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【考案の名称】海流発電装置
【実用新案権者】
【識別番号】595091469
【氏名又は名称】伊芸 新八
【住所又は居所】沖縄県沖縄市桃原329番地 サフランの家202
【代理人】
【識別番号】100082784
【弁理士】
【氏名又は名称】森 正澄
【考案者】
【氏名】伊芸 新八
【住所又は居所】沖縄県沖縄市桃原329番地 サフランの家202
【要約】   (修正有)
【課題】水車型の発電装置を用いて海流の水圧を効率よく受けることができる海流発電装置を提供する。
【解決手段】海底地盤に支持柱1を固設し、この支持柱1に、発電装置3を設けた浮体ユニット2を、海流の流れに追従して上下移動可能及び回動可能に装着した海流発電装置において、発電装置3は、海面下に位置する水車装置7と、この水車装置7に連係する発電機8とを備え、水車装置7は、外周側のリング状枠71と、内周側の回転軸と、海流の水圧を受ける水車プレートであって前記リング状枠側に一端部を回動可能に支持される複数の水車プレート73,73と、前記回転軸側に設けられ前記水車プレート73の他端部が当接する係止具と、を備えて構成され、水車プレートの前記他端部が係止具に係止されて海流の水圧を受け、これにより水車装置7が回転し発電機8により発電される。
【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】
海底地盤に支持柱を固設し、この支持柱に、発電装置を設けた浮体ユニットを、海流の流れに追従して上下移動可能及び回動可能に装着した海流発電装置において、
前記発電装置は、海面下に位置する水車装置と、この水車装置に連係する発電機とを備え、
前記水車装置は、外周側のリング状枠と、内周側の回転軸と、海流の水圧を受ける水車プレートであって前記リング状枠側に一端部を回動可能に支持される複数の水車プレートと、前記回転軸側に設けられ前記水車プレートの他端部が当接する係止具と、を備えて構成され、
前記回転軸を挟んで上方側又は下方側に位置する水車プレートのうち、一方側の水車プレートは、海流に押されて開放し当該海流を通過させるとともに、他方側の水車プレートは、海流に押されて水車プレートの前記他端部が前記係止具に係止され以って当該海流の水圧を受け、これにより水車装置が回転し前記発電機により発電されることを特徴とする海流発電装置。
【考案の詳細な説明】
【技術分野】
本考案は、海底地盤に支持柱を固設し、この支持柱に、発電装置を設けた浮体ユニットを、海流の流れに追従して上下移動可能で且つ回動可能に装着した海流発電装置に関する。
【背景技術】
従来、この種の海流発電装置において、水車型の発電装置と、スクリュー型の発電装置を用いたものが知られている。前者の水車型の発電装置は、水車プレートを中心軸から放射状に配置し、この中心軸から下方の水車プレートを海面下に位置する構成を採っている(下記特許文献1〜3参照)。
後者のスクリュー型の発電装置は、スクリューを海面下に設けるタイプのものであって、海流に対して効率よく回転するロータを必要とする(下記特許文献4及び5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】実開昭58−139587号公報
【特許文献2】特開2008−267369号公報
【特許文献3】登録第3063354号実用新案公報
【特許文献4】特開平8−210237号公報
【特許文献5】特開2004−169564号公報
【考案の概要】 
【考案が解決しようとする課題】
前者の水車型の発電装置は、水車プレートを横長の長方形状とすることにより、海流の水圧を効率よく受けることができるが、水車の上半部は海面上に位置するので、悪天候下では風雨を直接受けてしまい、装置を破損しやすいという欠点がある。
後者のスクリュー型の発電装置は、スクリューは海面下に位置するので、上述した水車型のものが有する欠点を回避することはできるが、海流の水圧をよりよく受けるためにはスクリューを大型化しなければならない不都合を有する。
そこで、本考案は、水車型の発電装置を用いて海流の水圧を効率よく受けることができるようにするとともに、この種の水車型の発電装置が有していた上記欠点を解消するべく、水面下に水車の全部を位置させることができるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
