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【発明の名称】マルチメジャーおよびそのシステム 【特許権者】 【識別番号】503034043 【氏名又は名称】渡部 鐐二 【住所又は居所】東京都町田市南成瀬1丁目2番地1号成瀬駅前ハイツ1号棟608号 【代理人】 【弁理士】 【識別番号】100118670 【氏名又は名称】及川 泰嘉 【代理人】 【弁理士】 【識別番号】100089635 【氏名又は名称】清水 守 【発明者】 【氏名】渡部 鐐二 【住所又は居所】東京都町田市南成瀬1丁目2番地1号成瀬駅前ハイツ1号棟608号 【氏名】武藤 三千代 【住所又は居所】東京都江東区大島8丁目39番地22号イトウピア東大島マンション403号 【氏名】和田 好司 【住所又は居所】東京都青梅市吹上419番地 【特許請求の範囲】 【請求項1】 マルチメジャーは、電池ボックスおよびACアダプタ用コネクタと、前記電池ボックスおよびACアダプタ用コネクタに接続された電源スイッチと、入力用の一対のリモートスイッチ端子と、出力用の一対の外部スイッチ端子と、測定データを出力する出力端子と、プログラムに基づき前記各端子に接続した機器から必要なデータを取り込むと共に前記機器に必要なデータを出力し、各種測定および演算処理を行う中央演算装置と、前記中央演算装置に接続され測定機能および接続機器の駆動操作を選択実行させるように入力するパネルスイッチと、前記中央演算装置に接続され測定データを記憶するメモリと、を備え、 前記リモートスイッチ端子それぞれにはケーブルを介してマットスイッチを接続し、前記外部スイッチ端子それぞれには走者に対して合図を送るための光刺激発生装置および音刺激発生装置をパネルスイッチを介して接続し、前記出力端子にはケーブルを介してリーダ/ライタを接続し、前記パネルスイッチにより前記中央演算装置の処理を選択し前記各端子に接続された機器の制御を行い、前記電池ボックスおよびACアダプタ用コネクタを前記電源スイッチを介して上記各回路要素に接続することを特徴とするマルチメジャーシステム。 【請求項2】 前記マットスイッチを、光電管スイッチに置き換えたことを特徴とする請求項1記載のマルチメジャーシステム。 【請求項3】 前記マットスイッチを、タッチスイッチに置き換えたことを特徴とする請求項1記載のマルチメジャーシステム。 【発明の詳細な説明】 【発明の属する技術分野】 本発明は、人間が体を動かすときの特性を測定する小型の装置であって、首から下げたり、片手で握ることが出来る程度の携帯サイズに構成され、装置自体で、又は外部アダプタを追加して時間や回数等を測定し、測定結果をタグ等の取り扱いの容易なカードに記憶することが可能なマルチメジャーに関する。 【従来の技術】 従来、タイマを用いた体力測定としては、以下のものがある。 (1)平行感覚を測定するために、荷重センサー内蔵のマットの上に片足で乗り、バランスを崩して反応台から降りるまでの時間を、目を閉じたときと開けたときの2回測定し、表示する平衡感覚測定器がある(例えば、非特許文献1(「バランス−1」、「バランス−3」)、非特許文献2(「開閉眼片足立ち測定器」)参照)。 前記平衡感覚測定器は、片足が乗る程度のスイッチ又は荷重センサー内蔵のマットと、信号ケーブルと、少なくともA4版サイズ程度の大型の測定器兼表示器と、から構成され、製品によっては前記測定器兼表示器を見易いように三脚の上に載せるようにしたものもある。 (2)運動速度や反射感覚を測定するために、両足で荷重センサー内蔵のマットの上に立ち、フラッシュや音の刺激が与えられてから被験者が飛び上がり両足がマットから離れるまでの時間を測定し、表示する全身反応測定器がある(例えば、非特許文献1(「リアクション」)、非特許文献2(「全身反応測定器」)参照)。 前記全身反応測定器は、開脚した両足が乗る程度の長さのスイッチ又は荷重センサー内蔵のマットと、信号ケーブルと、A4版サイズ程度の大型の測定器兼表示器と、から構成され、製品によっては前記測定器兼表示器を見易いように三脚の上に載せるようにしたものもある。 (3)早歩きの時間を測定するために、スタート位置においた荷重センサー内蔵のマットを踏んでから離れると同時に時間計測を開始し、急歩でコースを一周して再び同じマットを踏むと計測を終了し、所要時間を表示する急歩時間計がある(例えば、非特許文献2(「急歩時間計」)参照)。 