閉じる
 
【発明の名称】イヤホンコード保持具
【特許権者】
【識別番号】514107716
【氏名又は名称】足田 幸重
【住所又は居所】兵庫県高砂市米田町古新314−51
【代理人】
【識別番号】100120329
【弁理士】
【氏名又は名称】天野 一規
【代理人】
【識別番号】100159499
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 義典
【代理人】
【識別番号】100158540
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 博生
【代理人】
【識別番号】100106264
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 耕治
【代理人】
【識別番号】100176876
【弁理士】
【氏名又は名称】各務 幸樹
【代理人】
【識別番号】100177976
【弁理士】
【氏名又は名称】根木 義明
【代理人】
【識別番号】100117167
【弁理士】
【氏名又は名称】塩谷 隆嗣
【代理人】
【識別番号】100187768
【弁理士】
【氏名又は名称】藤中 賢一
【発明者】
【氏名】足田 幸重
【住所又は居所】兵庫県高砂市米田町古新314−51
【参考文献】
【文献】特開平09−258146(JP,A)
【文献】登録実用新案第3187852(JP,U)
【文献】実開昭57−030727(JP,U)
【文献】実開平3−55823(JP,U)
【文献】特開平10−294983(JP,A)
【文献】特開平3−119898(JP,A)
【文献】登録実用新案第3005599(JP,U)
【文献】実開平3−84191(JP,U)
【文献】特開平3−68299(JP,A)
【文献】英国特許出願公開第2206014(GB,A)
【文献】特開2014−197177(JP,A)
【文献】米国特許第5737436(US,A)
【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C 11/06
G02C 11/00
H04R 25/00
【要約】
【課題】眼鏡のテンプルに的確に取付け可能であると共に、着脱容易でかつ使用性に優れるイヤホンコード保持具の提供を目的とする。
【解決手段】本発明のイヤホンコード保持具は、眼鏡のテンプルに取り付けられると共にイヤホンコードを保持する合成樹脂製の保持具本体を備え、上記保持具本体が、側方に向けて開口し上記テンプルに外嵌着されるテンプル取付溝と、上方に向けて開口すると共にテンプル取付溝の形成方向に沿って形成されるイヤホンコード保持溝とを有する。上記保持具本体がポリ塩化ビニルを主成分として含むとよい。上記テンプル取付溝からのテンプルの離脱を防止する離脱防止手段を有するとよい。上記イヤホンコード保持溝が上記テンプル取付溝の上方に形成されるとよい。当該イヤホンコード保持具は、補聴器のイヤホンコード保持用に用いられるとよい。
【選択図】図1
選択図
試作品写真
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼鏡のテンプルに取り付けられると共にイヤホンコードを保持する合成樹脂製の保持具本体を備え、
上記保持具本体が、
側方に向けて開口し上記テンプルに外嵌着されるテンプル取付溝と、
上方に向けて開口すると共にテンプル取付溝の形成方向に沿って形成されるイヤホンコード保持溝と
を有し、
上記イヤホンコード保持溝が上記テンプル取付溝の上方に形成されるイヤホンコード保持具。
【請求項2】
上記保持具本体がポリ塩化ビニルを主成分として含む請求項1に記載のイヤホンコード保持具。
【請求項3】
上記テンプル取付溝からのテンプルの離脱を防止する離脱防止手段を有する請求項1又は請求項2に記載のイヤホンコード保持具。
【請求項4】
