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【考案の名称】風力発電装置 【実用新案権者】 【識別番号】595000519 【氏名又は名称】清原 貞治 【住所又は居所】神奈川県横浜市金沢区並木一丁目1番3−108号 【代理人】 【識別番号】110000039 【氏名又は名称】特許業務法人アイ・ピー・エス 【考案者】 【氏名】清原 貞治 【住所又は居所】神奈川県横浜市金沢区朝比奈町242 【要約】(修正有) 【課題】 効果的な発電と、強風による破損の防止とを両立することができる風力発電装置を提供する。 【解決手段】 風速が増加し所定の風速以上になると、制御部44は、風速センサの検出値が所定の値未満となる位置まで風胴体12を下降させるよう昇降部42を制御する。さらに風速が増加すると、制御部44は、さらに風胴体12を下降させるよう昇降部42を制御する。一方、風速が減少すると、制御部44は、風胴体12を上昇させるよう昇降部42を制御する。 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 風方向に対峙して回転する風車と、 前記風車の回転により発電する発電機と、 前記風車を昇降させる昇降手段と、 を有し、 前記昇降手段は、前記発電機から電力を得て動作する 風力発電装置。 【請求項2】 風方向に対峙して回転する風車と、 前記風車の回転により発電する発電機と、 前記発電機が発電する電気を蓄電する蓄電手段と、 前記風車を昇降させる昇降手段と、 を有し、 前記昇降手段は、前記蓄電手段から電力を得て動作する 風力発電装置。 【請求項3】 風速を検出する風速検出器と、 前記風速検出器の検出結果に基づいて前記昇降手段を制御する制御部と、 をさらに有する請求項1又は2記載の風力発電装置。 【請求項4】 前記制御部は、前記風速検出器が検出する風速が所定の値以上である場合に、前記風車を下降させるように前記昇降手段を制御する請求項3記載の風力発電装置。 【請求項5】 前記制御部は、前記風速検出器が検出する風速が所定の値未満である場合に、前記風車を上昇させるように前記昇降手段を制御する請求項3又は4記載の風力発電装置。 【考案の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本考案は、風力発電装置に関する。 【背景技術】 【0002】 自然エネルギーを活用する発電方法の一つとして、風により風車が回転することで発電する風力発電がある。しかし、風力発電は天候に左右され、微風のときは、風車の回転が弱く効果的に発電することができない。一方、強風のときは、風車が回転し過ぎることによる破損のおそれがある。このため、強風によって風車が破損することを防止する構成が用いられている。 【0003】 引用文献1では、集風フードの開口部に蓋体を揺動自在に設け、この蓋体は開口部を塞ぐ方向に弾条体で付勢されており、この集風フードに吹き込む風が強力である時は弾条体に抗して蓋体が揺動され開口部から風が逃がされる構成の風力原動機が開示されている。 【0004】 引用文献2では、集風胴の開口部を開閉する蓋板を設け、この蓋板は錐により開口部を閉鎖しているが、一定圧以上になると、錐の重さに抗して蓋体を持ち上げて開口部を開口し風を逃がす構成の風力原動機が開示されている。 【0005】 引用文献3では、筒の内部に4枚の台形板からなる錐体を設け、この各台形板の底辺を筒の前面の各辺に取り付け、所定の風速以上になれば、風圧により台形板が移動して風の抵抗を減らす構成の風力発電装置が開示されている。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0006】 【特許文献1】 特開昭59−82584号公報 【特許文献2】 特開昭56−107975号公報 【特許文献3】 特開2004−100672号公報 【考案の概要】 【考案が解決しようとする課題】 【0007】 しかしながら、従来の技術においては、効果的な発電と、強風による破損の防止とを両立することができないという問題があった。 【0008】 本考案は、効果的な発電と、強風による破損の防止とを両立することができる風力発電装置を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0009】 上記目的を達成するために、本考案の第1の特徴とするところは、風方向に対峙して回転する風車と、前記風車の回転により発電する発電機と、前記風車を昇降させる昇降手段と、を有し、前記昇降手段は、前記発電機から電力を得て動作する風力発電装置にある。これにより、効果的な発電と、強風による破損の防止とを両立することができる。 【0010】 本考案の第2の特徴とするところは、風方向に対峙して回転する風車と、前記風車の回転により発電する発電機と、前記発電機が発電する電気を蓄電する蓄電手段と、前記風車を昇降させる昇降手段と、を有し、前記昇降手段は、前記蓄電手段から電力を得て動作する風力発電装置にある。 