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【発明の名称】携帯端末用発電装置
【特許権者】
【識別番号】599026809
【氏名又は名称】勝部 誠
【住所又は居所】神奈川県横浜市戸塚区吉田町1196番地1
【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
【発明者】
【氏名】勝部 誠
【住所又は居所】神奈川県横浜市戸塚区吉田町1196番地1
【参考文献】
【文献】 特開2014-068162(JP,A)
【文献】 特開2005-347900(JP,A)
【文献】 特開2010-183820(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10-2008-0022678(KR,A)
【文献】 韓国登録特許第10-1292195(KR,B1)
【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F1/00
1/16-1/18
H02J7/00-7/12
7/34-7/36
H04M1/00-1/82
99/00
H05K5/00-5/06
【要約】
【課題】充電部を備えた携帯端末に対して簡単な手動操作で充電が可能な携帯端末用発電装置を提供する。
【解決手段】携帯端末用発電装置20は、バッテリー102を備えた携帯端末100に装着されるハウジング22と、ハウジング22に設けられ、一端24A側が携帯端末100に固定される片持ちの弾性板24と、弾性板24の板厚方向に対向配置される可撓性を有する基板26と、基板26と弾性板24とによって挟まれるシート状の圧電部材28と、ハウジング22に設けられ、手動操作によって基板26及び弾性板24と共に圧電部材28を変形させて発電させる操作部材の一例としての把持部材30と、圧電部材28とバッテリー102を電気的に接続する接続装置32と、を備える。
選択図
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電部を備えた携帯端末に装着される装着部材と、
前記装着部材に設けられ、一端側が前記装着部材を介して前記携帯端末に固定される片持ちの弾性板と、
前記弾性板の板厚方向に対向配置される可撓性を有する基板と、
前記基板と前記弾性板とによって挟まれるシート状の圧電部材と、
前記装着部材に設けられ、手動操作によって前記基板及び前記弾性板と共に前記圧電部材を変形させて発電させる操作部材と、
前記圧電部材と前記充電部を電気的に接続する接続手段と、
を備え、
前記操作部材は、前記手動操作としての把持操作によって弾性変形する把持部材であり、
前記把持部材は、前記携帯端末の側方へ張り出し、前記把持操作によって前記弾性板の自由端側を押して前記圧電部材を変形させる、携帯端末用発電装置。
【請求項2】
前記弾性板は、前記一端を含み前記携帯端末に前記装着部材を介して固定されると共に前記携帯端末の側面と平行に配置される平板部と、前記自由端を含み前記平板部から前記携帯端末の側方に向かって凸となり、前記把持操作によって弾性変形する円弧状部と、を有している、請求項1に記載の携帯端末用発電装置。
【請求項3】
充電部を備えた携帯端末に装着される装着部材と、
前記装着部材に設けられ、一端側が前記装着部材を介して前記携帯端末に固定される片持ちの弾性板と、
前記弾性板の板厚方向に対向配置される可撓性を有する基板と、
前記基板と前記弾性板とによって挟まれるシート状の圧電部材と、
前記装着部材に設けられ、手動操作によって前記基板及び前記弾性板と共に前記圧電部材を変形させて発電させる操作部材と、
前記圧電部材と前記充電部を電気的に接続する接続手段と、
を備え、
前記操作部材は、前記手動操作としての回転操作によって回転する回転カムであり、
前記回転カムは、前記装着部材に対して前記携帯端末の厚み方向を回転軸方向として回転可能に取り付けられ、一部分が前記携帯端末の側方へ張り出し、前記回転操作によって前記弾性板の自由端側を押して前記圧電部材を変形させる、携帯端末用発電装置。
【請求項4】
前記接続手段は、前記圧電部材が発電した電流を整流する整流回路を有している、請求項1〜3のいずれか1項に記載の携帯端末用発電装置。
【請求項5】
前記装着部材は、前記携帯端末を収容するケースを含み、