前記急歩時間計は、スイッチ又は荷重センサー内蔵のマットと、信号ケーブルと、A4版サイズ程度の大型の測定器兼表示器と、から構成される。 (4)また、体力測定、特に時間測定のために一般的なストップウオッチが用いられることもあるが、人間が目で見て測定するため間接的な測定となり、正確な測定が期待できない。このため、正確な体力測定には、スイッチ入力、音入力、信号入力、光入力等が可能なリモート端子の組み合わせにより時間や回数を記憶する専用タイマが用いられている(例えば、非特許文献1(「デジタルストップウオッチ」、「デジタイマー」)参照)。 前記専用タイマは、A4版以上のサイズの大型のタイマ本体と、各種入力用ユニットとから構成される。 【非特許文献1】 「2000 WELLNESS」竹井機器工業株式会社 2000年3月発行。 【非特許文献2】 「保健設備品」No.201、平成15−16年版、株式会社ヤガミ、平成14年9月発行。 【発明が解決しようとする課題】 上記体力測定用タイマおよび測定器は、その構造から以下の問題点が見出される。 (1)測定器本体がA4版以上のサイズの大きな形状を有しているので、持ち運びが不便であり、また、最近の中央演算装置(以下、「CPU」という)を用いた小型の機器と比べ、測定内容の割には形が大きすぎる。 (2)その電源がAC(交流)100Vのため、商用電源のソケットから離れて使うことができず、また、商用電源のソケットから電線で引き回さなければならないので、使用範囲が制限され、さらに、トランス等の電力変換装置を必要とするので、形状が大型になる。 本発明の目的は、上記問題点に鑑み、測定器本体を小型化すると共に任意の場所に持ち運べるようにし、従来と同様にリモート入力ユニットが接続できるようにした体力測定用のマルチメジャーを提供することにある。 【課題を解決するための手段】 本発明は、上記目的を達成するために、以下の解決手段を採用する。 従来AC電源を使用していたため、電源コードの長さによって使用範囲が制約され、また、電力変換装置等の構造物を装置内に常時組み込む必要があることから、装置全体が大きくなり、持ち運びが不便となり、任意の場所で簡単に使用することが困難であったが、本発明は、電源に、主に電池を使用可能とし、必要に応じて着脱可能なACアダプタ用コネクタからの電源を使用可能とすることにより、その分装置全体の構造を小さくすると共に使用範囲の制限をなくし、どこででも使用可能とする。 前記電池は乾電池、充電電池を含む。ACアダプタは、マルチメジャーとは別体の機器で、交流(AC)電力を直流(DC)電力に変換する電力変換器を意味する。前記ACアダプタ用コネクタは、前記ACアダプタから給電される電力を受けるために、前記ACアダプタ側のコネクタと接続されるマルチメジャー側のコネクタを意味する。 ACアダプタをACアダプタ用コネクタに接続していないときには、マルチメジャーに内蔵した電池から負荷に給電し、ACアダプタをACアダプタ用コネクタに接続しているときには、ACアダプタから負荷に給電する。さらに、ACアダプタをACアダプタ用コネクタに接続しているときには、内蔵する充電電池に充電することも可能である。 また、装置全体の形状がA4版程度の大きさを有したため、持ち運びに不便であったが、CPUを用いて必要な演算処理を行うようにしたので、装置全体の形状を片手で握れるように小型化できる。 具体的には、 (1)マルチメジャーは、電池ボックスおよびACアダプタ用コネクタと、前記電池ボックスおよびACアダプタ用コネクタに接続された電源スイッチと、入力用のリモートスイッチ端子と、プログラムに基づき各種測定を行う中央演算装置と、前記中央演算装置に接続され測定機能を選択実行するスイッチと、前記中央演算装置に接続され測定データを記憶するメモリとを備え、前記電池ボックスおよびACアダプタ用コネクタを前記電源スイッチを介して上記各回路要素に接続する。 (2)前記(1)記載のマルチメジャーにおいて、上記中央演算装置にストップウオッチ機能およびタイマ機能を実行させるためのパネルスイッチを設ける。 (3)前記(1)又は(2)記載のマルチメジャーにおいて、前記中央演算装置により制御される各種刺激発生装置用の出力端子を設ける。 (4)前記(1)乃至(3)のいずれか1項記載のマルチメジャーにおいて、中央演算装置の機能により各種データを出力する出力端子を設ける。 (5)カード又はタグ用のリーダ/ライタを前記(1)乃至(4)のいずれか1項記載のマルチメジャーに接続してシステムを構成する。 