案の実施形態にかかる実施形態1のトラッキング防止差込プラグ1の外観斜視図である。 【図3】本考案の実施形態にかかる実施形態2のトラッキング防止差込プラグ1の外観斜視図である。 【図4】本考案の実施形態にかかる実施形態3のトラッキング防止差込プラグ1付きテーブルタップ5の外観斜視図である。 【図5】本考案の実施形態にかかる実施形態1のトラッキング防止差込プラグ1を電源コンセント3に差し込む様子を示す図である。 【図6】本考案の実施形態にかかる実施形態1のトラッキング防止差込プラグ1が半抜け状態となっている様子を示す図である。 【考案を実施するための形態】 【0010】 以下、添付図面を参照しながら本考案の実施の形態について説明する。以下の実施の形態は、本考案を説明するための例示であり、本考案をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本考案は、その要旨を逸脱しない限り、様々な変形が可能である。さらに、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付し、重複する説明は省略する。 【0011】 図1は本考案の実施形態にかかるトラッキング防止差込プラグ1(以下、「プラグ1」という)の回路Cの回路図である。回路Cでは、交流電源である電源コンセント4から交流電源を供給している状態で、スイッチ部13にあたるスイッチを入れた際に、鳴動ブザー部2にあたるブザーが鳴動する仕組みである。 【0012】 鳴動ブザー部2は交流電源の供給で鳴動する交流ブザータイプでも良いし、直流変換機を入れて直流タイプとしても良いし、変圧器を入れても良い。ブザーのタイプは圧電ブザーでも電磁ブザーでもよく、特に定めない。 【0013】 また、回路Cの鳴動ブザー部2は、発光する発光部3と置き換えても良い。発光部3は発光ダイオードでも良いし、電球でもよい。鳴動ブザー部2と同様、直流変換機を入れても良いし、変圧器を入れても良い。 【0014】 <実施形態1> 次に、本考案の実施形態にかかる実施形態1のプラグ1について外観斜視図である図2をつかって説明する。図2に図示するように、プラグ1には通常の電源プラグと同様、栓刃11と栓刃12を備える。 【0015】 実施形態1では、栓刃11と栓刃12との間にスイッチ部13を設ける。スイッチ部13はバネタイプのスイッチであり、スイッチ部13に力が加わり、押下されている間、通電OFFとなり、押下されない間ONとなるタイプである。 【0016】 スイッチ部13はプラグ1が電源コンセント3に差し込まれている間、回路Cに電源が供給されるが、押下された状態となり、鳴動ブザー部2は鳴動しない。発光部3が備えられている場合は、発光部3は発光しない。 【0017】 スイッチ部13はプラグ1が電源コンセント3に差し込まれていない場合、押下されていない状態となるが、回路Cに電源が供給されないため、鳴動ブザー部2は鳴動しない。発光部3が備えられている場合は、発光部3は発光しない。 【0018】 プラグ1が電源コンセント3から半抜け状態では、回路Cに電源は供給されながら、スイッチ部13が押下されていない状態となり、鳴動ブザー部2が鳴動する。発光部3が備えられている場合は、発光部3が発光する。 【0019】 スイッチ部13の高さHが半抜け状態を判定する距離となるが、栓刃11及び栓刃12の長さの半分以下である1mm〜6mm程度以下であれば好ましい。 【0020】 <実施形態2> 次に、本考案の実施形態にかかる実施形態2のプラグ1について外観斜視図である図3をつかって説明する。 【0021】 実施形態2では、栓刃11又は栓刃12の外側にスイッチ部13を設ける。実施形態1と同様、スイッチ部13はバネタイプのスイッチであり、スイッチ部13に力が加わり、押下されている間、通電OFFとなり、押下されない間ONとなるタイプである。 【0022】 実施形態1と同様、スイッチ部13はプラグ1が電源コンセント3に差し込まれている間、回路Cに電源が供給されるが、押下された状態となり、鳴動ブザー部2は鳴動しない。発光部3が備えられている場合は、発光部3は発光しない。 【0023】 実施形態1と同様、スイッチ部13はプラグ1が電源コンセント3に差し込まれていない場合、押下されていない状態となるが、回路Cに電源が供給されないため、鳴動ブザー部2は鳴動しない。発光部3が備えられている場合は、発光部3は発光しない。 