前記ケースには、前記接続手段が内蔵されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の携帯端末用発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末用発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、携帯電話機等の携帯端末向けの発電装置として、圧電素子を用いるものが知られている(例えば、特許文献1-4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特開2003-061367号公報
【特許文献2】 特開2003-061368号公報
【特許文献3】 特開2003-061369号公報
【特許文献4】 特願2003-529494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、現行のスマートフォンやタブレット等の携帯端末は、何れも電池寿命が短く頻繁に充電しなくてはならない課題がある。この充電作業はAC電源があるところで、携帯端末毎に専用の充電器を用いて行わなければならないことがある。
【0005】
また、現行の携帯端末の電源としてはリチウムイオン電池が用いられている。将来はリチウムイオン電池の改良や燃料電池等による長寿命の電源が実用化されると推測されるが今のところ上市されていない。
【0006】
このため、市場では、簡単な操作で携帯端末の充電部に充電することができる発電装置が望まれている。
【0007】
本発明は、上記事実を考慮して、充電部を備えた携帯端末に対して簡単な手動操作で充電が可能な携帯端末用発電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1態様の携帯端末用発電装置は、充電部を備えた携帯端末に装着される装着部材と、前記装着部材に設けられ、一端側が前記携帯端末に固定される片持ちの弾性板と、前記弾性板の板厚方向に対向配置される可撓性を有する基板と、前記基板と前記弾性板とによって挟まれるシート状の圧電部材と、前記装着部材に設けられ、手動操作によって前記基板及び前記弾性板と共に前記圧電部材を変形させて発電させる操作部材と、前記圧電部材と前記充電部を電気的に接続する接続手段と、を備える。
【0009】
本発明の第2態様の携帯端末用発電装置は、第1態様の携帯端末用発電装置であって、前記操作部材は、前記手動操作としての把持操作によって弾性変形する把持部材であり、前記把持部材は、前記携帯端末の側方へ張り出し、前記把持操作によって前記弾性板の自由端側を押して前記圧電部材を変形させる。
【0010】
本発明の第3態様の携帯端末用発電装置は、第2態様の携帯端末用発電装置であって、前記弾性板は、前記一端を含み前記携帯端末に固定されると共に前記携帯端末の側面と平行に配置される平板部と、前記自由端を含み前記平板部から前記携帯端末の側方に向かって凸となり、前記把持操作によって弾性変形する円弧状部と、を有している。
【0011】
本発明の第4態様の携帯端末用発電装置は、第1態様の携帯端末用発電装置であって、前記操作部材は、前記手動操作としての回転操作によって回転する回転カムであり、前記回転カムは、一部分が前記携帯端末の側方へ張り出し、前記回転操作によって前記弾性板の自由端側を押して前記圧電部材を変形させる。
【0012】
本発明の第5態様の携帯端末用発電装置は、第1態様〜第4態様のいずれか一態様の携帯端末用発電装置であって、前記接続手段は、前記圧電部材が発電した電流を整流する整流回路を有している。
【0013】
本発明の第6態様の携帯端末用発電装置は、第1態様〜第5態様のいずれか一態様の携帯端末用発電装置であって、前記装着部材は、前記携帯端末を収容するケースを含み、前記ケースには、前記接続手段が内蔵されている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、充電部を備えた携帯端末に対して簡単な手動操作で充電が可能な携帯端末用発電装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】(A)第1実施形態の携帯端末用発電装置を装着した携帯端末の正面図である。(B)図1(A)の携帯端末の側面図である。(C)図1(A)の携帯端末の背面図である。
【図2】(A)図1(C)の矢印Aで指し示す部分の拡大断面図である。(B)図2(A)の操作部材を操作した状態を示す拡大断面図である。
【図3】(A)第2実施形態の携帯端末用発電装置を装着した携帯端末の正面図である。(B)図3(A)の携帯端末の側面図である。(C)図3(A)の携帯端末の背面図である。