【0011】 好適には、風速を検出する風速検出器と、前記風速検出器の検出結果に基づいて前記昇降手段を制御する制御部と、をさらに有する。これにより、本構成を有さない場合と比較して、より効果的な発電と、強風による破損の防止とを両立することができる。 【0012】 好適には、前記制御手段は、前記風速検出器が検出する風速が所定の値以上である場合に、前記風車を下降させるように前記昇降手段を制御する。これにより、本構成を有しない場合と比較して、より一層、効果的な発電と、強風による破損の防止とを両立することができる。 【0013】 好適には、前記制御手段は、前記風速検出器が検出する風速が所定の値未満である場合に、前記風車を上昇させるように前記昇降手段を制御する。これにより、本構成を有しない場合と比較して、より一層、効果的な発電と、強風による破損の防止とを両立することができる。 【考案の効果】 【0014】 本考案によれば、効果的な発電と、強風による破損の防止とを両立することができる風力発電装置を提供することができる。 【図面の簡単な説明】 【0015】 【図1】本考案の一実施形態が適用される風力発電装置の斜視図である。 【図2】本考案の一実施形態が適用される風力発電装置の概略図である。 【図3】本考案の一実施形態が適用される風力発電装置の骨組の概略図である。 【図4】本考案の一実施形態が適用される風力発電装置の側面側からの断面図である。 【図5】本考案の一実施形態に用いられる第1風車62及びその周辺構造の説明図である。図5(a)は、第1風車62及びその周辺構造の側面図であり、図5(b)は、第1風車62(及び第2風車66)の正面図である。 【図6】本考案の一実施形態に用いられる前端部64による風の変向を説明する説明図である。 【図7】本考案の一実施形態に用いられる第1集風盤14の正面図である。 【図8】本考案の一実施形態に用いられる羽根108の正面図である。 【図9】風速に応じた昇降第40による風胴体12の昇降動作を説明する図である。図9(a)は、風胴体12が最高の位置にある状態を示し、図9(b)は、風胴体12が下降途中の位置にある状態を示し、図9(c)は、風胴体が最低の位置にある状態を示す。 【図10】風速「v1」未満の場合の、本考案の一実施形態が適用される風力発電装置を説明する説明図である。 【図11】風速「v1」以上の場合の、本考案の一実施形態が適用される風力発電装置を説明する説明図である。 【図12】本考案の第2実施形態に用いられる第1風車62の説明図である。図12(a)は、第1風車62(及び第2風車66)の正面図であり、図12(b)は、風車羽根86と外輪130の連結部の側面図である。 【考案を実施するための形態】 【0016】 [第1実施形態] 本考案の実施形態について図面に基づいて説明する。 図1及び図2は、本考案の一実施形態である風力発電装置10の概略を示す。図1は、風力発電装置10の斜視図を示し、図2は風力発電装置10の概略図を示す。 【0017】 風力発電装置10は、風胴体12を有する。この風胴体12の前部には、第1集風盤14が配置されている。風胴体12の後部には、第2集風16が配置され、この第2集風盤16の前側に風取入口18が設けられている。風胴体12の最後部には、2枚の垂直尾翼20が設けられている。 【0018】 風胴体12の略中央には、第1の扉22が開閉自在に設けられている。風胴体12の内側には、風速を検出する風速検出器としての風速センサ24が設けられている。また、風胴体12内には中心軸26が配置されており、この中心軸26内に発電機30が設けられている。発電機30が風胴体12及び中心軸26の内部に設けられているため、発電機30からの音漏れが防止される。風胴体12及び中心軸26内を、例えば炭素繊維等で覆うことで、より音漏れが防止される。さらに、風胴体12と中心軸26の間を風が通過する構成となっているため、発電機30が効果的に冷却される。 中心軸26には第2の扉32が設けられており、第1の扉22及び第2の扉32を開くことで、中心軸26内の発電機30等の点検や修理時等を容易に行うことができる。 【0019】 風胴体12は、基台34に主軸36を介して水平方向で回転自在なように支持されている。基台34の材料には、例えば鉄等が用いられる。 基台34と主軸36との間には、軸受けとして永久磁石38が設けられており、この永久磁石38同士の反発により磁気浮上し、垂直尾翼20と相まって風胴体12、第1集風盤14及び第2集風盤16が容易に風向きに対向する構成となっている。永久磁石38により磁気浮上しているため、本構成を有さない場合と比較して、動作音を低減することができる。 【0020】 基台34は、昇降手段としての昇降機構40に支持されている。昇降機構40は、昇降部42と、制御部44とで構成されている。昇降部42は、伸縮する伸縮部46と、この伸縮部46を垂直姿勢(立位)から水平姿勢(水平位)の位置で調整する調整部48と、を有する。伸縮部46が垂直姿勢で伸びた状態のとき、風胴体12は最高の位置に設置され、伸縮部46が水平姿勢で縮んだ状態のとき、風胴体12は最低の位置に設置される。