【0024】 実施形態1と同様、トラッキング短絡を起こすプラグ1が電源コンセント3から半抜け状態では、回路Cに電源は供給されながら、スイッチ部13が押下されていない状態となり、鳴動ブザー部2が鳴動する。発光部3が備えられている場合は、発光部3が発光する。 【0025】 実施形態1と同様、スイッチ部13の高さHが半抜け状態を判定する距離となるが、栓刃11及び栓刃12の長さの半分以下である1mm〜6mm程度以下であれば好ましい。 【0026】 <実施形態3> 次に、本考案の実施形態にかかる実施形態3のテーブルタップ5について外観斜視図である図4をつかって説明する。 【0027】 実施形態3では、不図示だがテーブルタップ5にプラグ1を備える。備えるプラグ1は実施形態1でも良いし、実施形態2でも良いが、鳴動ブザー部2、又は発光部3はテーブルタップ5に内蔵する。 【0028】 実施形態1及び2と同様、トラッキング短絡を起こすプラグ1が電源コンセント3から半抜け状態では、回路Cに電源は供給されながら、スイッチ部13が押下されていない状態となり、テーブルタップ5に備えられた鳴動ブザー部2が鳴動する。発光部3が備えられている場合は、発光部3が発光する。 【0029】 <実施例> 次に、本考案の実施形態1を例にプラグ1が鳴動、もしくは発光する様子を説明する。図5は本考案の実施形態にかかる実施形態1のプラグ1を電源コンセント3に差し込む様子を示す図、及び図6は本考案の実施形態にかかる実施形態1のプラグ1が半抜け状態となっている様子を示す図である。 【0030】 図5に示す通り、電気機器を使用するため、電源コンセント4にプラグ1を刺し込む。電源コンセント4に差し込まれたことにより、回路Cには電源が供給されるが、スイッチ部13が押下され、スイッチ部13はOFFとなり、鳴動ブザー部2は鳴動しない。なお、プラグ1を刺し込む途中で、回路Cには電源が供給された状態で、スイッチ部13が押下されず、スイッチ部13はONの状態となると、鳴動ブザー部2は一瞬鳴動する。この現象を防ぐために、ダイオードなどで鳴動ブザー部2への電源供給から鳴動までのタイミングをディレイさせる仕組みを設けても良い。 【0031】 図6に示す通り、プラグ1が電源コンセント3から半分脱落すると、スイッチ部13の押下が解除され、鳴動ブザー部2が鳴動する。 【0032】 なお、実施形態1、2及び3はそれぞれに個別に実施するだけでなく、実施形態1のスイッチ部13に加え、実施形態2のスイッチ部13を備えても良いし、実施形態2では栓刃11と栓刃12の両外側に備えても良いし、栓刃11と栓刃12の間に3つ設けても良い。スイッチ部13を複数設ける場合は、回路Cで並列に備え、1つでもスイッチ部13がONとなった際に鳴動してもよいし、回路Cで直列に備え、すべてのスイッチ部13がONとなった際に鳴動してもよい。 【0033】 また、鳴動ブザー部2及び発光部3は複数設けても良いし、ブザー鳴動部2及び発光部3を並列して複数備えても良い。また、テーブルタップ5とプラグ1双方に備えても良い。 【0034】 1 トラッキング防止差込プラグ 2 ブザー鳴動部 3 発光部 4 電源コンセント 5 テーブルタップ 11 栓刃 12 栓刃 13 スイッチ部 C 回路 F トラッキングから生じる火 H スイッチ部13の高さ |
本発明は、「コンセントとプラグの間の隙間を検知し、ライトやブザーで知らせる」ことで、埃の侵入と堆積を未然防止し、トラッキング火災の発生を抑止するものです。 埃を溜めないためには「隙間を空けない」ことが重要です。また、隙間が空いている場合はプラグを差し込み直すなど、定期的なチェックも必要です。これらを達成するための「隙間の自動モニタリング」を、プラグにスイッチを取り付けるという簡易な構造で実現したのが本発明で、従来のアイデアとは一線を画すものです。また、プラグの根本を直接確認しなくても隙間を検知できるので、家具の裏など目視しにくい場所のプラグの状態も簡単に確認できます。 なお本発明は単にプラグ脱落の早期検知にも活用できます。データサーバーや医療機器、ペット用の空調、研究設備など、「電源が落ちてはならない」機器のプラグ部分に適用し、安全性を増すことも可能です。 本発明を適用することで、トラッキング火災や重要機器への電力遮断を未然に防止し、より安全で安心な生活を提供できると考えます。 |
【図1】 |
【図2】 |
【図3】 |
【図4】 |
【図5】 |
【図6】 |
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