【図4】(A)図3(C)の矢印Bで指し示す部分の拡大断面図である。(B)図4(A)の操作部材を操作した状態を示す拡大断面図である。
【図5】(A)第3実施形態の携帯端末用発電装置が備えるケースに携帯端末を収容した
状態を示す携帯端末の正面図である。(B)図5(A)の携帯端末の側面図である。(C)図5(A)の携帯端末の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明に係る第1実施形態の携帯端末用発電装置(以下、適宜「発電装置」と記載する。)について説明する。なお、各図において適宜図示される矢印X、矢印Y、矢印Zは、発電装置20が装着される携帯端末100の高さ方向、幅方向、厚み方向を示している。以下において、高さ方向X、幅方向Y、厚み方向Zと記載した場合には、これらは携帯端末100の高さ方向、幅方向、厚み方向を指すものとする。
【0017】
まず、本実施形態の発電装置20が装着される携帯端末100について説明し、次に、本実施形態の発電装置20について説明する。
【0018】
図1に示されるように、本実施形態の携帯端末100は、充電部としてのバッテリー102を備えた携帯情報端末(言い換えると、モバイル端末)であり、一例としてスマートフォンを用いている。なお、本発明は、この構成に限定されない。携帯端末として、携帯電話機、タブレット等を用いてもよい。
【0019】
携帯端末100は、略矩形板状とされており、バッテリー102に蓄えられた電力を用いて動作するようになっている。このバッテリー102としては、例えば、リチウムイオン電池が用いられる。
【0020】
[発電装置]
図1及び図2に示されるように、発電装置20は、ハウジング22と、弾性板24と、基板26と、圧電部材28と、把持部材30と、接続装置32と、を用いている。
【0021】
(装着部材)
装着部材の一例としてのハウジング22は、携帯端末100の背面100B(操作面を正面100Aとした場合の背面)に装着される部材であり、箱状とされている。このハウジング22の内部には、後述する整流回路34や配線類が収容されている。また、ハウジング22は、樹脂材料で形成されており、携帯端末100の背面100Bに接着テープ等の接着部材で接着されている。なお、本実施形態では、ハウジング22を携帯端末100の背面100Bに接着しているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、携帯端末100にブラケット等を取り付けて該ブラケットにハウジング22を装着させる構成であってもよいし、携帯端末100用の専用ケースの背面にハウジング22を装着させる構成としてもよい。
【0022】
(弾性板)
図2(A)に示されるように、弾性板24は、可撓性を有する弾性変形可能な板材であり、本実施形態では、板バネを用いている。この弾性板24は、ハウジング22の側面22Aに設けられており、一端24A(図1では高さ方向Xの上端部)側が側面22Aに固定された片持ち状態とされている。具体的には、弾性板24の一端24A側は、基板26、圧電部材28及びハウジング22を介して携帯端末100に固定されている。
【0023】
また、弾性板24は、一端24Aを含みハウジング22を介して携帯端末100に固定されると共にハウジング22の側面22Aに沿って配置される平板部24Bを有している。なお、ハウジング22が携帯端末100の背面100Bに適切に装着された場合、ハウジング22の側面22Aと携帯端末100の側面100Cとが平行となる。このため、弾性板24の平板部24Bは、携帯端末100の側面100Cに平行に配置される。
さらに、弾性板24は、自由端24Cを含み平板部24Bから携帯端末100の側方に向かって凸となり、把持部材30の把持操作によって弾性変形する円弧状部24Dと、を有している。なお、弾性板24の円弧状部24Dでは、側面22Aからの離間距離が自由端24Cで最大となるように湾曲している。

【0024】
(基板)
図2(A)に示されるように、基板26は、可撓性を有する弾性変形可能な板材であり、本実施形態では、板バネを用いている。この基板26は、弾性板24の板厚方向に対向配置されている。具体的には、基板26は、圧電部材28を間に挟んで(挟持固定して)ハウジング22の側面22A側と反対側で弾性板24に対向配置されている。なお、本実施形態の基板26は、全体として弾性板24から圧電部材28の厚み分離間しているが、本発明はこの構成に限定されない。また、基板26は、弾性板24に対応した形状とされている。具体的には、基板26は、弾性板24の平板部24Bに対応した形状の平板部26Bと、円弧状部24Dに対応した形状の円弧状部26Dとを有している。なお、基板26も、弾性板24と同様に、円弧状部26Dの平板部26B側と反対側の端部が自由端26Cとなっている。また、基板26の一端26Aは、弾性板24の一端24Aと共にハウジング22の側面22Aに固定される。