【発明の実施の形態】 本発明の実施の形態を図に基づいて詳細に説明する。 (第1実施例) 図1は、本発明のマルチメジャーの外観図であり、図1(a)は正面および各側面を示し、図1(b)は裏面を示す。 本発明のマルチメジャー1は、携帯可能な、片手で握ることができる程度の略タバコサイズの筐体10で構成されている。従来の筐体形状は携帯することが不可能なA4版程度の大型であったため、使い勝手が極めて悪かったが、本発明のマルチメジャー1の筐体形状は相対的に極めて小さくなっているため、使い勝手が極めてよくなっている。 前記筐体10は、携帯に適した形状で、首から吊ったり、片手で持ったりできる程度の寸法、例えば、約100(H)×80(W)×20(D)mm程度のタバコサイズに構成されている。筐体質量も例えば約100g程度と軽くする。 筐体10の正面11には、該正面11の約1/3程度の面積を占める表示部12と、リセットスイッチ(RES)13、加算スイッチ(+)14、減算スイッチ(−)15、モードスイッチ16、スタートスイッチ(STAT)17、ラップスイッチ(LAP)18、ストップスイッチ(STOP)19からなるパネルスイッチが設けられている。 表示部12は、光電管、液晶、EL(エレクトリックルミネッセンス)等の発光素子を用いて7桁(最大59(分):59(秒):999)の表示が行え、さらには複数の表示切換(1/100又は1/1000)の設定が可能となっている。 リセットスイッチ(RES)13は、CPUによる各種演算処理や表示処理等を初期状態に戻す操作を行う機能を有する。 加算スイッチ(+)14と減算スイッチ(−)15は、CPUによる各種演算処理における加減算処理の操作および各種動作モードの選択・確認処理を行う機能を有する。 メインモードを設定するモードスイッチ16は、主に、 (a)測定用途が一般的なスタートからゴール(又はストップ)までのトータルのタイムを測定するトータルタイムモード、 (b)各測定点間の時間をラップスイッチ(LAP)18によって測定し、スタートからのスプリットタイム(途中経過時間)として演算するスプリットタイムモード、 (c)各測定点間の時間をラップスイッチ18によって測定するラップタイムモード、 (d)測定精度を1秒、1/10秒、1/100秒のうちで設定する測定精度モード、 (e)99時間までの表示動作を可能にして精度検査の確認を行う精度検査モード、 (f)電源電池の消耗を抑制するために給電時間、例えばスイッチ入力信号がない状態となってから1分とか3分等のタイマを動作し、タイムアウトすると給電回路をOFFする時間、を設定する節電モード、 (g)メモリ内のデータの読み出しモード、 を設定する機能を有する。 スタートスイッチ(STAT)17は、CPUの演算処理等をスタートする操作を行い、主に手で操作するストップウオッチの動作態様の際使用される。ただし、このスタートスイッチ17は、後述するリモートスイッチ(リモートSW1、リモートSW2)と2者選択で用いられる。また、スタートスイッチ17とリモートスイッチ(リモートSW1、リモートSW2)は同時併用も可能である。 ストップスイッチ(STOP)19は、スタートスイッチ17の操作によって始めたCPUの計測動作を終了処理する操作を行う。 ラップスイッチ(LAP)18は、スタートスイッチ17の操作からストップスイッチ19の操作までの間の途中の時間、即ち、ラップタイム(区間経過時間)を計時する操作を行う。さらには、スプリットタイム(途中経過時間)の演算操作にも使用可能である。 上側面20には、スピーカ21、外部接続端子(外部接続)22、外部スイッチ端子(SW1)23、外部スイッチ端子(SW2)24が設けられている。 スピーカ21は、使い方のアナウンス、スタートまでの準備のアナウンス、スプリットタイムやラップタイムの読み上げ等を行うときに使用する。 外部接続端子(外部接続)22は、前記表示部12の表示内容を図示しない外部モニターへ出力する外部出力用の端子となっている。 外部スイッチ端子(SW1)23および外部スイッチ端子(SW2)24には、スタートの合図等を送るための、光刺激発生装置や音刺激発生装置が適宜接続される。 右側面25には、出力端子26が設けられている。この出力端子26には測定データ等が出力され、ケーブルを介して、図示しないリーダ/ライタに入力される。 下側面27には、半円弧のワイヤーフレーム状のストラップ掛け28が設けられている。