制御部44は、風速センサ26が検出する風速(検出値)を受け付け、この検出値に応じて、風胴体12の設置高さを調整するように昇降部42を制御する。 【0021】 また、蓄電手段としての蓄電池50が、外部の電気機構(非図示)とともに、発電機30と昇降機構40に電気的に接続されている。蓄電池50には発電機30で発電された電気が蓄電され、この蓄電池50に蓄電された電気の一部が昇降機構40に送電される。このように、昇降機構40は蓄電池50から電力を得て動作する構成となっている。 なお、昇降機構40を動作させるための蓄電池50を、外部の電気機構(非図示)に送電するためのものと別個設けるようにしてもよい。 【0022】 図3は風力発電装置10の骨組を示す。 図3に示すように、風胴体12の骨組は、胴枠52及び銅リング54より構成され、支持枠56によって支持されている。風胴体12、第1集風盤14及び第2集風盤16の表面及び枠組みの材料には、例えばアルミ合金、ジュラルミン合金、チタン合金、硬質プラスチックまたは強化炭素繊維等が用いられる。 【0023】 次に、中心軸26及びその周辺構造について説明する。 図4は、風力発電装置10の側面方向からの断面図を示す。 中心軸26の前部には、第1風車62が配置され、この第1風車62の前方には、前端部64が設けられている。中心軸26の後部には、第2風車66が配置されている。中心軸26内の略中央に設けられた発電機30には、自動変速機70が設けられている。 【0024】 自動変速機70は、例えば第1歯車72、第2歯車74、第3歯車76及び第4歯車78により構成されている。自動変速機70は、第1風車62(及び第2風車66)の回転数に応じて第1〜第4歯車72、74、76、78の歯車比を変更して、発電機30の回転速度を調整する。このように、自動変速機70を介して、発電機30が、第1風車62(及び第2風車66)に連結されている構成となっている。 【0025】 次に、第1風車62及びその周辺構造について説明する。 図5は、第1風車62及びその周辺構造を示す。図5(a)は、第1風車62及びその周辺構造の側面図を示し、図5(b)は、第1風車62の正面図を示す。また、図6は、前端部64によって変向される風の流れの概略を示す。 なお、第1風車62の前方に前端部64が設けられているという点を除いて、第2風車66は第1風車62と同様の構成となっている。 【0026】 前端部64は、例えば円錐状であり、この前端部64の円錐面には、円錐面に沿って斜めに形成された薄板状(衝立状)の風誘導筋80が設けられている。このように前端部64は、風誘導筋80に沿って風を後方に流すように構成されている。つまり、風誘導筋80は、前端部64が受けた風を、第1風車62の回転方向に角度をもつようにして第1風車62へ流れるように誘導する。このようにして変向された風は、第1風車62を通過し、この変向された風向きで第2風車66へ向かって風胴体12内を通り抜ける(図6参照)。 【0027】 第1風車62(及び第2風車66)は、制動盤82、軸受け84及び風車羽根86から構成され、自動変速機70の第1歯車72と連結している。第1風車62(及び第2風車66)は、制動盤82の略中心に設けられた軸受け84を介して、支持軸90に回転自在に支持されている。風車羽根86は制動盤82の周方向に例えば4枚設けられている。 【0028】 また、電動モータで駆動する規制部としての電動ブレーキ92が、制動盤82に対し、例えば支持軸90を挟んで対向する位置2か所に設けられている。電動ブレーキ92は、制動盤82を前後方向から抑え、第1風車62(及び第2風車66)の回転を制止する。このため、風力発電装置10の修理や点検等の際、第1風車62(及び第2風車66)の回転を規制することができる。 【0029】 また、電動ブレーキ92は、ブレーキが開放される方向(制動盤82から離れる方向)へ、例えばばね等の弾性部材(非図示)により付勢されている。これにより、風力発電装置10が発電する通常時において、電動ブレーキ92によって、第1風車62(及び第2風車66)の回転が阻害されるのを防止することができる。第1風車62(及び第2風車66)の回転を止めるときは、電動ブレーキ92の電気モータに対して、弾性部材の弾性力に抗するモータ回転トルクを発生するための電流を通電する。 【0030】 次に、第1集風盤14及び第2集風盤16の構成について説明する。第2集風盤16は、第1集風盤14と同様の構成となっているため、以下、第1集風盤14を代表例として説明する。 図7は、第1集風盤14の正面図を示し、図8は、第1集風盤14の羽根108の正面図を示す。 【0031】 図7、8に示すように、第1集風盤14は、円形の外枠100を有する。外枠100の内側には、12角からなる内枠102が設けられており、この内枠102の内側に、風胴枠104が配置されている。風胴枠104は、12本の軸枠106により、外枠100と連結されている。 