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【発明の名称】避雷装置
【出願人】
【識別番号】599112803
【氏名又は名称】五十嵐 正弘
【住所又は居所】埼玉県所沢市東所沢1丁目23番地の17
【発明者】
【氏名】五十嵐 正弘
【住所又は居所】埼玉県所沢市東所沢1丁目23番地の17
【要約】
【課題】雷雲が上空に発生すると、地上のソーラーパネルでは雷雲の極性と反対の電荷が帯電し、また雷雲が消滅すると地上のソーラーパネルの電荷は消滅する。雷が活発に活動し雷の電圧変動が大きく激しくなると、ソーラーパネルの電位もそれに反応し、充電と放電を激しく繰り返すので接地回路はそのサージ電流が往復に流れるので、トラブルが多く、太陽光発電設備の弱点となっている。
【解決手段】太陽光発電設備の上空に避雷用の鋼線を横方向と縦方向に複数本架線する事により、避雷保護範囲帯は二重となるのでソーラーパネルの静電誘導電圧は大幅に抑止軽減され、問題が解消する。
【選択図】図2
選択図
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上空に架線した鋼線の避雷保護範囲帯が太陽光発電設備のソーラーパネを覆う得る位置に支柱と、それと相対する支柱を建て、その頂部間に鋼線を架線し、両支柱頂部の鋼線の引き留めには接地線を接続し、その下端は接地電極に接続した避雷設備で、太陽光発電設備全面を鋼線の避雷保護範囲帯で覆う得、さらに前記と同じ構成の避雷設備の鋼線を、前記架線の方向とほぼ直角方向に、また前記架線と高低差をつけ常に離隔距離を保持の架線し、この避雷保護範囲帯は前記避雷保護範囲帯と十字形交差の避雷保護範囲帯で太陽光発電設備を覆う得、太陽光発電設備が受ける雷の誘導電圧を軽減する事を特徴とする避雷装置。
【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電設備を雷の誘導電圧からの防護に関する。
【背景技術】
【0002】
再生エネルギー電気の調達に関する特別措置法の施行により太陽光発電設備は急速に設備が増大しており、その設備量の増加に伴って事故も多くなっている。その原因は強風・積雪・冠水・雷等と多岐にわたっているが、太陽光発電設備の雷害事故の場合は、設備形状から見て落雷の直撃は少なく、上空の雷雲に反応したソーラーパネルの静電誘導作用による被害が大きいものと推測される。
【0003】
上空に雷雲があるとソーラーパネルには雷雲の極性と反対の極性の電荷が静電誘導作用で帯電する。雷の活発な活動で雷電圧は大きく変動し、その雷電圧の変動がソーラーパネルの誘導電圧に反映するので、ソーラーパネルが雷雲で帯電し、また雷雲が消滅するとその瞬間ソーラーパネルに帯電していた電荷はソーラーパネルからサージ電流となって瞬時に大地に流れ去り、ソーラーパネルの電位はゼロとなる。しかし、雷はまた数秒後には再び高電圧になったり消滅したり活発に活動するので、ソーラーパネルは常に帯電、放電を激しく繰り返している。
また、雷は上空に長時間滞留や波状的に連続襲来することもあり、その間のソーラーパネルは雷電圧の変動を受け静電誘導作用で帯電、放電を繰り返すことになるので、ソーラーパネルの接地回路は、帯電と放電の往復の通路であり回路的には過酷な環境にあり事故も多発し、発電機能を阻害している。
【先行技術文献】
【0004】
【特許文献1】 特開昭58−182406公報
【特許文献2】 特開2012−080018公報
【特許文献3】実登3023045号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ソーラーパネルは雷からの誘導電圧を受け、帯電・放電を頻繁に動作し、ダイオードの短絡や集合ボックスの焼損等の障害が発生し、発電不能の事例もある。
これらの故障を未然に防ぐには各部品の絶縁耐力の強化やサージ電流容量強化等もあるが、ソーラーパネルが受けている雷の誘導電圧が起因で障害が発生しているので、この雷の誘導電圧を軽減する事が根本的な解決策である。
【0006】
鋼線を太陽光発電設備の上空に架線する事はソーラーパネルを避雷保護範囲帯に置くこ
とは最善の策ではあるが、反面冬季の寒冷期には、架線鋼線に着雪・着氷する場合は必ずあり得るので、予めそれに備えて置く必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題を鋭意検討した結果、本発明に到達するに至った。
本発明によれば上記問題点は、上空に架線した鋼線の避雷保護範囲帯が太陽光発電設備のソーラーパネルを覆う得る位置に支柱と、それと相対する支柱を建て、その頂部間に鋼線を架線し、両支柱頂部の鋼線の引き留め点には接地線を接続し、その下端は接地電極に接続した避雷設備で、太陽光発電設備全面を鋼線の避雷保護範囲で覆う得、さらに前記の鋼線の避雷保護範囲帯と直角に立体交差する鋼線の避雷保護範囲帯で覆う得、太陽光発電設備が受ける雷の誘導電圧を軽減する事によって解決される。