【0025】
また、本実施形態では、基板26の平板部26Bが側面22Aに図示しない接着部材を用いて固定されている。この接着部材としては、例えば、両面接着テープ等が挙げられる。なお、基板26の平板部26Bを側面22Aに固定できれば、その固定方法については限定されない。
【0026】
(圧電部材)
図2(A)に示されるように、圧電部材28は、圧電効果によって発電するシート状の部材(所謂、圧電素子)である。この圧電部材28は、圧電性フィルムであり、基板26のハウジング22の側面22Aと反対側の表面に装着されている。なお、本実施形態では、圧電部材28が弾性板24及び基板26にそれぞれ貼り付けられている。具体的には、弾性板24と基板26とが圧電部材28を介して接着されている。
【0027】
なお、圧電部材28としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)、チタン酸バリウム(BaTiO3)等をフィルム状(一例として厚さ20μm〜200μm)に形成したものを用いてもよい。
【0028】
(操作部材)
操作部材の一例としての把持部材30は、ハウジング22に設けられて手動操作により動作する部材である。具体的には、把持部材30は、図2(B)に示されるように、手動操作としての把持操作によって弾性変形する部材である。この把持部材30を形成する材料としては、例えば、クッション材やゴム材等の伸縮性を有する材料を用いてもよい。
【0029】
また、把持部材30は、携帯端末100の側方へ凸となるように張り出しており、ハウジング22の側面22Aに上下に向かい合って配置される(自由端24C同士が対向して配置される)弾性板24、基板26及び圧電部材28をそれぞれ覆っている。なお、弾性板24、基板26及び圧電部材28で構成される発電ユニットは、ハウジング22の側面22Aに上下に向かい合って設けられると共にハウジング22の両側面22Aにそれぞれ設けられている。すなわち、本実施形態では合計4つの発電ユニットが用いられている。この把持部材30は、高さ方向Xにおける中央部が突出しているため、親指及び親指の付け根付近の平部とその他の指(親指以外の指)を用いた把持がしやすくなっている(図1
(A)参照)。また把持部材30の上記中央部近傍に自由端24Cが位置するように弾性板24がそれぞれ配置されている。このため、把持部材30を把持操作すると、図2(B)に示されるように、弾性板24の自由端24C側が側面22Aに向けて押されて、弾性板24及び基板26と共に圧電部材28が変形し発電する。
【0030】
(接続手段)
操作部材の一例としての接続装置32は、圧電部材28と携帯端末100のバッテリー102を電気的に接続する装置である。この接続装置32は、圧電部材28が発電した電流を整流する整流回路34と、携帯端末100の図示しない充電端子に挿入接続される接続端子36と、圧電部材28から接続端子36までの電気配線38とを含んで構成されている。
【0031】
次に、本実施形態の発電装置20の作用効果について説明する。
【0032】
発電装置20は、図2(B)に示されるように、携帯端末100を持ち、把持部材30を把持した操作者が把持操作、本実施形態では、携帯端末100の両側面100Cからそれぞれ突出する把持部材30を押し潰す動作を繰り返すことで、把持部材30内に配置された弾性板24の自由端24C側が側面22Aに向けて繰り返し押される。これにより、弾性板24及び基板26と共に圧電部材28が変形し発電する。具体的には、弾性板24は、自由端26C側が押されると、円弧状部24Dがハウジング22の側面22Aに沿うように伸長変形する。この変形にともない圧電部材28も伸長変形し、圧電効果によって発電する。このとき発電される電流は、パルス状であるが、整流回路34で平滑化され、電気配線38を通って、接続端子36から携帯端末100のバッテリー102へ供給され、バッテリー102が充電される。
【0033】