【0032】 内枠102には、羽根108が周方向に12枚設けられており、この羽根108は取付部108aによって内枠102に回動可能に取り付けられている。取付部108aの両側にはスプリング110が設けられ、このスプリング110の一端110aは軸枠106に掛けられ、スプリング110の他端110bは羽根108の裏側に止められている。このため、羽根108は、通常は閉じた状態であり、所定の風速「v1」以上の風を受けると、スプリング110の付勢に抗して、羽根108が開かれた状態となる。所定の風速「v1」は、設計により適宜変更することができ、発電機30が最も効果的に発電する風速に合わせて設計する。 なお、第1集風盤14は上記構成に限られず、第1集風盤14の径の変更にともない、内枠102を16角、24角等とし、それに合わせて羽根108の枚数を適宜変更することができる。 【0033】 羽根108の軸枠106側及び風胴枠104側には、ゴムシート加工されたゴムシート部112が備えられている。ゴムシート部112は、羽根108が閉じている場合、軸枠106及び風胴枠104に密着している。また、羽根108の軸枠106側の一方(図7において右側)には、周方向で隣り合う一方の他の羽根108と重なり、風が漏れるのを防止する重なり部114が備えられている。なお、重なり部114は上記構成に限らず、羽根108の両方の軸枠106側に備えるようにすることもできる。 【0034】 次に、風力発電装置10の動作について説明する。 【0035】 まず、昇降機構40による風胴体12の昇降動作について説明する。図9は、風速に応じた昇降第40による風胴体12の昇降動作を説明する図である。 図9(a)に示すように、昇降機40の制御部44はまず、風胴体12に風を取り込み易くするために、風胴体12を最高の位置に上昇させるよう昇降部42を制御する。風速が増加し所定の風速「v1」以上になると、羽根108が開かれる。これにより風力発電装置10が受ける風力が緩和される。 【0036】 羽根108が開かれた状態で、さらに風速が増加し、風速センサ68の検出値が所定の値「v2(v2>v1)」以上になると、制御部44は、風速センサ68の検出値が所定の値「v2」未満となる位置(図9(b))まで風胴体12を下降させるよう昇降部42を制御する。なお、所定の値「v2」は、風力発電装置10の設置個所等に応じて適宜設定することができ、風力発電装置10が破損するおそれのある風速に合わせて設定する。 【0037】 風速が増加し、この下降された設置位置(図9(b))においても風速センサ68の検出値が所定の値「v2」以上になると、制御部44は、風速センサ68の検出値が所定の値「v2」未満となる位置(図9(c))までさらに風胴体12を下降させるよう昇降部42を制御する。 【0038】 一方、風速が減少し、所定時間以上、風速センサ68の検出値が所定の値「v1」未満になると、制御部44は、風胴体12を上昇させるよう昇降部42を制御する。 【0039】 このように、風力発電装置10は、羽根108と昇降機構40により風胴体12を通過する風の風速を調整することで、上記構成を有さない場合と比較して、風胴体12が風速「v1」以上「v2」未満の風を効率的に受け付けることができるので、効果的に発電するとともに、強風による破損を防止することができる。 【0040】 次いで、風速「v1」未満及び風速「v1」以上である場合の、風胴体12内を通過する風の動きについて説明する。 図10及び図11は、風力発電装置10の側面図であり、図10は、風速「v1」未満の場合を示し、図11は、風速「v1」以上の場合を示す。 【0041】 図10に示すように、風速が「v1」未満(微風120)である場合、羽根108は閉じた状態にある。この場合、第1集風盤14が受けた微風120は、風胴体12内へ導かれ、第1風車62を回転させる。第1風車62を通過した微風120は、風胴体12内を通り、第2風車66を回転させる。前端部64が受けた微風120は、風誘導筋80によって、第1風車62の回転方向に角度をもつようにして第1風車62を回転させ通過し、変向された風向きで風胴体12内を通り第2風車66を回転させる。 【0042】 また、第2集風盤16が受けた微風120は、風取入口18から風胴体12内に取り入れられ、第2風車66を回転させる。第2風車66を通過した微風120は、垂直尾翼20に向かう。このようにして回転した第1風車62及び第2風車66の回転力が、自動変速機70を介して発電機30に伝えられ、発電機30が発電する。微風120は、風胴体12内をこのように通過し、その勢いが増される。このため、微風であっても効果的に発電される。 【0043】 図11に示すように、風速が「v1」以上(強風120a)である場合、強風120aによって羽根108が開かれる。羽根108を開いた強風120aは風胴体12外を通過する。このようにして、所定の風力以上の風を風力発電装置10の後方へ逃がし、転倒等の風害を防止する。 【0044】 風胴体12内へ進入する強風120aは、第1風車62を回転させる。第1風車62を通過した強風120aは、風胴体12内を通り、第2風車66を回転させる。