補聴器のイヤホンコード保持用に用いられる請求項1、請求項2又は請求項3に記載のイヤホンコード保持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イヤホンコード保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、補聴器としては、耳あな型、耳かけ型、ポケット型等、種々の種類のものが存在している。これらの補聴器のうち、耳あな型は、個々人の耳の形状及び聞こえの程度に合わせてオーダーメイドで作られるものである。一方、耳かけ型、ポケット型は、本体とイヤホンとがイヤホンコードによって連結されたもので、オーダーメイドの必要がない汎用品として普及している。
【0003】
また、このような補聴器としては、眼鏡と一体化された眼鏡型補聴器も存在している。しかしながら、このような眼鏡型補聴器は、補聴器を眼鏡から取り外すことができないため、補聴器のみを使用したい場合の使用性に欠ける。さらに、このような眼鏡型補聴器は、一定の重量を有するため、長時間使用する場合に疲労が助長されるという不都合も有する。そのため、今日では、眼鏡と補聴器とを同時に用いる場合であっても、耳かけ型又はポケット型の補聴器を用いる人が多くなっている。
【0004】
しかしながら、眼鏡と耳かけ型補聴器又はポケット型補聴器とを同時に使用する場合、眼鏡のテンプルと補聴器のイヤホンコードとが絡まるおそれがあり、またこのような絡まりによってイヤホンが耳から脱落するおそれもある。
【0005】
なお、今日では、眼鏡のテンプルとイヤホンコードとを連結することでイヤホンの脱落を抑制可能なイヤホンコード受け具が発案されている(実用新案登録第3005599号公報参照)。
【0006】
しかしながら、この公報所載のイヤホンコード受け具は、眼鏡のテンプルの軸方向に対してスライド自在に構成されているため、イヤホンコードのたるみ等を好適に防止することができない。また、このイヤホンコード受け具は、眼鏡のテンプルの径方向に対しても揺動されるため、眼鏡の装着者の頬等にイヤホンコード受け具が断続的に当たり、装着感が悪い。なお、このイヤホンコード受け具は、眼鏡のテンプルに接着又は粘着されてもよいとされているものの、この場合、一旦取り付けたイヤホンコード受け具を取り外すのが困難になり、眼鏡自体の美観を損なうという不都合を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実用新案登録第3005599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、眼鏡のテンプルに的確に取付け可能であると共に、着脱容易でかつ使用性に優れるイヤホンコード保持具の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するためになされた本発明に係るイヤホンコード保持具は、眼鏡のテンプルに取り付けられると共にイヤホンコードを保持する合成樹脂製の保持具本体を備え、上記保持具本体が、側方に向けて開口し上記テンプルに外嵌着されるテンプル取付溝と、上方に向けて開口すると共にテンプル取付溝の形成方向に沿って形成されるイヤホンコード保持溝とを有し、上記イヤホンコード保持溝が上記テンプル取付溝の上方に形成される。

【0010】
当該イヤホンコード保持具は、テンプル取付溝が眼鏡のテンプルに外嵌着されることで眼鏡のテンプルに装着されると共に、イヤホンコード保持溝がイヤホンコードを下方から支持することでイヤホンコードを保持可能に構成されている。当該イヤホンコード保持具は、保持具本体が合成樹脂製であることから弾性変形可能に形成されており、着脱容易性を有する。当該イヤホンコード保持具は、テンプル取付溝が眼鏡のテンプルに外嵌着されるので、眼鏡のテンプルに対して比較的強固に連結され、イヤホンコードのたるみを好適に防止することができる。当該イヤホンコード保持具は、イヤホンコード保持溝によってイヤホンコードを下方から支持することができるので、イヤホンコードの脱落を抑制することができる。さらに、当該イヤホンコード保持具は、イヤホンコード保持溝がテンプル取付溝の形成方向に沿って形成されるので、このイヤホンコード保持溝によって保持されるイヤホンコードは眼鏡のテンプルの軸方向と略平行に保たれる。それゆえ、当該イヤホンコード保持具によると、眼鏡の装着者の頬等と眼鏡のテンプルとの間にイヤホンコードが挟まれるおそれが低い。従って、当該イヤホンコード保持具は、例えばチューブ状のイヤホンコードが用いられた場合でも、イヤホンコードの挟まりによってチューブ内の空間が圧縮されるおそれが低い。