ここで、発電装置20では、携帯端末100を持ちながら、把持部材30を把持する把持操作で携帯端末100のバッテリー102に充電をすることができる。すなわち、発電装置20は、バッテリー102を備えた携帯端末100に対して簡単な手動操作で充電をすることができる、という格別な効果を奏する。なお、携帯端末100の操作時などに把持部材30を把持操作することで携帯端末100のバッテリー102に充電できるため、携帯端末100の充電回数を減らすことができる。さらに、携帯端末100用の専用充電器を持ち運ぶ必要がなくなる。
【0034】
前述の実施形態の発電装置20では、弾性板24と基板26との間に一枚の圧電部材28を配置しているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、弾性板24と基板26との間に複数枚の圧電部材28を配置してもよい。このように複数枚の圧電部材28を配置することで、発電装置20の出力電圧を向上させることができる。なお、圧電部材を不複数枚用いる構成については、後述する第2実施形態及び第3実施形態に適用してもよい。
【0035】
(第2実施形態)
次に、本実施形態に係る発電装置50について図3及び図4に基づいて説明する。なお、本実施形態では、発電装置50を携帯端末100に装着している。
【0036】
[発電装置]
図3及び図4に示されるように、発電装置50は、ハウジング52と、弾性板54と、基板56と、圧電部材28と、回転カム58と、接続装置32とを備えている。
【0037】
(装着部材)
装着部材の一例としてのハウジング52は、携帯端末100の背面100Bに装着され
る部材であり、箱状とされている。このハウジング52の内部には、整流回路34や配線類が収容されている。また、ハウジング52は、樹脂材料で形成されており、携帯端末100の背面100Bに接着テープ等の接着部材で接着されている。なお、ハウジング52の携帯端末100に対する装着方法は、第1実施形態のハウジング22と同様のものを用いることができる。
【0038】
(弾性板)
弾性板54は、平板状の板バネであり、ハウジング52内に設けられた支持部55によって一端54Aが支持された片持ち状態とされている。また、弾性板54の自由端54Bは、回転カム58の回転操作によって押し上げられるようになっている。
【0039】
(基板)
基板56は、平板状の板バネであり、支持部55によって一端56Aが支持された片持ち状態とされている。また、基板56は、弾性板54の板厚方向に対向配置されている。具体的には、基板56は、シート状の圧電部材28を間に挟んで(挟持固定して)高さ方向Zで対向配置されている。
【0040】
(操作部材)
操作部材の一例としての回転カム58は、ハウジング52に設けられて手動操作により動作する部材である。具体的には、回転カム58は、図3及び図4に示されるように、手動操作としての回転操作によって回転する部材である。この回転カム58には、外周に張り出すカム部58Aが周方向に間隔をあけて複数形成されている。また、回転カム58は、ハウジング52に対して厚み方向Zを回転軸方向として回転可能に取り付けられている。ここで、回転カム58を回転操作すると、カム部58Aによって弾性板54の自由端54Bが押し上げられて弾性板54が撓み変形する。この変形にともない圧電部材28も撓み変形し、圧電効果によって発電する。圧電部材28によって発電された電流は整流回路34、電気配線38及び接続端子36を通して携帯端末100のバッテリー102に供給されるようになっている。
【0041】
次に、本実施形態の発電装置50の作用効果について説明する。
【0042】
発電装置50では、携帯端末100を持った操作者が指を使って回転カム58を回転させる(回転操作する)ことで、弾性板54の自由端54Bが回転カム58のカム部58Aによって押し上げられて(図4(B)参照)、弾性板54が撓み変形し、この変形にともない圧電部材28も撓み変形し発電する。そして、カム部58Aが自由端54Bから離れると、弾性板54が復元力によって元の状態に戻る。すなわち、回転カム58の回転により、繰り返し弾性板54が撓み変形し、この変形にともない圧電部材28が発電する。このとき発電される電流は、パルス状であるが、整流回路34で平滑化され、電気配線38を通って、接続端子36から携帯端末100のバッテリー102へ供給され、バッテリー102が充電される。
【0043】
ここで、発電装置50では、携帯端末100を持ちながら、回転カム58を回転させる回転操作で携帯端末100のバッテリー102に充電をすることができる。すなわち、発電装置20は、バッテリー102を備えた携帯端末100に対して簡単な回転操作で充電をすることができる、という格別な効果を奏する。なお、携帯端末100の操作時などに回転カム58を回転操作することで携帯端末100のバッテリー102に充電できるため、携帯端末100の充電回数を減らすことができる。さらに、携帯端末100用の専用充電器を持ち運ぶ必要がなくなる。