該ストラップ掛け28には、首掛けストラップのフックが係止される。また、必要に応じて盗難防止用のワイヤーを係止することが可能である。 左側面29には、電源スイッチ30と、リモートスイッチ端子(リモートSW1)31とリモートスイッチ端子(リモートSW2)32とACアダプタ用コネクタ38とが設けられている。上記リモートスイッチ端子31と32には、例えばマットスイッチ(後述する)等からのスタート信号、ストップ信号、リセット信号が入力される。 電源スイッチ30は、筐体内の電池ボックス37に収納される電池36およびACアダプタ用コネクタ38からCPU等の負荷に給電する給電回路の開閉を操作し、ON(閉成)とOFF(開放)の状態をとる。マルチメジャー側のACアダプタ用コネクタ38には(図示しない)ACアダプタ側のコネクタが装着される。 リモートスイッチ端子31と32は、ケーブルで引き回すマットスイッチやタッチスイッチや光電管スイッチ等のリモート(遠隔)スイッチを接続する入力スイッチ用の端子となっている。 図1(b)には、筐体10の裏面33が示されている。裏面33の下方には横幅いっぱいのサイズの裏蓋34が上下方向にスライド可能に設けられ、この裏蓋34には爪掛け部35が形成されている。裏蓋34の内部には点線で示すように電池36が収納されている。裏蓋34を開けると筐体内部に電池36を装着した電池ボックス37が配置されている。 マルチメジャー1には、以上述べた構成要素以外に、スイッチ操作により暗いところでも明るく表示が読み取れるライト機能、タイマ設定時間の終了を示すアラーム機能、測定済みのデータを読み出す機能、時計機能、オートカレンダ機能、を備える。 (内部構成) 次に、マルチメジャー1の内部構成について説明する。 前記筐体面に形成された端子には入力インターフェースを介してCPUが接続され、CPUの出力は出力インターフェースを介して出力端子から出力され、前記出力端子に接続されるリード/ライタによってタグカードやICカードに非接触でデータが記憶される。メモリは以下に説明するストップウオッチ機能およびタイマ機能を実行する手順を有するプログラムや各種モードの設定内容等を記憶したファームウエアを備え、CPUはそれらプログラムを実行することで以下に説明するそれぞれの機能を実現する。CPUのクロック作成のため、高精度発信子を備える。以下、機能は手順として説明する。 また、CPUに接続するメモリには、各種機能を実行するためのデータおよび測定データ等が記憶されている。 特に、測定データは1測定毎にまとめて所定エリアに記憶される。このような記憶方式をとるので、ラップタイムの数に関係なくスタートからストップまでの全データが記憶可能となる。測定データの形式は、例えば、(測定日時)、(測定者のID)、測定モード、測定開始タイム、途中タイム1、途中タイム2、・・、測定終了タイムのようになる。但し、()の部分は省略してもよい。 各種モード設定用のオフセット値は不揮発性メモリ(EEPROM)に記憶されている。 また、メモリはデータが一杯になると、例えば、古い順に消去するように機能する。また、スイッチ操作によりメモリ内の任意のデータを消去することができる。 電池ボックス37およびACアダプタ用コネクタ38は、筐体裏側の下方に収納され、電源としてすべての回路要素に電気的に接続され、裏蓋によって遮蔽される。 前記CPU、メモリおよびインターフェースを備えるマイクロコンピュータは以下に説明する各種機能および動作を実行するように動作する。 図2は、本発明のマルチメジャー1からデータを取り出す態様を説明する図である。 マルチメジャー1の出力端子26に、リーダ/ライタ40の入力端子をケーブル41で接続して、マルチメジャーシステムを構成する。 記憶データを外部へ出力するための出力操作ボタンスイッチ(例えば、「STAT17」)を操作すると、データはリーダ/ライタ40を介してアンテナ42から送信され、タグ43又はカード44に受信され記憶される。 マルチメジャー1のメモリに記憶されている記憶データ、例えば、カード(又はタグ)No、測定種目No.と測定データ、が出力操作ボタンスイッチの操作によって読み出され、リーダ/ライタ40で送信信号に変換され、リーダ/ライタ40の上面に配置されているアンテナ42から送信される。但し、アンテナ42はリーダ/ライタ40から分離してもよい。 アンテナ42にタグ43又はカード44を近づけると、タグ43又はカード44は前記送信信号を受信し、測定データ等を記憶する。