【0011】
上記保持具本体がポリ塩化ビニルを主成分として含むとよい。これにより、適度な硬度、弾性等を有する保持具本体が容易に製造され、装着性及び着脱作業性がさらに向上される。
【0012】
上記テンプル取付溝からのテンプルの離脱を防止する離脱防止手段を有するとよい。これにより、眼鏡のテンプルにさらに的確に装着することができる。
【0013】
上記イヤホンコード保持溝が上記テンプル取付溝の上方に形成される。これにより、イヤホンコードをさらに安定的に保持することができる。また、かかる構成によると、眼鏡の装着者が眼鏡の位置合わせ等のためにテンプルに触れる際にイヤホンコードが邪魔になるおそれを低下することができる。
【0014】
当該イヤホンコード保持具は、補聴器のイヤホンコード保持用に用いられるとよい。これにより、補聴器の使用性を好適に向上することができる。
【0015】
なお、「主成分」とは、最も含有量の多い成分をいい、例えば含有量が50質量%以上の成分をいう。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明のイヤホンコード保持具は、眼鏡のテンプルに的確に取付け可能であると共に、着脱容易でかつ使用性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第一実施形態に係るイヤホンコード保持具を示す模式的正面図である。
【図2】図1のイヤホンコード保持具の装着状態を示す模式図である。
【図3】本発明の第二実施形態に係るイヤホンコード保持具を示す模式的正面図である。
【図4】図1及び図3のイヤホンコード保持具とは異なる形態に係るイヤホンコード保持具を示す模式的正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳説する。
【0019】
[第一実施形態]
<イヤホンコード保持具>
図1のイヤホンコード保持具1は、補聴器のイヤホンコードを保持する。イヤホンコード保持具1は、眼鏡のテンプルに取り付けられると共にイヤホンコードを保持する合成樹脂製の保持具本体から構成される。イヤホンコード保持具1は、上壁4、側壁5及び底壁6を具備する下部2と、上壁4の両端から上方に延設される一対の挟持壁7を具備する上部3とを有する。イヤホンコード保持具1は、側方に向けて開口し、眼鏡のテンプルに外嵌着されるテンプル取付溝8と、上方に向けて開口すると共にテンプル取付溝8の形成方向に沿って形成されるイヤホンコード保持溝9とを有する。イヤホンコード保持具1は、奥行き(テンプル取付溝8の形成方向及びイヤホンコード保持溝9の形成方向)及び幅が略一定の平面視略矩形状に形成されている。
【0020】
上記合成樹脂としては、一定の弾性を有すると共に、テンプル取付溝8が眼鏡のテンプルの側方に外嵌着可能な硬度を有する限り特に限定されない。このような合成樹脂としては、例えばポリ塩化ビニル、ポリアクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、シリコーン系樹脂、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、適度な硬度、弾性等を有し、装着性及び着脱作業性を好適に向上可能なポリ塩化ビニルが特に好ましい。
【0021】
上記ポリ塩化ビニルの含有量の下限としては、50質量%が好ましく、90質量%がより好ましく、98質量%がさらに好ましい。上記ポリ塩化ビニルの含有量が上記下限未満の場合、硬度、弾性等の調整が困難になるおそれがある。
【0022】
また、イヤホンコード保持具1は、上記合成樹脂以外にその他の添加剤をさらに含有していてもよい。その他の添加剤としては、例えば可塑剤、安定剤、増粘剤等が挙げられる。
【0023】