本考案は、後記具体例で用いた符号を付して記すと、海底地盤に支持柱1を固設し、この支持柱1に、発電装置3を設けた浮体ユニット2を、海流の流れに追従して上下移動可能及び回動可能に装着した海流発電装置において、
前記発電装置3は、海面下に位置する水車装置7と、この水車装置7に連係する発電機8とを備え、
前記水車装置7は、外周側のリング状枠71と、内周側の回転軸72と、海流の水圧を受ける水車プレートであって前記リング状枠側に一端部を回動可能に支持される複数の水車プレート73,73と、前記回転軸側に設けられ前記水車プレート73の他端部73bが当接する係止具74と、を備えて構成され、
前記回転軸72を挟んで上方側又は下方側に位置する水車プレートのうち、一方側の水車プレートは、海流に押されて開放し当該海流を通過させるとともに、他方側の水車プレートは、海流に押されて水車プレートの前記他端部73bが前記係止具74に係止され以って当該海流の水圧を受け、これにより水車装置7が回転し前記発電機8により発電されることを特徴とする海流発電装置である。
【考案の効果】
以上のとおり、本考案の海流発電装置は、水車プレートを備えた水車装置が海面下に位置しているので、従来の水車プレートを備えた水車装置が悪天候下のとき風雨を直接受けて装置が破損しやすいという欠点を除去することができる。
また、水車プレートを備えた水車装置が海面下に位置していても、この水車装置は上述したように、一方側の水車プレートは海流に押されて開放し当該海流を通過させるとともに、他方側の水車プレートは海流の水圧を受け、これにより水車装置が回転する構成を備えているので、発電機を発電するのに些かの支障も生じない。
【考案を実施するための形態】
図1乃至図4において、本考案の一具体例に係る海流発電装置は、海底地盤に支持柱1を固定して設け、この支持柱1に、発電装置3を設けた浮体ユニット2を装着している。支持柱1は、固定具1aにより海底地盤に固設されるとともに、上端には複数(例えば4本)のワイヤー1b,1bの一端を固着し、これら複数のワイヤー1b,1bの図示を省略した他端を海底地盤に固設して、海流発電装置の支持固定を堅固なものとしている。
浮体ユニット2は、支持柱1に対し、海流の流れに追従して上下移動可能及び回動可能となるように装着されている。本例では、支持柱1が円柱状を呈しており、この支持柱1に、筒状のユニット軸21が装着されている。ユニット軸21は、支持柱1に対し、上述したように、上下移動可能で且つ回動可能に設けられている。
浮体ユニット2は、ユニット軸21に固着される一対の支持プレート22,22と、所定間隔を設けて設置される端部プレート23と、支持プレート22及び端部プレート23間に設けられて、当該浮体ユニット2を補強する連結具24とを備える。そして、前記端部プレート23の上部には、浮体4を設けている。
また、浮体ユニット2の剛性を向上させるため、ユニット軸21及び端部プレート23等に固着されるフレーム体5が配設され、このフレーム体5の後部には、平面視翼形状の流路方向追従部材6を配置している。この流路方向追従部材6は、文字通り海流の流れる方向に追従する部材であり、この追従移動に伴い、浮体ユニット2が、支持柱1に対し、海流の流れに追従して回動する。同様に、海水の満ち干(海面の上下移動)により、浮体ユニット2は、支持柱1に対し、上下移動する。
前記発電装置3は、海面下に位置する水車装置7と、この水車装置7に連係する発電機8とを備えて構成される。尚、発電機8によって発電された電気はケーブル81を経由して送電される。
前記水車装置7は、更に図5に示すように、外周側のリング状枠71,71と、内周側の回転軸72と、海流の水圧を受ける水車プレート73,73と、前記回転軸側に設けられ水車プレート73の他端部が当接する係止具74と、を備えて構成される。
回転軸72は、前記支持プレート22及び端部プレート23間に回転自在に設けられており、この回転軸72の両端部に、前記発電機8を連係固着している。
本例では、水車プレート73は、前記リング状枠71の近傍にその一端部73aが回動可能に支持される。具体的には、リング状枠71と回転軸72とを連結する補強部材75に蝶番76を取付け、この蝶番76に水車プレート73の一端部73aを回動可能に設けている。