【0008】
請求項1に記載した避雷装置において、支柱頂部の鋼線の各引き留め点には碍子を挿入絶縁し、その片方の支柱の接地線は接地電極までの途中に、鋼線の着雪防止用電源が接続可能な開閉器を設置する事によって解決される。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、上記鋼線をソーラーパネルの上空に鋼線を高さ6〜7m縦方向に数条、それと直角方向に鋼線を高さ8〜9mに数条を立体交差で架線する事により、その線下のソーラーパネルは二重の避雷保護範囲帯が覆う事になるので、真上の雷は当然であるが、雷が接近してくるような斜め上の雷に対してもソーラーパネルの誘導電圧は大幅に抑止軽減さる。
雷が激しい活動中は突風が発生し、径間の鋼線は大きく動揺するが、避雷保護範囲帯の二重化によって誘導電圧の軽減効果も満足出来るものとなる。
しかし、ソーラーパネルの上空に鋼線を架線する事はソーラーパネルに着雪・着氷落下のリスクを生じることになるが、適時適切に鋼線に通電操作を行う事により融雪融氷する事が可能となるので、着雪・着氷落下のリスクは解消する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】ソーラーパネルと鋼線架線交差の平面図と鋼線架線の避雷保護範囲帯の想定平面図
【図2】上記「ソーラーパネルと鋼線架線の平面図」のA−Aの断面図
【図3】上記「ソーラーパネルと鋼線架線の平面図」のB−Bの断面図で避雷の保護範囲の角度
【図4】鋼線の着雪防止用電源開閉器と通電回路図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図4に基づいて説明する。
【0012】
図1は、太陽光発電設備のソーラーパネル1とその上空に、鋼線3を横2条、縦2条を立体交差架線した平面図である。外周には支柱2を建て支線6を張り支柱2を補強した。
鋼線3を架線した事による想定した避雷保護範囲帯を点線の斜線図で示したが、横方向と縦方向の斜線図が平面交差しているところに、◎印を4個しるし付けた範囲は雷の保護範囲が二重になる範囲を示したもので、より安全な範囲を示している。
【0013】
図2は、図1のA−Aの断面図で、ソーラーパネル1の両側に支柱2を建て支線6を張り支柱2を補強し、支柱2の頂部に鋼線3を架線した断面図である。架線した両側の鋼線3に接地線4を接続、その片端は地下の接地電極5に接続している。
【0014】
図3は、図1のB−Bの断面図で、ソーラーパネル1の上空に、鋼線3の2条の断面が
ある。その鋼線3から下方に点線でしめした角度内は、避雷保護範囲帯を示したもので、その角度は約30〜40度である。
【0015】
図4は、支柱2と鋼線3の引き留め点9には碍子7を挿入し鋼線を絶縁する。鋼線3の引き留め点9では接地線4に接続その片端を接地電極5接続するが、その反対側支柱2の鋼線3の引き留め点9では、接地線4を接続し、その片端を接地電極5接続するその途中の地上約1.5m付近に、着雪防止用開閉器8を設置する。
【実施例】
【0016】
太陽光発電設備が横50m縦40mの平面規模の実施例を述べる。
図1に示したようにソーラーパネル1を避雷保護範囲帯で覆うように、鋼線3を横方向に2条高さを約8m、縦方向に2条高さ約10mに架線する。これにより架空鋼線3は縦2条と横2条の約1〜2mの段差のある立体交差となる。
図1の点線で斜線の示した避雷保護範囲に◎印四個を結ぶ範囲は、避雷保護範囲が二重になる範囲を示したもので、最も雷の影響が受けにくい範囲で、そこにソーラーパネル1を配置する。
鋼線3は鋼撚線38平方ミリメートルを使用し、支柱2はコンクリート柱で長さ約16mを使用する。
【0017】
鋼線の着氷着雪を防止する場合は、図4のように、各支柱2と鋼線3の引き留め点9には碍子7を挿入し、鋼線3を絶縁する。鋼線3の相対する片方の支柱2の接地線4は鋼線3に接続し、コンクリート柱に沿うって地上にのばし、地下の接地電極5接続するが、支柱2のコンクリート柱の途中の地上高さ1,5m付近に着雪防止用開閉器8を設置する
この着雪防止用開閉器8は常時閉路となって接地回路を構成しているが気象予報等で着雪注意報が出た場合は、着雪防止用開閉器8を開き、同開閉器8のaの端子とbの端子に電源を接続する。通電すると電流は、a端子→接地線→鋼線→接地線→大地→b端子に流れ、鋼線3の温度が上昇しプラス3℃程度なると着氷着雪はしない事になる。
【符号の説明】
【0018】
1太陽光発電設備のソーラーパネル
2支柱
3鋼線
4接地線
5接地電極
6支線
7碍子
8着雪防止用開閉器
9引き留め点
【図1】
図1 
【図2】
図2 
【図3】
図3 
【図4】
図4 
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