他の例として、CPUを有しないタグ43又はカード44の他に、CPUを有するスマートカードの使用も可能である。 リーダ/ライタ40は以下の特性を有する。 マルチメジャー1に接続し、タグ43又はカード44(メモリスティック、セキュアマルチメディアカード、マルチメディアカード、コンパクトフラッシュ(登録商標)カード、PC−ATAフラッシュカード等)に測定種目No.とデータを書き込む。 一般にICカードと呼ばれているもののうち、特にCPU搭載のものを区別する意味でスマートカードと呼んでいる。また、別の観点から、リーダ/ライタ40とのデータのやりとりを接触式あるいは非接触式のいずれで行うかによって分類する仕方もある。CPU搭載なしで接触式のものをメモリカード、CPU搭載なしで非接触式のものをRFIDタグと呼ぶこともある。(ただし、RFIDはRadio Frequency IDentificationの略記。) 本発明のマルチメジャー1の代表的な仕様は以下のようになる。 (計時手段) 時間測定範囲は、増算では0.001秒〜59分59秒999の範囲で、減算では59分59秒〜0秒の範囲で行う。 (電源) 電源は、持ち運び容易な電池(乾電池、充電電池等)および(図示しない)着脱自在な交流(AC)電力を直流(DC)電力に変換するAC(交流)アダプタからの給電電源を用い、主に電池の節電のために電源スイッチ30を介して該マルチメジャー1内の回路要素に給電する。 ACアダプタは、マルチメジャーとは別体の機器で、交流(AC)電力を直流(DC)電力に変換する電力変換器で構成する。前記ACアダプタ用コネクタは、前記ACアダプタから給電される電力を受けるために、前記ACアダプタ側のコネクタと接続されるマルチメジャー側のコネクタで構成する。 ACアダプタをACアダプタ用コネクタに接続していないときには、マルチメジャーに内蔵した電池から負荷に給電し、ACアダプタをACアダプタ用コネクタに接続しているときには、ACアダプタから負荷に給電する。さらに、ACアダプタをACアダプタ用コネクタに接続しているときには、内蔵する充電電池に充電することも可能である。 (外付け部品:(オプション)) 1.マットスイッチ(約300(W)×500(D)×10(H)mm)、 2.タッチスイッチ(約50(W)×50(D)×5(H)mm)、 3.光電管スイッチ、 4.光刺激発生装置(Ф30mm程度、光刺激色赤、発光遅れ時間1msec以下)、 5.音刺激発生装置(50ホーン以上、発信音遅れ時間1msec以下)。 (実施の形態) 本発明のマルチメジャー1の実施の形態の一例を図3に示す。 図3には、走者がサークル状の周回路を走る際の計測態様を示す。 周回路50のスタート地点と中継地点とにマットスイッチ51と52をそれぞれ配置し、マットスイッチ51と52の出力端子をケーブル53と54を介してマルチメジャー1のリモートスイッチ端子31と32に入力する。前記マットスイッチ51と52の数は、測定データの内容に応じて決まり、1枚又は2枚のいずれでも可能である。走者のスタート信号、リセット信号およびストップ信号の発生には、前記マットスイッチ51と52の他に光電管スイッチ55やタッチスイッチ56を用いることが可能である。また、走者に対し、合図を送るための光刺激発生装置57や音刺激発生装置58を外部スイッチ端子(SW1)23および外部スイッチ端子(SW2)24に接続してパネルスイッチで操作することが可能である。 図3の実施例において以下の機能態様がセット可能である。 (ストップウオッチ機能) 1.マットスイッチ1枚の場合:走者が、マットを踏んでから離れると測定開始し、又は、マットスイッチを踏んで測定開始し、もう1度踏むと終了する。 2.マットスイッチ2枚の場合:走者が、開始用のマットスイッチを踏んでから離れると測定開始し、又は、開始用のマットスイッチを踏んで測定開始し、終了用のマットスイッチを踏むと終了する。 3.マットスイッチ等の外部スイッチとスタートスイッチ(STAT)17等のパネルスイッチのどちらででも計測を可能とする。 上で述べたマットスイッチの代わりにパネルスイッチを用いることも可能である。さらには、両スイッチの同時併用も可能である。 (タイマ機能) 4.加算スイッチ14と減算スイッチ15でタイマ機能(時間設定等)をセットし、スタートスイッチ17でタイマを作動する(1秒〜59分59秒までセット可能)。 (測定種目) モードスイッチ16でモードNo.