【0044】
(第3実施形態)
次に、本実施形態に係る発電装置70について図5に基づいて説明する。なお、本実施形態では、携帯端末100に発電装置70を装着している。
【0045】
本実施形態の発電装置70は、装着部材の一例としてのハウジング72に携帯端末100を収容するケース74が含まれる構成が第1実施形態の発電装置70と異なる。発電装置70のその他の構成については、第1実施形態の発電装置20と同じであり、その説明を省略する。また、図面において、第1実施形態と同一の構成については同一符号を付す。
【0046】
ハウジング72は、ケース74と一体成形されている。このハウジング72は、第1実施形態のハウジング22と同様の構成である。また、ケース74は、携帯端末100を収容するケースであり、接続装置32が内蔵されている。具体的には、ケース74の背面壁74Aの内側には、電気配線38が内蔵されており、ケース74の下枠74Bからケース内側へ突出した接続端子36に電気配線38が接続されている。
【0047】
次に、本実施形態の発電装置70の作用効果について説明する。なお、第1実施形態で得られる作用効果と同様の作用効果についてはその説明を適宜省略する。
【0048】
本実施形態の発電装置70では、携帯端末100のケース74がハウジング72に含まれるため、例えば、携帯端末100用のケースに別途発電装置を装着する構成よりも、発電装置70の装着作業が容易である。また、ケース74内に電気配線38を通すため、例えば、電気配線38が外部にあるものと比べて、見栄えも、使いやすさも向上する。
【0049】
なお、第3実施形態の構成については、第2実施形態に適用してもよい。すなわち、第2実施形態の発電装置50のハウジング52が携帯端末100を収容するケースを含む構成としてもよい。
【0050】
また、第1実施形態の発電装置20のハウジング22と、第2実施形態の発電装置50のハウジング52とが携帯端末100を収容する同一のケースを含む構成としてもよい。言い換えると、一つのケースに発電装置20、50を設けてもよい。
【0051】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、その主旨を逸脱しない範囲内において上記以外にも種々変形して実施することが可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0052】
20 発電装置(携帯端末用発電装置)
22 ハウジング(装着部材)
24 弾性板
24A 一端
24B 平板部
24C 自由端
24D 円弧状部
26 基板
28 圧電部材
30 把持部材(操作部材)
32 接続装置(接続手段)
34 整流回路
50 発電装置(携帯端末用発電装置)
52 ハウジング(装着部材)
54 弾性板
54A 一端
54B 自由端
56 基板
58 回転カム(操作部材)
70 発電装置(携帯端末用発電装置)
72 ハウジング(装着部材)
74 ケース
100 携帯端末
102 バッテリー(充電部)
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5 


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一方、電池寿命が短くほぼ毎日充電しなければならない煩わしさを伴っています。当然ながら充電は AC 電源があるところで行わなければなりません。災害発生時やAC電源がない所では通信手段 を 奪われ大きな問題を引き起こします。 将来的には画期的な電池が開発されこの問題が解決されるかもしれませんが今のところその兆しはありません。
今回の発明はこれを解決する第一歩となり得るものです。スマホに外付け装着した圧電フィルムによる充電装置を手動で操作しスマホ本体のバッテリーに常時電力を供給するものです。環境にも優しいエコ製品です。AC電源による毎日の充電作業から解放されるよう進化していくことを願っています。
なお、本件発明以外にも圧電素子による発明を3件取得しています。特許番号は6480626 、6539796 、6543757です。興味のある方は 覧になって下さい。
 
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