上記合成樹脂の曲げ強度の下限としては、80MPaが好ましく、82MPaがより好ましく、85MPaがさらに好ましい。一方、上記合成樹脂の曲げ強度の上限としては、95MPaが好ましく、93MPaがより好ましく、90MPaがさらに好ましい。上記合成樹脂の曲げ強度が上記下限未満の場合、眼鏡のテンプルやイヤホンコードの着脱時に破損するおそれが高くなる。逆に、上記合成樹脂の曲げ強度が上記上限を超える場合、十分な弾性が得られず、テンプル取付溝8の眼鏡のテンプルに対する着脱作業性が低下するおそれがある。なお、「曲げ強度」とは、JIS−K−7171(2008)に準拠した値である。
【0024】
上記合成樹脂の曲げ弾性率の下限としては、2700MPaが好ましく、2750MPaがより好ましい。一方、上記合成樹脂の曲げ弾性率の上限としては、2900MPaが好ましく、2850MPaがより好ましい。上記合成樹脂の曲げ弾性率が上記下限未満の場合、眼鏡のテンプルやイヤホンコードの着脱時に破損するおそれが高くなる。逆に、上記合成樹脂の曲げ弾性率が上記上限を超える場合、十分な弾性が得られず、テンプル取付溝8の眼鏡のテンプルに対する着脱作業性が低下するおそれがある。なお、「曲げ弾性率」とは、JIS−K−7171(2008)に準拠した値である。
【0025】
上記合成樹脂の引張強度の下限としては、50MPaが好ましく、52MPaがより好ましく、55MPaがさらに好ましい。一方、上記合成樹脂の引張強度の上限としては、65MPaが好ましく、63MPaがより好ましく、60MPaがさらに好ましい。上記合成樹脂の引張強度が上記下限未満の場合、眼鏡のテンプルやイヤホンコードの着脱時に破損するおそれが高くなる。逆に、上記合成樹脂の引張強度が上記上限を超える場合、十分な弾性が得られず、テンプル取付溝8の眼鏡のテンプルに対する着脱作業性が低下するおそれがある。なお、「引張強度」とは、JIS−K−7113に準拠した値である。
【0026】
テンプル取付溝8は、上壁4と、側壁5と、底壁6とによって形成される。上壁4及び底壁6は、略平行に配設される。また、側壁5は、上壁4及び底壁6の基端側に連結される。さらに、上壁4、側壁5及び底壁6の奥行き(テンプル取付溝8の形成方向長さ)は略同一とされる。
【0027】
テンプル取付溝8の基端側の平均幅(d1)としては、眼鏡のテンプルの上下方向幅と略同一である限り特に限定されるものではなく、例えば3mm以上10mm以下とされる。
【0028】
底壁6は、テンプル取付溝8からのテンプルの離脱を防止する離脱防止手段として、開口端側に上壁方向に隆起する隆起部10を有する。隆起部10の高さの下限としては、0.3mmが好ましく、0.5mmがより好ましく、0.7mmがさらに好ましい。一方、隆起部10の高さの上限としては、2.5mmが好ましく、2mmがより好ましく、1.5mmがさらに好ましい。隆起部10の高さが上記下限未満の場合、テンプル取付溝8を眼鏡のテンプルを外嵌着した状態でのテンプル離脱防止作用が十分に得られないおそれがある。逆に、隆起部10の高さが上記上限を超える場合、眼鏡のテンプルへの着脱作業性が低下するおそれがある。
【0029】
テンプル取付溝8の形成方向長さの下限としては、3mmが好ましく、5mmがより好ましい。一方、テンプル取付溝8の形成方向長さの上限としては、12mmが好ましく、10mmがより好ましい。テンプル取付溝8の形成方向長さが上記下限未満の場合、当該イヤホンコード保持具1を眼鏡のテンプルに装着した状態での当該イヤホンコード保持具1自体及び当該イヤホンコード保持具1によって保持されるイヤホンコードの装着安定性が低下するおそれがある。逆に、テンプル取付溝8の形成方向長さが上記上限を超える場合、当該イヤホンコード保持具1が不必要に大きくなり、着脱作業性及び当該イヤホンコード保持具1が装着された眼鏡の美観が低下するおそれがある。
【0030】
イヤホンコード保持溝9は、上壁4と、上壁4の両側端から上方に延設される一対の挟持壁7とによってテンプル取付溝8の上方に形成される。上壁4及び一対の挟持壁7の奥行き(イヤホンコード保持溝9の形成方向長さ)は略同一である。イヤホンコード保持溝9の形成方向長さとしては、テンプル取付溝8の形成方向長さと同様である。