を設定し、測定データ等と共にメモリに記憶しておく。その後、読み出し、タグ43又はカード44にデータNo.として、書き込む。 (合図) 筐体10の上側面20のスピーカ21を除いて、外部スイッチ端子(SW1)23、外部スイッチ端子(SW2)24、外部接続端子22に光刺激発生装置57や音刺激発生装置58を接続するので、操作確認音又は光や、スイッチ作動時にブザーが鳴るか、ランプが点灯する。鳴り止め機能は図示しないがマルチメジャー1に設けられている。 (パルスカウンタ) 高精度のパルスカウンタを構成するために、CPU内に内蔵されたパルス計測回路を用いる。前記パルス計測回路はCPUのクロック発生のために設けた高精度発振子を用いて構成される。パルスカウンタは割り込み処理を利用して処理するように構成される。 (動作説明) 本発明のデジタルメジャーにおける動作モードを説明する。動作モードとして代表的なマットを使った場合やブザーまたは発光を用いた場合について例示する。当然、前記以外のものを使った動作モードも以下説明するものと同様に設定可能である。それぞれの動作モードはそのための実行プログラムとしてファームウエアに記憶されている。 動作モード: 〔Aモード〕マット1を足で踏んだ状態からその足を離すと計測をスタートし、次にまたマット1を足で踏むと計測をストップする。 〔Bモード〕マット1を足で踏むと計測をスタートし、次にまたマット1を足で踏むと計測をストップする。または、マット2を踏んでも計測をストップする。 〔Cモード〕マット1を足で踏むと計測をスタートし、次にまたマット2を足で踏むと計測をストップする。 〔Dモード〕マット1を足で踏んだ状態からその足を離すと計測をスタートし、次にマット2を足で踏むと計測をストップする。 〔Eモード〕(乱数待ち時間後)ブザーまたは発光で計測をスタートし、次にマット1を足で踏むと計測をストップする。 〔デバッグモード〕デバッグを行う。長時間のカウント動作を行う。バージョン表示を行う。 次に前記動作モードの選択実行動作について説明する。 図4は、本発明のマルチメジャーにおける特定動作モードを選択実行するときのフローチャートである。次のようになる。 −スタート(電源をONすると、フローチャートを開始する)− (1)「動作モード判定」(ステップS1) 前回電源をOFFする前の動作モードの設定内容を記憶しておいて、電源ONを検出して前回の前記設定内容を読出しセットすると共にその動作モードを判定する。例えば、セットされているモードが「Eモード」と判定する。 (2)「動作モード表示」(ステップS2) ステップS1で判定した動作モードを画面に表示する。 (3)「動作モード設定スイッチ入力」(ステップS3) ステップS2で表示した動作モードをユーザが見て、そのモードが希望する動作モードのときは減算スイッチ15を押して動作モードを変えない信号を入力し、一方、ステップS2で表示した動作モードをユーザが見て、そのモードが希望する動作モードでないときは加算スイッチ14を押して動作モードを変える信号を入力し、動作モードを次の順番(一方回りで切替わる)の動作モードに変える。 (4)「動作モード変更が有るか」(ステップS4) ステップS3で動作モードの変更があるとき(yes)、ステップS2の表示と異なると判断して、確認のためステップS1に戻り、再度動作モード判定から行い、ステップS2の表示でその変更した動作モードを目で確認する。ステップS3で動作モードの変更がないとき(no)、それを判断して次へ進む。 (5)「スタートスイッチ ONか」(ステップS5) 動作モードが決まった状態で、スタートスイッチ(STAT)ボタン17を押してスタートしたのか否か判断する。スタートした(yes)と判断したとき、次に進む。まだスタートしていない(no)と判断したとき、ステップS5に戻り、スタート開始を待つ。 (6)「待ち時間の設定」(ステップS6) 乱数表等に基づきランダムな待ち時間を設定する。決まった時間だとタイミングが読まれるので、ランダムに設定する。 (7)「カウント開始」(ステップS7) 設定された待ち時間のカウント(例えば、減算処理)を開始する。 (8)「カウント終了か」(ステップS8) 待ち時間のカウントアップがあったか否か判断する。カウントアップがあったとき(yes)には、次に進む。カウントアップがまだのとき(no)には、再度ステップS8に戻る。 (9)「ブザーまたは外部発光装置を動作(ON)」(ステップS9) 計測を開始するために、ブザー58または外部発光装置(57)を動作(ON)する。 (10)「経過時間のカウント開始」(ステップS10) ステップS9のON信号に基づき経過時間のカウントを開始する。 (11)「ストップスイッチがONか」(ステップS11) ストップスイッチ19が押されたか否かを判断する。押されたときには次に進む。押されなかったときにはステップS11に戻る。 (12)「経過時間のカウント終了」(ステップS12) ストップスイッチ19が押されたことを判断して、経過時間のカウントを終了する。 (13)「経過時間を計算」(ステップS13) 経過時間のカウント値を基に経過時間を計算する。 (14)「設定に従った表示」(ステップS14) 計算した経過時間を設定により決められた表示態様で表示する。 (15)「電源OFFか」(ステップS15) 電源のOFF状態を判断し、OFF状態のとき(yes)終了する。OFF状態でないとき、次の動作モードに対応するために、ステップS1へ戻る。 −終了− (表示機能) 設定される表示機能はそのための実行プログラムをファームウエアに記憶している。前記表示機能は以下のとおりである。 (1)カウンタ桁数(99表示/999表示)切替表示機能 (2)外部シリアル出力(RS−232C)の有無の表示機能 (3)ブザー音のオン/オフ切替表示機能 (プログラム関連) 〔メインルーチン〕 メインルーチンは、電源オンにより起動され、初期化と表示動作と暴走検出のみを受け持つ。初期化には、「設定ルーチン」と「初期化ルーチン」が使われる。全ての動作は「割り込み処理ルーチン」から「サブルーチン」がコールされて処理される。動作モードは不揮発メモリに記憶されている。 メインルーチンの処理フローは以下のようになる。 −スタート− 1)ハード依存部初期化 2)ソフト依存部初期化 3)割り込み依存部初期化 4)動作モードを不揮発メモリ(EEPROM)より取得 5)動作手順を初期化 6)表示開始 7)スイッチ信号を読み込む 8)表示 9)暴走検出 上記7)から9)をループとして繰り返す。この間にサブルーチンを含む割り込み受付処理を行う。 −終了− 〔割り込み処理ルーチン〕 リアルタイム処理の一切を取り仕切るルーチンで、全ての動作を司る。プログラムの切り分けのため、事象発生のみを検出し、実際の動作はサブルーチンに渡して、動作を完了させる。従って、割り込み事象毎に検出入力が存在することになる。事象発生部位は以下のものがある。 1)リアルタイム発生部(1秒間の時間発生) 2)パルス積算部 3)ブザー制御部 4)スタート、ストップ検出部 5)異常検出部 〔サブルーチン〕 以下のサブルーチンは順不動。 ・アナログ/デジタル変換 ・遅延処理 ・不揮発メモリ書き込み ・不揮発メモリ読み出し ・液晶表示 ・表示整形 ・暴走検出制御 ・スイッチ動作検出 ・モード変更 〔初期化ルーチン〕 メインプログラムの先頭部にあって、「設定ルーチン」を利用してCPU内のレジスタ設定等の初期化を行う。初期化ルーチンの内容は以下のとおりである。 1)CPU内レジスタ設定 2)各種フラグクリア 3)入出力部のクリア 4)ワークメモリのクリア 〔設定ルーチン〕 以下のようなテーブルを収容している。内容は値のみの定義表である。 1)内部レジスタ表 2)タイマー等データ表 3)作業用レジスタ表 4)設定値保持表 〔浮動小数点演算ルーチン〕 浮動小数の値を扱うための演算パッケージであり、下記の演算部を制御する。 1)浮動小数点演算部 〔下層ルーチン〕 デバッグ等に使うルーチン、例えば下記を対象としたルーチンを収容している。 1)外部シリアル入出力動作部 2)文字入力、文字出力部。 (その他の設定) ・パワーオン時のみRESETボタンを押すことでバッテリー電圧を表示する。 ・RESETボタンを押しながら電源をオンすると、ブザーがオフされる。 ・RESETボタンを押してもブザーが鳴らない。 (他の実施の形態) 全身反応測定時には、最高値、最低値、(設定された回数の)平均値、最高最低記録値排除等を計算し表示する。 測定対象者のデータ(例えば、年齢、性別、分布、統計等)をメモリに記憶しておき、各対象者毎の補正、ないしは補助表示(例えば、年齢に比べれば+1ポイント高い等)を行えるようにする。 計測入力部の複数(例えば2測定対象者)の計測の差を表示する。例えば、「Aが3秒早い」等の表示を行う。 本発明のマルチメジャーをパーソナルコンピュータと接続し、利用者のIDに対応する情報をもらい、過去の計測データを参照した表示を行う。