また、本例では、係止具74は回転軸72に等間隔で4組設けられている。尚、水車プレート73は、前述したようにその一端部73aが回動可能に支持されており、この水車プレート73の回動に伴い、その他端部73bは係止具74に対し当接乃至離反する。
以上のように構成される水車装置7においては、回転軸72を挟んで上方側又は下方側に位置する水車プレート73のうち、一方側の水車プレートは、海流に押されて開放し当該海流を通過させるとともに、他方側の水車プレートは、海流に押されて水車プレートの前記他端部73bが前記係止具74に係止され,これにより海流の水圧を受けて、水車装置7は回転する。水車装置7が回転すると、水車装置7の回転軸72に連係している発電機8が作動して発電される。
上述した水車装置7の動作を本例の図5を参照して説明すると、海水中にある水車装置7は、例えば白抜き矢印の方向(図中左から右方向)に海流が流れている場合、回転軸72を挟んで上方側に位置する水車プレート73は、海流に押されて開放し当該海流を通過させる。
このとき、下方側に位置する水車プレート73は、海流に押されて、水車プレートの他端部73bが係止具74に係止される。即ち、下方側に位置する水車プレート73は海流の水圧を受ける。そうすると、水車装置7が矢印の方向(図中、反時計方向)に回転し、上述したように発電機8が作動して発電が行われる。
海流に押されて開放している前記上方側に位置する水車プレート73は、水車装置7の反時計方向の回転に伴い、上方から中央側へ移行し、当該水車プレート73は略水平方向に位置する。爾後、水車装置7の反時計方向の回転に伴い、当該水車プレート73の一端部73aは下方へと移行する一方で、他端部73bは係止具74に係止されて、この他端部73bは下方へ移行しないので、当該水車プレート73は海流の水圧を受けるようになる。
海流に押されて水圧を受け他端部73bが係止具74に係止され、閉塞している前記下方側に位置する水車プレート73は、水車装置7の反時計方向の回転に伴い、下方から中央側へ移行し、当該水車プレート73は略水平方向に位置する。爾後、水車装置7の反時計方向の回転に伴い、当該水車プレート73の一端部73aは上方へと移行する一方で、他端部73bは係止具74から離反するとともに、海流に押されて当該水車プレート73が開放し、海流を通過させる。
また、上述した水車装置7の動作は、白抜き矢印の方向が逆の場合も、上記と同様に、水車装置7は矢印の方向(図中、反時計方向)に回転し、発電機8が作動して発電が行われる。
この場合は、上方側に位置する水車プレート73が、海流に押されて、水車プレートの他端部73bが係止具74に係止され、下方側に位置する水車プレート73は、海流に押されて当該水車プレート73が開放し、海流を通過させる。このようにして、水車装置7は矢印の方向(図中、反時計方向)に回転し、発電機8が作動して発電が行われる。
以上説明した本例の海流発電装置は、上述の具体例に限られることなく、本考案の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜の改変を加えることができるものである。
【産業上の利用可能性】
本考案の海流発電装置は、水車型プレートを用いた発電装置でありながら、海面下において発電を行うことができるので、気象条件の悪い海洋においても設置適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る海流発電装置を示す全体斜視図である。
【図2】本考案に係る海流発電装置を示す正面図である。
【図3】本考案に係る海流発電装置を示す平面図である。
【図4】本考案に係る海流発電装置の水車装置を示す側面図である。
【図5】本考案に係る海流発電装置の水車装置を示す拡大縦断面図である。
【符号の説明】
1 支持柱
1a 固定具
1b ワイヤー
2 浮体ユニット
21 ユニット軸
22 支持プレート
23 端部プレート
24 連結具
3 発電装置
4 浮体
5 フレーム体
6 流路方向追従部材
7 水車装置
71 リング状枠
72 回転軸
73 水車プレート
73a 一端部
73b 他端部
74 係止具
75 補強部材
76 蝶番
8 発電機
81 ケーブル
【図1】
海流発電装置 図1
【図2】
海流発電装置 図2
【図3】
海流発電装置 図3
【図4】
海流発電装置 図4
【図5】
海流発電装置 図5 
海流発電装置 図6
 
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