【0031】
イヤホンコード保持溝9の基端側の平均幅(w1)の下限としては、1mmが好ましく、2mmがより好ましい。一方、イヤホンコード保持溝9の基端側の平均幅(w1)の上限としては、5mmが好ましく、4mmがより好ましい。イヤホンコード保持溝9の基端側の平均幅(w1)が上記下限未満の場合、一対の挟持壁7でイヤホンコードを挟持するのが困難になるおそれがあり、また一対の挟持壁7でイヤホンコードを挟持できた場合でもイヤホンコード内の空間が一対の挟持壁7によって圧縮されるおそれがある。逆に、イヤホンコード保持溝9の基端側の平均幅(w1)が上記上限を超える場合、イヤホンコードのぐらつきを好適に防止できないおそれがある。
【0032】
一対の挟持壁7は、イヤホンコード保持溝9からのイヤホンコードの離脱を防止する離脱防止手段として、互いに対向する開口端側に隆起部11を有する。隆起部11の高さの下限としては、0.05mmが好ましく、0.07mmがより好ましく、0.1mmがさらに好ましい。一方、隆起部11の高さの上限としては、0.5mmが好ましく、0.3mmがより好ましく、0.2mmがさらに好ましい。隆起部11の高さが上記下限未満の場合、イヤホンコード保持溝9に支持されたイヤホンコードが開口側から脱落するおそれが高くなる。逆に、隆起部11の高さが上記上限を超える場合、イヤホンコードの着脱作業性が低下するおそれがある。
【0033】
<イヤホンコード保持具の装着手順>
次に、図2を参照して、当該イヤホンコード保持具1が耳かけ型補聴器保持用に用いられる場合の装着手順について説明する。
【0034】
まず、ユーザは、イヤホンコード保持具1のテンプル取付溝8を眼鏡のテンプルに外嵌着させる。次に、ユーザは、耳かけ型補聴器本体21を装着した状態で、イヤホンコード保持具1が取り付けられた眼鏡を装着する。続いて、ユーザは、イヤホンコード保持具1の一対の挟持壁7間にイヤホンコード22を挿入し、イヤホンコード22をイヤホンコード保持溝9によって支持させたうえ、イヤホン本体23を耳穴に取り付ける。
【0035】
<利点>
当該イヤホンコード保持具1は、テンプル取付溝8が眼鏡のテンプルに外嵌着されることで眼鏡のテンプルに装着されると共に、イヤホンコード保持溝9がイヤホンコードを下方から支持することでイヤホンコードを保持可能に構成されている。当該イヤホンコード保持具1は、保持具本体が合成樹脂製であることから弾性変形可能に形成されており、着脱容易性を有する。当該イヤホンコード保持具1は、テンプル取付溝8が眼鏡のテンプルに外嵌着されるので、眼鏡のテンプルに対して比較的強固に連結され、イヤホンコードのたるみを好適に防止することができる。当該イヤホンコード保持具1は、イヤホンコード保持溝9によってイヤホンコードを下方から支持することができるので、イヤホンコードの脱落を抑制することができる。さらに、当該イヤホンコード保持具1は、イヤホンコード保持溝9がテンプル取付溝8の形成方向に沿って形成されるので、このイヤホンコード保持溝9によって保持されるイヤホンコードは眼鏡のテンプルの軸方向と略平行に保たれる。それゆえ、当該イヤホンコード保持具1によると、眼鏡の装着者の頬等と眼鏡のテンプルとの間にイヤホンコードが挟まれるおそれが低い。従って、当該イヤホンコード保持具1は、例えばチューブ状のイヤホンコードが用いられた場合でも、イヤホンコードの挟まりによってチューブ内の空間が圧縮されるおそれが低い。
【0036】
当該イヤホンコード保持具1は、テンプル取付溝8からのテンプルの離脱を防止する離脱防止手段を有するので、眼鏡のテンプルにさらに的確に装着することができる。
【0037】
当該イヤホンコード保持具1は、イヤホンコード保持溝9がテンプル取付溝8の上方に形成されるので、眼鏡のテンプルにテンプル取付溝8が外嵌着された状態においてイヤホンコードの重みよって横方向のバランスが崩れることが防止される。それゆえ、当該イヤホンコード保持具1は、イヤホンコードをさらに安定的に保持することができる。また、当該イヤホンコード保持具1は、イヤホンコード保持溝9がテンプル取付溝8の上方に形成されることによって、イヤホンコードが眼鏡のテンプルよりも上方で保持されることになる。それゆえ、当該イヤホンコード保持具1は、眼鏡の装着者が眼鏡の位置合わせ等のためにテンプルに触れる際にイヤホンコードが邪魔になるおそれを低下することができる。