例えば、「去年より”良くなってますね”」と表示する。 補助表示機能を組み合わせることによって、披測定者への予備的指示を与える。例えば、「15分間休みましたか(Y/N)」とする。 本発明のマルチメジャーに温度センサーを接続することにより、補助データを表示させる。例えば、「やや寒く記録がでにくい」等表示する。 披測定者のカードの色を識別する装置を設け、その色を識別し、補助データとして摘要する。例えば、「緑」は年少、「青」は中年、「黄色」は高齢者と区分し、カードを本機にかざすと、年齢に応じた測定回数、測定時間等が自動選択されるように構成する。 ブザー表示部の音源を自由に設定できるようにする。例えば、「犬の咆哮」にて計測をスタートし、「大砲の音」でストップするようにして、遊戯性を与える。 タグ又はカード内に記憶した個人データを暗号化して、万一の紛失等によるプライバシーの保護対策を行う。 測定場所に監督者がいない場所(即ち、披測定者本人のみ)において、盗難等を防止する為に、本体ケースには、盗難防止ワイヤー等の予防具を取り付ける。 表示ユニットの追加にて、披測定者が極めて容易に結果を確認できるようにする。 本機の高精度な計測手段を他の測定目的に適用する。例えば、他の種々の表示器のデータ(例えば、ボールが落ち始めたことを示すデータ)と、計測器のデータ(例えば、ボールを受け取ることを示すデータ)とを受け、それらデータを表示する。 以上の他の実施形態を適宜組み合わせることにより、本発明のマルチメジャーを高性能に構成することを可能とする。 【発明の効果】 本発明のマルチメジャーは以下の効果を奏する。 (1)電源に電池および着脱自在なACアダプタからの給電電源を用い、内部回路をCPUで動作する小型の回路としたので、筐体の外形が手で握ることができる程度の小型、例えばタバコ箱のサイズ程度にでき、従来の機器では不可能であった、任意の場所への携帯が可能になる。 (2)マットスイッチ等のリモートスイッチを接続できるので、リモート操作で計測が可能となる。 (3)外部機器として刺激発生装置等を接続できるので、使用者の使い勝手がよくなる。 (4)リーダ/ライタを接続することにより、データの管理をカードやタグを使用して行うことができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明のマルチメジャーの外観図である。 【図2】本発明のマルチメジャーからデータを取り出す態様を説明する図である。 【図3】本発明のマルチメジャーの使用形態を説明する図である。 【図4】本発明のマルチメジャーにおける特定動作モードを選択実行するときのフローチャートである。 【符号の説明】 1 マルチメジャー 10 筐体 11 正面 12 表示部 13 リセットスイッチ(RES) 14 加算スイッチ(+) 15 減算スイッチ(−) 16 モードスイッチ 17 スタートスイッチ(STAT) 18 ラップスイッチ(LAP) 19 ストップスイッチ(STOP) 20 上側面 21 スピーカ 22 外部接続端子 23 外部スイッチ端子(SW1) 24 外部スイッチ端子(SW2) 25 右側面 26 出力端子 27 下側面 28 首掛けストラップ掛け 29 左側面 30 電源スイッチ 31 リモートスイッチ端子(リモートSW1) 32 リモートスイッチ端子(リモートSW2) 33 裏面 34 裏蓋 35 爪掛け部 36 電池 37 電池ボックス 38 ACアダプタ用コネクタ 40 リーダ/ライタ 41、53、54 ケーブル 42 アンテナ 43 タグ 44 カード 50 周回路 51、52 マットスイッチ 55 光電管スイッチ 56 タッチスイッチ 57 光刺激発生装置 58 音刺激発生装置 |
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【図1】 |
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【図2】 |
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【図3】 |
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【図4】 |
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