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【発明の名称】動画情報送信システム
【出願人】
【識別番号】503166713
【氏名又は名称】関口 博司
【住所又は居所】東京都中野区松が丘二丁目28番1号
【発明者】
【氏名】関口 博司
【住所又は居所】東京都中野区松が丘二丁目28番1号
【要約】
【課題】 コンピュータのスクリーンに映っている相手の顔を見ながらはなすビデオ・チャットなどで、カメラの位置の問題から受信側のコンピュータのスクリーンに映る相手の視線がディスプレーの前でスクリーンを見ている人の顔の方に向かない不自然さが在る。
【解決手段】 スクリーンの前に居る人を撮影するカメラとして少なくとも二台のカメラをスクリーンに隣接して設置し、当該複数のカメラで得られた複数の動画情報をコンピュータ内の画像処理プログラムが処理することでカメラの間の予め決められた位置(通常スクリーンの中央付近)に仮想的にカメラを存在させ且つあたかもその仮想カメラが撮影したかのような動画情報を生成し相手側に送信する。それにより受信側のスクリーンに映っている人の視線がディスプレーの前でスクリーン上の相手の顔を見ている人の顔に向き、視線が相手の顔に向かない不自然さが無くなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータのディスプレー・スクリーンに隣接して設置されたカメラで当該スクリーンの前方を撮影した動画情報を送信する動画情報送信システムにおいて、当該カメラとして少なくとも二台のカメラを当該スクリーンの前方向を撮影するように設置し、コンピュータ内の画像処理プログラムが当該複数のカメラで得られた複数の動画情報を合成および処理することで、当該複数のカメラの間の予め決められた位置に当該複数のカメラと同方向に向いた1台の仮想カメラを仮想的に存在させ且つ前記複数の動画情報からあたかも当該仮想カメラが撮影したような動画情報を合成および処理して生成し、生成された動画情報を送信することを特徴とする動画情報送信システム。
【請求項2】
コンピュータのディスプレー・スクリーンに隣接する左および右の位置にそれぞれ一台のカメラを設置し、仮想的に存在する仮想カメラの位置として当該二台のカメラを含む平面内において当該二台のカメラから等距離にある中間点とすることを特徴とする請求項1の動画情報送信システム。
【請求項3】
コンピュータのディスプレー・スクリーンに隣接する上および下の位置にそれぞれ一台のカメラを設置し、仮想的に存在する仮想カメラの位置として当該二台のカメラを含む平面内において当該二台のカメラから等距離にある中間点とすることを特徴とする請求項1の動画情報送信システム。
【請求項4】
複数のカメラで得られた複数の動画情報から、あたかも当該複数のカメラの間の予め決められた位置に仮想的に置かれた1台の仮想カメラから撮影された動画情報を合成および処理するアルゴリズムとして、二次元動画輪郭抽出法、二次元動画重畳法および二次元動画補間法を用いることを特徴とする請求項1乃至請求項3の動画情報送信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータとカメラおよびマイクロフォンを結び付けたシステムを用いてインターネットなどの通信手段を介して、送信側と同様なシステムを持つ受信側の相手と互いに相手方の上半身と顔をコンピュータのディスプレー・スクリーンに映し、相手の顔や姿を見ながらビデオ・チャットやオンライン会議をする為の動画情報送信システムに関する。尚、本発明で扱うコンピュータのディスプレー・スクリーンは、以後単にスクリーンと記す。
【背景技術】
【0002】
本発明で使われる技術は、既に広く普及しているビデオ・チャットやオンライン会議(テレビ会議或いはWeb会議とも呼ばれている)いわゆる遠隔地に居る相手と相手の顔をスクリーンに映して、音声のみならず、相手の顔を見ながら会話ができるシステムに使われている技術に属する。本発明はその技術に画期的な機能を付加する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特開2019−149661
【特許文献2】 特開2020−53741
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】情報処理学会第76回全国大会・4ZB−3・青山学院大学・小林竜司他・アバターを介したビデオチャットにおける視線利用の効果
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
大きな自然災害や感染症の広がりなどの環境の変化が在ったことで、仕事はオフィスに行ってからするものという従来の概念が崩れつつあり、自宅で仕事をする頻度が高まっている。そして、他の人と話す必要のある場合、従来は電話が主流であったが、話し相手の顔を見ながら話せるインターネットを介してのいわゆるビデオ・チャットやオンライン会議に参加する頻度が高まっている。以後それら同類のものを総称してビデオ・チャットという。ビデオ・チャットをサポートするソフトウエアが多数市場に出ていて、便利になっている。
【0006】
ビデオ・チャットでは、通常カメラ付きのノート・パソコンや、別売のカメラをディスプレーの上に取り付けたものを使う。カメラでパソコンの操作者の上半身と顔をとらえ、マイクロフォンでとらえた音声と同時に相手に送信する仕組みになっている。