【0038】
当該イヤホンコード保持具1は、補聴器のイヤホンコード保持用に用いられるので、上述のように補聴器の使用性を好適に向上することができる。
【0039】
[第二実施形態]
<イヤホンコード保持具>
図3のイヤホンコード保持具31は、補聴器のイヤホンコードを保持する。イヤホンコード保持具31は、眼鏡のテンプルに取り付けられると共にイヤホンコードを保持する合成樹脂製の保持具本体32と、棒状部材33とを有する。保持具本体32は、上壁36、側壁37及び底壁38を具備する下部34と、上壁36の両端から上方に延設される一対の挟持壁39を具備する上部35とを有する。保持具本体32は、側方に向けて開口し、眼鏡のテンプルに外嵌着されるテンプル取付溝40と、上方に向けて開口すると共にテンプル取付溝40の形成方向に沿って形成されるイヤホンコード保持溝41とを有する。保持具本体32は、奥行き(テンプル取付溝40の形成方向及びイヤホンコード保持溝41の形成方向)及び幅が略一定の平面視略矩形状に形成されている。保持具本体32の形成材料としては、図1のイヤホンコード保持具1と同様である。また、上記合成樹脂の曲げ強度、曲げ弾性率、引張強度としては、図1のイヤホンコード保持具1と同様である。
【0040】
テンプル取付溝40は、上壁36と、側壁37と、底壁38とによって形成される。上壁36及び底壁38は、略平行に配設される。また、側壁37は、上壁36及び底壁38の基端側に連結されている。さらに、上壁36、側壁37及び底壁38の奥行き(テンプル取付溝40の形成方向長さ)は略同一とされている。テンプル取付溝40の基端側の平均幅(d2)としては、図1のテンプル取付溝8の基端側の平均幅(d1)と同様である。テンプル取付溝40の形成方向長さとしては、図1のテンプル取付溝8の形成方向長さと同様である。
【0041】
棒状部材33は、テンプル取付溝40からのテンプルの離脱を防止する離脱防止手段として設けられている。棒状部材33は、上壁36の開口側の端部及び底壁38の開口側の端部に連結されている。
【0042】
棒状部材33は、例えばビスからなり、眼鏡のテンプルがテンプル取付溝40に外嵌着された状態で上壁36の開口側の端部及び底壁38の開口側の端部に螺合される。棒状部材33は、上壁36又は底壁38との螺合位置を調整されることでテンプル取付溝40の開口幅を調整する。なお、棒状部材33は、テンプル取付溝40の開口幅を調整できる限り必ずしもビスからなる必要はなく、例えばテンプル取付溝40の開口幅を上下方向に付勢するバネであってもよい。
【0043】
イヤホンコード保持溝41は、上壁36と、上壁36の両端側から上方に延設される一対の挟持壁39とによってテンプル取付溝40の上方に形成される。上壁36及び一対の挟持壁39の奥行き(イヤホンコード保持溝41の形成方向長さ)は略同一である。イヤホンコード保持溝41の形成方向長さとしては、テンプル取付溝40の形成方向長さと同様である。
【0044】
イヤホンコード保持溝41は、イヤホンコード保持溝41からのイヤホンコードの離脱を防止する離脱防止手段として、基端から開口端にかけて徐々に幅狭に構成されている。イヤホンコード保持溝41の基端における平均幅(w2)としては、図1のイヤホンコード保持溝9の基端側の平均幅(w1)と同様である。
【0045】
また、イヤホンコード保持溝41の基端における平均幅とイヤホンコード保持溝41の開口端における平均幅との差の下限としては、0.05mmが好ましく、0.1mmがより好ましく、0.15mmがさらに好ましい。一方、イヤホンコード保持溝41の基端における平均幅とイヤホンコード保持溝41の開口端における平均幅との差の上限としては、0.35mmが好ましく、0.3mmがより好ましく、0.25mmがさらに好ましい。上記平均幅の差が上記下限未満の場合、イヤホンコード保持溝41に支持されたイヤホンコードが開口側から脱落するおそれが高くなる。逆に、上記平均幅の差が上記上限を超える場合、イヤホンコードの着脱作業性が低下するおそれがある。