前端部64が受けた強風120aは、風誘導筋80によって、第1風車62の回転方向に角度をもつようにして第1風車62を回転させ通過し、変向された風向きで風胴体12内を通り第2風車66を回転させる。このようにして回転した第1風車62及び第2風車66の回転力が、自動変速機70を介して発電機30に伝えられ、発電機30が発電する。 【0045】 上記実施形態においては、昇降機構40は、蓄電池50から電力を得て動作する構成について説明したが、これに限らず、発電機30から直接電力を得て動作するようにしてもよい。 【0046】 制御部44は、所定時間以上、風速センサ68の検出値が所定の値「v2」(上記実施形態では「v1」)未満となった場合に、風胴体12を上昇させるよう昇降部42を制御するようにしてもよい。 【0047】 風速が著しく速く、風胴体12が最低の位置まで下降した場合は、例えば四方を囲むケース等に収容されるようにして、風力発電装置10を風から防ぐ構成としてもよい。 【0048】 風力発電装置10は、小型であるため、風を多く受ける漁船、客船または軍艦等の船舶、あるいは、ビル等の建物の屋上等に設置できるものである。 【0049】 風力発電装置10は、発電機30により発電した電気を、深夜や早朝など、電気の使用の少ない時間帯に蓄電池50に蓄電しておくようにし、これを昇降機構40による風胴体12の昇降に使用するようにすると効果的である。 【0050】 [第2実施形態] 次に、本考案の第2実施形態について説明する。図12は、第2実施形態に用いられる第1風車62を示す。図10(a)は、第1風車62の正面図を示し、図10(b)は、風車羽根86と外輪130との結合部分の側面図を示す。なお、第2風車66は、第1風車62と同様の構成となっているため、以下、第1風車62を代表例として説明する。 【0051】 本実施形態では、制動盤82の外周に外輪130が配置されており、この外輪130には、風車羽根86の差し込み部86aを差し込む隙間としての差し込み穴130aが設けられている。風車羽根86の差し込み部86aには、風車羽根86の前後方向に貫通する風車羽根ねじ穴86bが設けられている。また、外輪130の差し込み穴130aには、外輪130の前後方向に貫通する外輪ねじ穴130bが設けられている。風車羽根ねじ穴86b及び外輪ねじ穴130bは、差し込み部86aを差し込み穴130aに差し込んだときに一直線に連通し、ねじ132によって固定されるように構成されている。 【0052】 このように、ねじ132を装脱着することで、制動盤82(外輪130)に対し風車羽根86の取付け及び取外しが自在な構成となっている。なお、ねじ132の他に閂等を用いて固定することもできる。 【符号の説明】 【0053】 10 風力発電装置 12 風胴体 14 第1の集風盤 16 第2の集風盤 18 風取入口 20 垂直尾翼 24 風速センサ 26 中心軸 30 発電機 34 基台 40 昇降機構 42 昇降部 44 制御部 50 蓄電池 62 第1の風車 64 前端部 66 第2の風車 70 自動変速機 80 風誘導筋 86 風車羽根 92 電動ブレーキ 100 外枠 102 内枠 104 風胴枠 106 軸枠 108 羽根 120 微風 120a 強風 |
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【図1】 |
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【図2】 |
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【図3】 |
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【図4】 |
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【図5】 |
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【図6】 |
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【図7】 |
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【図8】 |
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【図9】 |
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【図10】 |
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【図11】 |
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【図12】 |
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