【0007】
そして、受信側のスクリーンには、送信側の操作者の上半身と顔が映っているので、受信側の人は、スクリーンの中の送信側の人の顔を見ながら、或いは、スクリーンに映った資料を見ながら話すことができる。双方で同じようにできる。
【0008】
その時、スクリーンに映っている相手の顔は、特に目は、受信側の人の顔を見ているようには映っていない。何故なら、カメラがスクリーンの上方に在る為、顔を上方から撮影しているからである。その為、スクリーンに映った相手の目は真っ直ぐ前を見ている状態ではなく、視線が下方を向いている不自然な状態になってしまう。この点については、非特許文献1でも、ビデオチャットでは会話相手との視線が合わずリアリティのある会話が行えないと書いている。非特許文献1では、その解決方法として、実際の人の顔や姿ではなく画面上にアバターを生成して解決しようとしている。アバターの方がリアリティが無いのに。こと程さように、ビデオチャットにおける視線が向く方向の問題は今まで解決できていない。
【0009】
スクリーンが小さい場合、例えばスマートフォンなどでは、スクリーンに映っている相手の顔とカメラの距離が近いので、この不自然さは軽減されるが、スクリーンが大きいほどカメラの位置がスクリーンの中心から遠のくので、不自然さが目立つことになる。12インチ型程度のスクリーンを有するノート・パソコンでも、かなり目立ってくる。
【0010】
対話では、相手の顔、特に目を見ながら話すのがエチケットとされている。ところが、スクリーンに映っている相手の目は、スクリーンを見ている人の顔を見ずに、下ばかり見て話している不自然さが最初から最後まで続くことになる。そこで、本発明が解決しようとしている課題は、この不自然さを解消し、リアリティのある会話を行えるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
ビデオチャットに関する技術は、例えば特許文献1、2など多数あるが、これらの中ではこの不自然さに言及していない。この不自然さが生じるのは、カメラがスクリーンの上に在るからである。由って、この不自然さを解消するには、カメラをスクリーンの前に、しかもスクリーンに映っている相手の目のあたりに置けば解消する。しかし、それではカメラが邪魔してスクリーンに映っている映像を見られなくなってしまう。つまり、カメラをスクリーンの前に置くのは不可能である。
【0012】
そこで、本発明では、カメラを少なくとも二台使ってこの不自然さを解消する。ここでは、二台使う場合で説明する。即ち、スクリーンの左右の外側にスクリーンに隣接して、且つスクリーンの中央の高さより若干上の高さの位置に設置する。この高さにするのは、
スクリーンに映っている相手の目の位置に近いからである。そして、二台のカメラからの二種の動画情報を画像処理プログラムで処理することで、あたかも二台のカメラの中間の位置にカメラがあって、その仮想的に存在する仮想カメラが撮影したような一つの動画情報を生成し、受信側に送出する。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、送信側のコンピュータの操作者がスクリーンに映っている相手の顔を見て話すと、スクリーンに映っている相手の目のあたりに仮想カメラが在るので、その仮想カメラから撮られた動画が相手側に届く。すると、受信側のスクリーンに映る顔の視線は下方に向かず、スクリーンの前に居る人の方向に向き、スクリーンを見ている人の顔を見て話しているように映る。つまり、リアリティのある会話が成立し、前記の不自然が解消する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明をデスクトップ型パソコンに適用した図
【図2】本発明をノート・パソコンに適用した図
【図3】本発明を実施するブロック・ダイアグラム
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明を実施する為にコンピュータやディスプレーのほかに必要なものは、ハードウェアとしては出力信号をコンピュータに取り込める二台のデジタル・カメラである。それと二台のカメラからの二種の動画情報を処理する画像処理プロブラムである。カメラの台数は二台とは限らず二台以上なら何台でも良いが、ここでは二台の場合について説明する。
【実施例】
【0016】
図1が本発明の技術を適用したデスク・トップ型パソコンの図である。1がコンピュータ本体、2がスクリーン、3がキーボートで、この三点は普通のパソコンと変わりがない。4が左側カメラで5が右側カメラである。今までスクリーンの上についていたカメラと同類のものである。そして、6は実際には存在しないが、画像処理プログラムにより合成生成され、仮想的に存在する仮想カメラである。
【0017】
図2は、ノート型パソコンに適用した図である。図1でいうコンピュータ本体1はキーボートの下とか、スクリーンの後ろ側にある。役目としては図1と同じである。
【0018】
図3は、コンピュータ内で左側カメラ4、右側カメラ5からの動画情報を処理するブロック図である。左側カメラ4、右側カメラ5からの二種の信号は、ハードウェアのカメラ制御部7、8でプログラムに取り込めるデジタル情報に変換して、プログラム部9に取り込まれる。そして、プログラム部9の中の画像処理プログラム10が、二種の動画情報を二次元動画輪郭抽出法、二次元動画重ね合わせ法および二次元動画補間法などを用いて合成および処理し、あたかも左側カメラ4と右側カメラ5の中間にある仮想カメラ6が撮影したような動画情報を生成して、動画伝送部11に渡し、そこから外に送り出す。