【0046】
<利点>
当該イヤホンコード保持具31は、テンプル取付溝40からのテンプルの離脱を防止する離脱防止手段として棒状部材33を有するので、異なる径や形状を有する眼鏡のテンプルに対しても好適に装着することができる。また、当該イヤホンコード保持具31は、棒状部材33を有することにより、眼鏡のテンプルに対してさらに的確に装着することができる。
【0047】
[その他の実施形態]
なお、本発明のイヤホンコード保持具は、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
【0048】
例えば、当該イヤホンコード保持具は、必ずしもテンプル取付溝からのテンプルの離脱を防止する離脱防止手段を有する必要はない。当該イヤホンコード保持具は、かかる離脱防止手段を有しない場合でも、テンプル取付溝の開口幅を眼鏡のテンプルの上下方向幅に合わせて形成することで、テンプルに好適に外嵌着されることができる。また、当該イヤホンコード保持具は、離脱防止手段として、底壁の開口側に上壁方向に隆起する隆起部を有すると共に、上壁の開口側に底壁方向に隆起する隆起部を有してもよい。当該イヤホンコード保持具は、かかる構成によれば、テンプル取付溝からのテンプルの離脱をさらに効果的に防止することができる。
【0049】
当該イヤホンコード保持具は、必ずしもイヤホンコード保持溝からのイヤホンコードの離脱を防止する離脱防止手段を有する必要はない。当該イヤホンコード保持具は、イヤホンコード保持溝によってイヤホンコードを下方から支持することができるため、例えばイヤホンコード保持溝を形成する一対の挟持壁が略平行に形成される場合であっても、イヤホンコードの脱落を抑制することができる。
【0050】
当該イヤホンコード保持具は、必ずしもイヤホンコード保持溝がテンプル取付溝の上方に形成される必要はない。当該イヤホンコード保持具は、例えば図4に示すように、イヤホンコード保持溝52がテンプル取付溝51の側方に形成される場合でも、テンプル取付溝51によって眼鏡のテンプルに好適に装着されると共に、イヤホンコード保持溝52によってイヤホンコードを支持することができる。
【0051】
当該イヤホンコード保持具は、必ずしも耳かけ型のイヤホンコード保持用に用いられる必要はなく、例えばポケット型の補聴器や、音響機器その他電子機器のイヤホンコード保持具として用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
以上のように、本発明のイヤホンコード保持具は、眼鏡のテンプルに的確に取付け可能であると共に、着脱容易でかつ使用性に優れ、耳かけ型の補聴器等のイヤホンコード保持具として適している。
【符号の説明】
【0053】
1 イヤホンコード保持具(保持具本体)
2 下部
3 上部
4 上壁
5 側壁
6 底壁
7 挟持壁
8 テンプル取付溝
9 イヤホンコード保持溝
10 隆起部
11 隆起部
21 補聴器本体
22 イヤホンコード
23 イヤホン本体
31 イヤホンコード保持具
32 保持具本体
33 棒状部材
34 下部
35 上部
36 上壁
37 側壁
38 底壁
39 挟持壁
40 テンプル取付溝
41 イヤホンコード保持溝
51 テンプル取付溝
52 イヤホンコード保持溝
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第一実施形態に係るイヤホンコード保持具を示す模式的正面図である。
【図2】図1のイヤホンコード保持具の装着状態を示す模式図である。
【図3】本発明の第二実施形態に係るイヤホンコード保持具を示す模式的正面図である。
【図4】図1及び図3のイヤホンコード保持具とは異なる形態に係るイヤホンコード保持具を示す模式的正面図である。
【図1】
図1
【図2】
図3
【図3】
図4
【図4】
図5
ページtop へ