【産業上の利用可能性】
【0019】
通常、人と人との対話は、相手の顔とくに目を見ながら話すのがエチケットとされているが、今までのビデオ・チャットでは、スクリーンに映っている人の顔は下を見ていて、スクリーンの前に居る人の顔を見ているように映らず、リアリティのある会話が成立しにくかった。皆がスクリーンに映っている顔だから仕方がないと諦めている。
【0020】
本発明の技術を導入することで、受信側のスクリーンに映っている相手の視線が下方に向かず、スクリーンの前に居る人の顔の方向に向くので、不自然さの無いリアリティのあ
る会話が成立する。それにより、これから益々広まるであろう産業界でのオンライン会議において、良好なコミュニケーションが成立するように利用可能である。
【符号の説明】
【0021】
1…コンピュータ本体
2…コンピュータのディスプレー・スクリーン
3…コンピュータのキーボード
4…左側カメラ
5…右側カメラ
6…仮想カメラ
7…左カメラの制御部
8…右カメラの制御部
9…コンピュータ内のプログラム部
10…プログラム部内の画像処理部
11…プログラム部内の動画伝送部


 人と話す時は、相手の顔(目)を見て話すのがエチケットです。しかし、オンライン会議やビデオ・チャットでは、お互いにディスプレーに映っている相手の顔を見ていても、相手方のディスプレーに映っている顔(特に目)は真っ直ぐ前を見ずに、下を向いている状態になってしまいます。そうなる理由は、カメラがディスプレーの上側に付いていて、上から撮っているからです。この不自然さはディスプレーが大きいほど、カメラの位置が画面の中央から離れてしまう為、顕著になります。本発明はこの不自然さを解消するものです。
 今は「この不自然さは仕方がない」と皆諦めていますが、ディスプレーの中の相手の顔(目)が真っ直ぐこちら(前)を見ているように映った方が良いに決まっていますから、これが市場に出れば、良さに気づき、徐々に普及するのは間違いないでしょう。でも、世の中で初めての物は(万物に共通の事ですが)始めのうちは宣伝と啓蒙が必要です。
 これを実現する為の部品はカメラ1台の追加とインターフェース部だけで、あとはプログラムで実現することですから僅かなコストです。パソコンのメーカ及び大型ディスプレーのメーカに提案したいです。
It is always the best manner to see our faces or eyes while talking with people, however, in video calls online, even if we see each other on display, it does not mean seeing our faces or eyes straight towards each other since our eye sight tend to be directed downwards. The reason of this is because the camera on most of PCs is placed above its display. This weirdness would be remarkable as the display becomes bigger since the position of camera gets further away from the center of its display.
Now we just compromise that this weirdness can not be helped, but we all know that our faces or eyes on display always look best if its direction was straight forwards to each other, so if our invention shows up in a market, people would notice about the goodness of its product and it is certain that this product will be popular and used by many people, however, the first thing in the world always requires being advertised and enlightened in its first phase.
In order to actualize this, what only needs for it would be just one additional camera and interface part and some simple programming which requires a few costs. I would like to suggest this to companies which manufacture PC or wide displays.
【図1】
図1 
【図2】
図2 
【図3】
図3 
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